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15 どんどん不満が溜まってく…1/3

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光一こういち緋浦ひうら君と別れてとりあえず時間が出来た私はいつもと反対向きに大学を出て行く。
その時に、かなりの人数の女性に見られた気がした。

中には口元を手で隠しながらこれ見よがしに私の方を指差しながら友人らしき人と一緒にすれ違う人とか…全員が女だったけど…

これまでそんな扱いを受けた事の無かった私はちょっとだけ有名人気分と言うか…優越感の様なものを感じつつ歩いて目的地のコンビニへ向かった♪
光一と校内を歩いてる時に感じるような視線だったので、その時の話が色々尾ひれを付けて漂った結果かな?位に思いつつ♡
だって半分以上の人が私を見て悔しそうな顔をして俯いて負けたって感じの姿ですれ違って行くからさぁ~♪

世の中の勝ち組の人の感覚をチョットだけ楽しんだ♪

そしてとりあえず今、私が元居た時間帯ではアルバイトをしていたコンビニの入り口の辺りに来た。
少し遠くから見えてた感じでは特に大きく違う気はしなかったんだけど…

とりあえず店内が見える場所を探してうろうろしてみた。
店内のモニターなどで確認できる場所はなるべく避けながら、背伸びしつつ中を見てたら元の時間帯に居た頃に何度か見かけた事のある店長の奥さんと、知らない男の人が2人と知らない女の人がレジで客対応をしていた。

店長が居ないのは…もしかしてあの店長も女になってるとかなのかなぁ?

店内が少し暇な時とかに聞いた話だと、あの店長さんお金持ちの家に婿入りしたらしくって、お嫁さんの実家で生活してるけど、『ここが俺の安住の地なんだ♡』とかって泣かせる様な事を言うからバレンタインの時とかけっこうお手伝いしたんだよなぁ…他にもケーキとかも家で買うのは私が注文取る様にしたり…かなり売り上げ貢献したと思う。

おかげでその店長さんにはすごく可愛がられて娘みたいな感覚で扱ってもらってたんだけど…
そう言えばあの奥さんすごくキツイ性格だったか…私だけ何度も怒られたんだよなぁ…

もしかしたら…あれってやきもちみたいな感じだったのかな?店長さん年は確か40後半ぐらいだったけど子供は居ないって言ってたし…奥さんは30前後って話だったし…

とりあえず見てても何かが分かる訳でもなさそうなので、入ってみて話をしてる事とかを雑誌を見つつ聞いてみた。



ふむ…あの奥さんとりあえずこのコンビニの店長さんなのね。それと未婚と…バイトの男の子をなんとかして持ち帰ろうと色々誘ってるけど…あ~あの顔はダメだな。男2人苦笑いだ…
もう1人の女の人は…ちょっと小太りで…なるほど、あの奥さん(店長)の引き立て役として雇われてるみたい…

とりあえずこの店には近づかない方が良さそうね。
私は雑誌を一冊だけ持ってレジに向かった。


「あら?小島こじまさん。こんにちは♡」
男Aが今までの辟易って態度から一気に若返ったのか?みたいなまったく違う態度で私に話しかけてきた。
「あ~えっと…こんにちは?」
この人誰だっけ??

「あっ、失礼しました。僕光一君の友人の佐久間さくまって言います。たまに大学の校内で光一君と一緒に居る所を見てたんで。」
「あぁ~そうだったのね。」
お願いだからあまり話しかけないで。奥さん(店長)が私の事を仇敵みたいな感じで見てるから…ハァ…

その後佐久間君が、
「光一君とそのうちまた一緒に遊ぶ事も有ると思うんでお姉さんも一緒に♡」
みたいな事を言ってきたのでとりあえず笑顔で対応してあまり言質げんちを取られない様にコソコソとそのコンビニを出た。

光一ってけっこう顔が広かったのね…
その後また歩いて学校まで戻り講義のある教室に向かうと、少しだけ人が入ってたので、そのままそこで雑誌を読みながら時間が来るのを待ってた。

そして美華みか那美なみが少しして教室に入って来ていきなり…
「あんたさぁ…っと、もうこんな呼び方は失礼よね。ごめんなさい紗江さえさん。いえ…紗江様。」
「そうね、今までみたいに呼び捨てとかおこがましいにも程があるわ。今までの態度をお許しください紗江様。」

私の側まで来て2人に教室の床で正座されて謝られた。
「2人ともいきなり何?」
「だって…ねぇ…」
「ねぇ…紗江様ってあの緋浦君と光一君の2人とレロレロしてるんでしょ?もうとてもじゃないけど対等な口とかきけないし…」

レロレロ?

光一とは…まぁお互いそんな事をしたけど…緋浦君とはそんな事はしてなかった…
「ねぇ、とりあえず2人ともその正座だけ止めてくれないかな?今すごく心が痛んだけど…」
「まぁ紗江がそういうならしょうがないか♪」
「だ~ね~♡」
さっさと私が座ってる席の隣に2人揃って座ってきた。

やっぱりパフォーマンスの一種だったみたい…

「それで?そのレロレロってなんの話なの?光一との事は…前に話をしたからまぁ良いんだけど緋浦君と私がなんでそんな仲だって話になってるの?」
2人はお互い顔を見て頷いて…
「あんたまったく知らなかったのね。」
「とりあえずこれ、見て。」
そう言ってメッセージを送ってきた。

そのメッセージには画像データが添付されていて…
私の顔の正面から盗撮されたあの時の画像だった…私こんなダレッ♡とした緩んだ顔してたのかぁ…
映ってないけど口からヨダレとか垂らしててもまったく違和感無い感じ♡

「それが『蜜柑の大器同好会』で飛び回ってるからそろそろ校内で知らない人が居なくなる頃ね。」
「『蜜柑の大器同好会』?それって何??」
「昔緋浦君と同じ苗字って言っていいのか判らないけどまぁそんな作家さんが居たの。その人の称号を使って本人にばれない様にして作られたサークルみたいなものね。」
「緋浦君のファンのサークルって事?」
「まぁそんな感じかな?そしてこれがその後回ってきた続報とネトラレ属性の強い人達が共同で描いてるマンガね。」
とりあえず続報って言うのの中身は緋浦君と光一の話してる事をその場で盗聴したか書き留めた文章と一緒に私の情報が載っていた。

どうも光一と緋浦君授業が終わって次の同じ授業に行く間に、私とキスした事を緋浦君が光一に報告して、そんなのいつもしてるって反論が有って…う~わ…『僕は小さい頃から口でしてもらってる』って光一言ったらしい…
それを聞いて緋浦君…今日の昼からの三人でのデートで光一と勝負するって話になってる??

勝負って何するの??

「ねぇこれっていつの話なの?あの2人1時限目って別の講義を取ってたって言ってたからその後…ってほんのさっきだよね?それなのになんでこんな…文書が回ってるの?それとこの添付された絵とかさぁ…」
ちなみに添付してあった画像を見ると私がイヤラシイ顔をして目がキラキラしてる緋浦君に跨って腰をブンブン振り回しながら男を立たせるバイブを手に持ってる絵で…その後で全裸のお尻から血が流れつつ後ろ姿で『金色夜叉のお宮さん』を後ろから見たみたいな姿で…たぶん泣いてる光一が書いてあった…

この絵…うまいなぁ…はっ!そうじゃなくて!!

「ねぇ…これ本当なの?2人の話をしてる内容とかって?」
「「さぁ?」」


この2人たまに本気でグーで殴りたくなるんだけど…


「だってその続報っていうか報告を上げてる奴らって恥かしがり屋さんで趣味がバードウォッチングでしかも読唇術を通信教育でマスターしてる奴らだからさぁ、これ見てる連中も話半分位にしか信じて無いと思うよ?」

ちょっとだけ全身から力が抜けた気がした…
通信教育で読唇術かぁ…なんとかなるものなんだろうか…

その後教室に顔だけ出して私を見て上から下までじっくり見て悔しそうに帰って行く女がけっこうな数居たけど、教授が入ってきてそういう連中が居なくなり、とりあえず普通に講義が始まったんだけど…


教室内で…私すごく見られてた。
教室の真ん中の辺りに座ってたんだけど集中砲火って言葉の意味が良く判るぐらい全方位から見られた感じがした。
私を挟む様に座ってくれた美華と那美の方を向いたらそっち側の人と5人以上目があったから…

すごく疲れた…

って言うか、教授が目の仇みたいな感じで私を睨んできたのがとても怖かった…
もしかしたらあの教授も『蜜柑の大器同好会』に所属してたりするのかしら?

私この講義今年落としたりって事無いよね??
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