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第二章 RLS-九つの世界-

54 リーフの奴隷解放2/4

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夜になり3人でベッドの使用感を確かめ心地よい疲れと共に休もうとしてると、なんとなく従属している奴らから警備申請?みたいなものが届いた気がした。
そう言えばこの建物って離れになっていて本館からここまで2~3分程度歩いて来る距離がある。
途中は一本道だし周囲は木に囲まれた空間。ぐるり囲っている壁の外にも街が広がってるしそこまで気にしなくても良いかな?とも思ったのだが、代表として選抜された総一郎そういちろうとバルサ姉さんが居ない事をしつこく言われたのでとりあえず好きに出て警備しても良いと言っておいた。

心配性と言うかなんというか…

「んっ…なに?どうしたの?」
俺がベッドから出て窓の近くで今日の警備隊の連中に手を上げて挨拶してるとメリスが気付いて聞いてきた。
「あぁ、なんか総一郎とバルサ姉さんが居ないから心配だって言ってきたから挨拶だけしてたところ。もう寝るから寝てて良いよ。」
ベッドには俺が寝ていた左側にメリスが居て、リーフはなぜか足元に丸くなって寝ていた。
なんとなくここらが居心地が良いって言いながらリーフは朝になると俺の股の間で尻尾を抱いて寝てる事が多いのだが…
まぁ自分が望んでやってるのだからやりたい様にさせてるけど…

「んっ…ちょっとのど渇いたから飲み物取ってくる。ミューは飲まない?」
「そうだな…リーフを一人にしたらかわいそうだからこっちで飲むなら付き合うよ。」
「あら?リーフに情が移っちゃった?フフッちょっと用意してくるわ。」
メリスはそう言って寝室から出て行った。

そしてベッドに寝転んで待ってるとメリスがトレーにグラスを2個と皿を1つ載せて酒が入ってそうなボトルを持ってきた。
「いけるんでしょ?」
瓶の口の辺りを持って振りながら聞いてきた。
「さすがにストレートではキツイかもしれな…俺、飲め…たよな…?」
「とりあえず試してみたら良いわ。」
そう言ってサイドテーブルにトレーを置き、グラスに瓶の封を切って酒を注ぎグラスに魔法を掛けた。

「こうしたら冷たくて美味しくのめるの。」
そう言って渡してきたグラスには内側全体に氷の層が5mmぐらい出来ていた。
「なるほどね。」
渡されたグラスからは甘い感じのラム酒の匂いがしてる。
少し口に含むと焦がしカラメルの様な薫りが口に広がり強いアルコールを口に含んだ時の様な熱さを感じる。
「これ私の好きなお酒♡」
メリスはそう言って自分のグラスにも魔法を掛けて氷を作って飲み始めた。

持ってきてくれて皿が座ったメリスの膝に置いてあったので、サラミの様な肉の塊りを食べながら飲んでいたらメリスが少し思い出す感じでグラスに口を付けつつ同じサラミっぽい肉を摘みつつ聞いてきた。
「そう言えば…ミューってすごい数のモンスターと契約してたのよね?」
「んっ?あぁ、何か気になるのか?」
「知り合いにビーストテイマーって何人か居たんだけどね、ミューみたいに多くの契約って出来なかったみたいだったのよ。」
あぁ…そこねー…これってレベルが確実に関係してるんだけど…どう説明するかなぁ…
一応『かもしれない』レベルの話なので絶対とは言えないんだけど、契約する行為には存在の重さ?体積?何かそんな感じの大きさが関わってくるらしい。

確かwiki情報の受け売りなんだが、テイマーには簡単に言えばレベルの数値を3分割してそれをXYZに置いたような空間があるらしい。
俺の場合はレベルが118だったので、3で割ると39-39-40に分けられる。
そしてそれを掛け合わせると60840の空間を持ってるって事になる。
これが従属させられるモンスターの総量って事らしい。

ここに参考として従属した奴らの中で1番高レベルの奴が『ストライプサーベラー』って名前の赤黄ストライプのカマキリなんだが、こいつのレベルが112だとして3分割してみると37-37-38になる。掛け合わせると52022の空間を使うって訳だ。
本当なら残りの空間が8818しか無いので残りの空間ではレベル60程度の奴しか従属させられないはずなんだが、ただ…なんとな~くなんだけど、この数値が半分程度の感じがする。
あの時確か3種類の各ハートパッシブを付けていたと思うが、そこらが何か関係する気がするんだ。
おかげで俺のテイム出来る対象がかなり増えてる気がする。

それと人…亜人も含めた調教リストにのる連中だが、こちらは若干違ってる。
たぶんだけど、レベルの数に応じた首輪の数の様な…なんとなく繋げておく為の場所の様なものが増える感じだった。
Lv.1で1個Lv.2位で2個、その後Lv.4で3個、その後Lv.8といった感じに倍のレベルで数が増える様な感じ。
と言う訳で今の俺のレベルであれば、1,2,4,8,16,32,64,ここまでだな。レベルが128まで行ってないので、7人?
たぶんだが7人ほど調教リストに登録出来るって訳だ。
実際の所は違うかもしれないが、なんとな~くメリスとリーフを受け入れた時に残り枠を5人分ほど感じた事とアースガルズでアリエルとフィーを受け入れた時のイメージからの想像なので、確証自体は無いのだが…まぁでも、そこまで大きく違ってないと思う。

ただ…この事を説明すると俺のレベルが幾らだ?って話になる訳で…ちょっと言い辛い。

だから、
「あーなんとなくだから間違ってるかもしれないが…俺この世界の人じゃないだろ?」
「アースガルズの人だよな?」
「そう、だからなんとなくだけど好かれやすかったりって感じなんじゃないかな~って思うんだ。」
大丈夫かな?
「そんなものなのか?」
「だからそこはかもしれないって話なんだって。実際に何か判ってるわけじゃないし、あの時眠りそうになりながら承認していったから俺もイマイチ判らないんだよ。」
「まぁ…そんな物なのかもしれないか…」
「ほ~ら~♡そんな事を気にしても出来る事は出来る事ってね。気にしても意味は無いんだぞ~♡」
「あんっ♡今飲んでるからぁ~♡」
「なんなら俺のも飲ませてやるぞ~♡」
「えっち~♡」

とりあえずうまくごまかせたかな?
そのまま2人でもう1回夜戦を楽しんで抱きあって眠った♡



そして…次の日起きたら、朝から待ち構えていた様なとても興奮した警備隊の連中から報告があった。

「えっ?夜中に忍び込もうとした奴らが居たのか?」
窓に近づき押し開いて見渡すと警備をしてくれた連中が揃っていた。
「…そうか、一応退治したんだな。それでそいつらは?」
ちなみに今日の警備隊のリーダーはガルーダ♀の放蕩者Lv.58で街中と言う事を考慮して小型の連中だけで対処してくれたらしい。
そしてガルーダ嬢の後ろにはジャイアントG親衛隊選抜A組とB組が整列している。
なんとなく彼らからやりきった感がとても感じられるのだが…侵入者はどんな感じに追い払われたのか…

とりあえずガルーダ嬢にはねぎらいの言葉をかけて戻ってもらい、ジャイアントG達には、勝手にここらで繁殖しない様に一言注意だけしておいて感謝の言葉を言って帰ってもらった。
それ以外にも他の連中が居たのだがそのままこの場所の警備をするって言って庭に散って行ったけど…
まぁ、猫(体長1m前後)とかウサギ(体長80cm程度)とかだし…大丈夫だよな?
ちょっとだけ爪とか牙とかが俺の知ってるそんな連中よりも鋭い気がしたけど。

そして朝食の準備をする為に部屋を再度訪れてくれたモタリさんとリーフが作ってくれた朝食を食べてそのままギムリの店に行く事にした。
昨日話をしていた予定であれば先に冒険者ギルドに行って『救世主かも?』のパーティーからのメリスの脱退と新規パーティーの結成をする予定だったのだが、襲撃騒ぎがあった事で先に装備をどうにかしようと言う事になった。

とりあえず昼間の警備隊リーダーのミミック♂孫守りLv.45に俺達が出てる間は宿の人に危害を加えない様に言い含めて出てきた。


「そう言えばあまり気にしてなかったけどメリスとリーフってどんな武器を使ってたの?今はショートソードとダガー2本だよね?」
俺の前を買い物に行く姉妹みたいに話しながら先導してるリーフとメリスに聞いてみた。
「私は元々細剣を使っていたわ。リーフは筋力値が低かったから元々ダガーを1本使わせていたんだけどあの時多めにダガーを見つけたからついでに持ってもらったの。」
なるほど。
「じゃぁ2人は基本は剣を使って戦うって事になるのか?」
「あ、その…」
「どうした、リーフ?」
「実は私、ずいぶん前の事なんですけど里を出た頃は弓を使ってました。だからもし必要ならそっちでも戦えると思います。」
ふむ、それはパーティーとして動くならイイ感じだな。
俺がテイムした連中を使いつつタンクで動いてメリスに遊撃で動いてもらってリーフに後ろから援護をしてもらうならかなり汎用的な対応ができそうだ。

装備と戦い方に関して話をしながらギムリの店に行くと…店の外観がなんとなく荒らされてる感じがある。
さすがにメリスも異変を感じたらしく走って先行し店のドアを開けて入って行った。
それに続く様に俺とリーフが走って行くと店の中もかなり荒らされていた。
「おい!ギムリ!何があった!?」
カウンターの所に特に何も無かった様な顔で初めて来た時同様座って何かを見ているギムリが居た。

「あぁ、メリスか。煩いぞ、近所迷惑だから騒ぐな。」
心配して走ってきてそんな事を言われたメリスはちょっとの間鼻息荒かったけど好きにしゃべらせていたらいつまでも言い争っていそうだったので、少し後ろから抱きしめ尻尾を股間を跨いで前に出し昨日さんざん刺激した部分をちょっとだけコチョコチョしたら静かになってくれた。

ギャー!ギャー!メリスがモジ♡モジ♡メリスに変身した。

「それで?何があったんだ?けっこう派手に壊されてるみたいだけど。」
窓とかも2ヶ所とも割れてるし入り口の反対側の壁には人が撃ち出せそうな穴が開いてるし。
「あぁ、昨日賊が入り込んだみたいでな。お前さんの従魔か?イヌっころと蜂が気付いて排除してくれたんじゃ。」
あらら、そう言えば俺達の所にも何者かが入り込んだって警備隊リーダーのガル-ダ嬢が言ってたが…ウィナリアの街ってけっこう治安が悪いのか?

「そう言えば総一郎とバルサ姉さんは今どこに?」
「とりあえず殊勲者には褒美が必要じゃろう?奥でうちの者達に良いメシを出させとる。そろそろ呼んだら来るんじゃないか?」
話をしていたらマルクスが何度も通って来た奥の入り口から総一郎とバルサ姉さんが出てきて飛びついてきた。

「おっ♪2人共おはよ。なにか退治したって?」
聞いてみるとどうも内通者が居たみたいな説明をされたが…
って言うか総一郎の爪はちょっと痛い。牙も顔を舐めるついでにキラキラ輝いてるのが目の前に見えるけどなんだか強い恐怖感を感じる。
一応鬼神の衣を身に付けてるからダメージとかは無いけど…そう言えばラブリーフェンリルって種族だったか。

フェンリルってそう言えば神殺しの異名を持ってたな。

ラブリー成分(名前の文字だけ)で若干威圧感は減るけどもしかしたら従者に選抜されるぐらいだから思う以上に強かったのかもしれない。
それに家事手伝いって職業で若干ホンワカした感じに見てたけどバルサ姉さんの方もアサシンビーって種族だった。

アサシン…暗殺者だったね。

そう言えば片腕の槍だけしか使ってる所を見た事無かったけど、頭にオブジェみたいに止まっていた時に少しお願いして触らせてもらった感じだと羽がかなり硬い感じですごく鋭利な気がした。
それと腹部の先端から針も出せるって何度か出して見せてくれたけど…危険だから触らないでくれって何度も言われた。
俺の体ってウイングモード(自称)になればマッパでもそこそこ硬いはずなんだけど危険なのは刺さるからでは無いらしい。
槍は先端部分を指でつついても特に何も言われなかったが、針に関しては同じ様に触れようとしたらすぐに引っ込ませてたから。

まぁ総一郎と一緒に従者に選抜されるモンスターが弱い訳が無いか。
もう少し愛玩動物みたいに扱わない方が良いかも?と感じた。
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