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一章

25 日常の風景3/5

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大悟だいご、少し良いかしら?戦いは電車に乗る前から既に始まってるのよ。しっかり気を張っておいてちょうだい。」
「そうですよ♡だから大悟さん、しっかりと私が左側に居られるように肩を抱いておいてください♡」
「そうですね。越谷こしがやさんの肩を抱いて移動出来るならまずは場所取りが楽になりますから良い案ですね。」
「そうね…大悟、駅の構内に入ったら早めに鞠子まりこさんの肩を抱いて陣形を組んでおいて。そして私の後を絶対に離れないように付いて来てね。」
「私はアタッシュケースを挟んで移動しますので戦場にたどり着いたらその場で私の足の間にそれを挟んで位置を固定します。後ろはお2人に全てを任せますのでお願いしますね。関口せきぐちさんこれでいいかしら?」
「そうね…アタッシュケースを挟むのは…あなたそのスカートで大丈夫?」
真琴が心配するのも分かる。だって彼女の着てる服は上は薄手のニットシャツで、下はチェック柄の少し厚手の生地のマキシ丈フレアスカート。変な感じにスカートを巻きあげるような事は無さそうだけど、ここに俺のアタッシュケースを挟むとか…俺の方が恥ずかしくないか??
「後ろの人に私の体を男が弄んでると言う認識を持たせて楽しむ予定です♡できればしっかりと持ち上げて食い込ませてください♡」
電車の中で股間を攻めろって言って来たぞ?この人本当に大丈夫か???

「えっと…」
俺が少し引いてるのに気付いたのか妖艶な笑顔を浮かべつつ、
「大丈夫です♡今日はあなたをもう一回楽しめるかと思って多い日も安心な『アレ』が私を守ってます。だからアタッシュケースを汚すような粗相は致しませんので♡」
「あー…そうなの?…それなら安心?なの…かな?」
安心なのか?

とりあえず改札を通って駅構内に順に入り早速鞠子が俺の左側に立ち腰に腕を回してくる。
なんかこう…肩を抱く感じってすごくいいな♡鞠子が俺のモノだって回りに言いふらしてる感じがする♡
「なんかこうして肩を抱かれてるとこの男は私のモノだって回りに自慢してる感じになりますね♪すごく良い気分です♡」
俺と鞠子は根幹がけっこう似てるみたいだな…まったく同じ事を考えてたみたいだ。

その後いつも乗る場所がとんでもない人数だったのでさすがにこのままだと電車に乗れない可能性が有ると言う事でとりあえず隣の車両の辺りまで移動すると、ごっそりそこに居た人が憑いて来た。
イメージはかなり強い性欲を周囲に振りまき続けてる集団って感じ…


正直怖かった。


「この集団ってもしかして…?」
「そうですね。先ほど説明した大悟さんの緩さに味を閉めた人達が用意した狩人ですね。」
なんとなく30人ぐらい居るんだけど…マジで?

「関口さん。一回攻撃をしておいて下さい。あなたが動くとかなりのダメージを与えられるはずですから。」
「…もうやるの?早くない?」
「このまま電車の中に後ろから押し込まれたら越谷さんは大丈夫でしょうけど他が散り散りにされて防衛どころじゃなくなる可能性があるわ。軽くでいいからどうぞ。」
攻撃って何する気なんだろ??

あ、真琴が俺の正面に立って見上げてきた。
「大悟?私あまりこんな事人前でする女じゃないんだけどそれは信じてね。」
「ん?攻撃って俺も何かするの?」
「ちょっと顔かして。」
「あぁ、ん?!」
いきなり真琴がネクタイを掴んでそのままキスしてきた。

その瞬間空気が動いた感じがした。
なんだこれ?今すごい粘着質な空気と言うか…視線か?そんなものをすごく強く感じて一気に周囲の圧迫感が減った。
「ふぅ…やっぱり恥ずかしいわね…」
そう言って体の向きを変えて真琴は顔を見せなくなった。
あてっ。鞠子が足を踏んだ。
「判っててもすごく腹が立ちますね…」
「まぁしょうがないですよ。越谷さんにとっては大悟さんは手中の方ですからそう言う感情になるでしょうけど、ご覧になって。あ、あまり顔を向けずに目だけでお願いします。」
花村はなむらさんの言うようにして周囲を観察してみるとさっきまで俺達の周りを取り囲むようにして集まってた女性が1/3位まで減ってた。

なるほど攻撃ね…


その後いつも乗る電車が来たので押さないようにして乗り込み俺が降りる方のドアの近くまで押されて移動したが、なんとか全員近くに居る事が出来たみたいだった。
そして俺の向きが真琴を中心に反転した位置になったので、ドアに接する感じに後ろの2人が立ち、3人が最初の陣形通りに配置された。

「さぁ大悟さん、しっかりと持ち上げて下さい♡んっ?!あ…とても良いです♡そのままでお願いします♡」
たぶん俺の親指の根元辺りが彼女の股間に当たってる。そりゃぁそうだよね。こんな人がいっぱいの状況ですぐ側に立ってる人の股間にアタッシュケースを挟めば、俺の手がちょうどそこらに行くって。

そして俺の首の辺りにさっきから女性の息が強く掛かる。左右にダブルで。
「なんだかこの辺りも悪くないですね、青い果実を思わせる軽いフレグランス…あなたの事を少し勘違いしてたかも知れません。」
「同じ嗜好を持つのは構いませんが守備範囲は守ってくださいね。これ以降の行動に支障が出ますから。」
「ふふっ♡大丈夫よ私はあの芳しさに魅了されし者だからこれでは軽すぎて物足りないのよ♡」

言葉だけを聞いてるとそこまで変な事を言ってないんだけど、内情を知ってる俺は冷や汗が背中を垂れた。
そして鞠子は最初言ってた通りに向きを変えて俺の方を向いたのだが、ドアの正面辺りに陣取った手前持つ所がない。
「鞠子ちょい握る所がないから我慢してくれな。」
そう言って背中に腕を回しそのまま手が回ってきた辺りの胸を掴んだ。
「うひっ?!これ…そんなに長く我慢できないかもです…倒れたら後はお願いしますね皆さん…あん♡」
電車の揺れをどこにもつかまらずに耐えようとするとどうしてもぐらついた時に手に力が入って鞠子の胸を握ってしまう。
かといって腰に回すと少し下過ぎて抱いたままで居られない。と言う訳で鞠子達が降りる駅に到着するまで、

ギュムッ♡「んっ♡」
ムニュッ♡「ハンッ♡」
ぎゅ~~~!!「あう~~~~~♡あ、モウダメ♡」

そんな状況が続いた。
そんな事になってる反対側では体が揺れる度に、

「やん♡」
「んっ♡そんないきなりっ♡」
「あっ♡こんなの初めて~~♡」

と言った声が小さく漏れていた。

そして真琴はずっと俺の肩に両手を乗せて正面からぴったりと体を当て続けた。
おかげで俺の体は真琴から離れられなくなってしまった。
「大悟…あなたこんな場所でここまで固くしないでよ…その…困るわ…♡」

こんな事言われても…こっちはもう我慢出来なくなって困ってるってば。

おかげで俺は自分の降りる駅で真琴を引き摺り降ろしちょっとだけ相手をしてもらわなければならなかった。
だってまともに歩いて移動できない状態になってたから。
せめてコートなどの裾の長い服を着る季節であればなんとか隠して移動できたんだが…


後日、「尻」さんの報酬の支払いを済ませる為に集まった真琴の部屋の中で俺は、尻さんが王子様に今からキスされて起こされる時のシンデレラの様な寝姿で上を向いて目を瞑って寝てる所に、リクエストで今朝まで着てたパジャマを穿いた状態で、尻をゆっくり下ろしてひざ立ちで完全に座らないように気を付けつつ、股間に熱い息吹を感じながら話を聞いてた。

「あの防衛戦はどこからも手を出させずに最後まで大悟を守れたので、完全勝利だったのだけど、一つ問題が発生したわ。大悟が仕事に行けない状態になる事が判りました。と言う訳で、もう少し慣れるまでは再戦は止めておきましょう。」

首さんと尻さんには一応報酬を渡せたし、花村さんも新しい世界を知ったって喜んでたけど、俺があの状態でそのまま現地解散とかしたら…喜美華きみかさんが大変な事になるな。
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