楽園・ゲーム

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第三章 フベルト?

80 その頃フベルト村は大忙し♪3

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コン!コン!コン!コン!
「おはよー!サリーナー!!もう起きてるよねー!?」

フィラーネが一軒の建物のドアに付いているノッカーを鳴らしながら大声で中に居る人に声をかけた。

「もう起きてるよぉーすぐ行くから少しまって~あぁ~~っ!!」
何か金属製の物が落ちるような音と水が落ちた時に聞こえるような音が一緒に聞こえてきた。
「また何か失敗したみたいね…まったく。…あぁ、サリーナって服とかを作るのはうまいけど料理とかがちょっと苦手なんです。」
「はぁ…」「…」
ニナはソフィーの少し後ろの位置に居てフィラーネの視線から少しだけ隠れた位置をキープしていた。
そしてニナがそんな事をしているのに気付きつつも小さくため息を吐きつつ防波堤になっているソフィー。

少ししてばたばたとした足音がして誰かが近づいて来た様な音が聞こえてきたと思ったら、急にドアが開いた。
「悪いね!ちょっと朝ごはんを落としちゃってたあははっ♪…あっ、もしかしてこの子達が例の?」
細身の少し背の高い女性がエプロンで手を拭きつつドアを開けて顔を出した。
「あなたまだ朝ごはん食べてなかったの?もうユージアさんも他の人も仕事はじめてるわよ?」
「だって…ユージア最近あんまり一緒に寝てくれないからさぁ?なんか体の調子が良くないからさぁ?だから少しだけその…」
チラチラとニナとソフィーを見つつ言葉を濁すサリーナだった。
「まって。その辺りの私らの体の事はこんな所で話さないで。彼女達はキヨシ様のパートナーなのよ。もう少しシャキッっとしてちょうだい。」
「え~でもでも早めに知っておいてもらった方が後々楽になるって言うかぁ~?」
クネクネ体を動かしつつ話をしているサリーナと安定感を感じる立ち姿のフィラーネだった。
「だからそんな話をする為にも新しい村で女社会の中心になる皆で奥様会議をやっておきたいの。マリナさんはいつもならまだ寝てるはずだから行きましょう。」
「えっ?でも私まだ朝ごはん食べてない…よ?」
首をかしげつつ聞き返すサリーナ。
「マリナさんの所で食べたら良いでしょ?彼女の所なら何かあるはずだから。」
「あっそうかぁ~♪やったっ後片付けしなくてもよくなる~♡すぐ用意して行くから先に行ってて~♪」
笑顔になってすぐに体の向きを変えドアの奥に消えたサリーナ。
ドアが勢いよく閉まり、人が走って遠ざかる音がした。

「…まぁ、彼女がユージアさんの奥さんのサリーナさんです。さっきも少し言いましたが、彼女は料理はまったくダメなんですけど、服とか小物を作るのが上手ですので何か欲しい物があるようであれば聞いたら色々教えてくれます。」
サリ-ナの家から離れて歩きながら説明をするフィラーネとそれを追って歩きつつ聞いてるニナとソフィー。
村の水車小屋に近い辺りまで歩いてきたら正面の家の窓から人が顔を出して声をかけてきた。
「ねぇ~~!!フィラーネ!その子達がキヨシ様のパートナーなのか~い?!」
「あぁ、あの大声を出してるのがヴォルトーさんの奥さんのマリナさんです。彼女がもう起きてるなんて珍しいですね、(大きく息を吸って…)そうです~~~!!!」
フィラーネが大声を出して答え、歩いて近づいて行くと、ドアを開けて玄関の前に出てきて腰に両手を当てて仁王立ちで出迎えてくれたマリナ。

「線の細っそい子達だねぇ。こんなナリで種族の母になれるのかい?」
眉を寄せて大きな声で聞いてくるマリナと、少し眉を寄せて敵認定でもしてそうな顔で何か言いたそうな顔のソフィーと、ソフィーの肩に手を乗せて軽く引き止めている様な動きをしているニナと、ため息吐いているフィラーネだった。



その頃…

村の広場の大きな木のそばに置かれているテーブルの椅子に座って何か作業をしているジェシカと、ジェシカの手元を覗き込みながら説明しているタマーラ。
「ジェシカちゃんに一つ言っておかなければならない事があります。」
「はっ!はいぃ!!」
タマーラがジェシカのそばに立ちジェシカの手元の作業を眺めながら話しかけ、集中して作業をしていたジェシカが応える。

「私はキヨシ様の子を産む気で居ます。ジェシカちゃんは敵ですか?」
今何と言われたのか理解できていない様な顔でタマーラを見あげるジェシカ。
「えっと…ワタシはキヨシ様といっしょに居たいです…でもマルセルがツガイになりたいって…」
ジェシカはテーブルに置かれた棒の立っている土台の棒の先端辺りに結ばれた5本の紐をタマーラに教えてもらった様に編み、飾り紐を作っている最中の手を止めてタマーラの方に体を向けて答えた。

「…そう。ならば今の所ジェシカちゃんは私の敵ではないという事で良いですね?あぁ、ほら、手を離したら最初からやり直しになるわ。これを使って少し引っ張って締めておいてから手を離したらいいのよ。」
ジェシカが紐から手を離してしまったおかげで今まで組んできた飾り紐がばらけてしまった。
「あっ、はい。ごめんなさい。…タマーラさん。聞いてもイイデスか?」
緩んでしまった紐を一度元の状態に戻して再度編みながら視線を手元の作業に向けたまま聞き返すジェシカ。

「…どうぞ?あっ、その布はこちらへ。そっちの木製の食器類はある程度まとめて木箱へ入れておいてください。」
タマーラちゃんが広場に運ばれてくる荷物をある程度種類毎に振り分けつつ運びやすい状態に梱包指示をしながらジェシカの手元を眺めている。

「タマーラさんはなんでキヨシ様の赤ちゃんほしいの?」
「それは…あなたも自分の体にこびり付いているアセルマン種族の男のにおいは分かるでしょ?」
「はい。ワタシはもうマルセルのにおいしかしてないけど…」
「ジェシカちゃんはここに来て3ヶ月程度ですから、たぶんですけどマルセルに体を使わせなければすぐに大丈夫になると思いますが…私は2年以上この村の男達に食べられ続けてきたのです…私がこの村に連れてこられて…最初の1年と少しぐらいの間…自分の意思でトイレに行った事が無かったですねぇ…ハァー…まぁそのおかげで、私の体からはこの村の何人もの男達のにおいがしているはずなんです。もう同じ種族の男には見向きもされないでしょう。でも…キヨシ様はまったく気にせずに私のパンツを穿いて下さりました…♡だから私にはもうキヨシ様しか居ないの♡」
『あぁ~んルドルフサマァ~♡抱いて~♡』とかなんとか考えてそうなタカラジェンヌの追っかけっぽい姿で胸の前で手を握り空を見上げるタマーラの目にハートマークが乱舞していた♡

「もしかしたら…タマーラさんがキヨシ様に渡したのって、女がツガイになって欲しいって伝えるアレだったの?」
「んっ?…ジェシカちゃんはその辺りの教育をもう受けていたのですか?でもまだ初潮は来てなかったですよね?」
「ワタシ…前の村ではとなりのおねえちゃんといっしょにいる事が多かったから…おねえちゃんたちが話してるのを一緒にいて聞いてたから…」
「そう…まぁ知ってるなら説明しなくても良いので助かるわね。あれは自分のそれまで関係してきた相手のにおいを男に確認させる為に初潮が来た頃から使う様に用意される下着です。それを相手の男に渡せば相手の男はにおいからその女の男性遍歴が本能で分かると言われています。ジェシカちゃんが子供を産める体になったら私が用意してあげますから安心して下さい。」
「あっ、はい。アリガトウゴザイマス。」
「そうそう…私がキヨシ様の子を産む気になったのはあの尻尾の形と毛色が私のココにズキューン♡と突き刺さったからなのです♡これは繁殖が可能になった先住種族の本能の様なものですので…ジェシカちゃんにはまだ理解できない事かもしれませんがその時が来たら分かりますからね♡」
「はぁ…??(キヨシ様の近くにいたらシッポ持ちたくなるのの事?なのかな?)」
頬を両手で覆い腰の辺りからクネクネしつつ目を閉じて話をしているタマーラを見ながら首をかしげるジェシカだった。

少しの間、持ち寄られた物資を仕分ける指示を出すタマーラの声が聞こえるだけの状態で、静かにテーブルに着いて組み紐を編んでいたジェシカの耳が急にピクピク動いだして村の入り口の辺りに向いた。
「あっ!キヨシ様!!」
「ちょっ!ジェシカちゃん?!まだ作業の途中ですよ?!ちょっ!!」
走って村の入り口に向かうジェシカと、ジェシカが手を離してそのまま走って行ったおかげで解けそうになった紐を持って大きな声でジェシカを呼ぶタマーラだった。

ちなみにタマアーラがジェシカの走っていった方を向くと、砂埃を上げつつ移動して来ている何かが村の入り口の辺りに止まる所が見えた。
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