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第一章 召喚前?
02 ここはどこかなぁ?第一現地人発見1/2
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ハンドルに付いているエアバックが開いた状態なのに気付いた。
体はちょっとだけ座り心地の悪い椅子にシートベルトで留められていた。
フロントガラスがヒビだらけで指でつつけば崩れ落ちそうな感じ。
運転席側のドアガラスは完全に割れて粉々になり足元にけっこうな数の残骸を落としていた。
助手席側は特に壊れていない感じか?
なんとなく鈍痛を感じる頭を右手で撫でつつ左手でシートベルトを外し運転席側のドアを開けようとするが開かない。
なんとなく強い衝撃を前後方向に受けてドアが枠に一体化している様に感じる。
「もしかして事故か?俺…確か信号で止まって…んっ?」
記憶になんとなく残っているのは一瞬感じた強い光と…大きな音?
なんとなく久しぶりにしっかりと寝た休日開けの朝の様な爽快感を感じている頭で何が起こったのかを想像するが、割れたガラスと開かないドアと開いたエアバックから想像できるのは『事故がおきたかも?』程度であり、そんな状況を想像しつつもガラスの無くなったドアの隙間から見える景色が砂浜ととてもキレイな海だったりすると頭の中でクエスチョンマークが踊る。
「俺の帰宅途中にはこんな南国トロピカルな景色は存在しないはずなんだが…」
とりあえず後部座席側の天井のクッション材みたいなのが落ちてきていて後ろは見えない。
なんとかドアの窓の隙間から体を引っ張り出して自分の乗っていた車の周りを回ってみた所、後ろ側の箱形状だった空間が押し潰された感じに前に迫り出していた。
「なんとなくだけど…背の高い大型の車に追突された感じ?」
タイヤはなんとなく回りそうな感じだけど車の上部をかなり大きく壊す様な力が掛かっているのだからまともに走れそうに無い気がする。
そして車から目を離せばそこに広がるのは三日月状に広がる砂浜とエメラルドグリーンな海とはるか彼方まで見渡せる空。
なんとなく仕事人間な自分がこんな日の高い時間からこんな場所にいるのがとっても場違いな感じがして落ち着かないが…さて困ったぞ。
砂浜から車の方を見るとその後ろは崖になっていて道が無い。
もしかしてこの崖の上から落ちてきたのか?
そう思い崖の高さをなんとなく目測するのだが…
「ここから落ちたら死ぬよな。」
ざっくりとした身体計測方法で自分の居る位置と崖までの距離を測り、見える崖の頂上辺りまでの角度から、胸ポケットに入れていた関数電卓で計算してみた所、とりあえず崖の高さは150m程度の様だ。
150m自由落下すると、9.806m/s²で加速するので、5.5秒後に時速195km/hで地面と衝突するらしい。
時速195kmでコンクリートウォールに衝突と同程度の衝撃…まぁ一応砂浜が近い場所で崖から落ちた礫の上に車が存在しているので、少しはクッション性が良いとしても1t程度の重さの軽自動車であれば原形を留めないほどの破壊がおきるはずなのだが…
一応タイヤもパンクして無さそうだし…
助手席側のドアは一応開いたし…
…俺なんでこんな場所に居るの?
とりあえず崖に囲まれた三日月状の砂浜を眺めていても何も分からないので海に近い辺りを歩いて移動してみる事にした。
こんな良く分からない状況に追い込まれた場合はあれだ、元の場所に戻れる事を念頭に置いて行動する方が良いだろう。
そう考えて左右の崖を見ると海を向いて右側の崖はかなりな断崖絶壁が海の中から崖の頂上まで続いている。
夜に雷とか鳴ってたらその崖の上には怪しいお屋敷とかが見つけられそうな感じのシチュエーション。
それか火曜サスペンス劇場などで犯人が追い込まれて落ちそうなクライマックスな何かが現在進行形で進んでいそうな感じ?
あんな壁を移動する技術はさすがに自分には無い。
部下の1人の木村が何度か『ボルダリング流行ってるから課長もどうです?』って誘ってくれていたが仕事に追われていた俺はまったく行く事が無かった。
せめて一回ぐらいはやっておけばよかったかなぁ…
と言う訳で、右の崖は無理。
じゃぁ左はどうかと見れば、こちらは遠目に崩れた岩が積み重なっているのが確認できた。
ただ…問題がありそうなのが、そこまでの距離で、再度身体計測方法でざっくりとした距離を近くに生えている木を元にして確認してみた結果直線距離で1km程度はありそうで、更に言うならそんな距離から確認できる岩の大きさがそこらに生えている木の高さを超えているのを見るにかなりな難所だと思われる。
ちなみにヤシの木みたいな木がけっこうな数生えていてそいつの高さが大体20m程度。
右の壁がボルダリング超上級者コースだとすれば左の岩山はとりあえず中級者コース位のレベルだろうか?
何も指標が無いので完全に思いつきで言ってるだけなんだが…
とりあえず車を動かすのは今の状態では無理っぽいので着ていたスーツの上だけ脱いで車に入れ革靴ではさすがにあんな岩の積み重なったような場所を移動なんで出来ない気がしたので車の中に乗せっぱなしにしていたレンタル体育館などで使う為の運動靴(3980円税込み)に履き替え砂浜と崖から落ちてきた礫の境に自生している背の低い草の上を歩いて移動すると800mほど進んだ辺りから岩登りになった。
「課長職に就いて2年…まさか岩登りをする事になろうとは…」
少し大きめの座るのに良さそうな岩の上を見つけて脱力する勢いで座り込んだら自然と声が漏れた。
自分の身長を超える大きさの岩を幾つも上り下りしつつ移動してきたのだが、車の中で見た腕時計の時間がAM8:13からAM9:46になっていた。
左右を見て大体の位置を確認すると岩場が始まってから大体2/3位の所まで来た頃だろうか?
溜息と共に正面を見るとエメラルドグリーンの海が100m位先で濃い青い色に変わっていた。
そして何気なく体を後ろに倒しつつ両手で体を支えながら上を見ると車の近くで見たのと大差無い程度の高さの崖が見える。
「さてと、このまま同じ様な状態が続くなら俺はもうこの先には何も無い事にして車まで戻りたい衝動と戦わなければならなくなるんだが…」
段々と独り言が増えている事に気付きつつも心細さからそれを止められないまま再度移動を開始する。
最初車の近くで見えていた崖の先端辺りまで移動した時腕時計の表示はAM10:55になっていた。
そしてその崖の先端部分から見える先の景色はそれまで移動してきた岩山とそう大して違わない感じでとても脱力する風景であったが、岩山を越えた先には森の様な景色が広がっていた。
「一応あの辺りまで行けば水とか食べ物にもありつけるか。」
なんとなく漏れる言葉が人の居る場所を求めるそれから生存を念頭に置いたそれに変わりつつある事にまだ気づいてなかった清であった。
体はちょっとだけ座り心地の悪い椅子にシートベルトで留められていた。
フロントガラスがヒビだらけで指でつつけば崩れ落ちそうな感じ。
運転席側のドアガラスは完全に割れて粉々になり足元にけっこうな数の残骸を落としていた。
助手席側は特に壊れていない感じか?
なんとなく鈍痛を感じる頭を右手で撫でつつ左手でシートベルトを外し運転席側のドアを開けようとするが開かない。
なんとなく強い衝撃を前後方向に受けてドアが枠に一体化している様に感じる。
「もしかして事故か?俺…確か信号で止まって…んっ?」
記憶になんとなく残っているのは一瞬感じた強い光と…大きな音?
なんとなく久しぶりにしっかりと寝た休日開けの朝の様な爽快感を感じている頭で何が起こったのかを想像するが、割れたガラスと開かないドアと開いたエアバックから想像できるのは『事故がおきたかも?』程度であり、そんな状況を想像しつつもガラスの無くなったドアの隙間から見える景色が砂浜ととてもキレイな海だったりすると頭の中でクエスチョンマークが踊る。
「俺の帰宅途中にはこんな南国トロピカルな景色は存在しないはずなんだが…」
とりあえず後部座席側の天井のクッション材みたいなのが落ちてきていて後ろは見えない。
なんとかドアの窓の隙間から体を引っ張り出して自分の乗っていた車の周りを回ってみた所、後ろ側の箱形状だった空間が押し潰された感じに前に迫り出していた。
「なんとなくだけど…背の高い大型の車に追突された感じ?」
タイヤはなんとなく回りそうな感じだけど車の上部をかなり大きく壊す様な力が掛かっているのだからまともに走れそうに無い気がする。
そして車から目を離せばそこに広がるのは三日月状に広がる砂浜とエメラルドグリーンな海とはるか彼方まで見渡せる空。
なんとなく仕事人間な自分がこんな日の高い時間からこんな場所にいるのがとっても場違いな感じがして落ち着かないが…さて困ったぞ。
砂浜から車の方を見るとその後ろは崖になっていて道が無い。
もしかしてこの崖の上から落ちてきたのか?
そう思い崖の高さをなんとなく目測するのだが…
「ここから落ちたら死ぬよな。」
ざっくりとした身体計測方法で自分の居る位置と崖までの距離を測り、見える崖の頂上辺りまでの角度から、胸ポケットに入れていた関数電卓で計算してみた所、とりあえず崖の高さは150m程度の様だ。
150m自由落下すると、9.806m/s²で加速するので、5.5秒後に時速195km/hで地面と衝突するらしい。
時速195kmでコンクリートウォールに衝突と同程度の衝撃…まぁ一応砂浜が近い場所で崖から落ちた礫の上に車が存在しているので、少しはクッション性が良いとしても1t程度の重さの軽自動車であれば原形を留めないほどの破壊がおきるはずなのだが…
一応タイヤもパンクして無さそうだし…
助手席側のドアは一応開いたし…
…俺なんでこんな場所に居るの?
とりあえず崖に囲まれた三日月状の砂浜を眺めていても何も分からないので海に近い辺りを歩いて移動してみる事にした。
こんな良く分からない状況に追い込まれた場合はあれだ、元の場所に戻れる事を念頭に置いて行動する方が良いだろう。
そう考えて左右の崖を見ると海を向いて右側の崖はかなりな断崖絶壁が海の中から崖の頂上まで続いている。
夜に雷とか鳴ってたらその崖の上には怪しいお屋敷とかが見つけられそうな感じのシチュエーション。
それか火曜サスペンス劇場などで犯人が追い込まれて落ちそうなクライマックスな何かが現在進行形で進んでいそうな感じ?
あんな壁を移動する技術はさすがに自分には無い。
部下の1人の木村が何度か『ボルダリング流行ってるから課長もどうです?』って誘ってくれていたが仕事に追われていた俺はまったく行く事が無かった。
せめて一回ぐらいはやっておけばよかったかなぁ…
と言う訳で、右の崖は無理。
じゃぁ左はどうかと見れば、こちらは遠目に崩れた岩が積み重なっているのが確認できた。
ただ…問題がありそうなのが、そこまでの距離で、再度身体計測方法でざっくりとした距離を近くに生えている木を元にして確認してみた結果直線距離で1km程度はありそうで、更に言うならそんな距離から確認できる岩の大きさがそこらに生えている木の高さを超えているのを見るにかなりな難所だと思われる。
ちなみにヤシの木みたいな木がけっこうな数生えていてそいつの高さが大体20m程度。
右の壁がボルダリング超上級者コースだとすれば左の岩山はとりあえず中級者コース位のレベルだろうか?
何も指標が無いので完全に思いつきで言ってるだけなんだが…
とりあえず車を動かすのは今の状態では無理っぽいので着ていたスーツの上だけ脱いで車に入れ革靴ではさすがにあんな岩の積み重なったような場所を移動なんで出来ない気がしたので車の中に乗せっぱなしにしていたレンタル体育館などで使う為の運動靴(3980円税込み)に履き替え砂浜と崖から落ちてきた礫の境に自生している背の低い草の上を歩いて移動すると800mほど進んだ辺りから岩登りになった。
「課長職に就いて2年…まさか岩登りをする事になろうとは…」
少し大きめの座るのに良さそうな岩の上を見つけて脱力する勢いで座り込んだら自然と声が漏れた。
自分の身長を超える大きさの岩を幾つも上り下りしつつ移動してきたのだが、車の中で見た腕時計の時間がAM8:13からAM9:46になっていた。
左右を見て大体の位置を確認すると岩場が始まってから大体2/3位の所まで来た頃だろうか?
溜息と共に正面を見るとエメラルドグリーンの海が100m位先で濃い青い色に変わっていた。
そして何気なく体を後ろに倒しつつ両手で体を支えながら上を見ると車の近くで見たのと大差無い程度の高さの崖が見える。
「さてと、このまま同じ様な状態が続くなら俺はもうこの先には何も無い事にして車まで戻りたい衝動と戦わなければならなくなるんだが…」
段々と独り言が増えている事に気付きつつも心細さからそれを止められないまま再度移動を開始する。
最初車の近くで見えていた崖の先端辺りまで移動した時腕時計の表示はAM10:55になっていた。
そしてその崖の先端部分から見える先の景色はそれまで移動してきた岩山とそう大して違わない感じでとても脱力する風景であったが、岩山を越えた先には森の様な景色が広がっていた。
「一応あの辺りまで行けば水とか食べ物にもありつけるか。」
なんとなく漏れる言葉が人の居る場所を求めるそれから生存を念頭に置いたそれに変わりつつある事にまだ気づいてなかった清であった。
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