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第二章 RLS-九つの世界-

60 そろそろ土精霊を探そう3/3

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「最初から冒険者ギルドに来ておけば良かったな。」
「まぁそうかもしれないけど、でもこれでリーフもアーチャーに返り咲いたって訳ね、おめでとう。」
「…なんか夢でも見てるみたいです♡」
リーフは右手で自分の首をさすりながら左手の甲に転写された痣の様な模様を嬉しそうな顔で見てる。


冒険者ギルドでパーティー結成の処理を頼んだ所でリーフの職業が問題になった。
「その娘は奴隷解放せずにそのままで連れまわすのか?」
ギルド長が確認してきたのは、『救世主達』の時と同様にリーフをパーティーの一因として扱わずに小間使いとして奴隷のまま使役するのか?と言う意味だった。
「一応奴隷解放をする予定でいたんだけどさっきも説明した通り何か妙な感じになってね。これからもう1回他の奴隷商を探さないといけないんだ。」
「そうか…それであれば今回のお詫びと言う訳ではないがその娘の奴隷の首輪の処理をギルドでやろう。それとついでに何か思う職業があるならそちらも対応してやる。」
そう言って人を呼んで奴隷の首輪を付けたり外したり出来る人をこの部屋まで呼んでくれた。

どうも奴隷になるかどうかって言うのは司法が絡む事らしく、大きな奴隷商や公的な場所には取り扱いを許された人が常駐しているらしい。
冒険者ギルドには犯罪者を処理する案件なども依頼として来る事があるらしく、常駐しているそうですぐに来てくれた。

そして…5分後にはリーフの首輪が外された。

その後ギルド長が机から水晶玉が付いた杖の様な物を出してきて、リーフの職業を変更してくれた。
どうも魔道具の一種らしく、対象者の頭に水晶の部分を押し付けると転職の泉と同じ様な感じに変更出来る職業が頭の中に現れるそうで、ここに来る前にリーフが言っていた『弓を使っていた事がある』との話から職業をアーチャーに変更してもらった。

最後に3人をパーティーメンバーとして登録してもらい一応お礼を言ってギルド長の部屋を後にした。
ギルド長の部屋を出た所で、メリスが、
「奴隷商で奴隷解放してもらったら100,000リオンぐらいかかるからもうけたね。」
って言ってきた。
「そう言うのって教えておいてくれよな?」
俺、ワンコインとまでは言わないけど10,000リオンぐらいでしてもらえるかな?位の感覚でいたし。

その後ギムリの店に戻りもう1度インディアン装飾からの確認を始めたメリスを放置して俺とリーフとバルサ姉さんは調理器具を手に入れるために店を後にした。
ちなみに今回は総一郎そういちろうがメリスの護衛に残る事になった。
バルサ姉さんと総一郎で何やら話し合いが行われて、少し前に総一郎が俺に付いて行った事が決め手となったらしくその様に決まったらしい。
とても寂しそうな顔でメリスの足の上に体を半分位乗せつつ伏せ、たまにメリスの尻の辺りの匂いを嗅いで心を落ち着けるような事をしていた。
犬ってそういえば股間の匂いを嗅いだら喜ぶよな…オスだからなのか?
それにしても…なぜか…総一郎もバルサ姉さんも俺と一緒に居たがるなぁ…?
住んでいた所から少し離れたからホームシックにでもなってるとかか?

1時間ほど街の中を歩き回り目に付いた物を色々買って戻るとちょうどお昼頃だった。


俺達が再度ギムリの店に戻った時、メリスは西太后みたいになっていた。頭の上の飾られた豪華な扇子みたいなのがすごく気になる。
…彼女はどこに行く気なんだろうか?

いつまで経っても試着を止めないメリスを引っ張り出して近くに在る昼から開いてる飯屋に行って昼食を取る事にした。
「そう言えばメリスの装備はそろそろ決まりそうなのか?」
メニューが1種類しか無かったので全員日替り定食を頼み、すぐに出てきたポトフみたいなのを食べ始める。
「装備はミューが意識の無いリーフを背負って戻った時に決まっていたよ?」
じゃぁ今まで何を見てたの?

「あーそうなの?だとしたらリーフの装備は?」
「一応私のと同じ程度のレベルの装備を確認してるから戻れば1回試着して調整があったらそれを頼む程度ね。」
「そう言えばリーフの職業がアーチャーになったけど武器は大丈夫なの?」
「あ、一応力などの確認は前日服を買う時に一緒にしてもらってますからフランさんが探しておいてくれるってさっき言ってくれました。」
芋っぽい塊を食べながらリーフが答えてくれた。

「だとしたらある程度急いでやらないといけない事はやったかな?」
「そうね。」
「ですね。」
「そしたらそろそろ土精霊に会って交渉したいんだけど何か知ってる?」
「…そう言えばミューって精霊と契約するためにこの街に来ていたのよね、忘れてたわ。」
まぁ俺もバタバタしてたからちょっとだけ忘れてたんだけどね。
「それで?どこかに精霊の館みたいな場所って無いの?」
「精霊の館ってのは知らないけど土精霊ならそこらに…あ、あの人とかもそうなんじゃないかしら?」
メリスがそう言って店の窓の近くに一人で座って食べてる男を指差した。

土精霊ってメシ食うの?

その男はちょっと小さめの人で細身の…
「なぁあの…土精霊だって言ってる人だけど、モタリさんと同じ感じの種族に見えるんだけど?もしかしてあの人も土精霊なのか?」
「あ、モタリさんノームですよ?」
どうもリーフは調理を教えてもらう時に煮込む時間に世間話のついでと言う感じで聞いたらしい。

俺、ウィナリアの街もホバートの街みたいにどこかに精霊界に通じる穴があってそこを通って行かないと土精霊に会えないって思い込んでたけど…
そう言えばディーとレーヌが出入り口が全部壊されたみたいな事を言ってたけど…そのせいでホバートの街には居なかっただけなのか?
…そう言えば今更だけど、あの情報素子に書いてあった説明。
『水が豊かな所で街の至る所に精霊が現れる美しい街』みたいな感じに書いてあったか…
だとしたら破壊されてない街には精霊が普通に居てもおかしくない訳か…

ただ…契約して俺の体に入らせるって感じの行為をするなら…おっさんよりも若い方がイイよな?
ついでに言うなら女の子の方がイイよな?

確認だな♡
「なぁリーフ?ノームって女の子ってどんな感じなの?小さいチョイロリって感じだと俺すごく助かるんだけどなぁ~♡」
「えっ?ノームってモタリさんみたいな感じの人ばかりですよ?」

速攻否定された。

「えっ?ノームっておっさんだけなの?」
「ねぇ、ミュー?精霊には性別は無いわよ?」
リーフの言葉に驚いていたらメリスがサラっと放り込んできた。
「えっ?!性別無いの?!」
…マジデ?

「なんで知らないのか判らないけど…見た目がどちらかの性別に近いイメージは持ってるけどそもそも精霊には性別は無いわよ?」
わー…ディーとレーヌのあの依存体質がとっても可愛かったという想いが記憶として残っていたのに…なんとなくウキウキ感が半減した気がする…

そっか…あの2人とはラブラブSEXやっぱり出来なかったのか…フェアリーの股間に何も無かった事でなんとなく察していたけど…望んでない答えを突きつけられるってのは案外心に刺さるな…
「ねぇ、そんなにいきなり落ちこんな感じにならないでよ。なんだか私が悪いみたいじゃない。」
「あ、いや…悪くはないけど…ちょっと期待しすぎていたって言うか…じゃぁ夕方戻ってモタリさんに聞いてみたらいっか。ハァー」

その後俺だけハーフお通夜状態で昼食を終えギムリの店に戻り装備品の試着をして宿に戻るとそこそこ良い時間になっていた。

そして宿に戻ってモタリさんと話をした結果、モタリさんはホバートの街には行けないけど、次の日にでも知り合いを呼んでくれるって約束をして帰っていった。


日が落ち夕食も食べ終わり…そろそろ夜の運動会でも♡などと思いつつお風呂にメリスとリーフを連れて行き3人で入ろうとしていた時、今日の夜の警備隊の隊長のブラックパンサー♀のフリーターLv.53の子から、『多数の侵入者アリ』の報告を受けた。

急いで風呂から出て腰タオルで声が感じられる方に行くと、庭中にホラー映画の中でしか見た事の無い様な連中(半分程度お腐れ様で残りが霊体と骨)が集まっていた。
ちなみに小さい害獣(ネズミなど)も、けっこうな数集まっていたそうだが、アンデットの皆様が美味しくいただいてくれたので見かけずに済んだらしい。

そして…俺を視認したアンデット達からの従属申請ラッシュが始まった。

そう、俺はこの時になってやっと午前中早いうちにリリカを従属させる為にハートパッシブ3種類をアクティブにしていた事に気付いたんだ。
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