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あの日の約束
しおりを挟む~小児科医局~
ひなのの処置が終わり、時刻は深夜0時を回っている。
宇髄、工藤、藤堂、神崎、そして、五条。
医局には黒柱が集結していた。
五条「申し訳ありませんでした。俺のせいです」
宇髄「お前は悪くない。誰がそばにいても、ひなちゃんはこうなってた」
神崎「それにしてもひなちゃん、一体どこからあんなエネルギーが湧いてたんだろ?」
工藤「ひなちゃんは"生きようとしてた"って言ってたから、これまで幾度となく極限状態にいても、なにか生きる糧があって乗り越えてきたんじゃないか?」
藤堂「そういえば、悠仁さっき、"生きようとしてた答えはもう目の前にある"とか言ってたよね?あれ、どういうこと?」
五条「……いや、俺はそんなこと言ってないです……」
宇髄「いや、それはなしだろ。話せよ」
五条「恥ずかしいのでなかったことに……」
工藤「いや、もうこの流れで聞かずに終わるとかないからな」
五条「……ひなと、別れる時に約束したんです。別れ際、ひなは泣きながら必死で俺にしがみついてました。今思えば、その時からひなは残酷な未来を予知してたのかもしれません。でももう引き渡さないといけないのに、二進も三進も行かないので、ほんの少し時間をもらってひなに話したんです。
"いつか必ずまた会えるから、悲しくてもつらくても生きてて"
って。
"ひなのかわいい顔をもう汚さないで"
って。
さっきのひなの話を聞いて、それを、心のどこかで覚えてたのかなって思って……。まぁ、そんなこと覚えてないと思うので、俺の思い違いです」
工藤「そんなことないと思うぞ。ひなちゃんって、身体はぼろぼろなのに顔は傷がなくて綺麗だなって思ってたんだよ。それって、五条先生の言葉を覚えてたからじゃないか?」
五条「いや、あれは泣きじゃくってたんで涙で汚すなって意味で……」
神崎「そんなの、4才の子にちゃんと通じてたかわからなくない?さっきの言葉そのまま言ったなら、ひなちゃんは顔を汚さないようにって守ってたんじゃないの?」
宇髄「きっとそうだろな。小さい頃の印象深いできごとは、例え胎内の記憶でもどこかに必ず残ってるもんだ。ひなちゃんの生きる原動力は五条だったはず。あの子の核の部分にはちゃんと記憶があるんだ」
藤堂「何かのきっかけで悠仁のこと思い出すかもしれないし、これからも、ゆっくりと彼女のペースに合わせて支えていきましょう」
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