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第4章 悪魔の勢力
13 最後の電話
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『あっ…博之君?久しぶりね』
博之君か…
「あぁ、ソフィーさん久しぶり。…最近…って言うかここ半年ぐらい電話をしてもまったく出てくれなかったけど…何かあったの?」
俺は少しだけ嫌な予感を感じつつ、ソフィーさんからの電話を受けた。
ソフィーさんとは去年の10月頃からまったく連絡が取れなくなっていた。
正直もう捨てられたんだろうな…なんて考えてたから、電話に出るのがすごく怖かった…
『ずっと連絡できずにゴメンナサイ。怒ってマスか?』
なんか…毎日一緒にお風呂に入ってた頃の事を思い出して…何度もソフィーさんに言われた言葉を聞いて、ちょっと懐かしい様な寂しい様な…涙があふれそうになった。
「そりゃぁ急に連絡取れなくなったら心配するし…何かあったのかもって思うし…」
…
『ホントウにゴメンナサイ。そして…私はもう日本に行けなくなりました。だから…』
あぁ…やっぱり…
「そっか…もう…会えない?」
『……ハイ。…ゴメンナサイです』
「…理由は聞ける?」
『………それも言えないです。…ゴメンナサイ』
どうして何も言ってもらえないんだ?
もし何か問題があるなら…俺には何もできないかもしれないけど…でも…
もしかしたら…
なんか…腹が立ってきたのは俺が子供だからじゃないよな?
俺は自分の心の痛みから逃げたくてソフィーさんに声を荒げて文句を言い、なじり続けた。
「なんで何度も謝るんだよ!そんなに悪い事をしたって思ってるなら一回ぐらい顔を見せても良いんじゃないの?!俺がどんな思いで連絡を待ってたと思ってるんだ?!ほんとに何度もかけたんだぞ!それに…」
そして…俺が声を荒げている間、ソフィーさんは一切言い返す事なく、ずっとゴメンナサイと言い続けた。
そして…
「泣くぐらいならなんで…」
電話口で嗚咽が漏れてくるのが聞こえてきた。
『本当に何も言わずに別れる事になってしまってゴメンナサイ。でもあなたの事はずっと好きだったノ。今でもずっとスキです。大スキデス…でも…ゴメンね。博之君』
最後まで2人っきりの時の呼び方をしてもらえなかった俺は、もうソフィーさんに何も言う事が出来なかった。
もしかしたら『嘘だよ博之様♡』なんて言いながらソフィーさんがドアから入ってきたり…なんて事を、絶対に無いとは思いつつも願ってドアをずっと見ていたが…
そして…涙が止まらなくて…もう声を出せば気づかれる気がして…話せなくなった。
もう声を出せない…こんなの耐えられない…もう無理…
俺は自分のスマホを床に叩きつけて壊した。
俺とソフィーさんは、春の空気が少し感じられ始めた3月が終わろうとする頃に別れた。
博之君か…
「あぁ、ソフィーさん久しぶり。…最近…って言うかここ半年ぐらい電話をしてもまったく出てくれなかったけど…何かあったの?」
俺は少しだけ嫌な予感を感じつつ、ソフィーさんからの電話を受けた。
ソフィーさんとは去年の10月頃からまったく連絡が取れなくなっていた。
正直もう捨てられたんだろうな…なんて考えてたから、電話に出るのがすごく怖かった…
『ずっと連絡できずにゴメンナサイ。怒ってマスか?』
なんか…毎日一緒にお風呂に入ってた頃の事を思い出して…何度もソフィーさんに言われた言葉を聞いて、ちょっと懐かしい様な寂しい様な…涙があふれそうになった。
「そりゃぁ急に連絡取れなくなったら心配するし…何かあったのかもって思うし…」
…
『ホントウにゴメンナサイ。そして…私はもう日本に行けなくなりました。だから…』
あぁ…やっぱり…
「そっか…もう…会えない?」
『……ハイ。…ゴメンナサイです』
「…理由は聞ける?」
『………それも言えないです。…ゴメンナサイ』
どうして何も言ってもらえないんだ?
もし何か問題があるなら…俺には何もできないかもしれないけど…でも…
もしかしたら…
なんか…腹が立ってきたのは俺が子供だからじゃないよな?
俺は自分の心の痛みから逃げたくてソフィーさんに声を荒げて文句を言い、なじり続けた。
「なんで何度も謝るんだよ!そんなに悪い事をしたって思ってるなら一回ぐらい顔を見せても良いんじゃないの?!俺がどんな思いで連絡を待ってたと思ってるんだ?!ほんとに何度もかけたんだぞ!それに…」
そして…俺が声を荒げている間、ソフィーさんは一切言い返す事なく、ずっとゴメンナサイと言い続けた。
そして…
「泣くぐらいならなんで…」
電話口で嗚咽が漏れてくるのが聞こえてきた。
『本当に何も言わずに別れる事になってしまってゴメンナサイ。でもあなたの事はずっと好きだったノ。今でもずっとスキです。大スキデス…でも…ゴメンね。博之君』
最後まで2人っきりの時の呼び方をしてもらえなかった俺は、もうソフィーさんに何も言う事が出来なかった。
もしかしたら『嘘だよ博之様♡』なんて言いながらソフィーさんがドアから入ってきたり…なんて事を、絶対に無いとは思いつつも願ってドアをずっと見ていたが…
そして…涙が止まらなくて…もう声を出せば気づかれる気がして…話せなくなった。
もう声を出せない…こんなの耐えられない…もう無理…
俺は自分のスマホを床に叩きつけて壊した。
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