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第二章 RLS-九つの世界-
75 この世界を飛び出そう♡2/3
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精霊の館に戻ると、ちょっとだけ嬉しかった♡
「ドヤ顔で腰に手を当てるのを止めなさい。」
そして、ライナにブラとパンツを投げられた。
そういえば3人に無理やり脱がされたから下着も服もインベントリに入ってなかった。
とりあえずまったく私の方を見ようとしないフィルギャさんにそこそこ失望しつつ一応いつでも見られてもいい様に『きれいに見える角度』を意識しつつ下着を着用して上着を被った。
今日私が着てきた服はセーターっぽいボタンの無い服と膝丈のフレアスカート。
今現在セーター+上下下着状態…どうしよう…
「ねぇライナ、どうしたらいいかな?」
「何が?」
ライナは私の葛藤を気にする事無くスカートを渡してきた。
「靴下とスカートってどっちが先だと思う?」
ライナ?その顔は少し間抜けだから男の前ではしない方が良いわよ?
「あんた…アリエルさぁ、フィルギャさんに見られたいって思ってるの?ミューはもう良いの?」
「ミューは別。でも、ここまで頑なに見ようとしない男とかライナは許せるの?」
チラッとフィルギャさんの方を見ると私から出て部屋の中を見渡してるサラちゃんに話しかけてる。
「あの人私の放った『ギリギリ見えないはず攻撃』でもまったくこっちに視線を向けないのよ?不能なんじゃないの?」
あっ、またライナに鼻で笑われた。
「あのね、彼ってヒューマンじゃないでしょ?アリエルが戻ってくるまでの間に暇だから聞いたんだけど、フルドラって種族なんだって。それと、男だけを呼ぶ場合はフルドレコールとかって呼び方をして欲しいみたいな事を言ってたけど、それってたぶん『日本人』に対する『日本男児』みたいなニュアンスの事なんだと思うわ。あと、フルドラの女性って基本マッパらしいからアリエルの性器とかわざわざ見たいと思って無いみたいよ。だからさっさと好きな方から身につけなさい。」
ちっ…女の裸を見慣れた野郎だったって訳か。内心ではどう思ってるか分からないけど裸の女を見る程度では本来の姿を見せないつわものって訳ね…
「分かったわ。勝負を挑まれてるって訳ね。良いでしょう。やってやろうじゃない。」
「ねぇ?アリエル??私の話を聞いてた?ハァー…まぁどうでも良いからさっさと着なさい。わざわざ全部脱がなくても良いから!」
せっかく勝負を挑まれたんだからミューみたいに『やだっ♡こんなになっちゃってる~♡』みたいな姿にしてやろうと思ったのにライナが止めてきた。
なんて無粋なのかしら?せっかくの勝負だって言うのに♡
こんな事を思いつつ脱ごうとする私を止めつつライナが言ってきた一言で我に戻った。
「あんたさぁ、今何してる途中なのか忘れてるでしょ?今からミューに会いに行くんでしょ?」
…あっ、そうだった。
…完全に忘れてた。
目的を見失っていたことに気づいた私はライナに渡された靴下を身に着けスカートを穿いて最後にため息を吐きつつ靴を履いた状態で、ミライさんとヒナタさんがフィルギャさんと一緒になってテーブルの所で話をしてるのに混ざった。
「お待たせしました。次の子は風の精霊よね?」
「はい。早速準備をします。」
フィルギャさんそう言ってまた樹の所に移動して幹に片手を当てて少し目を瞑ると、今度は長径1.5m程度の白っぽい楕円の空間が出来た。
「こちらに居るのは風精霊のシルシルちゃんです。交渉に関しては先ほどサラちゃんに言っておきましたのでシルシルちゃんを見つけたら『いい所知ってるけど興味無い?』と聞いてみてください。シルシルちゃんだけじゃなく風精霊ってこの言葉にすごく弱いので。ささ、どうぞ。」
そう言って私を送り出してくれた。
ちなみに今回もお尻は触られなかった。…やっぱり不能なんじゃないの?それか枯れてるとか?
小さな不満を感じつつも背中を押されて入った穴の中は一面空と雲の世界。
空中遊泳とかって実際に空に浮いたらこんな感じに見えるのかなぁって世界だった。
そして鳥のような何かがすごく速く飛んでるのが見えた。
私の顔の10mぐらい先をぴゅんって感じの速さで何度も通り過ぎてる。
右→左←右→左←右→左←
これあれだね。声をかけて欲しい構ってチャンが自己アピールしてる状態だね。
「シルシルちゃ~ん!いい所知ってるんだけど興味なーい~?」
フィルギャさんに言われた事を大声で言ってみたらさっそくシルシルちゃんらしき左右に移動し続けていた子が反応した。
「なになに?!どんな楽しい所なの?!私もうここに飽きちゃってっるの♡どこでも行くから連れてって~♡」
なんとなく、知らないおじさんに『楽しいことして遊ばないか?』って誘われても付いて行くなって正座させられて言われていた少女な頃の自分をシルシルちゃんに重ねて見てる自分がいた。
あの頃は大人の男の人の言う『楽しいこと』が自分の体を使ったアトラクションだって知らなかったのよね…
友人の子が、『親戚のおじさんに同じ事を言われて付いて行ったらすごく痛かった。でもその後でお小遣い1万円くれた♡』って言ってたのを聞いてSEXする事を言っていたのだろうと分かり、1万円っていいなぁ~だとか思ったけど…
あ、今は私の売りに関する話は関係ないね。
とりあえず小学校に通ってる頃に『ここに手を入れたらとっても気持ち良いんだよ♡』って言ってた夏も近い頃にコートを着込んでみぞおちの辺りのボタンを空けて私達に手を入れさせようとしていたおじさんが考えていた事が分かる気がしつつ両手を広げて、
「ここに入ってきたらすぐに連れて行ってあげるよ♡」
と言ってみた。
シルシルちゃん一瞬だけ考えたフリをして、
「なんかちょっとエッチな事されそうだけど~シルシルそういうのに理解あるほうだしぃ~行ってみようかなぁ~♡」
とか言いつつそのまま私の胸にダイブしてきた。
サラちゃんとの契約の事を考えたらすごく楽だったなぁ…
こんな事を考えてたらサラちゃんを受け入れた時みたいにフィルギャさんの声が聞こえてきた。
『おめでとうございます。これで精霊が全員そろいましたね。そろそろ後ろの穴からお戻りください。』
これでミューに会いに行ける♡
私の心はもうその事でいっぱいになって何かがあふれ出しそうになってる♡
あっ…そうか。
そういえばこの後って、ミューの居るミズガルズにそのまま行くんじゃなくて、その前にアルフヘイムに送ってもらうって話だったね。
ほんのチョットテンションの下がった私は自分の後ろに開いたままになっていた穴から精霊の館に戻った。
そして精霊の館に戻ると、みんなが笑顔で迎えてくれた。
「とりあえずこれで精霊が揃いましたね。おめでとうございます。」
フィルギャさんがそう言ってちょっとかっこいい男の人がしたら様になる左手を胸元右手を腰の後ろに回した姿勢でお辞儀をして祝ってくれた。
そしてさっそく私から飛び出すシルシルちゃんとサラちゃん。
サラちゃんどうもイケイケな感じに擦り寄ってくるシルシルちゃんの事が少し苦手みたい?
炎で出来た羽をゆっくり動かしながらあっちに向いたりこっちに向いたりシルシルちゃんが回りこんでくる度に体の向きを変えてちょっとめんどくさそうに対応してる。
そしてそんな2人を小さな妹達がじゃれてる様な感覚で微笑ましく思い眺めていたら目の前に花びらの様な下半身の妖精がフワフワ飛び回ってるのがうっすらと見えた。
「あっ、ねぇフィルギャさん。この私の周りを飛んでる子達ってフェアリー?」
なんとなくミューに裸で正面からまたがり対面座位でできる限界まで全身を密着させた状態で見た闇子ちゃんとか光子ちゃんみたいな見え方だけど…もう少し小さいかな?
「やはりアリエルさんにも見える様になったのですね。ミューさんは闇子ちゃんと光子ちゃんと契約したらここの本当の世界を見る事が出来るようになりました。」
そう言ってフィルギャさんは大木の幹に近い枝の上や根元の辺りに生えてる草の辺りを見てる。
もしかしたら何かが居るのかしら?
「では、アリエルさんはこの時の為に昨日頑張ったのですからさっそくアルフヘイムに行く準備にかかりましょう。まずはディーちゃんを呼んでください。」
出来て当然のことを指示したって感じに言ってきたけど…呼ぶ?
「ディーちゃんどこに居るの?って言うか私が感じる精霊って今日契約したサラちゃんとシルシルちゃんぐらいなんだけど?」
フィルギャさんにとっては精霊って言うのは意識するだけで答えてくれる相手らしく、私の聞いた『どこに居るの?』と言う意味が分からなかったみたいで、
「でもディーちゃんが言ってましたよね?ミューさんとアリエルさんが繋がってるって。サラちゃんやシルシルちゃんみたいに存在を感じられませんか?」
こんな感じにどこかの暑いテニスをしてる人みたいに『考えるな!感じろ♡』的な事を言ってきてるけど…
自分の体の中に感じる精霊…
目を閉じて意識を向けるとサラちゃんとシルシルちゃんはとても強く感じる。
見なくても今この辺りに居るって言うのがすぐに感じられるような気がする。
『なぁ、ミューって奴と契約してる奴を呼びたいのか?』
『あら~♡まだ他にもナカマが居るの~?すぐに呼びましょうよぉ~♡』
サラちゃんとシルシルちゃんが私の考えてる事を読み取ってそんな事を言ってきた。
…まさか…私の考えてる事を全部知られてる??ドッ…ドドッ…ドキドキ♡
『ほんとにアリエルってドMなのね…』
『シルシルちょっとわかるかも~♡秘密を知られるのってドキドキするよネッ♡でも他の人の秘密を知るのももっとドキドキするんだよね~♪』
『変な事で同意を得ようとするな!まったく…まぁアリエルの考えてる事は全部分かるよ。…嫌ならできるだけ読まないように出来るけど…?』
「あっ、気にせずバンバン見てください♡ハァハァ♡」
『だからドMって嫌い!…まぁ?アリエルは嫌いじゃないけど?』
『ニヨニヨ♡』
「ニヨニヨ♡」
「あんたさっきから一人芝居してること気づいてる?すごくバカっぽいわよ?」
私のサラちゃんとシルシルちゃんの話し合いはライナ達にはまったく聞こえてなかったらしい。
でも、『すごくバカっぽい』って言い方ってどうなのかしら?乙女の表現に使ってもいいのかな?
…まぁ私の説明に使うなら特に問題じゃない感じがしてるけど。
そういえばミューも急に笑い出したり体操のお兄さんみたいな感じに腰に手を当てて指を立てながら何も無い空間に向かってよく分からない何かを諭すような言い方をしてる事があったけど…
『だからそう言う事を勝手にしたら俺がどうしても見ちゃうからちょっと困る事になるかもしれないの。だからあまり好き勝手したら駄目だぞ?』
ってミューが言ってた事があったんだけど…
シルシルちゃんがミライさんとヒナタさんのスカートの中を真下から見上げるような事をしつつ、『こっちは黒いヒモで、こっちは肌色に黒い板のりだったよっ♡』とか報告してるのを聞くと闇子ちゃんか光子ちゃんがシルシルちゃんみたいな事をしてたんだろうなって理解できた。
「まぁ私が他の人にどんな感じに見えるかは今は気にしてもしょうがないからほっとくとして、サラちゃん、ディーちゃんとか他の子もここに呼べるの?」
『ディーはそこの樹に体を当てて呼んだらくるんじゃない?他の子も名前知ってるなら呼んだら来ると思うよ。』
「あっ…そう言えば…」
サラちゃんと話をしていたらフィルギャさんが何かに気づいたって感じに独り言を言った。
「もしかしたらアリエルさんはミューさんの契約した精霊の名前を全部知らないのでは?」
フィルギャさんちょっと眉間に皺を寄せながら聞いてきた。
「私が知ってるミューと契約した精霊の名前は…ディーちゃんと闇子ちゃんと光子ちゃんだけ?サラちゃんとシルシルちゃんを合わせて5人ね。土の子の名前知らないよ?」
「だとしたら…土精霊の名前を確認に行かなければならないですね…」
なんかアルフヘイムに行く前にもう少しやらないといけない事があるらしい。
いつになったらミューに会えるんだろう…ハァー…
「ドヤ顔で腰に手を当てるのを止めなさい。」
そして、ライナにブラとパンツを投げられた。
そういえば3人に無理やり脱がされたから下着も服もインベントリに入ってなかった。
とりあえずまったく私の方を見ようとしないフィルギャさんにそこそこ失望しつつ一応いつでも見られてもいい様に『きれいに見える角度』を意識しつつ下着を着用して上着を被った。
今日私が着てきた服はセーターっぽいボタンの無い服と膝丈のフレアスカート。
今現在セーター+上下下着状態…どうしよう…
「ねぇライナ、どうしたらいいかな?」
「何が?」
ライナは私の葛藤を気にする事無くスカートを渡してきた。
「靴下とスカートってどっちが先だと思う?」
ライナ?その顔は少し間抜けだから男の前ではしない方が良いわよ?
「あんた…アリエルさぁ、フィルギャさんに見られたいって思ってるの?ミューはもう良いの?」
「ミューは別。でも、ここまで頑なに見ようとしない男とかライナは許せるの?」
チラッとフィルギャさんの方を見ると私から出て部屋の中を見渡してるサラちゃんに話しかけてる。
「あの人私の放った『ギリギリ見えないはず攻撃』でもまったくこっちに視線を向けないのよ?不能なんじゃないの?」
あっ、またライナに鼻で笑われた。
「あのね、彼ってヒューマンじゃないでしょ?アリエルが戻ってくるまでの間に暇だから聞いたんだけど、フルドラって種族なんだって。それと、男だけを呼ぶ場合はフルドレコールとかって呼び方をして欲しいみたいな事を言ってたけど、それってたぶん『日本人』に対する『日本男児』みたいなニュアンスの事なんだと思うわ。あと、フルドラの女性って基本マッパらしいからアリエルの性器とかわざわざ見たいと思って無いみたいよ。だからさっさと好きな方から身につけなさい。」
ちっ…女の裸を見慣れた野郎だったって訳か。内心ではどう思ってるか分からないけど裸の女を見る程度では本来の姿を見せないつわものって訳ね…
「分かったわ。勝負を挑まれてるって訳ね。良いでしょう。やってやろうじゃない。」
「ねぇ?アリエル??私の話を聞いてた?ハァー…まぁどうでも良いからさっさと着なさい。わざわざ全部脱がなくても良いから!」
せっかく勝負を挑まれたんだからミューみたいに『やだっ♡こんなになっちゃってる~♡』みたいな姿にしてやろうと思ったのにライナが止めてきた。
なんて無粋なのかしら?せっかくの勝負だって言うのに♡
こんな事を思いつつ脱ごうとする私を止めつつライナが言ってきた一言で我に戻った。
「あんたさぁ、今何してる途中なのか忘れてるでしょ?今からミューに会いに行くんでしょ?」
…あっ、そうだった。
…完全に忘れてた。
目的を見失っていたことに気づいた私はライナに渡された靴下を身に着けスカートを穿いて最後にため息を吐きつつ靴を履いた状態で、ミライさんとヒナタさんがフィルギャさんと一緒になってテーブルの所で話をしてるのに混ざった。
「お待たせしました。次の子は風の精霊よね?」
「はい。早速準備をします。」
フィルギャさんそう言ってまた樹の所に移動して幹に片手を当てて少し目を瞑ると、今度は長径1.5m程度の白っぽい楕円の空間が出来た。
「こちらに居るのは風精霊のシルシルちゃんです。交渉に関しては先ほどサラちゃんに言っておきましたのでシルシルちゃんを見つけたら『いい所知ってるけど興味無い?』と聞いてみてください。シルシルちゃんだけじゃなく風精霊ってこの言葉にすごく弱いので。ささ、どうぞ。」
そう言って私を送り出してくれた。
ちなみに今回もお尻は触られなかった。…やっぱり不能なんじゃないの?それか枯れてるとか?
小さな不満を感じつつも背中を押されて入った穴の中は一面空と雲の世界。
空中遊泳とかって実際に空に浮いたらこんな感じに見えるのかなぁって世界だった。
そして鳥のような何かがすごく速く飛んでるのが見えた。
私の顔の10mぐらい先をぴゅんって感じの速さで何度も通り過ぎてる。
右→左←右→左←右→左←
これあれだね。声をかけて欲しい構ってチャンが自己アピールしてる状態だね。
「シルシルちゃ~ん!いい所知ってるんだけど興味なーい~?」
フィルギャさんに言われた事を大声で言ってみたらさっそくシルシルちゃんらしき左右に移動し続けていた子が反応した。
「なになに?!どんな楽しい所なの?!私もうここに飽きちゃってっるの♡どこでも行くから連れてって~♡」
なんとなく、知らないおじさんに『楽しいことして遊ばないか?』って誘われても付いて行くなって正座させられて言われていた少女な頃の自分をシルシルちゃんに重ねて見てる自分がいた。
あの頃は大人の男の人の言う『楽しいこと』が自分の体を使ったアトラクションだって知らなかったのよね…
友人の子が、『親戚のおじさんに同じ事を言われて付いて行ったらすごく痛かった。でもその後でお小遣い1万円くれた♡』って言ってたのを聞いてSEXする事を言っていたのだろうと分かり、1万円っていいなぁ~だとか思ったけど…
あ、今は私の売りに関する話は関係ないね。
とりあえず小学校に通ってる頃に『ここに手を入れたらとっても気持ち良いんだよ♡』って言ってた夏も近い頃にコートを着込んでみぞおちの辺りのボタンを空けて私達に手を入れさせようとしていたおじさんが考えていた事が分かる気がしつつ両手を広げて、
「ここに入ってきたらすぐに連れて行ってあげるよ♡」
と言ってみた。
シルシルちゃん一瞬だけ考えたフリをして、
「なんかちょっとエッチな事されそうだけど~シルシルそういうのに理解あるほうだしぃ~行ってみようかなぁ~♡」
とか言いつつそのまま私の胸にダイブしてきた。
サラちゃんとの契約の事を考えたらすごく楽だったなぁ…
こんな事を考えてたらサラちゃんを受け入れた時みたいにフィルギャさんの声が聞こえてきた。
『おめでとうございます。これで精霊が全員そろいましたね。そろそろ後ろの穴からお戻りください。』
これでミューに会いに行ける♡
私の心はもうその事でいっぱいになって何かがあふれ出しそうになってる♡
あっ…そうか。
そういえばこの後って、ミューの居るミズガルズにそのまま行くんじゃなくて、その前にアルフヘイムに送ってもらうって話だったね。
ほんのチョットテンションの下がった私は自分の後ろに開いたままになっていた穴から精霊の館に戻った。
そして精霊の館に戻ると、みんなが笑顔で迎えてくれた。
「とりあえずこれで精霊が揃いましたね。おめでとうございます。」
フィルギャさんがそう言ってちょっとかっこいい男の人がしたら様になる左手を胸元右手を腰の後ろに回した姿勢でお辞儀をして祝ってくれた。
そしてさっそく私から飛び出すシルシルちゃんとサラちゃん。
サラちゃんどうもイケイケな感じに擦り寄ってくるシルシルちゃんの事が少し苦手みたい?
炎で出来た羽をゆっくり動かしながらあっちに向いたりこっちに向いたりシルシルちゃんが回りこんでくる度に体の向きを変えてちょっとめんどくさそうに対応してる。
そしてそんな2人を小さな妹達がじゃれてる様な感覚で微笑ましく思い眺めていたら目の前に花びらの様な下半身の妖精がフワフワ飛び回ってるのがうっすらと見えた。
「あっ、ねぇフィルギャさん。この私の周りを飛んでる子達ってフェアリー?」
なんとなくミューに裸で正面からまたがり対面座位でできる限界まで全身を密着させた状態で見た闇子ちゃんとか光子ちゃんみたいな見え方だけど…もう少し小さいかな?
「やはりアリエルさんにも見える様になったのですね。ミューさんは闇子ちゃんと光子ちゃんと契約したらここの本当の世界を見る事が出来るようになりました。」
そう言ってフィルギャさんは大木の幹に近い枝の上や根元の辺りに生えてる草の辺りを見てる。
もしかしたら何かが居るのかしら?
「では、アリエルさんはこの時の為に昨日頑張ったのですからさっそくアルフヘイムに行く準備にかかりましょう。まずはディーちゃんを呼んでください。」
出来て当然のことを指示したって感じに言ってきたけど…呼ぶ?
「ディーちゃんどこに居るの?って言うか私が感じる精霊って今日契約したサラちゃんとシルシルちゃんぐらいなんだけど?」
フィルギャさんにとっては精霊って言うのは意識するだけで答えてくれる相手らしく、私の聞いた『どこに居るの?』と言う意味が分からなかったみたいで、
「でもディーちゃんが言ってましたよね?ミューさんとアリエルさんが繋がってるって。サラちゃんやシルシルちゃんみたいに存在を感じられませんか?」
こんな感じにどこかの暑いテニスをしてる人みたいに『考えるな!感じろ♡』的な事を言ってきてるけど…
自分の体の中に感じる精霊…
目を閉じて意識を向けるとサラちゃんとシルシルちゃんはとても強く感じる。
見なくても今この辺りに居るって言うのがすぐに感じられるような気がする。
『なぁ、ミューって奴と契約してる奴を呼びたいのか?』
『あら~♡まだ他にもナカマが居るの~?すぐに呼びましょうよぉ~♡』
サラちゃんとシルシルちゃんが私の考えてる事を読み取ってそんな事を言ってきた。
…まさか…私の考えてる事を全部知られてる??ドッ…ドドッ…ドキドキ♡
『ほんとにアリエルってドMなのね…』
『シルシルちょっとわかるかも~♡秘密を知られるのってドキドキするよネッ♡でも他の人の秘密を知るのももっとドキドキするんだよね~♪』
『変な事で同意を得ようとするな!まったく…まぁアリエルの考えてる事は全部分かるよ。…嫌ならできるだけ読まないように出来るけど…?』
「あっ、気にせずバンバン見てください♡ハァハァ♡」
『だからドMって嫌い!…まぁ?アリエルは嫌いじゃないけど?』
『ニヨニヨ♡』
「ニヨニヨ♡」
「あんたさっきから一人芝居してること気づいてる?すごくバカっぽいわよ?」
私のサラちゃんとシルシルちゃんの話し合いはライナ達にはまったく聞こえてなかったらしい。
でも、『すごくバカっぽい』って言い方ってどうなのかしら?乙女の表現に使ってもいいのかな?
…まぁ私の説明に使うなら特に問題じゃない感じがしてるけど。
そういえばミューも急に笑い出したり体操のお兄さんみたいな感じに腰に手を当てて指を立てながら何も無い空間に向かってよく分からない何かを諭すような言い方をしてる事があったけど…
『だからそう言う事を勝手にしたら俺がどうしても見ちゃうからちょっと困る事になるかもしれないの。だからあまり好き勝手したら駄目だぞ?』
ってミューが言ってた事があったんだけど…
シルシルちゃんがミライさんとヒナタさんのスカートの中を真下から見上げるような事をしつつ、『こっちは黒いヒモで、こっちは肌色に黒い板のりだったよっ♡』とか報告してるのを聞くと闇子ちゃんか光子ちゃんがシルシルちゃんみたいな事をしてたんだろうなって理解できた。
「まぁ私が他の人にどんな感じに見えるかは今は気にしてもしょうがないからほっとくとして、サラちゃん、ディーちゃんとか他の子もここに呼べるの?」
『ディーはそこの樹に体を当てて呼んだらくるんじゃない?他の子も名前知ってるなら呼んだら来ると思うよ。』
「あっ…そう言えば…」
サラちゃんと話をしていたらフィルギャさんが何かに気づいたって感じに独り言を言った。
「もしかしたらアリエルさんはミューさんの契約した精霊の名前を全部知らないのでは?」
フィルギャさんちょっと眉間に皺を寄せながら聞いてきた。
「私が知ってるミューと契約した精霊の名前は…ディーちゃんと闇子ちゃんと光子ちゃんだけ?サラちゃんとシルシルちゃんを合わせて5人ね。土の子の名前知らないよ?」
「だとしたら…土精霊の名前を確認に行かなければならないですね…」
なんかアルフヘイムに行く前にもう少しやらないといけない事があるらしい。
いつになったらミューに会えるんだろう…ハァー…
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