先生、僕って…なんか転生してるみたいなんですけど

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第二章 花芽

05 移動回

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僕は今、ソラ先生の車の助手席に乗せられてどこかに運ばれているらしい。
確かついさっきまで、僕は碧と二人で校長室のテレビを見ながらお菓子を食べていたはず…

「ソラ先生、僕はなぜこんな状態で運ばれているのですか?」
とりあえず僕を眠らせて車に乗せたのではないかと思われる犯人らしき人に聞いてみた。
「新之助君が本気で暴れたら私だけでは止められないからよ」

止められないから…まぁそうだな。今の僕の身体能力ならこの車ぐらいなら5秒程度だけど、頭の上まで持ち上げられるからね。でもそれ以上の時間になれば、腕とか脚とかいろんな所の骨が折れ始めるから気をつけないといけないけど。

そして僕はなんかすごくゴワゴワした服を着させられている。

「それにしてもよくこんな…拘束服でしたか?用意出来ましたね」
「知り合いに精神科の医者が居るから融通してもらったのよ。碧さんに手伝ってもらったけど、着せるの大変だったわ」

…あの医者か。って言うか碧もグルかよ。

僕は鼻がちょっと痒い気がして手を伸ばそうとしたが、腰の辺りに袖が固定されていて掻けない。
「先生、鼻が痒いです」
「そうなの?赤信号になるまでちょっと待ちなさい」
「赤信号を…でもここって高速道路ですよね?」
「だから何?」

こいつどうにかしてやろうって気が全く無いな。


フンッ!!


「無駄よ。それはアラミド繊維系の中でも最高引張強度を持つ繊維で作られた拘束服なの。反抗的な軍人などを拘束する為に作られた物だからコラーゲンとカルシウムを基本素材とした骨を持つ体では絶対に破壊できないそうよ」
「そこまでの物を用意したの?…さすがに本気過ぎてこっちが引くよ」
もしかしたらこれって1着10万円ぐらいするんじゃないの?

「ちなみにそれ中古で27万もしたの。もし壊したらそれぐらいの事をさせるからね」
想定の倍以上だった。しかも中古だった。
「金額にビックリして鼻が痒かったの気にならなくなったよ」
「あら、それは助かったわ」
僕の鼻を少し掻くぐらいの事がそこまで嫌か?

これってもしかしたら僕の記憶改竄の力を封じる為にわざわざ用意したのかな?

「そう言えばソラ先生って最近まで僕に気軽に触れてた気がするんですけど何か心変わりでもあったんですか?」
「…そうねぇ、心変わりって訳じゃないけど、今考えている実験の事を知られたらさすがに逃げられると思ったから用意しただけよ。それよりも新之助君はそんな事が気になるって事は、私の体で何かしたいの?」
「僕が逃げたくなるような事をしようとしてるって事は分かりました。それと僕はソラ先生に何かしようと思ってる訳では無くて…」

そう言えば記憶改竄能力の事は詳しく言ってなかったか、匂わせただけだったか。
んー気になるけどあまりつつかない方がいいのかなぁ。ソラ先生が、もし本当に気にしてないならいいけど、もし気付いて無かったとしたら、能力の話をする事でもっとめんどくさい事になる気がするしなぁ。

あ、そうだあの事を聞いてみるか。

「そう言えば話は変わりますが、碧と僕がソラ先生の部屋で話をした事があったじゃないですか、あの時ってどこからがソラ先生の…えーっと指示って言うか手のひらの上って言うか…」
「どこからどこまでを私が誘導したのかって聞きたいの?」
「あっ、はい。そんな感じです」
「そうね…さすがにもう時効だから言ってもいいか。とりあえず2人がうちのラブホテルの前で車から降りた時には、私は部屋に居たわ」
あれからまだ一か月も経ってないはずなのにこいつはもう時効って思ってんだ。

「えっ?あの時もう居たの?」
「そうよ。そして最初に指示を出したのは声をかけた警官の姿の人よ」

マジで?

「でもあの警官ってすぐに居なくなったけど…何の為に声を掛けさせたの?」
「あなた達がどこかで時間を潰さない様によ。近くを警官の姿の人が巡回してて何度も声を掛けられたら今からラブホテルに入らなければならない二人ならさっさと入ろうとするでしょ?」

…そんなものか?そう言えば碧が公園で待ったらどうかって言ってたか。

「一回声を掛けられただけで僕らが移動したのはあの辺りに居られなくなるって思ったからですから、できれば早く入りたいって思いましたね。それで次がコンビニのアレですよね?」
「その前に部屋のキーを出す機械に表示されていた借りられるはずの部屋を幾つか使用中に変えたわね」
そう言えばあの時僕と碧が選んだ2か所以外の安い部屋って全部使用中になってたな。なるほど。
あの2か所がソラ先生の部屋に映像を送れるって事か。次もし来る事があっても絶対にあの2部屋は使わん。

って言うかあの部屋の代金返してもらえなかったのが痛かったんだよなぁ…『だってあなた達あの部屋で、ベッドでゴム付きセックス2回とお風呂場で外出しセックス4回もしたじゃない。清掃って大変なのよ?』って言われて、僕も碧も恥ずかしくて何も言い返せなかったんだよなぁ…

「それ以外に他にも幾つか指示を出していたけどそれらは必要無かったから、次に関係あるのはコンビニで渡した避妊具ね」
「あれってでも僕と碧が一緒に居る時にもらってたら無駄になってましたよね?」
「そうね。でも新之助君って連絡取れない状態なら妹さんの元に行きたがると思ってたから無駄にはならないと思ってたわ」
こいつどこまで僕の生態を知って先読みしてんの?

「まぁ確かに僕は愛奈に会いに行きましたからね。でも僕がコンビニに寄らずに食べ物をルームサービスで頼んだら僕と碧は何もせずにそのまま待ってたかもしれませんよね?」
「確かにその可能性があったけど、それならそれでルームサービス今やってませんって電話口で言わせたらいいだけよ。ついでに2人で出たらもう一回お金がかかるって言わせるつもりだったわ」

そうだった。僕と碧はあの時完全にソラ先生のテリトリー内だったから、何を言っても論破なんて出来ないよ。

「安心しました。僕は自分のロリコン疑惑を捨てきれなかったんですけどソラ先生が裏で色々やったせいだって分かって気が楽になりました」
「あらそう?それならよかったわ。それで?あの日以降碧さんとはもうセックスしてないの?」
「全くしてない訳じゃないですけど…」

…めっちゃしてますね。何なら毎日2回ぐらい女子トイレとか、保健室のベッドとか、もういろんな所でやりまくってます。

「一応碧さんから聞いてるけど、あの子もう生理来てるのよ。だからピル飲ませるなりゴム使うなりしなさいよ?」
碧から聞いてる癖に僕にも聞いてくるソラ先生マジ鬼畜♡
これ以上この話を続けても僕が辱められるだけだ。話を変えよう。

「避妊に関しては何とかします。それで今どこに行こうとしてるんですか?」
「梅原さんのホテルよ」

なぜ大蔵ホテルへ?

「梅原さんに何か用でもあるんですか?」
「梅原さんって最初に新之助君にレイプされてその後一回もセックスしてないの」
そう言われれば確かに。キスはたまにしてるけど、それ以上は特にしてなかったな。


…えっ?だから?


「とりあえず意識の無い状態の僕がやったらしい事をレイプって言われるのはちょっと納得いかないんですけど、それが何か…えっ?関係あるんですか?」
「この間阿部さんから相談があったんだけど内容に関しては彼女から聞いてるんでしょ?」
「一緒に居る時に脳筋提案された件なら覚えてますが」
「フフッ…まぁ確かに脳筋提案って言えるかもしれないわね。彼女が言ってる事が可能かどうかを確認する為に梅原さんの体が使い勝手が良かったのよ」
確か強化セックス合宿みたいな事を言ってたと思うが…

「もしかして今日梅原さんと僕が耐久セックスするの?」
「私と新之助君がしても意味ないでしょ?」
意味が無いとは思えないけど…
「ソラ先生と僕がセックスするのが意味が無いっていうのは、よく分かんないですけど、梅原さんなら意味があるっていうのは意味が分かりません。ソラ先生と梅原さんの違いって…?」
そもそも一回中出しした事があるのが理由ならこれから強化セックス合宿の対象になりそうな子達ってソラ先生側の子って事になりそうな気がするが…あっもしかして年か?
「イッタイヨ!?」
いきなりソラ先生がメスみたいな刃物を僕の足に刺した。
「あらごめんなさい。手元が滑ったわ」

運転していながらメスを持った手が滑るってどんな状態だ?

「とりあえず変な事を考えてゴメンナサイ。ソラ先生のおっぱいは何度でも楽しみたくなるぐらい素敵でした」
一応刺し傷を治して、また刺されないのを確認して謝っておいた。
「分かればいいのよ。とりあえずあの時の事はそろそろ忘れなさい」
「はい」
ソラ先生とうちのかあちゃん…なんで僕の考えてる事が分かるんだ?もしかしたら読心術とか使えるのか?

僕が大人の女性の怖さを感じていたら、追い越し車線を走っていた車が急に車線変更して急ブレーキをかけた。

「ちょっ!?何!?」

ソラ先生がブレーキを踏んだと同時ぐらいに乗っている車が前の車にぶつかり、車に勢いよく減速Gがかかった。
体がシートベルトで無理や止められた時、更に勢いよく後ろから衝撃が感じられて、僕は何かに頭を強く打ち付けて意識を失った。




あっ…またあの夢。…今度は何だ?


『ご主人様、戻りました』
『おかえり、ジーニーはどうした?』
俺は偵察から戻ったマナをハグしながら頭を撫でてやった。

『ジーニーさんはボブさんの所に行きました』
『あらそう。俺の所に報告に来ないって事は特に異常は見られなかったって事だな』
『はい。ご主人様の広場に出来た変な何かは昨日と同じに見えました』
『そうか…分かった。とりあえずお風呂に入っておいで。綺麗になったらご褒美の時間だ』
『は~い♡』
マナが俺の腰に回していた腕を解き、スキップでもしそうな感じに部屋から出て行った。

『あれから変わりないのね』
頭の中にヘレンの声が響いた。
『あぁ、マナが見た限りじゃ変わらんらしい。…なぁ、ヘレンがいつでも俺の頭の中に声を届けられる様になったのって、あの搾り取られた耐久セックスのおかげって言ってたよな?』
『それだけじゃないけどそれも関係してるわね。それが何?』
頭の中にヘレンが今机に向かって何か魔術的な事をしているのが見える。

『これってヘレンの夢魔の血が関係してるって言ってたが…俺がマナとセックスしてるのも全部見えてんの?』
『意識したら見えるけど、魔力を使うからわざわざそんな姿を見たりしないわ』
『やっぱり見えるんか~い。で?それってどこ視点なの?』
『それを知ってどうする気?どうせあなたには夢魔の血が流れてないからこのスキルは使えないのよ?』
『そりゃぁ俺視点でマナのあんな姿を見られてるのか、マナ視点で俺のあの瞬間の顔を見られてるのかでやる気が変わるだろ』
『フッ…何を言ってるのか全く分からないけど、とりあえずあなたが物理的に触れている人なら視点を得られるわ。だからあなたがマナに中出しする瞬間の気持ち良さそうな鼻の下がすごく伸びている顔とか何度も見たわ』

こいつ何度も見たって言ったな…でもヘレンって見て楽しむより、混ざって楽しむ方だ。俺が何度も罰として搾り取られた時の事を思い返せば、あいつはキスとか何なら他人の体に指を埋め込むだけで精力を吸い取れるはずなのに、セックスで搾り取る方を好む様な奴だ。

見るだけとかありえないな。

『なぁ、もしかして相手の視点だけじゃなくて感覚も受け取れたりするんじゃないの?』
『…このスキルはそこまで万能じゃないわ。受け取れるのは精々あなたの体の五感ぐらいまで』

俺の五感を受け取れる…夢魔なのに五感だけ…夢魔って精神スキルのスペシャリストだぞ。本当に五感だけか?

『ねぇ、あなた何を考えてるの?』
『ヘレンのあの時の乱れまくってる時の姿』
俺のチンポを美味しそうにしゃぶり続けている姿を思い浮かべたらヘレンのイメージが届かなくなった。
…ヘレンはスキルを使うのを止めた様だな。

なるほどなるほど。頭の中を覗いてくるヘレンを撃退するには、ヘレンのあんな姿を頭の中に思い浮かべまくればいいと。
やっぱりあいつには俺の頭の中まで見えてる。でもおそらくだが、あいつには俺の考えている思考が届いてる訳ではなく、思い浮かべた五感に関係する情報が見えてるって言うか感じられるだけの様だな。

何にせよ見られっぱなしってのは俺らしくないな。
ちょいっと精神感応型のスキルを使う奴の対策魔法を用意しておくか。



ふむ…他人の思考にアクセスする魔法…スキルって言ってたか?スキルって言うのはその種族が少し訓練すれば普通に使えるモノで、誰でもある程度使える能力の事を言ってるのか。それに対して魔法は誰でもどんな種族でも、知っていさえすれば使えるみたいだな。

…じゃぁ、なんで僕の頭の中にヘレンさんの種族のスキルがあるの?
夢魔の種族スキルの『精神接続感覚同期』が頭の中に存在してるのは…これって…どゆこと?

あっ、精神バリアみたいな魔法の場所も分かった…

んんー??
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