ゲームな世界の魔物として生きて行く事になった。

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22 実践

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スライムは3匹ほどヒビ割れたほぼ水平なアスファルトの上を水が斜面を流れる様な感じで移動してくる。
直径1.5m程度の水溜りが中央辺りで滑らかに盛り上がり高さが1m程度に持ち上がった感じの形状で基本色がパステルカラーの緑色。
所々茶色の落ち葉とか赤色の…何かの肉片か?そんな何かが中に埋まってる感じ。

ポルターガイストはたぶん2匹かな?薄い水色の様な霧状の体を持っていて視界情報で輪郭が強調されているからここらまでが体だと判断出来る様な実体が判り辛い奴。
1度認識したらそこにいるのは強調された輪郭で判るが、それまでは判り辛い感じだった。
なんとなくここらが顔かな?って感じに少し大きめな丸い黒い部分が何ヶ所かある。
たぶんシミュラクラ現象を使った顔イメージなんだと思うが…

そして餓鬼は全部で10匹ほど居た。
日本古来のドクロの上に皮膚が有るだけの腹の部分が異常に大きくなった姿で、腕も脚も骨だけと言う姿で髪が薄く目や頬も窪んでいて未開地の食事事情が良く無い子供に近い大きさだった。


「なぁアリス、現実の世界のこいつらってゲームの中のこいつらと同じ感じなのか?」
一応情報を握っていそうなアリスに聞いてみた。

とりあえず俺達の姿は、

アスカさん → ピクシーなので白いカクテルドレスの様な服を着てるだけ。

アリス → マント状の布を体に巻きつけて居るだけでそれを持っている手を離せば裸『ニンフ』状態…
このニンフってなんだったかなぁ…もう少しで思い出せそうなんだけど…何か画面の中で動く姿がチラチラと思い出せるんだけど…ん~~…

そして俺 → ほぼ、ぜ♡ん♡ら イヤン♡
完全に全裸で戦うのは、とりあえず俺の中に残っていた人の記憶がうっすらと拒否反応を示していたので、アリスの布を少しだけもらって腰ミノ状態で巻いてるんだけど…これって誰が得するんだ?
これを巻いた事での変化って言えば、アスカさんが飛んでいた高さが若干顔に近い場所まで上がった位か?

と言う訳で武器になりそうな物が何も無い。

「たぶんこれで倒せる。」
アリスがそう言って片手を布から出して握り拳を作って見せてくれた。

俺の視界情報には、『アリスぱんち』と表示されている。
少し詳しく見てみると、

名称:アリスぱんち
説明:アリスの本気ぱんちを繰り出せる武具。
強さ:☆
耐久:☆☆☆
備考:所持する為にはボデイーを選ぶ必要がある武器。

と書いてあった。
ちなみに俺とアスカさんの握り拳を見ると、

名称:グー
説明:武器も買えない貧乏人の手。
強さ:☆☆☆☆☆
耐久:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
備考:こんなので戦うな。

名称:ピクシーハンド
説明:ピクシーの手。物理的な攻撃力は無し。
強さ:
耐久:☆
備考:戦うなら武器を持たせてネッ♡

とあった。


説明欄に若干の悪意を感じたけど、とりあえずアリスが言うのだからそのまま手を強く握り目の前まで近づいて来て居たポルターガイストを殴ってみた。
何気ない感じの腕の振りだったのだが、風を斬る音がしてポルターガイストが一瞬で消えて驚いた。
そしてが視界情報に『ポルターガイストを倒した。』と一瞬表示されてテロップが消える。

ふむ、確かに殴るだけで倒せるな。

とりあえず移動が早いポルターガイストを2匹一発づつ殴って倒し、走って近づいてきた餓鬼を順に殴り倒していく。
アリスとアスカさんは餓鬼の醜悪な姿があまりお気に召さなかったのか、大きく回り込んでスライムに近づいて行ったので俺はちょっとの期待と大きなワクワク感を胸に餓鬼を両手で殴り飛ばして倒して行った♡

餓鬼はポルターガイストより若干耐久力が有るみたいで頭を殴った程度では倒せなかった。
餓鬼は、基本的な攻撃法方が物理的な殴る蹴る程度しか持って無かったらしく、体の回りを囲まれて脚とか腰とか股間とかを攻撃され続けたんだけど、特に痛みなどを感じない。
目の前の餓鬼を順に叩き潰す様にして殴って行ったら平均3回弱の攻撃で餓鬼は倒れて行く。

全ての餓鬼を倒して体を見ると体の各部分の耐久値が減っているのが視界情報で表示された。
頭部 1200/1200
腕部 968/1000 951/1000
胴体 1992/2000
脚部 988/1000 985/1000

どうも個別に耐久値が有るみたいだな。右腕の耐久値が一番減っていたのは攻撃した反動って事だろうか?
ここらももう少し確認しておいた方が良さそうだな。

そしてポルターガイストと餓鬼を倒し終って期待に胸を膨らませつつアリス達の戦っている方を向いたら…


スライムに囲まれて体中に粘液っぽい何かを付けた幼女とピクシーが戦っていた♡


これはっ…なんとかして写真に納めておかなければ!!!
そう思った瞬間、
視界情報に『視界情報を収納しました1(01/01 4:18)/65536』と一瞬表示されて小さく『カシャッ♪』という音がして消えて行った。

もしかして映像がどこかに保存されたって事か??

とりあえずアリスの戦っているのを邪魔したらまずいと思い、そっと近づいて色々な角度から激写しまくった♡

顔にスライムを貼り付けて握った拳を叩きつけているアリスの勇姿(をローアングルから撮った価値の有る写真)
だとか、

腰の辺りまでスライムに埋まって両腕を別のスライムに拘束されて絶体絶命♡な姿(を木の上から見下ろす感じにして上目遣いで睨まれている珠玉の一品な写真)
だとか♡

「…オージも手伝って。」
『視界情報を収納しました263(01/01 4:38)/65536』のテロップが流れた時にアリスから非難めいた声がかかった。
「えっ?手伝っても良いの?」
ちなみに今のアリスの姿はマント代わりの布をスライムに侵食され溶かされた事で裸ニンフ状態♡
だからニンフってなんだっけ?
そんな幼女のあられもない姿に近づいても良いの?
接写のチャンスか?

「写しても良いけど後で消すからね。」
ちっ…そう言えば俺の視界情報をアリス勝手に更新する様な事を少し前にしてたよな…道順の説明の時に…
気付かれていたか…

「少しは残してくれるなら手伝うけど…全部消されてしまうなら記憶に残すのが忙しいからそいつらはアリスとアスカさんで倒して欲しいかなぁ~??」
少しの間アリスが無言で戦っていたけど俺が本当に手を貸さなかったら諦めた様に溜息を吐いて、
「少しだけ残しても良いから手伝って。」
そう言って来たのでダッシュで近づいてスライムを物理攻撃だけで倒した。

ちなみにアスカさんピクシーハンドではまったくダメージを与えられなかったらしく、最初に何度か手を出した後は俺と一緒に色々飛び回って俺と同じ様なチョイゲスい顔で何かしていた。

たぶん俺と同じ様に頑張っているアリスの記録を残していたんだろうな♡
後で交渉しよう♪

スライムを倒したのでとりあえずアリスの体を全身詳しく確認した所、

頭部:500/500
腕部 748/750 735/750
胴体 825/1000
脚部 621/750 615/750

になっていた。
スライムってアリスの体にずっと巻き付いていた感じだったのでその間ずっと溶かす様な攻撃をしていたのかもしれないな。
脚と胴体部分の耐久値が少し減っていた。

そしてずっとその数値を見ていたら10秒程度で1づつ増えて行っていた様に感じる。
一応自己修復機能も全員に有る感じだな。

その後俺とアリスがまたマッパ状態になってしまったので、とりあえず廃墟になりつつある家に入り込み探してみたら衣装ケースの様な物が一部朽ちた状態で残っていた。
その中には古い服がまだ着れそうな状態で残っていたのでそれを3人で「これはダサイ」だとか「これは大人すぎる」とか言いつつ選んで着た。

俺は農作業が楽そうな黒いツナギでファスナー部分が壊れていて腹の辺りまでしか上がらない奴。
ちなみに下着類はまったく見当たらなかったので素肌の上にツナギ状態。

ちょっとだけ『やらないか?』な感じになった。

そしてアリスは…
「100%田舎少女だな。」
「そうねっ♡どこに出しても文句の無い立派な田舎少女になったわねっ♡」
「…んっ。」
半袖のボーダーシャツにパンツを穿いていたら確実に見えるって丈のミニの赤い吊りボックススカート♪

「なぁこっちの薄い水色のスモッグの方が良かったんじゃないか?」
俺とアスカさんがイチ押ししていた服はアリスが「絶対イヤ!」と着てくれなかったので2番目の候補の田舎少女になったんだけど…
とりあえず大きめのボストンバックみたいな奴が布団圧縮袋みたいな奴の中に有ったので、それの一番奥に入れ込んでそのうち着てもらおうと期待だけしておいた。
スモッグと7分丈のズボンをそっとバックに入れた時アスカさんがチラッと見て含んだ笑顔になったので理解してくれたと思う♡

と言う訳で、『やらないか?』な男と田舎少女とピクシーの旅がまた続く…
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