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朱美の方に体を向けて、肩を胸に抱き止めつつ肩を枕代わりにさせながら聞いた話によれば、農家のおじさんが言っていた道案内の中で出て来た相沢さんの家も、黒田家と同じ様に未来に泉の守護を託された家の1つだったらしい。
そして黒田家同様集落の旧領主的な古くからある家らしく、その地域の者ならば誰もが知る家だから道案内で説明に使われていたそうだ。
「さぁここが黒田家だよ。どうする?もしよければ僕が朱美様を運んでもいいが…?」
牛の引く荷車が到着した家は相沢家とそこまで変わらない大きさの家だった。
大きさで言えば敷地面積が小学校によくある周長200mぐらいのトラック程度の大きさってところだろうか。
敷地の中に平屋のかなり大きな建屋があり、門から玄関までの道の左右に日本庭園の様な庭が広がっていた。
「あーそうだな、さすがに俺も1日歩いて疲れたから朱美は運んでもらえたら助かるが…変な所を触るなよ?」
「未来様の縁者の方に対してそんな事をする訳ないだろ。はははははっ♪」
まぁ…確かに。
その後俺は朱美を運ぶ隼人君に案内されて玄関から黒田家に招き入れられそのまま玄関から近い辺りにある30畳ぐらいの部屋に通された。
「小吾君は、ひとまずこの部屋でくつろいでいてもらえるかな?この隣の部屋に寝床を用意させるので。…ちなみに朱美様と小吾君は一つの閨を共に使う仲という事でいいのかな?」
「あのなぁ、朱美はまだ9歳だぞ?閨も何もまだ処女だ。だから一応別々に寝床は用意してほしいが…でもさすがに俺が近くに居ないと不安かもしれないか…よし。部屋は同じでいいよ」
「そうなのかい?こんなにたくさん子供を産めそうな良い尻をしてるのにまだ生娘なのか?うちの村ではこんないい尻をしていればそこらじゅうで子作りの誘いが来るぞ?」
「なぁ、お前その話は朱美には絶対に言うなよ?」
「なぜだい?女に『良い尻』と言うのは最高の褒め言葉じゃないか?」
なるほど、この時代はまだ戦後の何もかもが足らない時代だから『産めよ、殖やせよ』の唱導の元子作りが奨励されていた頃か。
「今ならそうかもしれないが、朱美の育った頃だとどっちかと言えばもう少し細身の痩せたスタイルの方が好まれる感じなんだ。特に女の子の間では」
「ほう…その様な体系の女性が好まれるという事は、未来の日本国はかなり余裕のある状態という事だな。とりあえず尻の事は了解だ。しかし…こんなに揉み心地の良い尻なのに何を嫌う必要があるのか…わからんなぁ?」
「揉んでないで早く寝かせてやってくれよ」
「あぁ、分かった」
隼人君はしきりに首を傾げながら隣の部屋に朱美を運び部屋の中に置いてあった座布団を引っ張り出して朱美をひとまず寝かせ、横の襖から出て行き3人の女性を連れて来た。
「とりあえず朱美様に関しては彼ら任せれば大丈夫だろう。小吾君はどうする?先に風呂にでも入るか?」
「そうだな…すぐにでも寝れる様に、できれば風呂に入っておきたいな。って今から入れるのか?」
「うちは毎日これぐらいの時間にはもう風呂の準備ができている頃だから入れると思うよ」
連れて来られた女性達が押し入れからとても光沢のある布団を2組出して寝床の準備をしてる横で、1人の女性が朱美の服を脱がしてパジャマまで脱がそうとしていた。
「あぁ、朱美のそのカラフルな服は寝間着みたいなものだから…って今日ずっと着てたから、さすがに臭う?」
俺に聞かれた女性は焦った感じに隼人君を見た。
「そうだな。朱美様が恥ずかしがると良くないので、ひとまずその、ぱじゃま?で寝かせて差し上げろ。寝間着に関しては枕元にでも置いておけば小吾君が対応できるだろう。どうかな?」
「そうだな。勝手に脱がしたら後でどんな目にあうか分からないからそうしておこう」
「はははっ。どこの世でも真に強き者は女性という事か♪では弱き男共は風呂に入って汗を流すとしよう」
隼人君に案内されて俺は風呂場に来た。
「あれっ?この人達って…男?」
「ん?何か問題でもあったか?」
風呂場に俺と隼人君が向かう時に朱美を寝かせた部屋から2人の女性が付いてきた。その2人が俺と隼人君の服を脱ぐのを手伝ってくれたのだが、なんとなく近くで見ると、2人ともが男みたい?
そう言えばこの世界…靴をもらった時に思ったけど、女の方がかなり少ない世界な気がしたんだが…
俺のトランクスに手をかけてズリ下ろそうとしている人の首とアゴの辺りに違和感がある。
はっきり言えば、のどぼとけと青い剃り跡がある様な気がする。
そして違和感は肩の辺りの骨格と指のごつさ、ついでに言えば着ている前合わせの着物を作り直したような服のスキマから見えたそこそこ鍛えられていそうな筋肉。
見えたのは絶対に乳房では無かった。
「そう言えばここらの女性ってやっぱり少なくなってるのか?」
何気ない風を装って聞いてみた。
「まぁそうだな。確か大正が始まった頃までは、この辺りもそこまで女性が減る感じは無かったが、昭和に年号が変わった頃からかなぁ、段々と女性が減ってきたね。今ではこの辺りで生まれる子供の内2割程度が女の子って感じだろうか?本土はもっと差がひどいって聞いたよ」
隼人君特に気にする事なく男に服を脱がされて後ろからふんどしを外してもらっていた。
ついでかどうかわからないが、服を脱がせていた侍女(男)が隼人君のおちんちんとたまたまをポンポンって少し持ち上げながら空気にさらす様な事をしていた。
ちんちんを同性に触られても何とも思わない世界…
これは…もしかしたらまずいのでは?
「小吾君もはやくおいで」
隼人君は服を脱いで腰巻き姿になった上半身裸のちょっとだけ筋肉が浮いてる男を連れて浴室のドアに入って行った。
そして残される俺と侍女らしき仕事をしている最初女だとばかり思っていた線の細い男。
「一個聞いてもいい?」
恐る恐る声をかけてみた。
「何でしょう?」
か細い声だけど野太い感じの声音だった。
「もしかしてだけど、お風呂では君が僕を洗ってくれたりするのがここの流儀?」
あまり聞きたくないけどこれはだいじな事なので、勇気を奮い起こし聞いてみた。
「もちろんにございます。全身を使って洗わせていただきます♡」
か細いけど野太い声で彼は答えた。
これは断るのは失礼なのだろうか?
野太い声で青い剃り跡の目立つのどぼとけのある侍女…どう言いつくろっても男だな。そんな男が全身を使って俺をキレイにする…
とりあえず今の段階でアレな奉仕を想像するのはさすがに時期尚早か。一応こっちは客という立場であり、何なら黒田家に泉の管理を任せた未来の親族ってVIPレベルのお客様だ。さすがに無理強いはしてこないだろう。
俺は恐る恐る俺のトランクスをずり下ろした侍女と言う名の男(ちなみに侍女などと隼人君は一言も言ってない)の少し驚いた表情に何か愉悦のような感情を見た気がしたが、それを無視して腰巻き姿になった侍女(男)と隼人君の入って行った浴室に移動すると、そこではできれば見たくなかった洗い方をされている隼人君の姿があった。
「俺は自分で洗うので、君は隼人君を洗ってやってくれ」
隼人君のシイタケみたいにカリが開いたおちんちんを口を使って綺麗にしている侍女(男)の方に、俺に付いてきた侍女(男)をそっと押しやって、自分でかけ湯をして自分の体を洗いながら全身を襲う寒気に耐える俺。
男が多い世界ってどこもかしこもデンジャーな世界って事?
そう言えば隼人君を見て何か企んでそうな気がしていたが、あれは男にしゃぶられる事を特に気にしない奴が発する何かを俺の第六感センサーがビンビンに感じていたのが原因だったのかもしれない。
最初この家に入る時、朱美の貞操はなんとしても俺が守らなければ、などと考えていたのだが、もし狙われていたとすれば、それは俺の貞操だったという事だ。
まさかと思うが…隼人君…掘るのが好きとか無いよね?どっちか選べと言われるなら俺は掘る派だからな。
その後なんとなく暑苦しい隼人君周辺に出来るだけ意識を向けない様にしつつ、『なんだあのシイタケレベルのカリの高さは?!』と、そこそこ驚愕しつつも包茎に戻ってしまった自分のソレをなんとかして育てたいと思いつつ、弄ってるのを見られたらそのまま口童貞を奪われそうな予感に恐れ慄く自分を叱咤しながら、そっと視線を向けると俺の相手をする予定だった侍女(男)がイイ笑顔で指を丸くした手を口の前で前後に動かしてきた。
「俺は男の少ない場所で長く生活してきたので性的な相手は女性だけなんだ。悪いね」
今にも吸われそうな危機感を覚えつつもキッパリと拒否したら侍女さん(男)は穏やかな笑顔で頷いてくれた。
そして腰巻きをスルリと外し四つん這いになって俺の方に尻を向けて近づいてきた。
俺は、入れられるよりも、入れる方が好きって意味でさっきの言葉を言った訳じゃないんだが…どうも俺の言った事は、少しばかり違う意味で伝わった様だな。
「やめなさい。お客様が求めてないのは分かっているのだろう?まったく。今日お前は納屋でお仕置きだ。覚悟しろよ?」
ニヤニヤとしたかなりゲスい感じの顔で興奮して溶けそうな顔をした侍女(男)(全裸)のアゴをクイッってしながら何やらキケンワールドを作り出す主従の3名。
俺はその瞬間から『俺は貝。俺は貝だ。何も見えない何も知らない…』と心の中で呟きながら耳に届くチョット気持ちよさそうな野太い声を無視し続けた。
拷問の様な時間だったなぁ…
「朱美ぃ…俺、少しだけ汚れちゃったかもしれないよぉ~…」
部屋に戻ってきた俺はそのまま朱美が寝ている寝床に少しだけ顔を突っ込んで今朝方起きた時みたいに朱美の胸元に抱き着いた。
俺は未来に連れてきてもらった世界で何を見ていたんだ。
男が少なくなった世界では、女性同士のパートナー関係が日常的に見られたじゃないか。
真琴は…最初から男に声を掛けられたって話だったかもしれないが、朱里とか藍子とか楓辺りは普通に女をパートナーとして楽しんでいたって言っていた。それにユカちゃんとエリちゃんの関係も元々は百合関係があったはずだ。
ならば、女が少なくなった世界では男同士のパートナー関係が当然ある事に早めに気付いて然るべきじゃないか。
だがしかし、言い訳の余地がまったく無い訳ではない。
そもそも男が少ない世界の女性同士のエッチな関係って言うのは、男(俺)からすれば3P4P5Pなど多人数プレイの中でそこまで気にならない感じに日常に存在していた。
俺が女同士の絡みを忌避してないってのも理由の一つと言えるだろう。
何なら女性をバックスタイルで並べて『最初は誰が入れられちゃうのかなぁ~♡』なんて感じの遊びをやってる時など、最初に入れられた女性を周囲の女性が弄り倒し、キスしたり出し入れしてる辺りを舐めたり両乳首を吸われまくるなんて事も普通にしていた。
俺にとっては女性同士の絡みがあって当然って感じだったが、本質的には俺と女性達の体の関係がメインで女性同士の絡みは添え物的な感覚でしかなかったからだ。
だからここに来て男同士の絡みに驚いたのだが…
言い訳を並べても何も事態は変わらない。
問題なのは、これからどうするか、だ。
「はぁ…もう寝るかなぁ…でもまだ今から夕ご飯が隣に準備されるとか言ってたし…ここで寝たら俺の貞操が危険な感じもあるし…」
「ん…なぁに…パパ?」
うだうだと小さな声でしゃべっていたら朱美が目を覚ましたらしい。
「うるさかったか?悪い」
「んー…別にいい…ん?」
朱美の胸元から顔を朱美の顔の方に向けると少しばかり状況を把握できて無さそうな感じでクエスチョンマークを乱舞させている朱美と目が合った。
「小吾君?」
「なんでしょう?」
「なんで君は私のここにだきついているのかしら?」
「ちょっと怖い事があったから朱美の胸で慰めてもらってたの♡」
「…そう。スゥー…」
あっ、大声出しそう。
「ばっかじゃないの?!エッチーーーーー!!」
「ごめんてぇ~!!」
少しの間俺と朱美は黒田家の家の中を走り回った。
「ハァハァ…まったく…ハァハァハァ…」
朱美が寝かされていた部屋と最初に通された部屋の敷居を挟んで対峙した俺と朱美。
「とりあえず走りながら説明したけど分かってもらえたかな?」
「男の人にそんなこーいを求められただけじゃない。私のムネをかってに使うりゆうにはならないわ。まったく…」
「でも俺、女の人としかした事ないんダモン…しょうがないじゃん?」
「まぁいいわ。イヤ、許したわけじゃないから、喜ぶな!」
とりあえず今は許されたと考えてもよさそうかな?
「それで?お風呂ってどこなの?」
「お前男に三助されながら風呂に入る気か?」
「一人で入れるわ。小吾君はドアの前でだれも入らないようにまもってくれるわよね?」
俺が断れない事を前提の確認だった。
そしてシャワーから出るのが冷水だけなのを知った朱美から、俺に目隠しして浴室に入って髪を洗えと命令が下されたのだが…
「目隠ししてる状態で石鹸とか使えばああなるのはしょうがないと思わない?」
「絶対わざとだった」
朱美は俺と背中合わせで湯船に浸かってる。
「わざと股間を朱美に見せる様に倒れたって言ってるのか?俺あの時頭打ったんだぞ?結構痛かったんだぞ?」
「でもめかくしはぜったいにひつようだったから…って言うか、なんでもう…その…あれな感じになってるの?」
どうも朱美は俺が脚を開いて後ろに倒れた時に、俺に肩の辺りをつかまれた事で俺の股間の辺りをドアップで見させられたのが恥ずかしかったらしい。
「アレな感じってのは何のこと?もしかして毛が生えてない事をディスろうとか思ってるのか?」
「それは別に…ワタシモ…じゃなくって!おちんちんの形が…えっと…お兄ちゃん達と違うって言うか…その…パパの時の小吾君の形って言うか…」
なるほど。俺のおちんちんが真性包茎から剥けて余った皮がカリの下で積層化されている状態のままなのが気になったって事だな。
「剥いたばかりのおちんちんっていうのは、先端部分の皮が若干すぼまってるせいでカリ下まで降ろしたら勝手に上がって行かないの。大樹も慎吾も剥いたらこんな感じになるぞ?」
「へ~そうなんだぁ~じゃぁお兄ちゃん達のも…あっ…ちがうからね?私は何もそーぞーしてないんだからね?」
こいつ俺のだけじゃなくて大樹とか慎吾のおちんちんも見てるな…まぁ小さい頃は一緒に風呂に入れられてたはずなんで見ててもおかしくないんだろうけど…
朱美が家族の一番搾りを楽しんでいる可能性が俺の中で数%上がった感じがした。
その後脱衣場でも色々騒ぎつつ何とか浴衣を着た朱美と、最初の風呂から上がって作務衣の様な服を出してもらっていた俺が、最初に通された部屋に戻ったら隼人君と1人の女性が部屋に居た。
「お風呂は楽しめたようだね」
「ありがとうございました」
「朱美はシャワーを使わない状態で髪を洗える様にならないとここでは生活できないな」
「それは…でも、それはしょうがないじゃん…」
生まれた時から多機能シャワーヘッドなんてのが付いたお風呂にしか入った事がなければシャワーが無い生活は厳しいだろうな。
「さぁ、そろそろ食事でもどうだい?それにこちらの方も紹介したいのだが?」
隼人君が自分の隣に座る着物を着た女性を見ながら言ってきた。
こいつ…どこかで見た事がある気がする…?
俺はどこかで絶対に一度見た事のある女性を、記憶の底から思い出そうとしつつ、なぜか名前が一致する人が居ないという不思議な感覚に陥っていた。
そして黒田家同様集落の旧領主的な古くからある家らしく、その地域の者ならば誰もが知る家だから道案内で説明に使われていたそうだ。
「さぁここが黒田家だよ。どうする?もしよければ僕が朱美様を運んでもいいが…?」
牛の引く荷車が到着した家は相沢家とそこまで変わらない大きさの家だった。
大きさで言えば敷地面積が小学校によくある周長200mぐらいのトラック程度の大きさってところだろうか。
敷地の中に平屋のかなり大きな建屋があり、門から玄関までの道の左右に日本庭園の様な庭が広がっていた。
「あーそうだな、さすがに俺も1日歩いて疲れたから朱美は運んでもらえたら助かるが…変な所を触るなよ?」
「未来様の縁者の方に対してそんな事をする訳ないだろ。はははははっ♪」
まぁ…確かに。
その後俺は朱美を運ぶ隼人君に案内されて玄関から黒田家に招き入れられそのまま玄関から近い辺りにある30畳ぐらいの部屋に通された。
「小吾君は、ひとまずこの部屋でくつろいでいてもらえるかな?この隣の部屋に寝床を用意させるので。…ちなみに朱美様と小吾君は一つの閨を共に使う仲という事でいいのかな?」
「あのなぁ、朱美はまだ9歳だぞ?閨も何もまだ処女だ。だから一応別々に寝床は用意してほしいが…でもさすがに俺が近くに居ないと不安かもしれないか…よし。部屋は同じでいいよ」
「そうなのかい?こんなにたくさん子供を産めそうな良い尻をしてるのにまだ生娘なのか?うちの村ではこんないい尻をしていればそこらじゅうで子作りの誘いが来るぞ?」
「なぁ、お前その話は朱美には絶対に言うなよ?」
「なぜだい?女に『良い尻』と言うのは最高の褒め言葉じゃないか?」
なるほど、この時代はまだ戦後の何もかもが足らない時代だから『産めよ、殖やせよ』の唱導の元子作りが奨励されていた頃か。
「今ならそうかもしれないが、朱美の育った頃だとどっちかと言えばもう少し細身の痩せたスタイルの方が好まれる感じなんだ。特に女の子の間では」
「ほう…その様な体系の女性が好まれるという事は、未来の日本国はかなり余裕のある状態という事だな。とりあえず尻の事は了解だ。しかし…こんなに揉み心地の良い尻なのに何を嫌う必要があるのか…わからんなぁ?」
「揉んでないで早く寝かせてやってくれよ」
「あぁ、分かった」
隼人君はしきりに首を傾げながら隣の部屋に朱美を運び部屋の中に置いてあった座布団を引っ張り出して朱美をひとまず寝かせ、横の襖から出て行き3人の女性を連れて来た。
「とりあえず朱美様に関しては彼ら任せれば大丈夫だろう。小吾君はどうする?先に風呂にでも入るか?」
「そうだな…すぐにでも寝れる様に、できれば風呂に入っておきたいな。って今から入れるのか?」
「うちは毎日これぐらいの時間にはもう風呂の準備ができている頃だから入れると思うよ」
連れて来られた女性達が押し入れからとても光沢のある布団を2組出して寝床の準備をしてる横で、1人の女性が朱美の服を脱がしてパジャマまで脱がそうとしていた。
「あぁ、朱美のそのカラフルな服は寝間着みたいなものだから…って今日ずっと着てたから、さすがに臭う?」
俺に聞かれた女性は焦った感じに隼人君を見た。
「そうだな。朱美様が恥ずかしがると良くないので、ひとまずその、ぱじゃま?で寝かせて差し上げろ。寝間着に関しては枕元にでも置いておけば小吾君が対応できるだろう。どうかな?」
「そうだな。勝手に脱がしたら後でどんな目にあうか分からないからそうしておこう」
「はははっ。どこの世でも真に強き者は女性という事か♪では弱き男共は風呂に入って汗を流すとしよう」
隼人君に案内されて俺は風呂場に来た。
「あれっ?この人達って…男?」
「ん?何か問題でもあったか?」
風呂場に俺と隼人君が向かう時に朱美を寝かせた部屋から2人の女性が付いてきた。その2人が俺と隼人君の服を脱ぐのを手伝ってくれたのだが、なんとなく近くで見ると、2人ともが男みたい?
そう言えばこの世界…靴をもらった時に思ったけど、女の方がかなり少ない世界な気がしたんだが…
俺のトランクスに手をかけてズリ下ろそうとしている人の首とアゴの辺りに違和感がある。
はっきり言えば、のどぼとけと青い剃り跡がある様な気がする。
そして違和感は肩の辺りの骨格と指のごつさ、ついでに言えば着ている前合わせの着物を作り直したような服のスキマから見えたそこそこ鍛えられていそうな筋肉。
見えたのは絶対に乳房では無かった。
「そう言えばここらの女性ってやっぱり少なくなってるのか?」
何気ない風を装って聞いてみた。
「まぁそうだな。確か大正が始まった頃までは、この辺りもそこまで女性が減る感じは無かったが、昭和に年号が変わった頃からかなぁ、段々と女性が減ってきたね。今ではこの辺りで生まれる子供の内2割程度が女の子って感じだろうか?本土はもっと差がひどいって聞いたよ」
隼人君特に気にする事なく男に服を脱がされて後ろからふんどしを外してもらっていた。
ついでかどうかわからないが、服を脱がせていた侍女(男)が隼人君のおちんちんとたまたまをポンポンって少し持ち上げながら空気にさらす様な事をしていた。
ちんちんを同性に触られても何とも思わない世界…
これは…もしかしたらまずいのでは?
「小吾君もはやくおいで」
隼人君は服を脱いで腰巻き姿になった上半身裸のちょっとだけ筋肉が浮いてる男を連れて浴室のドアに入って行った。
そして残される俺と侍女らしき仕事をしている最初女だとばかり思っていた線の細い男。
「一個聞いてもいい?」
恐る恐る声をかけてみた。
「何でしょう?」
か細い声だけど野太い感じの声音だった。
「もしかしてだけど、お風呂では君が僕を洗ってくれたりするのがここの流儀?」
あまり聞きたくないけどこれはだいじな事なので、勇気を奮い起こし聞いてみた。
「もちろんにございます。全身を使って洗わせていただきます♡」
か細いけど野太い声で彼は答えた。
これは断るのは失礼なのだろうか?
野太い声で青い剃り跡の目立つのどぼとけのある侍女…どう言いつくろっても男だな。そんな男が全身を使って俺をキレイにする…
とりあえず今の段階でアレな奉仕を想像するのはさすがに時期尚早か。一応こっちは客という立場であり、何なら黒田家に泉の管理を任せた未来の親族ってVIPレベルのお客様だ。さすがに無理強いはしてこないだろう。
俺は恐る恐る俺のトランクスをずり下ろした侍女と言う名の男(ちなみに侍女などと隼人君は一言も言ってない)の少し驚いた表情に何か愉悦のような感情を見た気がしたが、それを無視して腰巻き姿になった侍女(男)と隼人君の入って行った浴室に移動すると、そこではできれば見たくなかった洗い方をされている隼人君の姿があった。
「俺は自分で洗うので、君は隼人君を洗ってやってくれ」
隼人君のシイタケみたいにカリが開いたおちんちんを口を使って綺麗にしている侍女(男)の方に、俺に付いてきた侍女(男)をそっと押しやって、自分でかけ湯をして自分の体を洗いながら全身を襲う寒気に耐える俺。
男が多い世界ってどこもかしこもデンジャーな世界って事?
そう言えば隼人君を見て何か企んでそうな気がしていたが、あれは男にしゃぶられる事を特に気にしない奴が発する何かを俺の第六感センサーがビンビンに感じていたのが原因だったのかもしれない。
最初この家に入る時、朱美の貞操はなんとしても俺が守らなければ、などと考えていたのだが、もし狙われていたとすれば、それは俺の貞操だったという事だ。
まさかと思うが…隼人君…掘るのが好きとか無いよね?どっちか選べと言われるなら俺は掘る派だからな。
その後なんとなく暑苦しい隼人君周辺に出来るだけ意識を向けない様にしつつ、『なんだあのシイタケレベルのカリの高さは?!』と、そこそこ驚愕しつつも包茎に戻ってしまった自分のソレをなんとかして育てたいと思いつつ、弄ってるのを見られたらそのまま口童貞を奪われそうな予感に恐れ慄く自分を叱咤しながら、そっと視線を向けると俺の相手をする予定だった侍女(男)がイイ笑顔で指を丸くした手を口の前で前後に動かしてきた。
「俺は男の少ない場所で長く生活してきたので性的な相手は女性だけなんだ。悪いね」
今にも吸われそうな危機感を覚えつつもキッパリと拒否したら侍女さん(男)は穏やかな笑顔で頷いてくれた。
そして腰巻きをスルリと外し四つん這いになって俺の方に尻を向けて近づいてきた。
俺は、入れられるよりも、入れる方が好きって意味でさっきの言葉を言った訳じゃないんだが…どうも俺の言った事は、少しばかり違う意味で伝わった様だな。
「やめなさい。お客様が求めてないのは分かっているのだろう?まったく。今日お前は納屋でお仕置きだ。覚悟しろよ?」
ニヤニヤとしたかなりゲスい感じの顔で興奮して溶けそうな顔をした侍女(男)(全裸)のアゴをクイッってしながら何やらキケンワールドを作り出す主従の3名。
俺はその瞬間から『俺は貝。俺は貝だ。何も見えない何も知らない…』と心の中で呟きながら耳に届くチョット気持ちよさそうな野太い声を無視し続けた。
拷問の様な時間だったなぁ…
「朱美ぃ…俺、少しだけ汚れちゃったかもしれないよぉ~…」
部屋に戻ってきた俺はそのまま朱美が寝ている寝床に少しだけ顔を突っ込んで今朝方起きた時みたいに朱美の胸元に抱き着いた。
俺は未来に連れてきてもらった世界で何を見ていたんだ。
男が少なくなった世界では、女性同士のパートナー関係が日常的に見られたじゃないか。
真琴は…最初から男に声を掛けられたって話だったかもしれないが、朱里とか藍子とか楓辺りは普通に女をパートナーとして楽しんでいたって言っていた。それにユカちゃんとエリちゃんの関係も元々は百合関係があったはずだ。
ならば、女が少なくなった世界では男同士のパートナー関係が当然ある事に早めに気付いて然るべきじゃないか。
だがしかし、言い訳の余地がまったく無い訳ではない。
そもそも男が少ない世界の女性同士のエッチな関係って言うのは、男(俺)からすれば3P4P5Pなど多人数プレイの中でそこまで気にならない感じに日常に存在していた。
俺が女同士の絡みを忌避してないってのも理由の一つと言えるだろう。
何なら女性をバックスタイルで並べて『最初は誰が入れられちゃうのかなぁ~♡』なんて感じの遊びをやってる時など、最初に入れられた女性を周囲の女性が弄り倒し、キスしたり出し入れしてる辺りを舐めたり両乳首を吸われまくるなんて事も普通にしていた。
俺にとっては女性同士の絡みがあって当然って感じだったが、本質的には俺と女性達の体の関係がメインで女性同士の絡みは添え物的な感覚でしかなかったからだ。
だからここに来て男同士の絡みに驚いたのだが…
言い訳を並べても何も事態は変わらない。
問題なのは、これからどうするか、だ。
「はぁ…もう寝るかなぁ…でもまだ今から夕ご飯が隣に準備されるとか言ってたし…ここで寝たら俺の貞操が危険な感じもあるし…」
「ん…なぁに…パパ?」
うだうだと小さな声でしゃべっていたら朱美が目を覚ましたらしい。
「うるさかったか?悪い」
「んー…別にいい…ん?」
朱美の胸元から顔を朱美の顔の方に向けると少しばかり状況を把握できて無さそうな感じでクエスチョンマークを乱舞させている朱美と目が合った。
「小吾君?」
「なんでしょう?」
「なんで君は私のここにだきついているのかしら?」
「ちょっと怖い事があったから朱美の胸で慰めてもらってたの♡」
「…そう。スゥー…」
あっ、大声出しそう。
「ばっかじゃないの?!エッチーーーーー!!」
「ごめんてぇ~!!」
少しの間俺と朱美は黒田家の家の中を走り回った。
「ハァハァ…まったく…ハァハァハァ…」
朱美が寝かされていた部屋と最初に通された部屋の敷居を挟んで対峙した俺と朱美。
「とりあえず走りながら説明したけど分かってもらえたかな?」
「男の人にそんなこーいを求められただけじゃない。私のムネをかってに使うりゆうにはならないわ。まったく…」
「でも俺、女の人としかした事ないんダモン…しょうがないじゃん?」
「まぁいいわ。イヤ、許したわけじゃないから、喜ぶな!」
とりあえず今は許されたと考えてもよさそうかな?
「それで?お風呂ってどこなの?」
「お前男に三助されながら風呂に入る気か?」
「一人で入れるわ。小吾君はドアの前でだれも入らないようにまもってくれるわよね?」
俺が断れない事を前提の確認だった。
そしてシャワーから出るのが冷水だけなのを知った朱美から、俺に目隠しして浴室に入って髪を洗えと命令が下されたのだが…
「目隠ししてる状態で石鹸とか使えばああなるのはしょうがないと思わない?」
「絶対わざとだった」
朱美は俺と背中合わせで湯船に浸かってる。
「わざと股間を朱美に見せる様に倒れたって言ってるのか?俺あの時頭打ったんだぞ?結構痛かったんだぞ?」
「でもめかくしはぜったいにひつようだったから…って言うか、なんでもう…その…あれな感じになってるの?」
どうも朱美は俺が脚を開いて後ろに倒れた時に、俺に肩の辺りをつかまれた事で俺の股間の辺りをドアップで見させられたのが恥ずかしかったらしい。
「アレな感じってのは何のこと?もしかして毛が生えてない事をディスろうとか思ってるのか?」
「それは別に…ワタシモ…じゃなくって!おちんちんの形が…えっと…お兄ちゃん達と違うって言うか…その…パパの時の小吾君の形って言うか…」
なるほど。俺のおちんちんが真性包茎から剥けて余った皮がカリの下で積層化されている状態のままなのが気になったって事だな。
「剥いたばかりのおちんちんっていうのは、先端部分の皮が若干すぼまってるせいでカリ下まで降ろしたら勝手に上がって行かないの。大樹も慎吾も剥いたらこんな感じになるぞ?」
「へ~そうなんだぁ~じゃぁお兄ちゃん達のも…あっ…ちがうからね?私は何もそーぞーしてないんだからね?」
こいつ俺のだけじゃなくて大樹とか慎吾のおちんちんも見てるな…まぁ小さい頃は一緒に風呂に入れられてたはずなんで見ててもおかしくないんだろうけど…
朱美が家族の一番搾りを楽しんでいる可能性が俺の中で数%上がった感じがした。
その後脱衣場でも色々騒ぎつつ何とか浴衣を着た朱美と、最初の風呂から上がって作務衣の様な服を出してもらっていた俺が、最初に通された部屋に戻ったら隼人君と1人の女性が部屋に居た。
「お風呂は楽しめたようだね」
「ありがとうございました」
「朱美はシャワーを使わない状態で髪を洗える様にならないとここでは生活できないな」
「それは…でも、それはしょうがないじゃん…」
生まれた時から多機能シャワーヘッドなんてのが付いたお風呂にしか入った事がなければシャワーが無い生活は厳しいだろうな。
「さぁ、そろそろ食事でもどうだい?それにこちらの方も紹介したいのだが?」
隼人君が自分の隣に座る着物を着た女性を見ながら言ってきた。
こいつ…どこかで見た事がある気がする…?
俺はどこかで絶対に一度見た事のある女性を、記憶の底から思い出そうとしつつ、なぜか名前が一致する人が居ないという不思議な感覚に陥っていた。
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