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貞操逆転世界かぁ…そうかぁ…♡の、おまけ♡
一つの終わりの形(if)
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俺は夢見心地の中で抱いてる真琴の背中の感触を探していた。
ほんの一瞬前までは半覚醒状態の意識で体に感じていた暖かさがあったのだが、今急にそれが無くなった感じがした。
ただ、暖かさが無くなっただけで、いつもと違う寝心地のベッドの硬さが、いつものベッドの硬さになった感じがした。
ちょっとだけ安心して、体の向きを変えて、最近必ず誰かが一緒に寝ていたので無意識に柔らかさを求めて手を伸ばして探したが…
誰も居ない。
…あれっ?俺……確か…高校生の真琴と一緒に寝た…よ…ね?
なんとなく目を開けて体を起こし見える場所を確認すると、そこは5年前からずっと住んでるアパートの俺の部屋。
あぁ…戻ってきたのか…
真琴の事を少し知って、すぐに戻ってくるとか…何がおきてるんだ??
時間はAM7:30。そろそろ起きた方が良いか。
のっそりと何かすごく疲れた感じがする体を動かしいつも通りにパンをトーストする準備をしてコーヒーを入れて目を覚ましていく。
そう言えば今日はいつなんだろ?
2013年に行ってたのは3日ぐらいだったかな?
だとしたら今日って…とりあえずスマホのブラックアウトした画面をタップ。
表示された日付は1週間前の金曜日
ん??
一週間前の金曜日??
とりあえずテレビを付けてみると優美ちゃんの可愛らしい笑顔が写った。
わ~お久しぶり~…えっ?!
とりあえずチャンネルを変えると尾崎ちゃんも和久田さんも普通にテレビに映ってた。
なんとなく久しぶりに会った友人に感じる親近感の様な物を感じた。
えっ?えっ??俺が過ごした10日位の時間ってどこ行ったの?
っていうか俺ってまさか…素人童貞に戻ったって事なのか?!
とりあえず着てたパジャマを脱いでパンツを下ろし確認すると…
なんとなく色素の薄い若々しいチンポがそこそこ元気に挨拶して来た。
「今は呼んだ訳ではないので静かにしてろ…って俺なんで自分の下半身と会話してんの??」
俺の記憶ではもうちょっと亀頭君が育っててもう少し黒っぽくなってた感じがあったのだが…
まぁそれは気にしてもしょうがない。俺のコレが嘆いてたらあの黒ヒカるン君になる訳じゃないんだ。
脱いでたパンツを穿きなおし、ついでに仕事に行く準備を始める。
なんとなく真琴とか鞠子や喜美華さんに何度か直してもらったネクタイの形に近い形状に結び、髪型とかも真琴達がこの方が良いと言ってちょっと下ろした感じの髪型にセットして準備を終える。
玄関から外に出るといつもの風景で急に秋が深まってきた先週(世界移動した記憶の中の)より少し暖かい感じがした。
そう言えばここで真琴が出てきてからあの非日常の世界が始まったんだよな…
その日は少し早い時間に出ていたので真琴は現れなかった。
それまでの毎日の様に電車に乗って満員電車に揺られて…
そんな中でふと気付くと鞠子が俺の吊革を持ってる腕に隠れる様に立ってた。
鞠子は下を向いて胸の下で手を組む様にして回りの人に押されてフラフラしながらもなんとか立ってた。
たぶん鞠子って俺の事をまったく意識して無かったんだよな…
でもこの電車の中でこの背の高さって大変だな。
なんとなく保護欲求みたいなものを感じて次の駅で周囲の人が少し動いた時にうまく鞠子の近くに移動して持ってたアタッシュケースをうまく間に挟む感じにして鞠子の顔の前に空間を作れるようにしてみた。
その時俺は入り口に近い部分にある縦の棒を持ってたので、ちょっとだけ体を動かして聞いてみた。
「お姉さん、場所変わるか?俺ならそこでもここ握れると思うから。」
鞠子は最初ちょっと戸惑う感じの視線を俺に向けていたが、道を作るように俺の前に空間を作ると、
「ありがとうございます。」
と言って場所を動いた。
「その背の高さだと満員電車は大変ですね。」
何気なく言葉をかけたら
「そんなに小さくないもん…大丈夫…でもありがとう。」
そう言ってやっと笑顔を見せてくれた。
それから少しの間どんな仕事をしてるのかとか話をして鞠子は手を振って広島駅で降りて行った。
さてと、やっぱりこの場所は元々の俺が最低辺の顔面偏差値レベルだった世界みたいだな。
ちょっとだけ寂しく思いつつ仕事場に到着したら喜美華さんが記憶にある感じの挨拶をしてきた。
「あら、横手君、おはよう。…今日はまともにして来たのね。そうしてればあなたも普通に見れる姿になるんだからこれからはしっかり身だしなみに気を付けるのですよ?」
そう言ってザマスメガネをクイッと持ち上げるようにかけなおしてちょっとだけ笑顔を見せてくれた。
なんとなくその笑顔はあの世界で俺に笑いかけてくれた喜美華さんに近い感じがした。
そして、あの時やり残してた仕事の処理に向かう為に朝イチから飯田さんに会いに行く。
そうだよなぁ…こっちの飯田さんは男だったよな…
もう会えないのかぁ…
「横手君。君はやる気があるのか無いのか良く判らないな…本当に君が担当で動いてこの不具合は解消されるのか?」
「あ、申し訳ありません。とりあえず昨日戻り再度検査治具を用意させていますのでなんとかそれで確認してみてもう一度評価のしなおしをしてみようと言う事でこちらでも動いてますので週明けには対処出来るのではないかと考えて居ますが…どうでしょうか?」
「…まぁそれが妥当か…分かった。それで進めてみてくれ。それにしても君は昨日までとは少し感じが変わったか?女が出来ると急に変わる奴が居るが仕事の方でも良い感じになってくれると助かるんだがなっ、はははっ♪」
「まぁそうですね。あぁ、今日そういえば朝の電車の中で背の小さい子が周りから押されまくって大変そうにしてたんで少し助けたんですけどどうも広島駅の北側にあるフィットネスクラブのインストラクターの子だったらしくて少しだけ仲良くなったんです。それが少しだけ関係してたりするんでしょうかね?」
「ん?そこはたぶん私が会員になって良く使ってる場所だな。そのインストラクターの子はどんな子だった?」
なんとなく今までまったく接点が無かった飯田さんとも鞠子をきっかけにして少しだけ趣味の話とかも出来る様になって行った。
遣り残した仕事をなんとか処理し終わって、飯田さんとはそのうち一緒にクラブで汗を流してみようという話になったのだが、チラチラと朱里の顔が記憶の中から現れてちょっと寂しくなった。
その後仕事で繁華街の近くに来て居たのだが、いい時間になったので昼食を取る為に吉ギューチェーン店に入り男の店員に並盛り丼を出してもらい、かっ込んだ後になにげなくあの時歩いた場所に行ってみたら、すっごく怖いお兄ちゃん達が大勢たむろってたので、すぐに回れ右をしてま反対になる女子高などがある方向へ移動して、公園に入り東屋の中で自動販売機で買ってきてたペットボトルを飲んでると…
ハルカちゃんを見かけた。
なんとなく…笑顔が見えない感じ?下を向いて両手で鞄を持って通り過ぎて行こうとしてる。
そういえばハルカちゃんってあまり仲良くしてる子居なさそうな感じがあったよな…
まぁでも、さすがに中学生の女の子に話しかけるってのは、こっちでは大問題な訳で、特に何かが出来る訳ではなかったのでそのまま見送ったのだが…
ハルカちゃんビルの先に見えなくなったと思ったらすぐに走って戻ってきて俺が座ってる東屋の中まで来た。
そして後ろから紐を引き摺りながらとっても楽しそうな感じで追いかけてくる中型犬が1匹。柴犬か?
「あぁあ!あのっ!!助けてください!!」
ハルカちゃんそう言いながら犬と自分の間に俺を置くようにして犬と一緒に俺の周りを回り始めた。
「や~~~~!!こないで~~~!!!」
とりあえずとっても楽しそうに追いかけて遊んでる犬の飼い主が遠くからゆっくり歩いて来るのが見えたんだけど、けっこうな年配の女性で…かなり足腰が弱そう。
「あらあら…ごめんなさいねぇ…ふう…」
とりあえずここまで来る間にハルカちゃん顔が犬のヨダレまみれになりそうな気がしたので、犬を捕まえようとしたらすごく速い動きでステップを踏みさらに楽しそうに動き出した。
ちょっと相手出来なさそうだったので、ハルカちゃんの方を抱くようにして逃がしたら俺とハルカちゃんを見上げるようにしてその犬が俺の目の前でお座りして、
『それちょうだい♡』って顔で見てきた。
ハルカちゃんを見ると青い顔をしてプルプル首を振って拒否してきたのでそのまま首に抱きつかせたままお姫様抱っこの状態で待ってるとおばあさんやっと近くまで来て足で紐を踏み拳骨一発。
犬が少しだけ静かになった事でおばあさん申し訳ないとか言いながら近くの自動販売機に向かって行き、
「うちの孫が大好きなの買ってきたけどこれで勘弁してもらえるかしら?」
と言いながら苺味のフレーバーと新発売の梨のフレーバーを俺に渡して犬と一緒に戻って行った。
「なんかすごいおばあちゃんだったね…」
「そうですね…」
「ハルカちゃんは今急いで無いなら飲んで行ったら?」
「えっ?名前…どこかで会いましたか??」
ハルカちゃんちょっと首を傾げて聞いてきた。
あ、俺そういえばこっちではハルカちゃんとは知り合って無かったな。
「さっき名前言って無かった?『ハルカ犬はダメなの~!!』みたいな感じで?違ったかな?」
「あ…そんな事言ってマシタカ…」
ちょっと顔を赤くしてごまかすような感じでそっぽを向いて苺のフレーバのペットボトルを開けて飲み始めた。
「そういえばハルカちゃんってここらに住んでる人なの?なんとなくこのへんって俺の中では人が住んでる感じって無かったんだけど??」
今居る場所は裁判所などが近くにあり県の省庁関係が集まってるような感じの場所だったので気になった事を聞いたら、
「実は私…親戚のお姉さんの所に一緒に住んでるの。」
ハルカちゃん、どうも地元で少し苛められたらしく、元の学区から離れる為にこっちに引っ越して来たらしくほとんど知り合いが居ないから一緒に遊ぶ子が居なかったらしい。
なんとなく人と話すのが好きそうだったので少しだけ話し相手になってたら気付いたら2時に近い時間になってた。
「あ、楽しいとすぐに時間が経つな。さすがにそろそろ仕事に戻らないとまずいな。」
「えっ?あ、お仕事の途中だったの?ごめんなさい。」
ちょっと寂しそうな顔になるハルカちゃん。
このテの寂しそうな顔は今の俺には耐えられないんだよな~…
「もし良ければおじょうさんをデートにでも誘いたいのですが受けていただけますか?」
片ひざ付いた状態で片手をハルカちゃんの方に出してちょっと首を傾げつつ待ってみた。
「あははっ♡私こんな感じにデートに誘われたの初めて♪…ん~チョットだけなら付き合ってあげても良いよ?」
そう言ってとてもイイ笑顔で俺の手を握り返してくれた♡
その後俺の方の電話番号とメルアドだけ渡して、
「本当にデートしてくれる気になったら連絡ちょうだい。」
と言って別れた。
そして残業を終えて住んでる地域の駅まで戻ってきて改札を通り過ぎる所で真琴と出会った。
「あ、まこ…関口さんも今お帰りですか?」
「…はい。横手さんも?」
「少し仕事場でトラブルがあったんですがそれの処理で少しだけ引っ張られました。そう言えば関口さんって飯田さんと同じ職場でしたっけ?」
「飯田さん?あ、もしかしてプロジェクトに関係ある所でお仕事してらしたのですか?」
その後真琴と仕事の話をしながらアパートまで歩いて戻る途中で24時間スーパーに寄り一緒に買い物をしてたら、
「そう言えば飯田さんが『少し言い過ぎたかと思ってたけど面白い奴だった』みたいな事を言ってましたよふふっ♡」
って裏話をしてくれた。
「関口さんって飯田さんとお付き合いとかしてるんですか?」
「そう言う訳じゃないんですけど…まぁ飯田さんかっこいいですからね。嫌いでは無いですよ?でも結婚とかをそろそろ考える年になってきたからかもしれないんですけど…ちょっと遠い人って感じかな?」
「そんな感じなんですね~。あ、そうだ、今日昼間犬に追いかけられてる女の子と…」
なんか俺…今までの女性と話せなかったのって自分の中で『絶対まともに相手にされない』って感覚があったから、変な目で見られるのが怖くて逃げてたのが一番の原因だったってのがちょっと判った感じがした。
その後真琴に、
「そんな惣菜ばかり買ってたらすぐにメタボになってガンになって死んじゃうんだから、もっと自炊しなさい。」
って怒られて俺の持ってた買い物カゴに野菜をイッパイ放り込まれた。
なんでピーマンが3袋もあるんだろ??
「関口さんってピーマン好きなの?」
「ん~ん。そんなに好きじゃないよ?」
「…じゃぁこれ3袋もいらないんじゃない??」
「どうせ野菜とって無いんでしょ?もしあれなら料理ぐらい教えてあげてもいいわよ?ふふっ♪」
「教えてくれると言うなら喜んで教えてもらうけどピーマン1つにできないの??」
真琴が俺の方を向いて腰に手を当てながら見上げるようにしつつ言ってきた。
「ふふっ♡だ~めっ♡」
その後真琴から聞いた話によると、
「たまに遅く帰ってくるのに気付いてたけど自炊してる音がまったくしてなかったからちょっと臭そうな感じがしてたの。けど…なんとなく今まで感じてた嫌な男の臭いが少なくなってたから、しょうがないから話をしてあげたんだよ?」
と、心をさっくり刺し貫くような言葉を吐かれた。
そして、俺と真琴はお互いを名前で呼ぶ関係にゆっくりとなっていった。
ifの世界おわり♪
ほんの一瞬前までは半覚醒状態の意識で体に感じていた暖かさがあったのだが、今急にそれが無くなった感じがした。
ただ、暖かさが無くなっただけで、いつもと違う寝心地のベッドの硬さが、いつものベッドの硬さになった感じがした。
ちょっとだけ安心して、体の向きを変えて、最近必ず誰かが一緒に寝ていたので無意識に柔らかさを求めて手を伸ばして探したが…
誰も居ない。
…あれっ?俺……確か…高校生の真琴と一緒に寝た…よ…ね?
なんとなく目を開けて体を起こし見える場所を確認すると、そこは5年前からずっと住んでるアパートの俺の部屋。
あぁ…戻ってきたのか…
真琴の事を少し知って、すぐに戻ってくるとか…何がおきてるんだ??
時間はAM7:30。そろそろ起きた方が良いか。
のっそりと何かすごく疲れた感じがする体を動かしいつも通りにパンをトーストする準備をしてコーヒーを入れて目を覚ましていく。
そう言えば今日はいつなんだろ?
2013年に行ってたのは3日ぐらいだったかな?
だとしたら今日って…とりあえずスマホのブラックアウトした画面をタップ。
表示された日付は1週間前の金曜日
ん??
一週間前の金曜日??
とりあえずテレビを付けてみると優美ちゃんの可愛らしい笑顔が写った。
わ~お久しぶり~…えっ?!
とりあえずチャンネルを変えると尾崎ちゃんも和久田さんも普通にテレビに映ってた。
なんとなく久しぶりに会った友人に感じる親近感の様な物を感じた。
えっ?えっ??俺が過ごした10日位の時間ってどこ行ったの?
っていうか俺ってまさか…素人童貞に戻ったって事なのか?!
とりあえず着てたパジャマを脱いでパンツを下ろし確認すると…
なんとなく色素の薄い若々しいチンポがそこそこ元気に挨拶して来た。
「今は呼んだ訳ではないので静かにしてろ…って俺なんで自分の下半身と会話してんの??」
俺の記憶ではもうちょっと亀頭君が育っててもう少し黒っぽくなってた感じがあったのだが…
まぁそれは気にしてもしょうがない。俺のコレが嘆いてたらあの黒ヒカるン君になる訳じゃないんだ。
脱いでたパンツを穿きなおし、ついでに仕事に行く準備を始める。
なんとなく真琴とか鞠子や喜美華さんに何度か直してもらったネクタイの形に近い形状に結び、髪型とかも真琴達がこの方が良いと言ってちょっと下ろした感じの髪型にセットして準備を終える。
玄関から外に出るといつもの風景で急に秋が深まってきた先週(世界移動した記憶の中の)より少し暖かい感じがした。
そう言えばここで真琴が出てきてからあの非日常の世界が始まったんだよな…
その日は少し早い時間に出ていたので真琴は現れなかった。
それまでの毎日の様に電車に乗って満員電車に揺られて…
そんな中でふと気付くと鞠子が俺の吊革を持ってる腕に隠れる様に立ってた。
鞠子は下を向いて胸の下で手を組む様にして回りの人に押されてフラフラしながらもなんとか立ってた。
たぶん鞠子って俺の事をまったく意識して無かったんだよな…
でもこの電車の中でこの背の高さって大変だな。
なんとなく保護欲求みたいなものを感じて次の駅で周囲の人が少し動いた時にうまく鞠子の近くに移動して持ってたアタッシュケースをうまく間に挟む感じにして鞠子の顔の前に空間を作れるようにしてみた。
その時俺は入り口に近い部分にある縦の棒を持ってたので、ちょっとだけ体を動かして聞いてみた。
「お姉さん、場所変わるか?俺ならそこでもここ握れると思うから。」
鞠子は最初ちょっと戸惑う感じの視線を俺に向けていたが、道を作るように俺の前に空間を作ると、
「ありがとうございます。」
と言って場所を動いた。
「その背の高さだと満員電車は大変ですね。」
何気なく言葉をかけたら
「そんなに小さくないもん…大丈夫…でもありがとう。」
そう言ってやっと笑顔を見せてくれた。
それから少しの間どんな仕事をしてるのかとか話をして鞠子は手を振って広島駅で降りて行った。
さてと、やっぱりこの場所は元々の俺が最低辺の顔面偏差値レベルだった世界みたいだな。
ちょっとだけ寂しく思いつつ仕事場に到着したら喜美華さんが記憶にある感じの挨拶をしてきた。
「あら、横手君、おはよう。…今日はまともにして来たのね。そうしてればあなたも普通に見れる姿になるんだからこれからはしっかり身だしなみに気を付けるのですよ?」
そう言ってザマスメガネをクイッと持ち上げるようにかけなおしてちょっとだけ笑顔を見せてくれた。
なんとなくその笑顔はあの世界で俺に笑いかけてくれた喜美華さんに近い感じがした。
そして、あの時やり残してた仕事の処理に向かう為に朝イチから飯田さんに会いに行く。
そうだよなぁ…こっちの飯田さんは男だったよな…
もう会えないのかぁ…
「横手君。君はやる気があるのか無いのか良く判らないな…本当に君が担当で動いてこの不具合は解消されるのか?」
「あ、申し訳ありません。とりあえず昨日戻り再度検査治具を用意させていますのでなんとかそれで確認してみてもう一度評価のしなおしをしてみようと言う事でこちらでも動いてますので週明けには対処出来るのではないかと考えて居ますが…どうでしょうか?」
「…まぁそれが妥当か…分かった。それで進めてみてくれ。それにしても君は昨日までとは少し感じが変わったか?女が出来ると急に変わる奴が居るが仕事の方でも良い感じになってくれると助かるんだがなっ、はははっ♪」
「まぁそうですね。あぁ、今日そういえば朝の電車の中で背の小さい子が周りから押されまくって大変そうにしてたんで少し助けたんですけどどうも広島駅の北側にあるフィットネスクラブのインストラクターの子だったらしくて少しだけ仲良くなったんです。それが少しだけ関係してたりするんでしょうかね?」
「ん?そこはたぶん私が会員になって良く使ってる場所だな。そのインストラクターの子はどんな子だった?」
なんとなく今までまったく接点が無かった飯田さんとも鞠子をきっかけにして少しだけ趣味の話とかも出来る様になって行った。
遣り残した仕事をなんとか処理し終わって、飯田さんとはそのうち一緒にクラブで汗を流してみようという話になったのだが、チラチラと朱里の顔が記憶の中から現れてちょっと寂しくなった。
その後仕事で繁華街の近くに来て居たのだが、いい時間になったので昼食を取る為に吉ギューチェーン店に入り男の店員に並盛り丼を出してもらい、かっ込んだ後になにげなくあの時歩いた場所に行ってみたら、すっごく怖いお兄ちゃん達が大勢たむろってたので、すぐに回れ右をしてま反対になる女子高などがある方向へ移動して、公園に入り東屋の中で自動販売機で買ってきてたペットボトルを飲んでると…
ハルカちゃんを見かけた。
なんとなく…笑顔が見えない感じ?下を向いて両手で鞄を持って通り過ぎて行こうとしてる。
そういえばハルカちゃんってあまり仲良くしてる子居なさそうな感じがあったよな…
まぁでも、さすがに中学生の女の子に話しかけるってのは、こっちでは大問題な訳で、特に何かが出来る訳ではなかったのでそのまま見送ったのだが…
ハルカちゃんビルの先に見えなくなったと思ったらすぐに走って戻ってきて俺が座ってる東屋の中まで来た。
そして後ろから紐を引き摺りながらとっても楽しそうな感じで追いかけてくる中型犬が1匹。柴犬か?
「あぁあ!あのっ!!助けてください!!」
ハルカちゃんそう言いながら犬と自分の間に俺を置くようにして犬と一緒に俺の周りを回り始めた。
「や~~~~!!こないで~~~!!!」
とりあえずとっても楽しそうに追いかけて遊んでる犬の飼い主が遠くからゆっくり歩いて来るのが見えたんだけど、けっこうな年配の女性で…かなり足腰が弱そう。
「あらあら…ごめんなさいねぇ…ふう…」
とりあえずここまで来る間にハルカちゃん顔が犬のヨダレまみれになりそうな気がしたので、犬を捕まえようとしたらすごく速い動きでステップを踏みさらに楽しそうに動き出した。
ちょっと相手出来なさそうだったので、ハルカちゃんの方を抱くようにして逃がしたら俺とハルカちゃんを見上げるようにしてその犬が俺の目の前でお座りして、
『それちょうだい♡』って顔で見てきた。
ハルカちゃんを見ると青い顔をしてプルプル首を振って拒否してきたのでそのまま首に抱きつかせたままお姫様抱っこの状態で待ってるとおばあさんやっと近くまで来て足で紐を踏み拳骨一発。
犬が少しだけ静かになった事でおばあさん申し訳ないとか言いながら近くの自動販売機に向かって行き、
「うちの孫が大好きなの買ってきたけどこれで勘弁してもらえるかしら?」
と言いながら苺味のフレーバーと新発売の梨のフレーバーを俺に渡して犬と一緒に戻って行った。
「なんかすごいおばあちゃんだったね…」
「そうですね…」
「ハルカちゃんは今急いで無いなら飲んで行ったら?」
「えっ?名前…どこかで会いましたか??」
ハルカちゃんちょっと首を傾げて聞いてきた。
あ、俺そういえばこっちではハルカちゃんとは知り合って無かったな。
「さっき名前言って無かった?『ハルカ犬はダメなの~!!』みたいな感じで?違ったかな?」
「あ…そんな事言ってマシタカ…」
ちょっと顔を赤くしてごまかすような感じでそっぽを向いて苺のフレーバのペットボトルを開けて飲み始めた。
「そういえばハルカちゃんってここらに住んでる人なの?なんとなくこのへんって俺の中では人が住んでる感じって無かったんだけど??」
今居る場所は裁判所などが近くにあり県の省庁関係が集まってるような感じの場所だったので気になった事を聞いたら、
「実は私…親戚のお姉さんの所に一緒に住んでるの。」
ハルカちゃん、どうも地元で少し苛められたらしく、元の学区から離れる為にこっちに引っ越して来たらしくほとんど知り合いが居ないから一緒に遊ぶ子が居なかったらしい。
なんとなく人と話すのが好きそうだったので少しだけ話し相手になってたら気付いたら2時に近い時間になってた。
「あ、楽しいとすぐに時間が経つな。さすがにそろそろ仕事に戻らないとまずいな。」
「えっ?あ、お仕事の途中だったの?ごめんなさい。」
ちょっと寂しそうな顔になるハルカちゃん。
このテの寂しそうな顔は今の俺には耐えられないんだよな~…
「もし良ければおじょうさんをデートにでも誘いたいのですが受けていただけますか?」
片ひざ付いた状態で片手をハルカちゃんの方に出してちょっと首を傾げつつ待ってみた。
「あははっ♡私こんな感じにデートに誘われたの初めて♪…ん~チョットだけなら付き合ってあげても良いよ?」
そう言ってとてもイイ笑顔で俺の手を握り返してくれた♡
その後俺の方の電話番号とメルアドだけ渡して、
「本当にデートしてくれる気になったら連絡ちょうだい。」
と言って別れた。
そして残業を終えて住んでる地域の駅まで戻ってきて改札を通り過ぎる所で真琴と出会った。
「あ、まこ…関口さんも今お帰りですか?」
「…はい。横手さんも?」
「少し仕事場でトラブルがあったんですがそれの処理で少しだけ引っ張られました。そう言えば関口さんって飯田さんと同じ職場でしたっけ?」
「飯田さん?あ、もしかしてプロジェクトに関係ある所でお仕事してらしたのですか?」
その後真琴と仕事の話をしながらアパートまで歩いて戻る途中で24時間スーパーに寄り一緒に買い物をしてたら、
「そう言えば飯田さんが『少し言い過ぎたかと思ってたけど面白い奴だった』みたいな事を言ってましたよふふっ♡」
って裏話をしてくれた。
「関口さんって飯田さんとお付き合いとかしてるんですか?」
「そう言う訳じゃないんですけど…まぁ飯田さんかっこいいですからね。嫌いでは無いですよ?でも結婚とかをそろそろ考える年になってきたからかもしれないんですけど…ちょっと遠い人って感じかな?」
「そんな感じなんですね~。あ、そうだ、今日昼間犬に追いかけられてる女の子と…」
なんか俺…今までの女性と話せなかったのって自分の中で『絶対まともに相手にされない』って感覚があったから、変な目で見られるのが怖くて逃げてたのが一番の原因だったってのがちょっと判った感じがした。
その後真琴に、
「そんな惣菜ばかり買ってたらすぐにメタボになってガンになって死んじゃうんだから、もっと自炊しなさい。」
って怒られて俺の持ってた買い物カゴに野菜をイッパイ放り込まれた。
なんでピーマンが3袋もあるんだろ??
「関口さんってピーマン好きなの?」
「ん~ん。そんなに好きじゃないよ?」
「…じゃぁこれ3袋もいらないんじゃない??」
「どうせ野菜とって無いんでしょ?もしあれなら料理ぐらい教えてあげてもいいわよ?ふふっ♪」
「教えてくれると言うなら喜んで教えてもらうけどピーマン1つにできないの??」
真琴が俺の方を向いて腰に手を当てながら見上げるようにしつつ言ってきた。
「ふふっ♡だ~めっ♡」
その後真琴から聞いた話によると、
「たまに遅く帰ってくるのに気付いてたけど自炊してる音がまったくしてなかったからちょっと臭そうな感じがしてたの。けど…なんとなく今まで感じてた嫌な男の臭いが少なくなってたから、しょうがないから話をしてあげたんだよ?」
と、心をさっくり刺し貫くような言葉を吐かれた。
そして、俺と真琴はお互いを名前で呼ぶ関係にゆっくりとなっていった。
ifの世界おわり♪
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