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第三章 フベルト?

60 気づいたら話がコロコロと変わっていく2/3

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俺にはニナとレテーナの再会に喜ぶ姿がなんとなくだが、今から食べられる事に気づいてない現代人と今からおいしいご馳走を食べる気マンマン♡な捕食者(ゴッドバード)に見えていた。

そしてそんな2人をマルセル君の後ろに隠れたジェシカが瞳孔をめいっぱい開いた状態で凝視してる。
レテーナはニナとソフィーとその後の俺との体の関係に関する話をしてるので、ちょっとばかりその場に居辛い感じのあった俺は3人からそっと離れてマルセル君とジェシカに近づいた。

「なぁジェシカ、新しい村ではジェシカってマルセル君と一緒に住んでもらうって話があるんだけどどう?」
レテーナからまったく視線を外さないジェシカに聞いてみたのだが、反応が無い…?
「なぁマルセル君…ジェシカはお前と一緒に住む事をお気に召してない感じなんじゃないか?」
「キヨシは本当に失礼な奴だな!おふリンがこうして俺の後ろに隠れているのが俺の事を信頼してるってのを体現してる様なものだろ!?なんでそれが分からないんだ?!?!」
「まぁなぁ、一応俺にもそう見えるんだが…それにしても、ジェシカってレテーナの事をすごく警戒してるが、ゴッドバードってこんなに怖がられる対象なのか?」
「まぁそうだな。俺ぐらい身体能力と体の大きさで場所が森の中ならなんとか逃げられるが…おふリンぐらいの大きさの子だと大人サイズのゴッドバードであれば丸呑みしてしまえる。…まぁ、運が良ければミロスラフみたいに太って戻ってくる事もあるけどな。でもほとんどの場合でゴッドバードに捕まったらそいつは無事に戻ってこない。それにどこの村でもそうだと思うが…戻ってきた連中がまったく説明してくれないからなぁ…」
マルセル君は2mほど離れている場所でレテーナ達の方を見てるミロスラフを見ながらそう説明してくれたが、ミロスラフの視線はレテーナからまったく離れない。

ミロスラフがとても暑苦しい視線をレテーナに向けている様に感じるのは俺の気のせいじゃないと思う。

どうも、ゴッドバードに捕まって戻ってきた奴らがゴッドバードにどんな感じに扱われていたかを聞くと、ほとんどの奴が何かを隠している様な感じに言葉を濁すらしいので、勝手な憶測がゴッドバードの危険性を増長させているのではないかと思うのだが…

でも、女性が全員戻ってきてないって言うのが気になるんだよなぁ…やっぱり食べられてるって事なのだろうか?
ゴッドバードの生態に関してはそのうちレテーナに聞いてみたら分かるか。

「マルセル君、ミロスラフ、これで村の人にレテーナが安全だと証明できるか?」
ニナの周りを翼を広げて走り回りながら、踊ってる様に見えるレテーナを指差しながら聞いてみた。
「俺はあのゴッドバードとキヨシが話をしてるのも見てるし、清の言う様にランフォクスを運んでくれたのも見たからキヨシが居る所でなら逃げずに居られるが…」
「おらはゴッドバードがどえりゃぁ紳士的な奴らじゃぁ言うのん知っとるけぇ、安全なんは元からわかっとるでなぁ。ひとまずおらぁ村長に説明してくるけぇこいつの肉を少しでもえぇけぇもらっていってもえぇかぁ?」
ミロスラフ君がランフォクスを指差しながら聞いてきた。
「こいつの肉があったら安全だって説明できるの?」
「まぁそうだな、ランフォクスは村の戦士達全員で狩りに行ったとして半分ぐらいの人数が生還できるかもってぐらいに強いのと、その肉がめちゃくちゃうまいって話だから、そいつの肉を運んできたゴッドバードから肉をもらえるのであれば襲われないって証明になるかもしれないな。」

そう言えば昔、仕事場の近くの公園に住んでいたノラ猫に、酒の肴の裂きイカを少し与えた時、報酬を貰い受ける気分で少しばかり撫でる様に背中のあたりに触れたら裂きイカを食べ終わるまでずっと威嚇の声を出されたなぁ。
…密かに『片足ルーズソックスちゃん』と呼んでいた猫のことを思い出した。

「なぁレテーナ。このランフォクスの肉って少しもらってもいい?」
「あははっ♡じゃぁソフィーってもう大人の体にな…んっ?」
女3人寄れば姦しいということわざ同様いつまでも話が尽きそうに無かったレテーナが俺の声に気づいて近づいて来た。
レテーナが近づいてきたらジェシカがマルセル君の後ろから一気に離れて家の影まで逃げた。
「あまり信頼は無さそうだな。」
「キヨシみたいに隠れてもらえないよりはマシだ。」
「なぁに?ランフォクスのお肉が欲しいの?」
「あぁ、村の連中にレテーナが安全なのを説明するのに少し肉が欲しいって言ってるんだ。どう?」
「このお肉はニナ様とキヨシが好きにしたら良いけど…でも、すごくおいしいから盗られないように気をつけてね。」
レテーナはおいしい肉だって事は知っていてもそこまで固執してない感じだな。
「ニナはいいか?」
「キヨシが好きにして良いよ?」

うちの嫁さん…か~わえ~の~♡『あなたの好きにしてっ♡』とか…色々想像できてたまらん♡

「ってぇ訳でマルセル君、ミロスラフ君、俺は少しニナと愛し合う必要があるので後のことは良きに計らえ♡」
聞こえた声と理解した言葉が若干違う事は人なら良くある事なので、細かい事を気にせずにマルセル君とミロスラフにランフォクスを勝手にさせる事にしておいて、俺はニナを連れて部屋に戻りたくなったのでさっさと行動を始めたのだが♡
「あっ?!ちょっと待ってキヨシ!!フベルトさんから戻ったら家に来てくれって言付けを頼まれてたの!だからぁ~~♡あんっ♡」
俺は二ナの話を聞こえなかった事にしてニナと2人っきりになる為に抱っこして逃げようとしたんだが…
「キヨシ。とりあえずやる事やってきなさい。こっちも子作りの為のパラミーの実を用意するのに少し時間が掛かるからちょうど良いわ。」
レテーナに止められてしまった。

もしかしたらレテーナって俺とニナの子作りが何をおいても最優先って感じに考えてるのだろうか?

目の前に翼を広げて言葉の武装で説得してくるレテーナに強敵感を感じてネクタイを締めなおしたくなってしまった俺だが、子作りという甘美な言葉に惑わされた結果フベルトさんの所に先に行かなけばならない事になった。

「マルセル君、ミロスラフ、ついでだから俺も一緒に行ってフベルトさんと話をするから急ぐぞ。あっそうだ、ニナとソフィーは残ったランフォクスの肉を保存する様に処理しておいてくれる?保存場所はこいつを使ってくれたらいいから。」
俺は車の後部ドアを開けて載せていたバイオ・オーロックスとバイオ・オカオミを外に出し、脳内収納からブルーシートを出して封を開けて後部室内に広げて敷いた。
他にも硬い骨とか切り取れる様に金属切断用の糸ノコや他にも解体に使えそうな工具類を車の近くに置いた。
俺が準備をしている間にマルセル君とミロスラフが2人でランフォクスの片方の足を切り取ってくれたのでそれを3人で持って、『始まりの庭』に向かった。

『始まりの庭』に向かう途中で俺のボヤキが漏れる。
「それにしてもこの肉…大きすぎだろ?なんでこんなに切り出したんだ?」
「インパクトが有るかどうかって交渉には大事なんだよ。」
「ランフォクスのサイズ知るにゃぁこの爪と関節までの長さが必要なんでなぁ。」
「いや、それにしてもこの肉50kgぐらいあるだろ?」
「キヨシうるせぇ。もうすぐだから文句言わずに運べって。」

マルセル君とミロスラフの2人が関節側を持ってくれているので俺の持つカギ爪の有る方はそこまで重たくないはずなのだが、表面にびっしりと生えてる硬い鱗が表面を覆っているのと、その鱗の真ん中辺りが若干尖ってるおかげでそのまま持つと手のひらを傷つける可能性が高い感じがしたので、行く時に使っていた防刃手袋をそのまま装備した状態で使って持っているのだが、手袋の革が少し厚いので持ち難い。

それにしてもマルセル君達アセルマン種族は素手でこの肉を持ってるが…大丈夫なんだろうか?
若干の自分の体との差を感じつつも肉を運んでいたら『始まりの庭』が見えてきて、大勢の村人達が俺達の方を見ていた。
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