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第五章 追跡?
123 記憶を探る方法5/5
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俺の命日に関係するのか関係しないのかイマイチよく分からないこれまでの一連の会社を舞台にした騒動がこれである程度収拾がついた気がする。
今回の騒動は、社長と湯島前部長がそれぞれ別の場所に海外出張中に行き、現地にて誘拐されて行方不明になり、それと時を同じくして発覚した2人が関与していた悪事が一部社外に漏れ、その悪事の恩恵を受けていた連中のほとんどの者が左遷か放逐されると言った処置になった。
裏で黒田達が動いていたのは間違い無いのだが、表では『社長と湯島部長この状態になるのが分かっていたから逃げたんじゃないか?』などと噂されていて、悪事の発覚を恐れた2人が自ら行方をくらましたとの見方が有力視されている様な状態らしい。
まぁ…俺とか黒田が率先してそんな噂をばら撒いたからそんな風潮になってるんだけどね。
どうせ死ぬのであれば、会社で色々行なわれていた悪事の責任を全て持って行ってもらおうと言った話も出てきたので、ついでに彼等を始末する為に使われた紛争地帯で傭兵業を嗜んでいる集団に支払ったお金も彼等の悪事に上乗せさせられていた。そのおかげもあったのか、黒田は噂を広めるのをとても頑張っていた。
そんな感じにけっこうな濡れ衣を着させられていた社長と湯島部長だったが…まぁほら、溺れる犬には石を投げろって諺もあるぐらいだし?しょうがないよね♪…あれっ?諺じゃ無かったかな?
それに伴い俺と黒田がそれぞれの部署の空いた部長の席に座る事になり、高円寺専務は現職据え置き、社長達の後釜には、3回目ループの時と同じ対応がとられて外部から経営陣が送り込まれてきた。
そして佐々木君は俺の秘書として部長室に常駐する事になり、俺に抱かれた次の日に宇野君と別れたそうだ。
あの時みたいに俺を逆恨みして…いやまぁ、あの時の俺と宇野君と佐々木君の関係に関するアレコレは、俺が佐々木君を寝取った状態だったので、逆恨みではなく正常な恨みがあったと言えるのだろうが、ひとまず今回の2人が別れる事になった原因には俺はあまり大きく関わってない。そんな訳で、佐々木君と黒田に言って宇野君が俺を襲わない様にしてもらった。
そもそも俺に2人が付き合ってる事を報告出来なかった宇野君が勝手に振られた訳なので…何にしても今回の二人の別れ話に関しては2人の間で何とかしてもらうのが一番だろう。
ついでに言うなら俺の動向を調べる為かどうかは確定して無いが、宇野君を俺の部署に移動させた黒田にも少しは責任があるはずなので、宇野君を俺の部署から黒田の部署に戻す様にしておいた。
宇野君の仕事の効率が落ちる原因が『彼女とのデート時間が取れない』って理由だったのだから、その原因が無くなったので戻すのは当然だと思い、移動の理由の所に『彼は彼女とのデートをする必要が無くなったので、そちらでこれまで以上に頑張ってくれる様になるだろう。』と一筆書いておいたから、こっちに戻ってくる事はもう無いだろう。
その後確か、宇野君には黒田の知り合いの少女が紹介されたって話を聞いたが…少し前の宇野君は精神的に不安定な状態だったので、俺は本人に会えてないので詳しく聞く事ができなかったが、そろそろ俺の命日から2週間が経とうとしているので一応彼も精神的に危険な状態は脱していると思われるが…そのうちまた仕事で顔を合わす事があるかもしれないな。
そう、あれから2週間が経つのだが、今の所俺は死にそうに無い。
最初の1週間ほどの間、俺はもしかしたら目が覚めたらあっちの世界に戻ってるのでは?などと考えていたのだが、毎日誰かが俺のアパートに泊まりこむ様になって毎朝いろんな起こし方をされていたら、気付いたらそんな事も考えない様になっていった。
俺…ニナ達にもう会えないのかなぁ。
今日は司ちゃんが俺のアパートに泊まる日らしく、夜7:30頃になって佐々木君と一緒に会社を出て車に戻ったら、俺の車の駐車場の近くの空いてる駐車スペースに駐められた忍さんの車に萌歌さんと3人で一緒に待っていてくれた。
そう言えば最近、佐々木君…美月って呼んで欲しいと言われたので仕事の時間帯を除いてそう呼ぶ様になった彼女も、司ちゃんの送迎?の為なのか俺の近くに居る為なのかよく分からないが、車を使って通勤する様になった。
ただ、美月さんが使っている車が、3回目のループ時に湯島前部長の息子さんの車だって言って乗っていたオープンカーなんだが…なぜ彼女がこの車を自分の物の様に使っているのか聞いてみたけど言葉を濁されてしまった。
もしかして慰謝料的な何かとして貰ったのだろうか?
「最近キヨシってため息が増えてるよね。みんな気にしてるよ?」
俺の軽自動車の助手席に座った司ちゃんが俺の方を見ながら心配そうな顔で聞いてきた。
そう言えば司ちゃん…あの時みたいに俺の事を思い出して無いみたいなんだよなぁ…そこも気がかりな部分だったりするんだけど…
「少しの間会社がバタバタしてたからね。そっちの心労が少しばかり溜まってるんじゃないかな?」
「そうなの?…じゃぁ今日は一緒に居ない方がいい?」
司ちゃん、少しばかり沈んだ声で聞き返してきた…
「司が俺のそばに居るから気分が落ちるって事はさすがに無いぞ?俺が1人になりたいならそう言うからあまり気にするな。」
「そう?…じゃぁ今日も…しても…♡イイ?」
助手席から右手を伸ばしてくる司ちゃんは完全にセックス大好きっ子になってしまった。
「車の中ではしないよ?前の時気持ちよくなる瞬間にアクセル踏み抜きそうになって危なかったからね?」
「え~…じゃぁ撫でるだけにしておく♡」
俺は残業の時間帯が始まる前に一応食事を済ますのが通常なのだが、その事を美月君から聞いた3人は車に乗った状態で気軽に楽しみ始める様になったのだが…司ちゃんと萌歌さんに運転してる途中でフェラってもらうととても危険な事が分かってしまったんだ。経験値の差なのかどうか分からないが、美月君と忍さんにしてもらってもそこまで危険な状態にはならないのだが…とりあえず、彼女が居る読者の諸君は気をつける様にな?
そして俺のアパートに彼女達の小物と着替えが常備される様になり、俺の軽自動車の中にも彼女達の小物と言うかグッズ?とか、服などが押し込まれる様になり、さすがにこのままこのアパートに住み続ける事も出来なくなって来たなぁ…などと考えながら今日もいつも通り0時前後までがっつり楽しみ、司ちゃんと2人で全裸になって長年使い続けているお布団に入り込み寝たのだが…俺はその日妙な夢を見た。
明晰夢…俺は夢の中で自分が夢を見ている事に気付く事って過去何度もあったのだが…まぁでも友人にこの事を話したらほとんどの奴に変な奴を見る様な目で見られたけど…
そして俺の明晰夢では普通の明晰夢を見ている人みたいに空を飛べたり走れなくなったり体が動かせなかったりと言った事はまったく無かったのだが…ただ、夢で見る場所が俺にはまったく見覚えの無い場所だったり次の日行く場所だったりした様な…
あっ…そうか、あの明晰夢を見ていたから俺って成績もそこそこ良かったし、大きな失敗をしなかったし、危険な状態をイイ感じにすり抜けられたりしていたって事なのか?…どうもこの辺りの事も俺はほとんど忘れてるみたいだな。
そして、今…俺は久しぶりに明晰夢を見ているのだが…
「なぁ司?お前なんで耳と尻尾があるの?」
俺の目の前に立ってる司に耳と尻尾が付いていて、そこそこご機嫌状態に見える感じに動いてる。
「だって私の体には元々これが付いてたんだから、ここで見えるのはとーぜんでしょ?それにしてもこうしてこっち側で会うのって久しぶりだね~キ~ヨシっ♡」
近付いてきていつも通りって感じに抱きついてくる司ちゃん。
俺の体に抱きついて俺の首の辺りに顔をスリスリ♡させつつ耳がペッタン♡と後ろに向いて喉をゴロゴロ鳴らしてそうな感じに目を瞑り尻尾を俺の手に巻きつけてきた。
なんか司ちゃん…こうして耳と尻尾が有ると、ニナとほとんど一緒の抱き心地な気がする♡
「さすがに…司がニナって事は無いよな?」
「んっ?ニナ?…誰??」
司の耳が、ネコが興味を持った相手を見てる時みたいに俺の方を向いた。
「ニナってあっちの世界の俺の嫁さん。」
特に何も考えずに答えた俺だったがちょっとばかり失敗したかもしれない。
俺の答えを聞いた司が急に止まって俺を見上げてきて…
「ねぇそれってキヨシにはいろんな場所に奥さんが居るって事?ねぇ、どういう意味??」
少しばかり怖い感じに聞き返されてしまった。
俺は少しの間司ちゃんに楽園ゲームの中で知り合った人の事を説明していたのだが、なぜか司ちゃんはどんどん機嫌が悪くなっていく…
「ふ~ん…キヨシってそんな場所に行ってたんだ…そしてそっちに帰りたいんだ…ふ~ん…」
…正直に説明したのがちょっとばかり裏目に出てしまったらしい。
でも俺…なんで自分の夢の中で必死になって言い訳してるのかなぁ…?
その後司ちゃんが機嫌を直してくれるまで体内時間で1時間程度かかり、気付いたら記憶にある司ちゃんのマンションの部屋のダブルベッドの上で少しだけエッチな事をして♡司ちゃんを腕枕しながら少なくない疲労を感じていると、どこかから新聞配達の人の運転するバイクの音が聞こえてきた。
「あーそろそろ朝みたいだな。」
「んっ?何?」
「このバイクの音が聞こえてきたらそろそろ朝の6時になる頃だからもう少ししたら目が覚めるはずなんだ。」
俺は明晰夢を見ていたらほとんどの場合で周囲の音が聞こえるのだが、これも知り合いに話したらけっこう驚かれる。
「キヨシはもう起きるのかぁ…じゃぁ私もそろそろ戻らないとだね。」
イマイチ意味が分からない事を言う司ちゃんだが、夢にリアリティーを求めてもしょうがないので一瞬で見慣れた服を着た司ちゃんをこれまたいつの間にか現れたどこかのドアから送り出したのと同時ぐらいに俺の夢がゆっくりと色褪せて行った。
あぁ…目が覚めようとしてるな…少しの間意識が途切れる様な感覚があって…体にもう一度重力を感じて…目が覚めた。
「おはよう。いつから見てたんだ?」
目を開けたら俺の顔を超至近距離から見ていた司ちゃんに聞いてみた。
「おはよう♡キ~ヨシっ♡さっき目が覚めてから見始めた所♡」
新聞配達のお兄ちゃんの使ってるバイクが走り出す音が聞こえてきた。このアパートと近くの路地を入った先の家の新聞を配り終えて次の場所に移動して行ったらしい。
「本当にキヨシって夢見てても外の音が聞こえてるんだね~すごいね。私はたぶん聞こえてないと思うんだけど…」
ちょっとだけ驚いた感じに言ってきた司ちゃんたが…
「んっ?その話は司にした事があったか?」
少しばかり変な予感を感じつつ聞いてみたのだが、やはり変な顔をされた。
「さっき聞いたばかりでしょ?何言ってるの?」
さぁ…これはどういう意味かな?
司ちゃんって人の夢の中に遊びに行けたりする様な特殊な技能を持ってる子だったのかな?
「キヨシとはこんな感じに何度も夢の中で会ってたんだけど…キヨシはまったく覚えてない?」
どう聞いたら変な人認定されないかを考えていたら司ちゃんが教えてくれたのだが…
「もしかして司は俺の事を思い出したのか?」
「キヨシがゲームの世界に行った事があるのと最近何度も同じ時間を繰り返してるのは夢で見たよ。」
たぶんあの時に司ちゃんが言っていた事がこの時間帯の司ちゃんの身にも起こったって事なんだろうな。
「そう言えば司…俺と何度も会ってたみたいな事を少し前に言ってたけど…あれってもしかして、さっきみたいに夢の中で会ってたって意味だったのか?」
「うん。そうだよ。こうしてこの石を持って寝てるとたまにキヨシが来てくれて私の知らない場所に連れて行ってくれたの♡でもね、その事って夢から覚めたらいつも忘れてたんだけど…今日は覚えてたのね。」
司ちゃんは話しながら手に持っていたらしい赤い石を顔の前まで動かして透き通った石の中から俺を見てきた。
「それを持って寝たら俺に会えてたって事?」
「んー…たぶんそうなんじゃないかな?でもね、今回みたいに話しかけたら会話が出来たのは…何年かに1回ぐらいだったかな?いつものキヨシはこう…夢でも見てるみたいな感じに私をこう…無理矢理?……ポッ♡」
どうも俺が明晰夢を見ている状態に気付いた時だけ普通に会話ができていたかもしれないと説明してくれた司ちゃんだが、俺にはその記憶がまったく無い。
さっき司ちゃんも言ってたけど、司ちゃんの方でもいつもはその夢の記憶がすぐに消えて思い出せなくなっていたみたいなので、俺の記憶からも似た様な感じに消えていたのだろうか?
もしかしてこの赤い石を持って俺と司ちゃんが一緒に寝たら、さっきみたいに夢の中で会える?
そしてこれは…もしかしたらだけど…司ちゃんが俺から聞いていた話を思い出してもらえるかもしれない?
さっきの夢の中で司ちゃんが楽園ゲームの中の事を聞いてきた感じを思い出すに、けっこう厳しく追求してきていた感じがあったから、もしかしたら他にも色々聞いてる可能性があるんじゃないか?
「なぁ司ちゃん。もしかして夢の中で俺の記憶に関する事って聞いてたりする?」
指で赤い石を持って石を通してそこらを見ていた司ちゃんに聞いてみたのだが、少し思い出す様な顔をしてから答えてくれた。
「…たぶん聞いた事はあると思うけど…どんな話だったかは分かんない。でももしかしたら…なんとなくなんだけど…あの夢の中なら思い出せる…かも?」
これはちょっとばかり確認してみる必要がありそうだな。
今回の騒動は、社長と湯島前部長がそれぞれ別の場所に海外出張中に行き、現地にて誘拐されて行方不明になり、それと時を同じくして発覚した2人が関与していた悪事が一部社外に漏れ、その悪事の恩恵を受けていた連中のほとんどの者が左遷か放逐されると言った処置になった。
裏で黒田達が動いていたのは間違い無いのだが、表では『社長と湯島部長この状態になるのが分かっていたから逃げたんじゃないか?』などと噂されていて、悪事の発覚を恐れた2人が自ら行方をくらましたとの見方が有力視されている様な状態らしい。
まぁ…俺とか黒田が率先してそんな噂をばら撒いたからそんな風潮になってるんだけどね。
どうせ死ぬのであれば、会社で色々行なわれていた悪事の責任を全て持って行ってもらおうと言った話も出てきたので、ついでに彼等を始末する為に使われた紛争地帯で傭兵業を嗜んでいる集団に支払ったお金も彼等の悪事に上乗せさせられていた。そのおかげもあったのか、黒田は噂を広めるのをとても頑張っていた。
そんな感じにけっこうな濡れ衣を着させられていた社長と湯島部長だったが…まぁほら、溺れる犬には石を投げろって諺もあるぐらいだし?しょうがないよね♪…あれっ?諺じゃ無かったかな?
それに伴い俺と黒田がそれぞれの部署の空いた部長の席に座る事になり、高円寺専務は現職据え置き、社長達の後釜には、3回目ループの時と同じ対応がとられて外部から経営陣が送り込まれてきた。
そして佐々木君は俺の秘書として部長室に常駐する事になり、俺に抱かれた次の日に宇野君と別れたそうだ。
あの時みたいに俺を逆恨みして…いやまぁ、あの時の俺と宇野君と佐々木君の関係に関するアレコレは、俺が佐々木君を寝取った状態だったので、逆恨みではなく正常な恨みがあったと言えるのだろうが、ひとまず今回の2人が別れる事になった原因には俺はあまり大きく関わってない。そんな訳で、佐々木君と黒田に言って宇野君が俺を襲わない様にしてもらった。
そもそも俺に2人が付き合ってる事を報告出来なかった宇野君が勝手に振られた訳なので…何にしても今回の二人の別れ話に関しては2人の間で何とかしてもらうのが一番だろう。
ついでに言うなら俺の動向を調べる為かどうかは確定して無いが、宇野君を俺の部署に移動させた黒田にも少しは責任があるはずなので、宇野君を俺の部署から黒田の部署に戻す様にしておいた。
宇野君の仕事の効率が落ちる原因が『彼女とのデート時間が取れない』って理由だったのだから、その原因が無くなったので戻すのは当然だと思い、移動の理由の所に『彼は彼女とのデートをする必要が無くなったので、そちらでこれまで以上に頑張ってくれる様になるだろう。』と一筆書いておいたから、こっちに戻ってくる事はもう無いだろう。
その後確か、宇野君には黒田の知り合いの少女が紹介されたって話を聞いたが…少し前の宇野君は精神的に不安定な状態だったので、俺は本人に会えてないので詳しく聞く事ができなかったが、そろそろ俺の命日から2週間が経とうとしているので一応彼も精神的に危険な状態は脱していると思われるが…そのうちまた仕事で顔を合わす事があるかもしれないな。
そう、あれから2週間が経つのだが、今の所俺は死にそうに無い。
最初の1週間ほどの間、俺はもしかしたら目が覚めたらあっちの世界に戻ってるのでは?などと考えていたのだが、毎日誰かが俺のアパートに泊まりこむ様になって毎朝いろんな起こし方をされていたら、気付いたらそんな事も考えない様になっていった。
俺…ニナ達にもう会えないのかなぁ。
今日は司ちゃんが俺のアパートに泊まる日らしく、夜7:30頃になって佐々木君と一緒に会社を出て車に戻ったら、俺の車の駐車場の近くの空いてる駐車スペースに駐められた忍さんの車に萌歌さんと3人で一緒に待っていてくれた。
そう言えば最近、佐々木君…美月って呼んで欲しいと言われたので仕事の時間帯を除いてそう呼ぶ様になった彼女も、司ちゃんの送迎?の為なのか俺の近くに居る為なのかよく分からないが、車を使って通勤する様になった。
ただ、美月さんが使っている車が、3回目のループ時に湯島前部長の息子さんの車だって言って乗っていたオープンカーなんだが…なぜ彼女がこの車を自分の物の様に使っているのか聞いてみたけど言葉を濁されてしまった。
もしかして慰謝料的な何かとして貰ったのだろうか?
「最近キヨシってため息が増えてるよね。みんな気にしてるよ?」
俺の軽自動車の助手席に座った司ちゃんが俺の方を見ながら心配そうな顔で聞いてきた。
そう言えば司ちゃん…あの時みたいに俺の事を思い出して無いみたいなんだよなぁ…そこも気がかりな部分だったりするんだけど…
「少しの間会社がバタバタしてたからね。そっちの心労が少しばかり溜まってるんじゃないかな?」
「そうなの?…じゃぁ今日は一緒に居ない方がいい?」
司ちゃん、少しばかり沈んだ声で聞き返してきた…
「司が俺のそばに居るから気分が落ちるって事はさすがに無いぞ?俺が1人になりたいならそう言うからあまり気にするな。」
「そう?…じゃぁ今日も…しても…♡イイ?」
助手席から右手を伸ばしてくる司ちゃんは完全にセックス大好きっ子になってしまった。
「車の中ではしないよ?前の時気持ちよくなる瞬間にアクセル踏み抜きそうになって危なかったからね?」
「え~…じゃぁ撫でるだけにしておく♡」
俺は残業の時間帯が始まる前に一応食事を済ますのが通常なのだが、その事を美月君から聞いた3人は車に乗った状態で気軽に楽しみ始める様になったのだが…司ちゃんと萌歌さんに運転してる途中でフェラってもらうととても危険な事が分かってしまったんだ。経験値の差なのかどうか分からないが、美月君と忍さんにしてもらってもそこまで危険な状態にはならないのだが…とりあえず、彼女が居る読者の諸君は気をつける様にな?
そして俺のアパートに彼女達の小物と着替えが常備される様になり、俺の軽自動車の中にも彼女達の小物と言うかグッズ?とか、服などが押し込まれる様になり、さすがにこのままこのアパートに住み続ける事も出来なくなって来たなぁ…などと考えながら今日もいつも通り0時前後までがっつり楽しみ、司ちゃんと2人で全裸になって長年使い続けているお布団に入り込み寝たのだが…俺はその日妙な夢を見た。
明晰夢…俺は夢の中で自分が夢を見ている事に気付く事って過去何度もあったのだが…まぁでも友人にこの事を話したらほとんどの奴に変な奴を見る様な目で見られたけど…
そして俺の明晰夢では普通の明晰夢を見ている人みたいに空を飛べたり走れなくなったり体が動かせなかったりと言った事はまったく無かったのだが…ただ、夢で見る場所が俺にはまったく見覚えの無い場所だったり次の日行く場所だったりした様な…
あっ…そうか、あの明晰夢を見ていたから俺って成績もそこそこ良かったし、大きな失敗をしなかったし、危険な状態をイイ感じにすり抜けられたりしていたって事なのか?…どうもこの辺りの事も俺はほとんど忘れてるみたいだな。
そして、今…俺は久しぶりに明晰夢を見ているのだが…
「なぁ司?お前なんで耳と尻尾があるの?」
俺の目の前に立ってる司に耳と尻尾が付いていて、そこそこご機嫌状態に見える感じに動いてる。
「だって私の体には元々これが付いてたんだから、ここで見えるのはとーぜんでしょ?それにしてもこうしてこっち側で会うのって久しぶりだね~キ~ヨシっ♡」
近付いてきていつも通りって感じに抱きついてくる司ちゃん。
俺の体に抱きついて俺の首の辺りに顔をスリスリ♡させつつ耳がペッタン♡と後ろに向いて喉をゴロゴロ鳴らしてそうな感じに目を瞑り尻尾を俺の手に巻きつけてきた。
なんか司ちゃん…こうして耳と尻尾が有ると、ニナとほとんど一緒の抱き心地な気がする♡
「さすがに…司がニナって事は無いよな?」
「んっ?ニナ?…誰??」
司の耳が、ネコが興味を持った相手を見てる時みたいに俺の方を向いた。
「ニナってあっちの世界の俺の嫁さん。」
特に何も考えずに答えた俺だったがちょっとばかり失敗したかもしれない。
俺の答えを聞いた司が急に止まって俺を見上げてきて…
「ねぇそれってキヨシにはいろんな場所に奥さんが居るって事?ねぇ、どういう意味??」
少しばかり怖い感じに聞き返されてしまった。
俺は少しの間司ちゃんに楽園ゲームの中で知り合った人の事を説明していたのだが、なぜか司ちゃんはどんどん機嫌が悪くなっていく…
「ふ~ん…キヨシってそんな場所に行ってたんだ…そしてそっちに帰りたいんだ…ふ~ん…」
…正直に説明したのがちょっとばかり裏目に出てしまったらしい。
でも俺…なんで自分の夢の中で必死になって言い訳してるのかなぁ…?
その後司ちゃんが機嫌を直してくれるまで体内時間で1時間程度かかり、気付いたら記憶にある司ちゃんのマンションの部屋のダブルベッドの上で少しだけエッチな事をして♡司ちゃんを腕枕しながら少なくない疲労を感じていると、どこかから新聞配達の人の運転するバイクの音が聞こえてきた。
「あーそろそろ朝みたいだな。」
「んっ?何?」
「このバイクの音が聞こえてきたらそろそろ朝の6時になる頃だからもう少ししたら目が覚めるはずなんだ。」
俺は明晰夢を見ていたらほとんどの場合で周囲の音が聞こえるのだが、これも知り合いに話したらけっこう驚かれる。
「キヨシはもう起きるのかぁ…じゃぁ私もそろそろ戻らないとだね。」
イマイチ意味が分からない事を言う司ちゃんだが、夢にリアリティーを求めてもしょうがないので一瞬で見慣れた服を着た司ちゃんをこれまたいつの間にか現れたどこかのドアから送り出したのと同時ぐらいに俺の夢がゆっくりと色褪せて行った。
あぁ…目が覚めようとしてるな…少しの間意識が途切れる様な感覚があって…体にもう一度重力を感じて…目が覚めた。
「おはよう。いつから見てたんだ?」
目を開けたら俺の顔を超至近距離から見ていた司ちゃんに聞いてみた。
「おはよう♡キ~ヨシっ♡さっき目が覚めてから見始めた所♡」
新聞配達のお兄ちゃんの使ってるバイクが走り出す音が聞こえてきた。このアパートと近くの路地を入った先の家の新聞を配り終えて次の場所に移動して行ったらしい。
「本当にキヨシって夢見てても外の音が聞こえてるんだね~すごいね。私はたぶん聞こえてないと思うんだけど…」
ちょっとだけ驚いた感じに言ってきた司ちゃんたが…
「んっ?その話は司にした事があったか?」
少しばかり変な予感を感じつつ聞いてみたのだが、やはり変な顔をされた。
「さっき聞いたばかりでしょ?何言ってるの?」
さぁ…これはどういう意味かな?
司ちゃんって人の夢の中に遊びに行けたりする様な特殊な技能を持ってる子だったのかな?
「キヨシとはこんな感じに何度も夢の中で会ってたんだけど…キヨシはまったく覚えてない?」
どう聞いたら変な人認定されないかを考えていたら司ちゃんが教えてくれたのだが…
「もしかして司は俺の事を思い出したのか?」
「キヨシがゲームの世界に行った事があるのと最近何度も同じ時間を繰り返してるのは夢で見たよ。」
たぶんあの時に司ちゃんが言っていた事がこの時間帯の司ちゃんの身にも起こったって事なんだろうな。
「そう言えば司…俺と何度も会ってたみたいな事を少し前に言ってたけど…あれってもしかして、さっきみたいに夢の中で会ってたって意味だったのか?」
「うん。そうだよ。こうしてこの石を持って寝てるとたまにキヨシが来てくれて私の知らない場所に連れて行ってくれたの♡でもね、その事って夢から覚めたらいつも忘れてたんだけど…今日は覚えてたのね。」
司ちゃんは話しながら手に持っていたらしい赤い石を顔の前まで動かして透き通った石の中から俺を見てきた。
「それを持って寝たら俺に会えてたって事?」
「んー…たぶんそうなんじゃないかな?でもね、今回みたいに話しかけたら会話が出来たのは…何年かに1回ぐらいだったかな?いつものキヨシはこう…夢でも見てるみたいな感じに私をこう…無理矢理?……ポッ♡」
どうも俺が明晰夢を見ている状態に気付いた時だけ普通に会話ができていたかもしれないと説明してくれた司ちゃんだが、俺にはその記憶がまったく無い。
さっき司ちゃんも言ってたけど、司ちゃんの方でもいつもはその夢の記憶がすぐに消えて思い出せなくなっていたみたいなので、俺の記憶からも似た様な感じに消えていたのだろうか?
もしかしてこの赤い石を持って俺と司ちゃんが一緒に寝たら、さっきみたいに夢の中で会える?
そしてこれは…もしかしたらだけど…司ちゃんが俺から聞いていた話を思い出してもらえるかもしれない?
さっきの夢の中で司ちゃんが楽園ゲームの中の事を聞いてきた感じを思い出すに、けっこう厳しく追求してきていた感じがあったから、もしかしたら他にも色々聞いてる可能性があるんじゃないか?
「なぁ司ちゃん。もしかして夢の中で俺の記憶に関する事って聞いてたりする?」
指で赤い石を持って石を通してそこらを見ていた司ちゃんに聞いてみたのだが、少し思い出す様な顔をしてから答えてくれた。
「…たぶん聞いた事はあると思うけど…どんな話だったかは分かんない。でももしかしたら…なんとなくなんだけど…あの夢の中なら思い出せる…かも?」
これはちょっとばかり確認してみる必要がありそうだな。
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