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第2章 岡山県1
02 病院に行こう
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日本に戻ってそろそろ2週間ぐらいか。
学校の事とか住む所の事とか色々忙しくしていたら、気づいたら俺の右腕のギプスが外せるぐらいまで回復していたらしい。
「一応骨も体組織もキレイに繋がってるみたいですのでギプスはもう必要ないでしょう。でもいきなり過度な運動などは控える様に気を付けてください」
「はい」
ちなみに左腕のギプスはまだ外せないらしい。
って言うかまだ自分の意志で指とか全く動かせないので、もしかしたら最悪このまま動かせない状態かもしれないって言われてる。
「博之君、私はこの後先生と話があります。もし暇なら先に私の家に戻っていてもいいですがどうします?」
ソフィーさんが俺の服のボタンを留めるのを手伝ってくれながら聞いてきた。
「ソフィーさんの家までって確かここから5キロぐらいか…」
「足はもう完全に大丈夫ですから少しぐらいなら走っても大丈夫ですよ?」
「コッソリ昨日も持ち上げて楽しめたからそれは分かってる♡」
「コッソリバカ♡」
服を直して面談ブースって言うのかな?部屋から出て歩いてると少し風が吹いてる外の景色が窓越しに見えた。
「そしたら少し歩いてみるね。ソフィーさん、後はお願いしてもイイ?」
「はい。任せてください。ではまた後ほど♡チュッ♡」
ソフィーさんは最近近くに人が居ても普通にキスしてくれるようになった♡
毎夜の濃厚な感じのキスでは無いけど…俺飛行機事故に遭って本当に良かったなぁ~♡
そう言えばソフィーさんがこっちに来ることになった理由をこの間教えてくれたんだけど、なんか俺の体にすごく変わった免疫システム?があるらしくって、それを専属的に調べさせてほしいみたいな話をされたんだ。
その対価としてソフィーさんがずっと付き添ってくれるのと、もし左腕が元通り動かせないままになる様であればアメリカの先進医療の粋を集結した手術とかも視野に入れたバックアップまでしてもらえるとかって話らしい。なんかほら、腕にセンサーとかチップを埋め込んで脳からの指示を電気的な回路を使って動かすみたいな?サイバー的な感じのとかも選択肢として選べるって言ってた。それに治療に関してかかるお金の全てをソフィーさんの後ろの団体?が持ってくれるって話だった。確か大学と製薬会社が合同で出資した団体とかって言ってた。
そしてその辺りの話はうちの親父と母さんには伝わってるらしく、あとは俺が了承するだけって状態で話してくれたんだ。
もしかしたら俺と結婚する為にわざわざ無理して付いてきてくれてるのかも?とかなんとか考えていた俺だったが、さすがにそこまで俺にぞっこんラブ♡な国際的押しかけ妻みたいな話では無かったらしい。
まぁでも、そんなお仕事を選んで日本にわざわざ来てくれて、毎日俺のエッチの相手をしてくれてるってのは…まあ…愛が無いとできないよね!
そんな訳でソフィーさんがしたいのならば…ずっとこっちに居てくれるのであれば俺としては特に問題無いというか嬉しいというかウホホ~イ♡というかひ~~~~~ヒャッホーイ♡な感じというか。
しかもさぁ、俺の近くに居る為にソフィーさんこっちでは高校の医務室の先生をするとか…
学校で合法的にベッドがある場所にソフィーさんがオッパイ出して…は、ないけど居るとかさぁ…
白衣を着たソフィーさんと学校エッチ…タマラーン!!絶対する!!!
そんな訳で俺は足取りも軽くそこそこ過疎った街並みをたまに吹く寒風にシバリングっぽいブルッっと感を感じつつ『もう冬だねぇ~サムッ!』なんて思いながら歩いていたら、前から学生っぽい男の集団がバカっぽい笑い声をあげながら近づいてきた。
まずい…こいつらは田舎によく居る危険種だ。目を合わせたら絶対に絡まれて裸に剥かれてチン毛を燃やされるまでいたぶられるってどこかで見た事がある。
俺が見たマンガでは女の子がそんな事をされていたけど…まぁでもリアルとフェイクに違いがあるのは当然なわけで、男も気を付けなければならないはずだ。
って訳でコソコソと道の隅っこを歩いていた俺だったがなぜか絡まれた。
「ん?おれこいつ知ってるぞ。お前アレだろ?生還者だろ?」
一人の男が俺を指さしながらスキマだらけの歯を見せつつ大声で話し始めた。
「何だよそれ、ゲームの話か?お前らガキかよww」
「ちげぇよ!Tw〇tterでイキってる奴なんだって!」
「へーそうなん?でもこいつヒョロイじゃん?…こんなんがイキってんの?何それ?ケンカうってんの?」
なんとなくリーダーっぽい奴が急にヤバそうな目で睨んできた。
「俺なんも言ってないよ?!」
「うっせぇよ!ちょっとフォロワー多いからって舐めてんだろ?!おい!!」
「それ俺じゃねぇし!」
「お前以外にあんな動画上げられる訳ねぇだろ!なんなんだよあの抱き着いてた巨乳のネーちゃんとかよぉ?!」
一応本当の事しか言ってなかった俺だったが、なぜかこいつら人の話を全く聞かない危険種達で勝手に身内で煽りあいながら俺を無視して勝手にヒートアップしていった。
って言うかこいつけっこう俺のアカウントを見てるんだね♪
俺の知らない動画の事まで知ってるとか…ンフッ♪
そんな訳でここらで俺は説得をあきらめて走って逃げだした。
「おらぁ待てやぁ!!しめてやっからよぉ!」
「サトシ止めろ!」
「ミッチお前も急げ!」
「おぉ!仲間呼んで狩るか♪」
なんかミッチとか呼ばれた奴が仲間を呼ぼうとしてるらしい。
このままだと俺はちょっと見せられない姿になるんじゃね?!
「チキショー日和!後で覚えてろよ!!世界一恥ずかしい姿で『お兄ちゃん大好き♡』って言わせてその動画を俺のアカウントにあげてやるからな!」
って言うか俺の足速っ!!…俺ってこんなに走るの速かった?ずっと寝たきりだったから走れなくなってるとばかり思ってたけど、なんかすごぉ~い♪
ギプスで固定されてる左腕がちょっと走るのに邪魔だけどなんか追いかけてくる連中の声が小さくなってきてる気がする。
チラッと振り返ってみたら田舎の危険種集団をけっこう引き離していた。
「ナニナニ?俺ってもしかしたら陸上でも食っていけるんじゃね♪」
なんて思ってたんだけど、不良って危険種の事を俺は少しだけ舐めていたみたいだ。
軽快に走る俺の傍にドリュドリュすごくうるさい湿っぽい音をさせている車が並走し始めた。
「ヒロこいつだ!お前殺してやっから止まれ!」
「そんな事言われて止まる奴いるのか?!お前バカだろ?!アッ…ヤベ…」
思わず突っ込んじゃった…
おーヤンキー兄ちゃんの顔に見えてはいけない怒りマークがいくつも見えたぞー…
「ブチコロース!!ヒロもっと寄せろ!早くしろ!!」
「いってぇ!蹴るなよ!!ガードレールがあるからこれ以上は無理だって!」
「お前も一緒に殺されてぇのか?!やれってんだろ!」
「…チッ」
ヒロって奴が俺の走ってる歩道に車を突っ込ませてきた!
ギャン!ゴン!!ドスッ!!
「アイキャン チョット フラーイ!!」
そして俺は飛行機事故から大体2か月ぐらいか?それぐらい経って次は自動車事故に遭った。
………
……
…
んっ?なんかいつも感じる匂いを嗅いだ様な…?
「博之君!大丈夫?!博之君!!」
「あっ…ソフィーさん…いつものイイ匂いだ~♡」
「ちょっと!そんなアンッ♡こんな事してる場合じゃないでしょ?!だからヒンッ♡」
「えっ?ソフィーさんのオッパイが俺の顔に当たってるのにお乳首様を無視するなんて、そんなご神体を足蹴にする様な事はできないよ?」
「そうじゃなくって!あなた左腕のギプスが外れてるのに何言ってるの?!」
ん?
「おぉっ?!これは…なんか…」
左手の指が動かせる…
人差し指だけ立てて中指、薬指、小指と順番に一本づつ立てて曲げてを繰り返してみた。
薬指を小指と違う感じに動かすのって俺今まで一回も出来なかったはずなんだけど。
確か親父ブース(両親の寝室に設置してある色々と子供に見せられない様なグッズが入ってる棚)に置いてあったかなり昔のマンガで小指と親指だけ曲げる決めポーズをしてる主人公を見てなんとか真似しようとして頑張った覚えがあったけど、とうとうできずに断念したんだ。
そしてその後、人の指は小指と薬指を動かす神経が同じ経路だから片方だけを思い通りに動かすのが難しいってのを知って無駄な事をしたなぁ~なんて思ったものだったのだが。
「こんなに指が思い通りに動かせるようになってる。すげー♪」
「ねぇ博之君、服とかけっこう汚れてるみたいだけど…何があったの?」
ソフィーさんがそう言って顔をあげて視線を周りに向けた。
とりあえず残念だけど俺もソフィーさんのオッパイから顔を離して見てみた。
「工場?」
何か大きな機械の様なモノが1基と、アナログメーターみたいなのとか、白いプレートが等間隔に並んだモノが付いてるグレーの箱と言うかロッカーみたいなサイズのそんな何かが数台隅の方に立ってる。
それとコンクリートの床面が所々割れてタバコの吸い殻が投げ込まれてるのがそこかしこにみえる…
「血痕?」
なんとなくけっこうな人数の人がちょっと危険な遊戯を楽しんだような…?
「乱闘の痕みたいですけど…お医者さんと話をしていたら博之君の持ってるスマホのGPS情報が走るよりもずっと速く移動し始めたので急いで追いかけてきたんだけど…」
どうもソフィーさんがここに来た時、俺がこの廃工場みたいな場所に1人寝ころんでいたらしい。
そして周囲には乱闘の痕みたいな痕跡があった、と…
「俺確か…そうだ!日和だ!あいつにチアガールの姿をさせて『お兄ちゃん大好き♡』って言わせないと!」
「博之君?」
あっ、今ソフィーさんが『こいつ頭がイッテナイカ?』みたいな事を考えてそうな顔をした!
「違うんだ!聞いて!」
とりあえず俺が不良に絡まれて車に追突された所まで説明したらソフィーさんが俺を抱っこして車に乗せて病院に急いで移動し始めた。
「日和ちゃんには私からも少し言うわ。だから博之君は今から検査を受けてもらうからあまり体を動かさないで静かにしていて」
「うん♡」
助手席までお姫様抱っこで運ばれて厳しい目で見られながら『俺の言う通りにしろ』なんて凄まれたら…博之濡れちゃう♡
イヤ、『俺の言う通りうんぬん』の辺りは俺の妄想というか俺の乙女な心の一部が感じた声だったんだけどね♡
って言うかなんで俺は殺されなかったんだろ。
あの時のあのリーダーらしき奴の剣幕なら最低でも何カ所か骨を折られていても不思議ではない気がするのだが…
まぁでも、不良なんて口だけって感じだし?
オラオラ言ってても家に帰ったら『おかぁちゃんごはんまだ~?』みたいなやつが多いって聞いた事があるし?
あんな事を言ってた不良のリーダーっぽい奴も引くに引けない状態になってコロースなんて言ってたけど本当は『やっべーどうしよ…』なんて考えていて俺をあの廃工場まで運んでそのまま逃げたのかもしれないな。
俺は診療を受けた病院にとんぼ返りでそのまま入院って事になったが、検査の結果特にどこかが悪くなってるって事は無かったらしい。
って言うか一応左腕にもう一回ギプスを付けられたんだけど…
なんとなくギプスはもう必要ない感じがしてるのは俺の気のせいなのかなぁ…?
学校の事とか住む所の事とか色々忙しくしていたら、気づいたら俺の右腕のギプスが外せるぐらいまで回復していたらしい。
「一応骨も体組織もキレイに繋がってるみたいですのでギプスはもう必要ないでしょう。でもいきなり過度な運動などは控える様に気を付けてください」
「はい」
ちなみに左腕のギプスはまだ外せないらしい。
って言うかまだ自分の意志で指とか全く動かせないので、もしかしたら最悪このまま動かせない状態かもしれないって言われてる。
「博之君、私はこの後先生と話があります。もし暇なら先に私の家に戻っていてもいいですがどうします?」
ソフィーさんが俺の服のボタンを留めるのを手伝ってくれながら聞いてきた。
「ソフィーさんの家までって確かここから5キロぐらいか…」
「足はもう完全に大丈夫ですから少しぐらいなら走っても大丈夫ですよ?」
「コッソリ昨日も持ち上げて楽しめたからそれは分かってる♡」
「コッソリバカ♡」
服を直して面談ブースって言うのかな?部屋から出て歩いてると少し風が吹いてる外の景色が窓越しに見えた。
「そしたら少し歩いてみるね。ソフィーさん、後はお願いしてもイイ?」
「はい。任せてください。ではまた後ほど♡チュッ♡」
ソフィーさんは最近近くに人が居ても普通にキスしてくれるようになった♡
毎夜の濃厚な感じのキスでは無いけど…俺飛行機事故に遭って本当に良かったなぁ~♡
そう言えばソフィーさんがこっちに来ることになった理由をこの間教えてくれたんだけど、なんか俺の体にすごく変わった免疫システム?があるらしくって、それを専属的に調べさせてほしいみたいな話をされたんだ。
その対価としてソフィーさんがずっと付き添ってくれるのと、もし左腕が元通り動かせないままになる様であればアメリカの先進医療の粋を集結した手術とかも視野に入れたバックアップまでしてもらえるとかって話らしい。なんかほら、腕にセンサーとかチップを埋め込んで脳からの指示を電気的な回路を使って動かすみたいな?サイバー的な感じのとかも選択肢として選べるって言ってた。それに治療に関してかかるお金の全てをソフィーさんの後ろの団体?が持ってくれるって話だった。確か大学と製薬会社が合同で出資した団体とかって言ってた。
そしてその辺りの話はうちの親父と母さんには伝わってるらしく、あとは俺が了承するだけって状態で話してくれたんだ。
もしかしたら俺と結婚する為にわざわざ無理して付いてきてくれてるのかも?とかなんとか考えていた俺だったが、さすがにそこまで俺にぞっこんラブ♡な国際的押しかけ妻みたいな話では無かったらしい。
まぁでも、そんなお仕事を選んで日本にわざわざ来てくれて、毎日俺のエッチの相手をしてくれてるってのは…まあ…愛が無いとできないよね!
そんな訳でソフィーさんがしたいのならば…ずっとこっちに居てくれるのであれば俺としては特に問題無いというか嬉しいというかウホホ~イ♡というかひ~~~~~ヒャッホーイ♡な感じというか。
しかもさぁ、俺の近くに居る為にソフィーさんこっちでは高校の医務室の先生をするとか…
学校で合法的にベッドがある場所にソフィーさんがオッパイ出して…は、ないけど居るとかさぁ…
白衣を着たソフィーさんと学校エッチ…タマラーン!!絶対する!!!
そんな訳で俺は足取りも軽くそこそこ過疎った街並みをたまに吹く寒風にシバリングっぽいブルッっと感を感じつつ『もう冬だねぇ~サムッ!』なんて思いながら歩いていたら、前から学生っぽい男の集団がバカっぽい笑い声をあげながら近づいてきた。
まずい…こいつらは田舎によく居る危険種だ。目を合わせたら絶対に絡まれて裸に剥かれてチン毛を燃やされるまでいたぶられるってどこかで見た事がある。
俺が見たマンガでは女の子がそんな事をされていたけど…まぁでもリアルとフェイクに違いがあるのは当然なわけで、男も気を付けなければならないはずだ。
って訳でコソコソと道の隅っこを歩いていた俺だったがなぜか絡まれた。
「ん?おれこいつ知ってるぞ。お前アレだろ?生還者だろ?」
一人の男が俺を指さしながらスキマだらけの歯を見せつつ大声で話し始めた。
「何だよそれ、ゲームの話か?お前らガキかよww」
「ちげぇよ!Tw〇tterでイキってる奴なんだって!」
「へーそうなん?でもこいつヒョロイじゃん?…こんなんがイキってんの?何それ?ケンカうってんの?」
なんとなくリーダーっぽい奴が急にヤバそうな目で睨んできた。
「俺なんも言ってないよ?!」
「うっせぇよ!ちょっとフォロワー多いからって舐めてんだろ?!おい!!」
「それ俺じゃねぇし!」
「お前以外にあんな動画上げられる訳ねぇだろ!なんなんだよあの抱き着いてた巨乳のネーちゃんとかよぉ?!」
一応本当の事しか言ってなかった俺だったが、なぜかこいつら人の話を全く聞かない危険種達で勝手に身内で煽りあいながら俺を無視して勝手にヒートアップしていった。
って言うかこいつけっこう俺のアカウントを見てるんだね♪
俺の知らない動画の事まで知ってるとか…ンフッ♪
そんな訳でここらで俺は説得をあきらめて走って逃げだした。
「おらぁ待てやぁ!!しめてやっからよぉ!」
「サトシ止めろ!」
「ミッチお前も急げ!」
「おぉ!仲間呼んで狩るか♪」
なんかミッチとか呼ばれた奴が仲間を呼ぼうとしてるらしい。
このままだと俺はちょっと見せられない姿になるんじゃね?!
「チキショー日和!後で覚えてろよ!!世界一恥ずかしい姿で『お兄ちゃん大好き♡』って言わせてその動画を俺のアカウントにあげてやるからな!」
って言うか俺の足速っ!!…俺ってこんなに走るの速かった?ずっと寝たきりだったから走れなくなってるとばかり思ってたけど、なんかすごぉ~い♪
ギプスで固定されてる左腕がちょっと走るのに邪魔だけどなんか追いかけてくる連中の声が小さくなってきてる気がする。
チラッと振り返ってみたら田舎の危険種集団をけっこう引き離していた。
「ナニナニ?俺ってもしかしたら陸上でも食っていけるんじゃね♪」
なんて思ってたんだけど、不良って危険種の事を俺は少しだけ舐めていたみたいだ。
軽快に走る俺の傍にドリュドリュすごくうるさい湿っぽい音をさせている車が並走し始めた。
「ヒロこいつだ!お前殺してやっから止まれ!」
「そんな事言われて止まる奴いるのか?!お前バカだろ?!アッ…ヤベ…」
思わず突っ込んじゃった…
おーヤンキー兄ちゃんの顔に見えてはいけない怒りマークがいくつも見えたぞー…
「ブチコロース!!ヒロもっと寄せろ!早くしろ!!」
「いってぇ!蹴るなよ!!ガードレールがあるからこれ以上は無理だって!」
「お前も一緒に殺されてぇのか?!やれってんだろ!」
「…チッ」
ヒロって奴が俺の走ってる歩道に車を突っ込ませてきた!
ギャン!ゴン!!ドスッ!!
「アイキャン チョット フラーイ!!」
そして俺は飛行機事故から大体2か月ぐらいか?それぐらい経って次は自動車事故に遭った。
………
……
…
んっ?なんかいつも感じる匂いを嗅いだ様な…?
「博之君!大丈夫?!博之君!!」
「あっ…ソフィーさん…いつものイイ匂いだ~♡」
「ちょっと!そんなアンッ♡こんな事してる場合じゃないでしょ?!だからヒンッ♡」
「えっ?ソフィーさんのオッパイが俺の顔に当たってるのにお乳首様を無視するなんて、そんなご神体を足蹴にする様な事はできないよ?」
「そうじゃなくって!あなた左腕のギプスが外れてるのに何言ってるの?!」
ん?
「おぉっ?!これは…なんか…」
左手の指が動かせる…
人差し指だけ立てて中指、薬指、小指と順番に一本づつ立てて曲げてを繰り返してみた。
薬指を小指と違う感じに動かすのって俺今まで一回も出来なかったはずなんだけど。
確か親父ブース(両親の寝室に設置してある色々と子供に見せられない様なグッズが入ってる棚)に置いてあったかなり昔のマンガで小指と親指だけ曲げる決めポーズをしてる主人公を見てなんとか真似しようとして頑張った覚えがあったけど、とうとうできずに断念したんだ。
そしてその後、人の指は小指と薬指を動かす神経が同じ経路だから片方だけを思い通りに動かすのが難しいってのを知って無駄な事をしたなぁ~なんて思ったものだったのだが。
「こんなに指が思い通りに動かせるようになってる。すげー♪」
「ねぇ博之君、服とかけっこう汚れてるみたいだけど…何があったの?」
ソフィーさんがそう言って顔をあげて視線を周りに向けた。
とりあえず残念だけど俺もソフィーさんのオッパイから顔を離して見てみた。
「工場?」
何か大きな機械の様なモノが1基と、アナログメーターみたいなのとか、白いプレートが等間隔に並んだモノが付いてるグレーの箱と言うかロッカーみたいなサイズのそんな何かが数台隅の方に立ってる。
それとコンクリートの床面が所々割れてタバコの吸い殻が投げ込まれてるのがそこかしこにみえる…
「血痕?」
なんとなくけっこうな人数の人がちょっと危険な遊戯を楽しんだような…?
「乱闘の痕みたいですけど…お医者さんと話をしていたら博之君の持ってるスマホのGPS情報が走るよりもずっと速く移動し始めたので急いで追いかけてきたんだけど…」
どうもソフィーさんがここに来た時、俺がこの廃工場みたいな場所に1人寝ころんでいたらしい。
そして周囲には乱闘の痕みたいな痕跡があった、と…
「俺確か…そうだ!日和だ!あいつにチアガールの姿をさせて『お兄ちゃん大好き♡』って言わせないと!」
「博之君?」
あっ、今ソフィーさんが『こいつ頭がイッテナイカ?』みたいな事を考えてそうな顔をした!
「違うんだ!聞いて!」
とりあえず俺が不良に絡まれて車に追突された所まで説明したらソフィーさんが俺を抱っこして車に乗せて病院に急いで移動し始めた。
「日和ちゃんには私からも少し言うわ。だから博之君は今から検査を受けてもらうからあまり体を動かさないで静かにしていて」
「うん♡」
助手席までお姫様抱っこで運ばれて厳しい目で見られながら『俺の言う通りにしろ』なんて凄まれたら…博之濡れちゃう♡
イヤ、『俺の言う通りうんぬん』の辺りは俺の妄想というか俺の乙女な心の一部が感じた声だったんだけどね♡
って言うかなんで俺は殺されなかったんだろ。
あの時のあのリーダーらしき奴の剣幕なら最低でも何カ所か骨を折られていても不思議ではない気がするのだが…
まぁでも、不良なんて口だけって感じだし?
オラオラ言ってても家に帰ったら『おかぁちゃんごはんまだ~?』みたいなやつが多いって聞いた事があるし?
あんな事を言ってた不良のリーダーっぽい奴も引くに引けない状態になってコロースなんて言ってたけど本当は『やっべーどうしよ…』なんて考えていて俺をあの廃工場まで運んでそのまま逃げたのかもしれないな。
俺は診療を受けた病院にとんぼ返りでそのまま入院って事になったが、検査の結果特にどこかが悪くなってるって事は無かったらしい。
って言うか一応左腕にもう一回ギプスを付けられたんだけど…
なんとなくギプスはもう必要ない感じがしてるのは俺の気のせいなのかなぁ…?
0
1人で見てたら誤字とかありそうです。
もしよければ感想辺りでも使って報告していただければ助かります。
誤字報告だけなら感想に上げずにそのまま消去する事も可能なので、よろしくお願いします。
もしよければ感想辺りでも使って報告していただければ助かります。
誤字報告だけなら感想に上げずにそのまま消去する事も可能なので、よろしくお願いします。
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