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第五章 追跡?
129 タマーラちゃんの処女をもらって手に入れた能力とは3/6
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とりあえず楽園ゲームの中で俺がしなければならない事が幾つかある。
種類としては自分案件とテラスちゃん案件とサトウ村案件に別けられるか?
自分案件としてやらなければならない事は、テラスちゃんとレテーナ&メルクリウスと言った俺の人生…と言えるのか分からないが、俺の生死の権利を遥か上の方で握ってる連中の裏の目的を確認する事だ。
テラスちゃんの表の目的は楽園ゲームのクリアからの自分の終の棲家になる惑星の発見、且つ繁殖に繋がる辺りなんだろうが、どうもそれ以外に何かを企んでいる様な素振りが見える。
俺らしき奴からの付箋タレコミもあったからまず間違い無いだろう。…たぶん。
少し前の俺ならばテラスちゃん達には思考を読まれていたので手も足も出せない状態だったのだが、一応今現在自分の思考を隠せる状態になってる…らしい。
こうして現状の再確認をしていると、『たぶん』とか『らしい』なんて言葉だらけでもしかしたら俺の勘違いじゃないのか?って事も思えてくるが、自分の生存の証を勝手に消されるような事がおきたかもしれない事を考えるとちょっとばかり安心していられない。
そう、少し前に見た、夢と言うにはあまりにもリアルすぎる記憶の中での、ニナの死…
今の所は俺に利する状況でしか巻き戻されてはいない様だが…まぁ俺が気付いてないだけで何度も繰り返し時間を戻されているかもしれないのだが、それがテラスちゃんにとっても不利な状況だったから戻されただけと言った可能性もある訳だ。
俺にはどうであれテラスちゃんに不利益な状況であればサックリ消されるかもしれないのだから、彼女たちが何を目的に動いているのかをしっかり把握しておきたいって訳だ。
もしかしたら俺の存在の全てを消される可能性もある訳だ。
あの、俺に付箋で忠告をしてきた奴みたいに。
さて、自分案件は一応近くに居るレテーナやメルクリウスと言ったテラスちゃんの眷属との話の中で推察するしか手は無いのだが、他の案件に関してはさっさと動かなければならない。
とりあえず何を置いてもテラスちゃん案件だよな。
まず、最初にしなければならないのはあの…何て名前だったかな?ほら、フベルトさんが逃がしてしまったあの男。
あー……そうそうギャ…なんだっけ?なんかそんな名前の奴の討伐だ。
そうそうギャスパルだ。そいつを倒すと今現在フベルト村から避難してきてる村人連中が元のフベルト村に戻れる様になる。
今日も村の広場に向かって走っていた時に見えていた、真っ黒の筒状空間をさっさと日が当たる状態にして避難してきている村人を戻さなければならない。
テラスちゃん案件に関してはそれ以外には…今の所は特に無い?
そしてサトウ村案件。
これが今、色々と問題山済みだったりする。
元々俺とニナとソフィーにフベルト村で知り合った10人ぐらいの少人数で村を立ち上げる予定で話を進めていたのに気付いたら一気に100人以上の大所帯になってしまっているので、今現在住む場所も食料もその他色々足らない物だらけだったりする。
一応食糧備蓄に関しては今すぐ飢えると言った話ではないが、それまでフベルト村で耕作していた畑は真っ黒空間に入り込んでいる為にギャスパルが討伐されてテラスちゃんの怒り?が解けるまでは使えないという事になってる。
だから俺が寝ている間にも急ピッチで村の南側の空間を耕して順次このシーズンに育つ植物を植えていってるらしいが、まったくの0からの畑の開墾作業が必要なおかげで少しの間農作物が足りなくなりそうといった試算報告が上がってきているらしい。
そして、ちらほらとではあるが、あの真っ黒空間を見つけて来たらしい俺達のまったく知らない連中が、結構な数フベルト村に潜入していたりするそうだ。
一応フベルト村には警備員数名と代表の長老格の人が駐在しているのだが、それまで150人程度の人が生活していた村を10人程度で完全に管理するのは人数的に無理があるらしく、何軒も家屋を破壊されたり盗難にあってるのを事後に確認したりといった状態らしい。
それ以外にも、フベルト村では他の村との交易をしていたので、残ってる長老が交易の為に村に来た人や商人に会って事情を説明し、それまでの交易の継続に関する話をサトウ村に振ると言った対処をしていたりするので、最近1日に2~3団体さんがサトウ村を訪れていたりするそうだ。
そして、サトウ村との交易を求めてきた人達には今の所俺がテラスちゃんの所から戻る(起きる)まで待って貰うように言って追い返していたらしいのだが、さっき俺に対する敵対心ビンビン状態のマルセル君が俺の元に来て報告してくれた話によれば、どうもサトウ村に分岐するT字路の辺りで3~4団体さんほどが野営しながら俺との交渉を始められるのを待っている状態らしい。
一応その人達がサトウ村に来る様になったのが、あの真っ黒い筒状空間が出来て1週間ぐらいしてかららしいので、そろそろ3日程度経つそうだが…
新しい村との独占交易の権利を手に入れられるならば、かなりの利益が見込めるはずなので、その辺りを狙って居座ってるのではないかと思うが、一応今の所、フベルト村とサトウ村に来るのを除いてあのT字路になってる舗装して無い道を使う人が居ない状態だったりする。
もし可能であれば未舗装路をサトウ村に繋がる舗装路みたいな時速60km/h程度を普通に出せる道にしてしまいたいと思うのだが、さすがにすぐに取り掛かれるほどの予算が無い。
これに関しては未来的展望と言った所だな。
まぁそんな訳で、さっさとギャスパルを討伐してしまう必要があるのだが、どうしたら良いのか…
今現在サトウ村の自衛に関しては移住組の中から日に数名少しは戦えそうな奴を村の入り口と周辺探索に出してる程度で、もしサトウ村を調べる為に密偵のような奴らをどこかの誰かが出していたとしたら、まったく防げてないはずなんだけど…まぁそこに関しては今の所気にする必要は無いだろう。
だってまだ難民キャンプレベルの村しかない状態で秘密も何もあったもんじゃないからね。
だがしかし、そんな貧弱戦力しかないサトウ村からどうやって討伐隊を搾り出してテラスちゃんの神託を達成させれば良いのか…
「なぁキヨシぃ…そろそろ次の日になった頃じゃない?」
今日はメルが色々やらかしてくれたのと、タマーラちゃんと洞窟で色々やった事がタマーラちゃんの俺に対する距離感から速攻でソフィーとココちゃんにばれてしまったせいで、『今日はキヨシは1人で寝なさい!』と、ニナに言われてソロ寝が決まった俺だったが、物理的にセックス出来ない事が確認されたメルだけは俺の部屋に居たりする。
そして今現在0時を少し越えた頃だったりする。
「そうだな、俺のスマホの時間がこっちの時間に連動しているのであればそろそろ次の日になってるな。それがどうした?」
Todoタイムラインリストの更新をしていた俺の持っているスマホの右上には小さく0:03の表示がある。
「確かテラス様が0時の時点でキヨシの持ち物が元に戻るって言ってたから、チョコ出して♡」
今日レテーナに説教されたメルは甘い物を食べて気持ちを落ち着かせようって魂胆らしい。
「…まぁ出してやるのは良いけど朝三暮四になるんじゃないか?大丈夫か?」
「何を言ってるんだ?ボクはどこかのサルじゃないんだからね?」
一応言葉自体は理解していたらしいメルは少し怒ったような感じの顔で俺に近づいてきた。
「ほらほら、今日と明日のチョコレートはもうボクの好きにしていいんでしょ?だからちょうだい♡」
一応夕食の前にその様な約束をしていたので、わざわざ約束した事を反故にするメリットが無い以上出してやるしかない。
「その上着の右ポケットに個別包装されたチョコレートが5個ほど入ってるはずだからもう全部出してお前が取っておけ。」
俺はため息を一つ吐いて脳内インベントリからスーツの上着を取り出してそのままメルに渡した。
「は~い♡チョッコ♡チョッコ♡美味しいチョ…コ…?あれっ?」
スーツの上着を宝物でも手に入れた感じに持ってベッドの上にそっと置いてポケットをまさぐり始めたメルが変な顔をして止まった。
「んっ?どうした?」
「…右…あぁ、そうか♪失敗失敗♪着てるキヨシの右だったねっ♡…へっ?…ねぇキヨシ、無いよ?」
左右のポケットを覗き込む勢いで確認してその後スーツの左右の内ポケットまでひっくり返して確認したメルが俺に詰め寄ってきた。
「キヨシさぁ…いくらボクに負けたのが悔しいからってこんな子供みたいな嫌がらせとかどうかと思うんだけど…?」
腰に手を当てて『君には失望した!』とでも言い出しそうな感じの顔で言ってきたメル。
はて?
「なぁメル、お前今から3分前までの間ドコに居たんだ?」
「はぁ?ボクはずっとこのベッドの上で黄昏ていたよ?キヨシもそれは見ていただろ?今更何を聞いてくる気だ?…まさか変な言いがかりをしてくる気じゃないだろうな?」
こいつは甘い物に関わっていると少しばかり頭の回転が悪くなる様だな。
「なぁ0:00になった時に俺の持ち物は元の戻るって言ってたよな?」
「ふっ…キヨシはさっきボクの言った事を再確認しなければならないぐらいにオツムの出来が悪いのかい?」
見下した顔って今のメルの顔みたいなのを言うんだろうな。
「俺のオツムの出来に関しては心配してもらわずとも結構だ。そして今現在お前と俺は話をしていたからずっとお互いがこの部屋に居た事をお互いが証明出来るな?」
「だから何?そんな事はどうでもイイから早くキヨシが隠してる僕のチョコレートを出しなさい。」
今度はお姉さん風に俺を見下ろしながら胸の前で腕を組んで指を一本出して俺を指差しつつ言ってきたメルだった。
「一応0:00になった頃から今現在…0:15か、その間お前はずっと俺の居るこの部屋に居た訳なんだが、俺が自分のスーツを出してチョコレートをどこかに隠したか?」
俺の言葉を聞いて少しの間時間が止まった感じになったメル。
「…じゃぁボクのチョコレートはドコに行ったの?」
急に幼女テイスト溢れる不安いっぱい迷子風オーラを放ち始めるメル。
こいつって感情がかなり表面に出やすい奴だったんだなぁ…
「お前が勢い余って一気に食っちゃったんじゃないの?」
「…ボクが…食べた…ボク…?????」
口の中で舌を動かしてどこかに欠片が残ってないか確認してそうな感じの頬の動きが少しの間見えていたが段々とメルの目に涙が浮かんできた。
「…ボク…無意識に食べちゃったの?…あんなに首を長くして待ってたのに忘れるぐらい一気に食べちゃったの?」
「…さすがにそんな事は無いと思うが…それにほら、お前はあのチョコレートの包装のビニールって食べられたのか?」
「ボクはヒック…そんなのはヒック…食べても美味しくないからヒクッ………食べないけど…そんなに…剥く事も忘れて食べちゃったのかなぁ…ボク…そんなに変になってたのかなぁ…ウゥゥ…」
あーあー…涙が滝の様に流れ始めてるし…プルプルし始めてるし…って輪っかの辺りに今日見た虹色の光が踊り始めてるし?!
「待て!メル!そんなはず無いだろ!俺が聞いてたのはお前が無意識状態で食う暇があったかどうかでは無くて、俺が隠す様な時間があったかどうかって話だ。」
とりあえずあの攻撃を八つ当たりでもなんでもぶっ放されたら堪らないと思いメルをそっと抱き寄せて頭をイイコイイコしてみた。
とりあえず俺の知ってる女の子なら…まぁほら、名前を思い出せない姪っ子の事なんだがね。その姪が何か自分の思い通りにならない事があって怒り出した時に何度かこうして抱っこして頭を撫でてやったら落ち着いたって事があったのでやってみたんだけど…一応メルの虹色の光のダンスが少し収まってきたか?
「ヒクッ…じゃぁボクのチョコレートってどこに行ったの?スンスン…ヒックッ…」
…涙目で見上げてくるメルってけっこう可愛いなぁ♡…おっと。
「俺とお前がお互いを見張っていた状態で元に戻ったはずのインベントリ内の物が存在しないって事は、もしかしたらだけど、元に戻るって機構に何か不具合が起きてる可能性があるな。ちょっとだけ待てるか?」
未だ目に涙を溜めてるメルに子供をあやす様な声で話しかける俺…こんな対応とか久しぶりだなぁ…いつぶりなんだろ?
「…うん。イイコイイコしてくれるなら大丈夫。」
メルはそう言って俺の胴に抱きついて胸元に顔を押し当てて顔を俺に見えない様にした。
とりあえずメルの指示通り左手でメルの頭を撫でつつ脳内インベントリを開くと、
○ 軽自動車┬車体…
├積載物┬工具BOX…
│ ├発電機式溶接工具セット…
│ ├外装補修キット一式…
│ ├その他…
│ ├忍のバック…
│ ├萌歌のバッグ…
│ ├美月のバッグ…
│ ├鍵付きスーツケース…
│ ⁞
│
└その他…
○ 服(装備品一覧)
○ スマホ
少し前に収納グループを色々動かして上の4個に纏めておいた積載物の項目が、一気に増えていた。
種類としては自分案件とテラスちゃん案件とサトウ村案件に別けられるか?
自分案件としてやらなければならない事は、テラスちゃんとレテーナ&メルクリウスと言った俺の人生…と言えるのか分からないが、俺の生死の権利を遥か上の方で握ってる連中の裏の目的を確認する事だ。
テラスちゃんの表の目的は楽園ゲームのクリアからの自分の終の棲家になる惑星の発見、且つ繁殖に繋がる辺りなんだろうが、どうもそれ以外に何かを企んでいる様な素振りが見える。
俺らしき奴からの付箋タレコミもあったからまず間違い無いだろう。…たぶん。
少し前の俺ならばテラスちゃん達には思考を読まれていたので手も足も出せない状態だったのだが、一応今現在自分の思考を隠せる状態になってる…らしい。
こうして現状の再確認をしていると、『たぶん』とか『らしい』なんて言葉だらけでもしかしたら俺の勘違いじゃないのか?って事も思えてくるが、自分の生存の証を勝手に消されるような事がおきたかもしれない事を考えるとちょっとばかり安心していられない。
そう、少し前に見た、夢と言うにはあまりにもリアルすぎる記憶の中での、ニナの死…
今の所は俺に利する状況でしか巻き戻されてはいない様だが…まぁ俺が気付いてないだけで何度も繰り返し時間を戻されているかもしれないのだが、それがテラスちゃんにとっても不利な状況だったから戻されただけと言った可能性もある訳だ。
俺にはどうであれテラスちゃんに不利益な状況であればサックリ消されるかもしれないのだから、彼女たちが何を目的に動いているのかをしっかり把握しておきたいって訳だ。
もしかしたら俺の存在の全てを消される可能性もある訳だ。
あの、俺に付箋で忠告をしてきた奴みたいに。
さて、自分案件は一応近くに居るレテーナやメルクリウスと言ったテラスちゃんの眷属との話の中で推察するしか手は無いのだが、他の案件に関してはさっさと動かなければならない。
とりあえず何を置いてもテラスちゃん案件だよな。
まず、最初にしなければならないのはあの…何て名前だったかな?ほら、フベルトさんが逃がしてしまったあの男。
あー……そうそうギャ…なんだっけ?なんかそんな名前の奴の討伐だ。
そうそうギャスパルだ。そいつを倒すと今現在フベルト村から避難してきてる村人連中が元のフベルト村に戻れる様になる。
今日も村の広場に向かって走っていた時に見えていた、真っ黒の筒状空間をさっさと日が当たる状態にして避難してきている村人を戻さなければならない。
テラスちゃん案件に関してはそれ以外には…今の所は特に無い?
そしてサトウ村案件。
これが今、色々と問題山済みだったりする。
元々俺とニナとソフィーにフベルト村で知り合った10人ぐらいの少人数で村を立ち上げる予定で話を進めていたのに気付いたら一気に100人以上の大所帯になってしまっているので、今現在住む場所も食料もその他色々足らない物だらけだったりする。
一応食糧備蓄に関しては今すぐ飢えると言った話ではないが、それまでフベルト村で耕作していた畑は真っ黒空間に入り込んでいる為にギャスパルが討伐されてテラスちゃんの怒り?が解けるまでは使えないという事になってる。
だから俺が寝ている間にも急ピッチで村の南側の空間を耕して順次このシーズンに育つ植物を植えていってるらしいが、まったくの0からの畑の開墾作業が必要なおかげで少しの間農作物が足りなくなりそうといった試算報告が上がってきているらしい。
そして、ちらほらとではあるが、あの真っ黒空間を見つけて来たらしい俺達のまったく知らない連中が、結構な数フベルト村に潜入していたりするそうだ。
一応フベルト村には警備員数名と代表の長老格の人が駐在しているのだが、それまで150人程度の人が生活していた村を10人程度で完全に管理するのは人数的に無理があるらしく、何軒も家屋を破壊されたり盗難にあってるのを事後に確認したりといった状態らしい。
それ以外にも、フベルト村では他の村との交易をしていたので、残ってる長老が交易の為に村に来た人や商人に会って事情を説明し、それまでの交易の継続に関する話をサトウ村に振ると言った対処をしていたりするので、最近1日に2~3団体さんがサトウ村を訪れていたりするそうだ。
そして、サトウ村との交易を求めてきた人達には今の所俺がテラスちゃんの所から戻る(起きる)まで待って貰うように言って追い返していたらしいのだが、さっき俺に対する敵対心ビンビン状態のマルセル君が俺の元に来て報告してくれた話によれば、どうもサトウ村に分岐するT字路の辺りで3~4団体さんほどが野営しながら俺との交渉を始められるのを待っている状態らしい。
一応その人達がサトウ村に来る様になったのが、あの真っ黒い筒状空間が出来て1週間ぐらいしてかららしいので、そろそろ3日程度経つそうだが…
新しい村との独占交易の権利を手に入れられるならば、かなりの利益が見込めるはずなので、その辺りを狙って居座ってるのではないかと思うが、一応今の所、フベルト村とサトウ村に来るのを除いてあのT字路になってる舗装して無い道を使う人が居ない状態だったりする。
もし可能であれば未舗装路をサトウ村に繋がる舗装路みたいな時速60km/h程度を普通に出せる道にしてしまいたいと思うのだが、さすがにすぐに取り掛かれるほどの予算が無い。
これに関しては未来的展望と言った所だな。
まぁそんな訳で、さっさとギャスパルを討伐してしまう必要があるのだが、どうしたら良いのか…
今現在サトウ村の自衛に関しては移住組の中から日に数名少しは戦えそうな奴を村の入り口と周辺探索に出してる程度で、もしサトウ村を調べる為に密偵のような奴らをどこかの誰かが出していたとしたら、まったく防げてないはずなんだけど…まぁそこに関しては今の所気にする必要は無いだろう。
だってまだ難民キャンプレベルの村しかない状態で秘密も何もあったもんじゃないからね。
だがしかし、そんな貧弱戦力しかないサトウ村からどうやって討伐隊を搾り出してテラスちゃんの神託を達成させれば良いのか…
「なぁキヨシぃ…そろそろ次の日になった頃じゃない?」
今日はメルが色々やらかしてくれたのと、タマーラちゃんと洞窟で色々やった事がタマーラちゃんの俺に対する距離感から速攻でソフィーとココちゃんにばれてしまったせいで、『今日はキヨシは1人で寝なさい!』と、ニナに言われてソロ寝が決まった俺だったが、物理的にセックス出来ない事が確認されたメルだけは俺の部屋に居たりする。
そして今現在0時を少し越えた頃だったりする。
「そうだな、俺のスマホの時間がこっちの時間に連動しているのであればそろそろ次の日になってるな。それがどうした?」
Todoタイムラインリストの更新をしていた俺の持っているスマホの右上には小さく0:03の表示がある。
「確かテラス様が0時の時点でキヨシの持ち物が元に戻るって言ってたから、チョコ出して♡」
今日レテーナに説教されたメルは甘い物を食べて気持ちを落ち着かせようって魂胆らしい。
「…まぁ出してやるのは良いけど朝三暮四になるんじゃないか?大丈夫か?」
「何を言ってるんだ?ボクはどこかのサルじゃないんだからね?」
一応言葉自体は理解していたらしいメルは少し怒ったような感じの顔で俺に近づいてきた。
「ほらほら、今日と明日のチョコレートはもうボクの好きにしていいんでしょ?だからちょうだい♡」
一応夕食の前にその様な約束をしていたので、わざわざ約束した事を反故にするメリットが無い以上出してやるしかない。
「その上着の右ポケットに個別包装されたチョコレートが5個ほど入ってるはずだからもう全部出してお前が取っておけ。」
俺はため息を一つ吐いて脳内インベントリからスーツの上着を取り出してそのままメルに渡した。
「は~い♡チョッコ♡チョッコ♡美味しいチョ…コ…?あれっ?」
スーツの上着を宝物でも手に入れた感じに持ってベッドの上にそっと置いてポケットをまさぐり始めたメルが変な顔をして止まった。
「んっ?どうした?」
「…右…あぁ、そうか♪失敗失敗♪着てるキヨシの右だったねっ♡…へっ?…ねぇキヨシ、無いよ?」
左右のポケットを覗き込む勢いで確認してその後スーツの左右の内ポケットまでひっくり返して確認したメルが俺に詰め寄ってきた。
「キヨシさぁ…いくらボクに負けたのが悔しいからってこんな子供みたいな嫌がらせとかどうかと思うんだけど…?」
腰に手を当てて『君には失望した!』とでも言い出しそうな感じの顔で言ってきたメル。
はて?
「なぁメル、お前今から3分前までの間ドコに居たんだ?」
「はぁ?ボクはずっとこのベッドの上で黄昏ていたよ?キヨシもそれは見ていただろ?今更何を聞いてくる気だ?…まさか変な言いがかりをしてくる気じゃないだろうな?」
こいつは甘い物に関わっていると少しばかり頭の回転が悪くなる様だな。
「なぁ0:00になった時に俺の持ち物は元の戻るって言ってたよな?」
「ふっ…キヨシはさっきボクの言った事を再確認しなければならないぐらいにオツムの出来が悪いのかい?」
見下した顔って今のメルの顔みたいなのを言うんだろうな。
「俺のオツムの出来に関しては心配してもらわずとも結構だ。そして今現在お前と俺は話をしていたからずっとお互いがこの部屋に居た事をお互いが証明出来るな?」
「だから何?そんな事はどうでもイイから早くキヨシが隠してる僕のチョコレートを出しなさい。」
今度はお姉さん風に俺を見下ろしながら胸の前で腕を組んで指を一本出して俺を指差しつつ言ってきたメルだった。
「一応0:00になった頃から今現在…0:15か、その間お前はずっと俺の居るこの部屋に居た訳なんだが、俺が自分のスーツを出してチョコレートをどこかに隠したか?」
俺の言葉を聞いて少しの間時間が止まった感じになったメル。
「…じゃぁボクのチョコレートはドコに行ったの?」
急に幼女テイスト溢れる不安いっぱい迷子風オーラを放ち始めるメル。
こいつって感情がかなり表面に出やすい奴だったんだなぁ…
「お前が勢い余って一気に食っちゃったんじゃないの?」
「…ボクが…食べた…ボク…?????」
口の中で舌を動かしてどこかに欠片が残ってないか確認してそうな感じの頬の動きが少しの間見えていたが段々とメルの目に涙が浮かんできた。
「…ボク…無意識に食べちゃったの?…あんなに首を長くして待ってたのに忘れるぐらい一気に食べちゃったの?」
「…さすがにそんな事は無いと思うが…それにほら、お前はあのチョコレートの包装のビニールって食べられたのか?」
「ボクはヒック…そんなのはヒック…食べても美味しくないからヒクッ………食べないけど…そんなに…剥く事も忘れて食べちゃったのかなぁ…ボク…そんなに変になってたのかなぁ…ウゥゥ…」
あーあー…涙が滝の様に流れ始めてるし…プルプルし始めてるし…って輪っかの辺りに今日見た虹色の光が踊り始めてるし?!
「待て!メル!そんなはず無いだろ!俺が聞いてたのはお前が無意識状態で食う暇があったかどうかでは無くて、俺が隠す様な時間があったかどうかって話だ。」
とりあえずあの攻撃を八つ当たりでもなんでもぶっ放されたら堪らないと思いメルをそっと抱き寄せて頭をイイコイイコしてみた。
とりあえず俺の知ってる女の子なら…まぁほら、名前を思い出せない姪っ子の事なんだがね。その姪が何か自分の思い通りにならない事があって怒り出した時に何度かこうして抱っこして頭を撫でてやったら落ち着いたって事があったのでやってみたんだけど…一応メルの虹色の光のダンスが少し収まってきたか?
「ヒクッ…じゃぁボクのチョコレートってどこに行ったの?スンスン…ヒックッ…」
…涙目で見上げてくるメルってけっこう可愛いなぁ♡…おっと。
「俺とお前がお互いを見張っていた状態で元に戻ったはずのインベントリ内の物が存在しないって事は、もしかしたらだけど、元に戻るって機構に何か不具合が起きてる可能性があるな。ちょっとだけ待てるか?」
未だ目に涙を溜めてるメルに子供をあやす様な声で話しかける俺…こんな対応とか久しぶりだなぁ…いつぶりなんだろ?
「…うん。イイコイイコしてくれるなら大丈夫。」
メルはそう言って俺の胴に抱きついて胸元に顔を押し当てて顔を俺に見えない様にした。
とりあえずメルの指示通り左手でメルの頭を撫でつつ脳内インベントリを開くと、
○ 軽自動車┬車体…
├積載物┬工具BOX…
│ ├発電機式溶接工具セット…
│ ├外装補修キット一式…
│ ├その他…
│ ├忍のバック…
│ ├萌歌のバッグ…
│ ├美月のバッグ…
│ ├鍵付きスーツケース…
│ ⁞
│
└その他…
○ 服(装備品一覧)
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少し前に収納グループを色々動かして上の4個に纏めておいた積載物の項目が、一気に増えていた。
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