エロい!

marks

文字の大きさ
上 下
21 / 32

20 勇人が学校に行ってる間に色々♡2/2

しおりを挟む
出雲大社の第2の鳥居になる勢溜せいだまりの鳥居を右に見ながら原付バイクで走っていると突き当たりに海が見えてきた。

赤信号で止まると正面の海から強い風が吹きつけてくる。
12月に入ってるとは言えど、午前10時を少し過ぎる時間で太陽もしっかり雲から出て見えているにも拘らず手が凍えそうな寒さを感じる。
一応コートとヘルメットと手袋はしっかり着けているけど…ちょっとだけこの辺りの寒さを舐めていたかもしれない。
高校に通っていた頃はもう少し薄手の服で自転車で走り回っていたって言うのに…ちょっとスピード出しすぎかなぁ…

あっ信号変わった。

T字の交差点を右に曲がり走り続けていると『うみねこ街道』と描いてある看板を見つけ道なりに走っていくと5kmほど走った辺りで大悟だいごさんの言っていた灯台が見えてきた。
これが見えてきたら確かそろそろ近いって言ってたと思うんだけど…?
とりあえずぐぐマップを開いて大悟さんにマークをつけてもらった辺りを目指して移動すると最後の目印の右手の沖に防波堤が見えてきて入り江になった海沿いに民家が肩を寄せ合う様に20件ぐらいかな?建っていた。
確かこの辺りの神社が大悟さんの実家だって聞いたと思うんだけど…
かなり近くまで来ている気がしたので原付バイクのエンジンを切って最後マップを出して確認しようとしていると大悟さんから電話がかかった。

「はーい大悟さん。」
『はいはーい。もうこっちからは見えてるよ。』
大悟さんに言われて周囲を見渡すと道沿いに左手の森に沿う感じに作られている石垣の上に朱色の塀と建物があり、その神社らしき建物の少し先に見える平屋の建物の入り口から大悟さんが顔を出して手を振ってる姿を見つけた。
「あ、見つけた♡そっちに行きますね~♪」
『はーい。』

建物の傍の駐輪場みたいな場所にバイクを停めてヘルメットを外しながら歩いて近付くと大悟さんがそのまま建物の中に招き入れてくれた。
「お待たせしました。」
「大丈夫だよ、俺も少し前にここら辺に戻ってきた所だから。」
「ここが大悟さんの実家?」
なんとなくだけどここって社務所か地域の集会所みたいな建物に見えるけど…?
「うちの実家はこの建物の正面の白い塀の所だよ。ここは俺の父が宮司をしていて姉が巫女さんの仕事をしてる所なんだ。とりあえず打合せも兼ねてここで話をするって言われたから俺もそのまま来たんだよ。」
実は今回大悟さんが年末休暇1ヶ月前にもかかわらず里帰りした理由は、妹さんの結婚に関する顔合わせをするかららしいの。
結婚する2人がお互いの家族にお互いのパートナーを紹介する場合には一緒に住んでいる家族の内で親等数の低い人の内で若い年齢の人から始めるという決まり事みたいなのがあるらしく、大悟さんの妹さんの場合自分の家族を紹介するなら大悟さんが最初に会う事になるのでこうして呼び出されたらしい。

それにしても…男の数が減ってる今のご時勢に大悟さんの妹さんに結婚する相手が居るって事がどうにも羨ましい。
もし叶うなら私も誰かと結婚して周囲の人から『あいつ完全に勝者エリアの住人になりやがった…くやしぃ~~!!!』みたいに思われたい。

…まぁ…その可能性ってかなり高い状態になってきてるんだけどねぇ~~♡

「それでさぁ、美香ちゃんも今回の顔合わせには参加する事になってるんだよね?」
8畳ぐらいの広さの和室に案内されてコートを脱いでハンガーに掛けていたら座卓に四点置かれた座椅子の内の1つに座った大悟さんが聞いてきた。
「えっ?…あ、そうでしたね。妹さんの相手の男が私の親戚だったので一応付き添いって訳じゃないんだけど『席に一緒に居られるなら居て欲しい』って親経由でお願いされました。」

おっと危ない危ない♡
勇人はやととの幸せな新婚生活(妄想)が頭の中で展開されていて最初何を聞かれたのか理解できなかった♡

「確かこの間うちに来たいちごが言ってたけど相手の男って美香ちゃんと同い年なんだって?」
掛けたコートの近くにヘルメットとマフラーと手袋を置いてセーターとジーンズ姿になった私も座椅子に座りつつ大悟さんの入れてくれたお茶を一口♡
「ふぅ~♡えぇ。確かあの子って今年地元の大学に行く事になってたはずなんだけど…私も会うのが…3年ぶりぐらいかな?だから正直な所どんな感じに育ってるのか分からなくて…」
たしか従兄弟の誠司せいじ君とは中学に通っていた頃に正月に1回程度は会っていたはずなんだけど…それ以降ほとんど会う事がなかったからなぁ…
一応覚えてるあの子の感じは確か…薄幸の美青年って感じでかなり線の細い子だった気がするけど…

でも確か…大悟さんの妹さんって少し前まで大悟さんしか見てなかったとか聞いた事があったんだけど…大悟さんとはまったく違う感じだったと思うんだけどなぁ…二人ってどこで知り合ったんだろ?

少しの間大悟さんと地元が思った以上に変わっていたって話をして盛り上がっていたら襖の辺りから声がかかった。
『失礼します』
そして音を立てずに襖が開くと和装の男女が襖の先の部屋に座ってこっちを向いて頭を下げていた。

わ~…なんか時代劇みたいな感じ♡

楚々とした立ち振る舞いの女性とこれまた楚々とした感じの男が続いて部屋に入ってきた。
あぁ、なんとなく面影がある気がする。たぶんこいつが私の従兄弟の誠司君だ。
軽くウェーブした髪が肩の辺りまでの長さでダークブラウンに染められていて、なんとなくなれて無い感じの和装で少しギクシャクした動きをしている誠司君が視線を上げたら私を見つけたのか笑顔になった。
「お久しぶりです美香さん。今回は僕のお願いを聞いてくれて本当にありがとう。」
確か男の人をエスコートするのはパートナーの女性だけって決まりがあったと思うのだが、誠司君1人で初対面の人と会うのが恥ずかしいのか大悟さんと面会するまで色々ごねたらしい。
そして私をすごく攻撃力の高そうな目で威嚇する大悟さんの妹の苺さん…

やめてよぉ…私の好みは大悟さんとか…その…私の婚約者の勇人なんだからさぁ~♡
そんなナヨンナヨンなフニャフニャオチンチンの男とかではもう…気持ちよくなれない体になってしまってるんだからさぁ~♡
…あっ、私はこの誠司君とはセックスした事は無いからね?
小さい頃に何度かお医者さんごっこで遊んだから柔らかいのを知ってるだけなんだからね?

とりあえず『その男にはまったく興味無いから安心していいからネッ?』と視線会話で念を押すと苺さんがやっと威嚇行為をやめてくれた。

まぁねぇ、彼女が自分の男を取られない様に気を張ってるのって正直理解できるんだよね。
だって、どっちの親族と先に顔合わせをするみたいな決まり事は無いけど、そもそも結婚に関する事での決定では、結婚する当事者の男の人か、お互いの家族の内のお父さんか、その次あたりに兄弟辺りが決定権を持っていたりする。
そして女は男の決定を受け入れるしか無いって状態だから…苺さんにとっては大悟さんと誠司君の顔合わせってすっごく大きな意味を持つ事なのよね。
だってここで大悟さんが、『こいつとの結婚とかダメだ!』みたいな事を言い出したら揉め事を嫌う男がこの縁談をやめる可能性が高い訳でさぁ、そもそも男からすれば女は選び放題だから少しでも面倒事がある様ならすぐ逃げるみたいだし…
それにもしそんな状態になったら親も自分の息子の意見なら無碍にはしないから『じゃぁ今回の縁談は無い方向で…』とかって考える事が多いらしくて、婚約者として親族に受け入れられて認知されるまではすごいプレッシャーがあるって話が『ハンター24』って結婚情報誌に書いてあった。

とりあえず当事者が揃ったので顔合わせ会が始まったのだけど…
なぜか私と大悟さんと苺さんしか話をしないのは…誠司君ってこんなにしゃべらない子だったかしら?
大悟さんに何か聞かれたら『あっ…はい』だとか『えぇ…そうです』とかって応えるだけでず~っとうつむいてるんだけど…

『ねぇ…苺さん?本当にこんなに何も言えない様な男で…本当に良いの?』
一応目で苺さんに問いかけてみたのだが彼女はかなり緊張しているみたいでまったく気付かない。

どうしよう…私そう言えば…今年の春頃から大悟さんと体の関係を持つ様になってから他の男とかまったく気にならなくなってたのと、それ以前にあの橋の下での出来事以来大悟さん以外をまったく見てなかったってのもあったんだけど…男の基準が変になってたりするのかなぁ…?

なんとなくだけどさぁ?
男の人ってこう…『ほら、触ってみても良いぞ?』とか言って勃起したおちんちんを顔の前に出す様な人が普通だって感じ…

ナルホド…そうか、やっと分かった。

私の考えてる普通の男って、大悟さんと勇人みたいなあっちの世界から来た男が標準になってるわぁ…
だから私って中学3年の正月辺りから誠司君とも会ってなかったんだ…
私にとっては男って何事にも動じない大昔に絶滅したって言われてる服を人の前で脱がされてもまったく隠さずに仁王立ちでおちんちんを曝せる様な『大和魂を持つ漢』ってのがデフォになってる…

※注釈
ここで言う男の価値感に関してですが、美香ちゃんの個人的な感覚を元にした考察であり、世の中の一般女性のそれでは無い事にご注意ください。

ずいぶん前から男の価値観が大きく変わっていた事に気づいてちょっとした動揺を感じつつも顔合わせは進み…


「では、今日はお時間をいただきありがとうございました。」
「いいえ。誠司君も苺の事を思ってくれている事がよく分かったし、正直ほっとしたよ。」
「あっ…ハイ…♡」
笑顔で声をかける大悟さんと頬を染めてうつむいてほとんど話せない誠司君…
なんだかこう…『お前ちんちん着いてるのか?!』って股間を鷲づかみしてやりたい気分になるんだけど…
私がここで何か言う必要は無いとなぜか勝手に荒ぶり始めた心を落ち着ける為に深呼吸をしていると苺さんが近づいてきた。

「今日はわざわざ来ていただいて申し訳ありません。」
柔らかい物腰で少しだけ険の取れた笑顔で苺さんが手を出してきた。
「いいえ。誠司君あんなだけど…本当に結婚する…のは分かったからその顔は止めてよ。」
私が苺さんに結婚を諦めさせようとでも考えてるとでも思ったのかまた苺さんの顔に般若が宿りながらこぶしが握られていたけど、スマホを取り出して自分の婚約者の勇人の画像を見せたらやっと理解してくれたらしく普通?の苺さんに戻ってくれた。
「また何かお願いする事があるかもしれませんが…その時はよろしくお願いします。」
「はい。よろしくお願いします。」
一応社交辞令を済ませて大悟さんに一言声をかけて私は速攻で原付バイクに乗り、愛しの勇人の家に戻る事にした♡
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』

コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ” (全20話)の続編。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211 男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は? そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。 格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。

転生したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

赤毛の行商人

ひぐらしゆうき
大衆娯楽
赤茶の髪をした散切り頭、珍品を集めて回る行商人カミノマ。かつて父の持ち帰った幻の一品「虚空の器」を求めて国中を巡り回る。 現実とは少し異なる19世紀末の日本を舞台とした冒険物語。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

シン・三毛猫現象 〜自然出産される男が3万人に1人の割合になった世界に帰還した僕はとんでもなくモテモテになったようです〜

ミコガミヒデカズ
ファンタジー
 気軽に読めるあべこべ、男女比モノです。  以前、私がカクヨム様で書いていた小説をリメイクしたものです。  とあるきっかけで異世界エニックスウェアに転移した主人公、佐久間修。彼はもう一人の転移者と共に魔王との決戦に挑むが、 「儂の味方になれば世界の半分をやろう」  そんな魔王の提案に共に転移したもう一人の勇者が応じてしまう。そんな事はさせないと修は魔王を倒そうとするが、事もあろうに味方だったもう一人の勇者が魔王と手を組み攻撃してきた。  瞬間移動の術でなんとか難を逃れた修だったが、たどり着いたのは男のほとんどが姿を消した異世界転移15年後の地球だった…。

処理中です...