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初潮①
しおりを挟むそれから、1ヶ月後。
肺炎になって続いてた微熱と咳は治って、喘息の症状もだいぶ良くなった。
ただ、血液検査で貧血の数値がまだ改善されてないみたいで、家には帰れず。
貧血も治ってきたら退院しようということになった。
そんなある日、今朝は起きてからなんとなく身体がだるい感じがして、頭もズキズキする。
朝の回診でもちろん五条先生にバレたけど、熱はなくて胸の音も悪くない。
しっかり水分をとって、今日はベッドでゆっくりしてようということになった。
それから、なんだかやたらと眠たくて……
午前中は頑張って起きてたけど、午後になって我慢しきれず少しだけお昼寝をした。
***
……ん?
なんかお腹痛いな……
お昼寝から1時間くらい経った時、お腹の痛みで目が覚めた。
トイレに行く感じの痛みではなかったけど、とりあえずトイレに行ってみる。
なんかフラつくな~……
と思いつつ、ズボンとパンツを下ろしトイレに座ると、
なに……これ……
パンツが赤黒い血で染まってた。
ち、血……?
なんでパンツに血がついてるの……?
突然のことにわたしは1人パニック状態。
どうしよう……
と、とりあえず、まこちゃん呼んだほうがいいかな……?
でも、こんな血なんて怖すぎる。
絶対どこか悪いのに、またなんか病気だったら……
お尻を拭くとトイレットペーパーにも血がついてきた。
なんで……
血を見てたせいか、だんだん気持ち悪くもなってきて、とりあえずベッドに戻ろうと急いでトイレを済ませて病室に戻った。
そして、すぐにパンツを履き替えようと思ったけど、お腹の痛みが強くなって身体もフラフラする。
これはやばいかも……
と思い横になってみるけど、しばらくしても痛みは引くどころか強くなるばかり。
腰も頭もどんどん痛くなってくる。
ゔっ……い"ったい…………
冷や汗がダラダラ出てきて、動悸もするし吐き気もしてくるし、頭から血の気が引いていく感じもする。
ナースコールをしないとまずいと思うけど、恐怖心が勝ってできない。
ひな「ハァハァ……っく……ハァハァ、痛ぃっ…………」
とにかく必死に耐えてると、いつの間にか気を失ってしまった。
***
*五条side
コンコンコン——
五条「ひな~」
少し時間ができたので、今朝しんどそうにしてたし様子を見ておこうとひなの病室に来た。
寝てるのか反応がなくてベッドに近づいてみると、
ひな「……ハァッ……ハァッ……」
目を閉じてるが、呼吸が浅くて変な汗をかいてる。
五条「ひな!?どうした!?」
布団を捲ると、ひなはお腹を押さえて身体を丸め、ズボンとベッドには血がついていた。
五条「ひな!ひな!!」
頬を叩いて声をかけると、すぐに目を開いてくれたが……
ひな「ゔゔっ……い"っ……ゔっ……ハァハァ……」
突然痛みに苦しみ出して、声も絞り出すようにしか出てない。
五条「お腹痛い?いつから痛かったんだ?」
ひなはコクッと頷くので精一杯の様子。
出血もあるのですぐに検査しないといけない。
こういう時はなんでもできる宇髄先生にと連絡したら、すぐに来てくれた。
宇髄「五条、どうした!?」
五条「腹部の痛みを訴えていて出血が……」
宇髄「ちょっと診よう。ひなちゃーん?ごめんなー、ちょっとお腹触らせてな」
宇髄先生はひなの手を退けて、お腹を軽く押していく。
ひな「ゔゔっ……ハァハァ……ゔっ、痛……ゔぅ……」
宇髄「……五条、ひなちゃん生理まだだったよな?」
……まだだ。
そういえば、ひなはまだ初潮が来てない……。
五条「まだです。もしかして……」
宇髄「恐らく。婦人科に連絡入れてくれるか?俺が行くって伝えて、処置室確保してもらってくれ」
五条「わかりました」
と、その場で婦人科へ連絡を入れ、すぐに婦人科の処置室へひなを運び込んだ。
診察台にひなを乗せ、宇髄先生が準備をしてくれてると、産婦人科医局長の蓮先生も来てくれた。
五条「蓮先生……っ」
蓮「五条先生、久しぶり。ナースからひなちゃん来るって聞いてね」
ひなが産まれる時、お産を担当したのは蓮先生らしい。
助産師もいたが、蓮先生が直々にひなのことを取り上げたと、ひながノワールへ来た頃に聞いた。
蓮「ひなのちゃんお腹痛いね。宇髄先生に診てもらうからもう少し頑張ろうね。お目目開けて深呼吸しててごらん」
蓮先生に声をかけられてうっすらと目を開けたひなは、誰?というように少し怯えた目をしてる。
五条「ひな大丈夫だぞ。小野寺蓮先生。産婦人科のお医者さんだからな」
怪しい人ではないと思ったのか納得したように頷いた。
宇髄「よし、ひなちゃんちょっと診てみような」
と、宇髄先生が優しく声をかけ、ひなのズボンをずらした時……
ひな「嫌ぁぁあ!!!」
ひなが突然暴れ始めた。
五条「ひな!どうした落ち着け!」
蓮「ひなのちゃ~ん。怖かったかな~?ベッドから落っこちちゃうから一旦落ち着くよ~」
3人がかりで押さえようとするが、ひなの抵抗の仕方は尋常じゃない。
ひな「ヤメ……ハァハァ、オネガィ……ヤメ、ハァハァ、テ……」
ひなは怯えきってる様子で、やめてと訴える声も恐怖でほとんど出ていない。
蓮「五条先生、ひなちゃん過去に何かあった?強姦されたとか……」
五条「いえ……そういった話は聞いたことありません」
蓮「怯え方が尋常じゃない。りさにも一度こんなことがあったんだ……。宇髄先生、鎮静剤用意して」
宇髄「わかりました」
結局、ひなが暴れてしまって体力も持たなくなりそうということで、軽い鎮静剤をひなに打った。
数分で薬が効いてくると、ひなはぼーっとし始める。
五条「ひな?わかるか?」
ひな「コクッ……」
蓮「ひなのちゃん、少しぼーっとしてきたね。これからちょっとだけ検査するからね。怖くないから、リラックスしてていいよ。眠くなってきたら寝ちゃっていいからね」
ひな「コクッ……」
ぼーっとしてるひなは素直に頷いて、蓮先生に頭を撫でてもらうと、そのままウトウトと目を閉じた。
蓮「宇髄先生、今のうちにいける?」
宇髄「はい」
宇髄先生がひなのズボンとパンツを脱がす。
宇髄「大丈夫そうですね。このままやります」
そう言うと、フラットだったベッドの脚の部分を曲げてひなの脚を開かせ、宇髄先生はひなの膣を洗浄し診察を始めた。
宇髄「……五条、ひなちゃん…………」
突然、宇髄先生が静かにそう言った。
でもそれだけで、何を言わんとしてるのか、どういうことなのかわかった。
五条「宇髄先生、本当ですか……?」
宇髄「あぁ……ただ……蓮先生、ちょっと見てもらっていいですか?」
と、蓮先生もひなの脚元に移動して確認する。
蓮「うーん、確かに裂けた後はあるけどこれは……。五条先生、先生も見ておく?婦人科の経験はそんなにないでしょ」
婦人科は研修でしか経験がないから確かに勉強しておきたい。
それに、何といってもひなの身体を知っておきたい。
俺も脚元に移って見てみると、ひなの処女膜は裂傷した痕があった。
ただ、その割には穴が小さいし、例に見ないような形をしていた。
蓮「宇髄先生、指入りそう?試してみて」
宇髄「はい」
と、宇髄先生が指を入れて内診する。
宇髄「入りますけどかなりきついですね。無理に入れるのは可哀想です。あと、あまり伸びません」
蓮「となると……恐らくだけど、ひなのちゃんは処女膜閉鎖症だったんだと思う。そこに、無理矢理入れられて破れて穴ができたんだ。だから、裂傷の仕方がいびつで穴も小さいんだね。この傷痕は、本来なら裂けた時に縫合もきちんとしておかなきゃいけないレベル。相当痛い思いしたんじゃないかな」
五条「そんな……」
きっと、ひなもわけがわからずアイツに襲われたんだ。
何をされてるかもわからないまま。
どんなに怖くて痛かったことか……
こんなところにまでアイツの傷が残って……
蓮「本来なら手術して切開するところを、無理矢理押し込まれて破られたんだ。この変に残った処女膜が、今後生理の経血で炎症を起こす可能性は十分に考えられる。それと、もしかしたら強靭症もあるかもしれないね。でもそれは、ひなちゃんの場合もう少し大きくなってから、必要であれば検査して治療したらいいと思うよ」
五条「わかりました……」
宇髄「エコーは、可哀想なのでお腹からしましょうか。できたら肛門から診ておきたいですが……五条はどっちがいい?」
五条「寝ているうちに、下から診てあげてください。起きているうちはできないと思うので。よろしくお願いします」
蓮「そうだね。それがいいと思うよ。終わったら血液検査もしておくようにね」
「「はい」」
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