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キスマーク
ep.2 ひなのside
しおりを挟む午後8時。
そろそろお風呂に入ろうかなと、バスルームへ。
まずは洗面台でメイクを落とし、上から順に服を脱ぐ。
丸裸になったところで、ポニーテールに結った髪をスルスル解き、クシュッと縮まったシュシュを丁寧に広げた。
これは、濡れないようにしないとっ。
五条先生に買ってもらった大切なシュシュ。
ずっと付けていたいけど、ひとまず洗面台に置いておき。
代わりに、お風呂用のヘアクリップで無造作なお団子にまとめ上げる。
うん、OK!
お風呂に入る準備は、これでバッチリ。
さぁ、入ろう! と、浴室のドアに手をかけた。
その時——
五条「おい! ひな!」
ひな「うわぁぁあ!」
いつの間に帰って来たのか、いや、今帰って来たところであろう五条先生が、ノックもせずに入って来た。
ひな「な、な、な、なんですか……っ!!」
絶賛素っ裸なわたしは、胸を両手で隠ししゃがみ込む。
……が、五条先生はお構いなしにわたしへ近づき、
ひな「ひゃぁ……っ!」
肩を掴んで立たせると、
五条「…………」
上から下へ、下から上へ。
わたしの身体を凝視して、
五条「はぁ……」
深いため息をついた。
五条「風呂入るぞ」
ひな「……え?」
五条「風呂。今入るところだったんだろ? 俺も入るから。ほら、先入れ」
ひな「え……??」
五条「聞こえてないのか? 入る前からのぼせてんのか?」
いや、めちゃくちゃ聞こえているのだけど……。
人がお風呂に入ろうところ、ノックもせずに乗り込んで来て、ジロジロと身体を見てはため息をつき、一緒にお風呂へ入るだなんて。
理解が追いつかないんです……っ!!
ひな「いや、あの、えっと……」
五条「はぁ、もう。ちょっと待ってろ」
言って、五条先生は5秒で服を脱ぎ、
五条「こうして欲しかったのか?」
ひな「ふぇっ!? ひゃあっ!」
お姫様抱っこで、浴室に連れ込まれた。
ひな「あ、あああ……っ、あの……っ……」
五条「ん?」
ド、ドキッ……!
湯船の中、五条先生が胸元をまじまじと見つめてくる。
五条先生、ど、どうしたんだろう……。
そんな真剣な顔で、は、恥ずかしい……って、なんかちょっと怒ってる……? いや、不機嫌なのかな……?
わたし、何かしたっけ……?
読めない表情の五条先生を見つめ、ドキドキしつつ、困惑しつつ。
帰って、いきなり一緒にお風呂って……
ん?
まさか……五条先生、そ、そういうこと……?
もしかして、仕事中ずっと、帰ったらわたしと……って考えてたとか?
……っ、///
や、やだっ!!
五条先生、え、エッチ……っ!!
ああかこうかと、思ったりしていると、
五条「どうして痣のこと言わなかった?」
ひな「へっ?」
急に目を合わせて、五条先生が言った。
あっ、そうだった……わたし、あざ…………。
ひな「あっ……これは、だ、大丈夫です」
見られたら面倒だなと、黙っておいたあざのこと。
しまった……と思い、
ひな「なんか、気づいたらできてたんですけど、別に痛いとかはなくて」
五条「何もなくてこんな痣なるか?」
ひな「た、たまにあるじゃないですか。どこにもぶつけてないのに、あざができること……」
五条「だからって、こんなところにいくつも出来るか普通」
ひな「……た、確かに」
何でもないアピールをするも、畳み掛けるように詰められる。
そして、
ひな「で、でも! 今日、藤堂先生にちゃんと見せましたけど、すぐ消えるから心配いらないって」
言うと、五条先生は一瞬にして顔を曇らせ、
五条「馬鹿か」
ひな「え?」
五条「なに藤堂先生に見せてんだ」
ひな「え? だっ、だって……身体に異変があればちゃんと言いなさいって、いつも先生たち、んぅっ……!」
突然、胸の辺りにキスをされた。
わ、わわわぁっ!
ひな「ごご、五条先生っ!! きゅ、急に……っ///」
五条「見ろこれ」
ひな「え?」
言われて、胸元に目を落とすけれど、
ひな「……ど、どれ?」
目いっぱい顎を引いても、五条先生の視線の先が自分からは見えず。
すると、
五条「はぁ……」
五条先生がまたため息をつき、
ひな「んっ……」
今度は二の腕の内側にキスをして、
五条「ほら」
と、わたしに見せてきた。
う、うわっ……!
二の腕にできた、くっきりと赤い、小さなあざ。
さっきまで何もなかったのに、これは一体……
ひな「な、なにこれ……っ」
五条「キスマーク」
ひな「えっ?」
五条「だから、キスマーク」
ひな「キ、キ、キスマ……」
五条「胸の痣も全部そうだ。こうして吸い付くと付く」
ひな「んっ……」
言うと、五条先生はまた二の腕にキスをして、赤い印が2つになった。
ひな「これが、キス、マーク……」
五条「キスマークも知らなかったのか……」
ひな「いえ、知らなかったことはないんですけど……」
もちろん、わたしもキスマークは知っている。
けれど、初めて見るキスマークというのが、その……
ひな「なんか、違う」
五条「は?」
ひな「いや、思ってたキスマークと違うなって……キスマークって、もっとこう、男の人のシャツに付くような、唇の形をした、口紅の跡というか……」
五条「はぁ? いつの時代のドラマの見過ぎだ……キスマークってこれのこと言うんだぞ。肌を吸って、内出血させたのがキスマーク」
ひな「えっ……そ、そうなんですか……?」
五条「よく知ってるって言ったな」
ひな「わたしの知ってるキスマークと違ったんです……」
五条「ちなみに、正式名称は吸引性皮下出血」
ひな「え! 医、医学名があるんですか……!?」
五条「ある」
ひな「し、知りませんでした……」
五条「だろうな」
ひな「うぅ……」
と、五条先生にキスマークを教わったところで、
ひな「あぁっ!!」
五条「なんだっ!」
わたしはとんでもないことに気がついてしまった。
ひな「わたし、藤堂先生にキスマーク見られたんですか!?」
五条「あぁ……!?」
目を見開くわたし。
五条先生は、呆れてものも言えないような顔。
五条「何を今頃言ってるんだ……だから馬鹿かって言ったんだ」
ひな「と、藤堂先生って、キスマークのことは……ご存じ……?」
五条「当たり前だろ!!」
ひな「うっ……で、ですよね……」
となると、藤堂先生が『五条先生とエッチしたでしょ?』って言ってきたのは、きっと、わたしのあざがキスマークだとわかっていたから……。
それを、あざだと思って、見せびらかしていたなんて。
ひな「も、もう! 五条先生のバカっ……! は、恥ずかしいじゃないですか……っ!」
途端に恥ずかしさが込み上げて、居た堪れない気持ちになり、とりあえず五条先生に八つ当たる。
五条「んあぁ!? こっちの台詞だ!」
当然、五条先生にも言い返され、
ひな「なんで教えてくれなかったんですか!」
五条「キスマークくらいわかると思うだろ!! なんで知らないんだ!! それに、ここまで痕が残ってるとも思ってなかったしだな……っ。先生達にはあれこれ聞かれるし、ったく……」
ひな「わかんないですよ!! そもそも、聴診されたら見せようとしなくても見られるし! 今日健診あるの——」
湯船の中、素っ裸なことも放念して、言い合いをしていると、
ひな「健診あるのわかってたんだから、最初からキスマークなんて付けないでくださ、んぅっ……!!」
五条先生に唇を塞がれた。
五条「ひな、うるさい。ちょっと黙れ」
えっ……
唇を離した五条先生の顔が、お色気ムンムン。
ひな「ご、五条せん……っ、ぁ、んんっ……」
実は、二重人格なのか。
数秒前とは打って変わり、完全にスイッチが入っていらっしゃる五条先生は、
ちゅっ……ちゅぅ……
と、水音の混じったリップ音を響かせながら、首から胸へ唇を這わす。
ひな「ご、五条先生、待っ……んっ、急に……」
胸板を押して身体を捩っても、五条先生はびくともせず余裕たっぷりで、
五条「ん? ひな、なーんにも知らないから。ちょっと、お勉強しないと」
ひな「お、勉強……? そんなのしなくて大丈……」
五条「何が大丈夫なんだ? お勉強してないからキスマークも知らなかったんだ。俺が付けたキスマーク、他の男に見せびらかして……本当は、ひなにお仕置きしたいんだけど?」
耳元でそう囁くと、
ひな「お、お仕置き……」
五条「そう、お仕置き。ひなのこと、ちゃんと調教しないと……な?」
ひな「んぁっ……!!」
湯船の底、五条先生の指がわたしの中に入ってきた。
ひな「んっ……ん、あっ……んんっ、んぁ……っ」
五条「ひな、ここいつから濡らしてた? ちょっとキスしただけで、俺の指スッと飲み込んだけど?」
言いながら、首や背中にキスをしながら、五条先生はわたしの中を刺激する。
ひな「んっ……や、やだ……っ」
五条「嫌じゃないだろ? ほら、ひなのここ気持ちいいって言ってるぞ。この気持ちいいところ、なんて言うんだった……?」
ひな「……っ、んんっ……」
意地悪に囁く五条先生。
旅行の夜に教えてもらった、あそこの呼び名。
答えはわかるけど、恥ずかしくて言えるわけがない。
俯いて、首をフリフリ横に振ると、
五条「なに、もう忘れたか? 2日前に教えたことも覚えてないなんて、お勉強の前に、やっぱりお仕置きしないとな」
ひな「んぁ、ぁああっ……!」
おまんこの中に、指をもう1本入れられた。
ひな「んんっ……」
五条「痛いか?」
ひな「フリフリフリ……」
五条「ん。痛いのは我慢無しな」
ひな「コクコクコク……」
五条先生の指が2本。
圧迫感はあるけれど、痛いどころか気持ちいいし、そう優しくされると、胸も子宮もキュンとしちゃう。
けれど、
五条「ん? ひな、2本の方が好きか。ここ、さっきよりヌルヌルしてる。そうだ、このヌルヌルしたのはなんて言うか知ってるか?」
ひな「んんっ……し、知らない……です……」
五条「愛液。脳が性交……つまり、ここに指や男のモノが入ってくることを感知すると、膣を摩擦などから守るために分泌される。愛液、覚えたか?」
ひな「は、はい……んぁっ……!」
五条「それじゃあ、ここは? ほら、ここなんて言うの? 答えるまで止めないぞ?」
優しい五条先生は一瞬だけ。
すぐに、また意地悪に責めてくる。
ひな「んっ……あ、ダメ……っ、あぁ……っ」
五条「ほら、早く。恥ずかしくて言わないのか? それとも、やめて欲しくないから言わないの?」
ひな「んんっ……ち、違っ……」
五条「違うなら言ってごらん」
ひな「んんっ、んっ……」
五条「ほら。言えないってことは、このままイかせて欲しいんだろ? じゃあ、こうしようか。ひなが答えるまで、イかせてあげない……」
そう言って、五条先生は指の動きを速めつつ、片手で乳首も弄り始めた。
ひな「あっ……! んぅ、あっ……んん……っ」
な、なんで……っ。
イかせないって言ったのに、与えられる刺激は強まるし、
ひな「んっ……んん……んぁっ……」
五条「ひな、気持ちいいな。どんどん気持ちよくなって、イキたいな……」
ちゅっ……
ひな「んぁ……っ!」
わざと煽るように囁いて、耳にキスをしてくるし。
どう考えても、わたしをイかせようとする五条先生のせいで、わたしは気持ちよさが昇ってきてしまい、
や、やばい……。
ひな「んんっ……イ……イキ、そ……っ」
五条先生にしがみついて声を漏らすと、
五条「なーにイこうとしてんだ……? ダメだろ、ひな。自分の気持ちいいところをなんて言うかも知らないのに。イかせないって言ったよな……?」
五条先生はわたしの中から指を抜いてしまった。
ひな「えっ……? っ、ハァハァ……んっ」
昇り詰める目前に、イクことを許されなかったわたし。
変に止められて苦しいのに、抜いた指でクリトリスを優しく優しく撫でられるから、息は上がるし、腰も動くし、生き地獄。
五条「イキたいのにイけなくて、ひな苦しいな。どうする? このままイクの我慢するか。それとも、イかせて欲しい……?」
……っ。
ムカつくくらい意地悪なのに、その意地悪に感じてしまう自分にも、少々ムカムカ。
五条先生は最初から寸止めするつもりだった。
まんまとお仕置きされて、ここでイキたいなんて、五条先生の思う壺。
けれど、身体のムラムラに打ち勝つほどの精神力は無く、ウズウズ、ウズウズ、もう限界……。
ひな「イ、イキ……たいです……」
震える声でそう言うと、
五条「じゃあ、ちゃんと答えてごらん。ほら、ひなのここ、なんて言うの?」
ひな「あぁっ……!」
再び指を中へ入れられた。
ひな「んんぅっ……んぁ……っ」
五条「ひな、言わないといつまでもイかせないぞ」
それでも、わたしが決して達しないように、指はゆっくりと出し入れされるだけ。
イキたくて仕方のないわたしは、ここでようやく観念し、
ひな「お、お……ま……っ」
五条「ん? ほら、ちゃんと教えて。ひなのここ何? どこが気持ちいいの?」
ひな「お、おま……っ、おま……んこ……//」
ギュッと目をつぶって答えると、五条先生はフッと笑って頭を撫で、
五条「よく出来ました。じゃあ……」
ひな「んぁあ……っ!!」
おまんこの中、指をクイッと折り曲げると、わたしの気持ちいいところをしっかり捉え、
ひな「あっ……、ダメっ……!! 五条先生、イ……イっちゃう……!」
五条「ん、もう我慢しなくていいぞ。ひなの好きな時にイってごらん」
ひな「ハァハァ、んぁっ……あぁ、ぁっ……! ダメっ、イっ……イ……っ」
五条「イっちゃうな。ひなのおまんこ、気持ちいいの止まらないな」
ひな「あっ、ああ……イっ……ク、んっ……んぁ、あ、イクっ……! ダメっ、五条せんっ…………んぁぁあっ!!」
わたしはすぐにイってしまった。
***
五条「ひな、大丈夫か? 気分悪くないか?」
ひな「だ、大丈夫です」
五条「ん」
ひな「……///」
それから、息が整ったわたしは、身体がフラフラしているからと、五条先生に髪も身体も洗ってもらった。
髪を洗ってもらうのは気持ちよかったけど、身体を洗ってもらうのは、それはそれは恥ずかしいし……あちこちに伸びてくる五条先生の手が、石鹸で滑って感じちゃうのなんのって……。
それでもグッと我慢して、なんとかお風呂を出た今は、五条先生に身体を拭いてもらっている。
五条「よし、こんなもんか。髪も乾かしてやるから、とりあえず服着ろ」
ひな「は、はい……っ!」
よ、ようやく解放された……!
と思い、急いでパンツを履いて、ワンピースパジャマを手に取ると、
五条「ちょっと待て」
ひな「へっ?」
五条「ちゅっ……」
ひな「んっ……!」
五条先生が背中にキスを……いや、キスマークを付けてくる。
ひな「ご、五条先生……キ、キスマークばっかり、付け過ぎ……」
五条「いいだろ。向こう1ヶ月は健診もないし。それより、次はキスマークの付け方も教えないとな。俺も、ひなに付けられたい」
ひな「えっ!?」
五条「まぁ、それは……ベッド行ってからな……」
ひな「……っ///」
もちろん、この後ベッドの中で、キスマークのレクチャーを受けたことは言うまでもなく。
わたしにキスマークを付けさせるうち、再びスイッチの入った五条先生に、今度は気を失うまで責められた。
END
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