え~っと…子孫が何か送って来た?

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05 戻って来た

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自分を見下ろす自分を感じた事は無いだろうか?

人の頭の中ではCPUをダブルで用意する事は出来ないが、マルチスレッド化は可能だったりする。
そう、自分をソコに意識しつつソレを見ている自分を意識するって感じ。

並列思考の初歩と言われている訓練方法の一つみたいなものだけど、今俺はそんな感じで華莉那かりなに殴られているパンツに華莉那のブラとパンツを挟みこんだ変体っぽい奴を見ている。

おぉう…華莉那のグーパンチが頬にめり込んで行くのが見える…痛そうだなぁ…


殴られているのが俺の顔とまったく同じなのでその昔幼少の頃に友人とちょっとした諍いが発展して喧嘩になった時に『2度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!』とか言いつつ殴り返した時に顔に感じた痛さをリアルに思い出せた。
「あれ痛そうだね…」
「あぁ…アレは痛いだろうな…」



んっ??俺は誰と話をしてるんだ?


あっ…あぁ…なんだか意識が遠くなっていく…感じがする…あ~…今俺寝ちゃう一瞬前だよ~~♡




ピピーピピーピピーピピーピピピピピピピピピピピ バン!

とりあえず目覚まし時計を止める。
AM07:15

びっくりした!完全に遅刻する時間だ!!!
俺は急いで制服を引っ張り出して着ようとして…

制服が違う事に気付いた。

「あっ…これ中学の頃の制服…えっ?」
部屋を見渡すと窓の外に華莉那の部屋の窓が見える。
そして家の間に見える空が少し明るくなり始めている感じで…うっすらと雲がかかってるのが見える。

部屋の中を見渡すとなんとなくだけど今まで俺が使ってきてそこそこ年季が入った家具がほんの少しだけど新しくなってる感じが…


あぁ…そうか…戻って来たって事か…


ちなみに今の日付は…そう言えばこの部屋にはまだパソコンもスマホも無いんだったな。
しかもテレビも無いし…

とりあえず目覚ましをかけていたって事は平日だよな…
そう言えばマリー…子?マリコ?さん??だったっけ???
あの子が言ってたか書いてたかの戻る日っていつって言ってたかな…

あ~まずいなんにも思い出せない…

あっ…そうか、俺そう言えば記憶を無くして元の時間に戻るのを選択したんだったか。
それで思い出せないって事なんだな♡

ならばえ~っと…なんだったっけ?確か華莉那と仲良くしていたら大丈夫?とかってそんな話だったような…
まぁとりあえず今日がいつなのかを確認するか。
かなり肌寒い感じがするから、たぶん今は冬なんだと思うけど…

とりあえず部屋の床に置いてあったジャージを着て下の部屋に行くと璃子りこがテレビを見ていた。
「あっ、おにーちゃんおはよ~もうすこししたらおにーちゃんの見てるヨーカイウ○ッチはじまるよ?一緒にみるんだよね?」
璃子が幼女になっていた…


あぁ、違うのか3年前に戻っていただけか。ちなみに壁にかかってるカレンダーで年号と何月かだけは判った。
2015年の12月だな。
それにしても…俺と璃子の年齢差は6才だけど…今の俺の感覚からすれば9才年下か…やばっ璃子って俺の半分の年なんだな♡

なんか…こいつあの憎たらしい言い方をしないで笑顔で一緒にアニメ見ようとか誘う…おぉう♪可愛いなぁ♡
「なぁ璃子、一緒に見たいのか?」
「うん♡」


あぁ~…なんて無垢な笑顔…そんな璃子をちょっとエロい目で見てしまうダメなおにいちゃんを許しておくれっ♡

とりあえず璃子と一緒にアニメを見てしまった。
なんか急に体操がはじまって璃子が踊りだしたのを見て、親父が運動会の時に俺を撮る事はまったく無かったけど璃子の姿はその当時最高画質のデジタルビデオカメラを準備してまで撮っていたのを思い出した。

目の前でテレビを一生懸命見ながらお尻をフリフリ…あぁ~立てなくなりそう…♡

じゃなくって頭が溶けそう♡

とりあえず今までほとんど妹を意識した事が無かったけど璃子ってすごく可愛い子だったらしい。
これは変な虫がつかない様に気を付けなければならないな。

あ、日付が判った。
今日は2015年の12月26日
どこかのショッピングモールのCMで今日と明日が安くなる日だって言ってたからやっと日付が判った。

そうか26日か…一応この頃って確か冬休みに入っていて…毎日華莉那とお互いの家に交互に行ったり来たりしつつ一緒に勉強していたはずだった…

「なぁ璃子、俺昨日どっちで勉強したか覚えてる?」
「勉強?」
『カイカイ♡クイクイ♪』言いながら体をプラプラさせながら顔だけ俺の方に向けて聞き返す璃子…ラブリー♡

「あぁ、昨日華莉那ってうちに来た?」
「…かりなちゃん昨日は来て無かったと思うよ?」
だとしたら今日はあいつが俺の部屋に来る日か。
「おにーちゃんも一緒にしようよ~♪」

とりあえず可愛い璃子のお誘いを断れなかった俺は璃子と一緒に体操の第2まで踊ってしまった。
音楽を聴くと体が思い出すのかなぁ…なんか普通に良い汗かいちゃったよ♡

とりあえず朝飯を食べずに良い運動をしてしまったので腹が鳴る。
「そう言えば璃子、母さんはもう仕事に行ったのか?」
「うん。パンは焼いて食べてっていってたよ。」
璃子はまだテレビアニメから目が離せないみたいだ。

あまり気にした事無かったけど小学校の頃の子供ってアニメ見てたら体が色々動くんだな。
主人公の女の子が走ってると同じ感じに体が揺れてたり何かのバトルみたいな感じのシーンになると一緒に腕を振り回していた。

こんな可愛い璃子もあと3年も経ったらあんな可愛くない妹になるのか…
とりあえず食パンを焼きつつそんな事を考えていたらドアホンが鳴る音がした。

「あっ!たぶんかりなちゃんだとおもう~出る~♪」
璃子がドアホンの所まで走って移動してボタンを押すと映像が映ったみたいだった。
「あっやっぱりかりなちゃん。どうぞ~あいてるよ~♪」
『は~いじゃぁ入るね~。』
玄関の方で音がして華莉那が入ってきたらしい。
「おはよ璃子ちゃん、あっ…シンちゃん…もう起きてたんだね。」
「あぁ、今から朝メシ食うけどお前もう食べてきたのか?」
少しだけドキドキしつつもなんか普通に話が出来た。
意識の中では華莉那に少し前にグーで殴られたばかりの俺だけど体の方は毎日会って一緒の部屋にずっと居て一緒に勉強をし続けてきたからか特に反応する事も無く…

って言うかあの時俺の部屋に突撃してきた華莉那の3年と半年位前の体の華莉那…ん~幼いなぁ…

やっぱりこいつはまだ俺の体をその気にさせられるだけの武器を持ってないんだな…ふっ…あと6ヶ月程度早かったみたいだ…
「シンちゃん?なんか変な事考えて無いでしょうね?」

少しジト目で睨んで来る華莉那…ん~もう少しだけ何かが有ればもうちょっとドキドキできるんだけどなぁ♡
「んあっ?変な事ってどんな事?」
「えっ?!え~~っとその…ちょっとエッチな事とか考えて無いかって言ってるの!」
おぉ~赤くなって手をグーにして手を下に降ろして胸を寄せる感じのプンプン怒りですか?♡
せめてD近いサイズの胸があったらその怒り方で楽しめるんだが…残念ながらお前のその装備では何も変わらない…

フッ♡だとしてもナカナカ可愛いぞ華莉那♡

あっ思い出した。そうだよこのやり取りで華莉那を怒らせて年明けまで音信普通になったんだ…
ここですぐに謝ったらそれで修正完了って事なんだろうか?
「あ~っとその華莉那けっこう可愛いからさぁ、ゴメン。ちょっとだけどの…考えた。」
「へあっ?!そん…ソノ…エッチな事はその…まだ早いって言うか…」
う~わ華莉那の顔が更に真っ赤になった…

「何よ?ニヤニヤしちゃって…」
「そんな真っ赤な顔されたらそりゃぁ可愛いって思うっしょ?」
「カワウィ~!!ってアヒエッソんなあっ♡」
なんか言葉が日本語じゃなくなりつつあるけどさすがに調子に乗りすぎたか?

「そうそう華莉那、とりあえず食ったら部屋に行くから先に行っててもいいけどどうする?」
「…食べるまでここに居る。」
そう言って赤い顔のまま璃子の座っている所まで行き璃子を抱く様にして一緒にソファーに座ってテレビを見だした。

確か覚えてるあの時は…
「シンちゃん?なんか変な事考えて無いでしょうね?」
「はぁ?お前でどんな想像が出来るんだよ?無茶言うなよな。」
みたいなやり取りをしてイキナリ怒りだした華莉那がそのままドアを壊す勢いで部屋から出て行ってそのまま自分の家まで戻って行ったんだったはず…
だからとりあえず今の状態であれば大丈夫だよな。

とりあえず俺はやる事をやったと言う感覚があり、とても清々しい気分で焼いたパンを食べてそのまま華莉那と一緒に自分の部屋に行って勉強を始めた。
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