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一章

22 災害と言うか厄災と言うか…3/3

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大輪の花が咲いたかのような笑顔だった。
「おにいさま~~♡」

その大輪の笑顔がすごい勢いでダッシュしてきて俺に飛び込んできた。

うっ?!

もう少しで倒れそうな勢いだったが、なんとか抱き止める事が出来たが…
この妹(仮定)は若干細身ではあるもののしっかりと発育してる体が俺の体全身に纏わり付く様に…それこそ足と腕が俺の各四肢に絡む感じで抱きついてきたので、ちょっと反応してしまった♡

たぶん妹なのは「おにいさま~~♡」と言ってたので確定なのだが、俺にとっては見知らぬプチセレブなお嬢さん。
反応するのもしょうがないだろう♡

「あれっ?おにいさま…?!」
俺の体に腰や胸などをもにょもにょと擦り付けていた妹(仮定)が、ハッとした顔になりちょっとだけ顔を下げて恥じらう感じに俺の体に絡ませていた腕と足を解き、おしとやかな今さっきの痴態を披露した女性とは思えない清楚な空気を纏って俺の目の前1m位の所に立った。

「おにいさま…とうとう私の体に反応していただけたのですねっ♪今日は初夜デスネ!!さぁハイヤーを呼びますのでお兄様はすぐにそのみすぼらしい服を着替えて私の伴侶たるに相応しい姿になってくださいませ♪」

そう言ってポシェットからスマホを取り出しどこかへ連絡を取りはじめた。
「あーその…いちご?だよな?」
俺の問いかけにちょっとだけハテ?って顔をしつついじっていたスマホを初期状態に戻し両手で胸元で握り、俺の方を向いて目を見てきた。

なんか目が少し潤んでる?
あ、もしかしたらこの問いはまずったか?

「おにいさま…苺はそんなに綺麗になりましたか?この一週間会えなかった時間が育ててくれたのでしょうか…あっ…もしかしたらおにいさまを思ってシーツを何度も塗らしたあの行為が…」

いきなり変な独白を始める妹(確定)…
とりあえず本人かどうかの確認を容姿が綺麗になって分からなかったからではないかと考えてしまえるような我の強い子かぁ…
本当にコレが俺の妹なのか??


見た目はティーンラスト辺りのイメージだが…行動がティーンバース辺りって感じなんだけど…第2反抗期とか中2罹患期とか…
「なぁ苺?とりあえず中に入って話をしないか?さすがにここでは人の目があるから落ち着けないし」
「えっ?!おにいさまもうそんなお気分なのですか?!苺…まだ一度も殿方をその…受け入れた事がないので♡…正直おにいさまをうまくもてなせるか不安なのですけど♡…でも…おにいさまの心変わりが起きない内にさっさと食っ…コホン頂いてしまうのも手かもしれませんが…♡」

なんだろう?会話が成立してる気がするけど、ちょっとだけ違和感があるが…
俺のアパートに入るのになんでこいつが俺をもてなす?

とりあえずこんな道端でお見合いよろしく佇んでてもしょうがないので、先行して歩き出したら、苺も静かに後ろを付いて歩いて来た。
たまに、吐息が漏れてるのがちょっと気持ち悪かったが…こいつは本当に俺の妹なんだろうか??
少なくない変質者臭を感じさせる妹(たぶん確定)と一緒に自分の部屋の前まで来てドアのかぎを開けて中に入った。

「お兄様なんだか変な臭いがしますけど…」
部屋に入った瞬間に眉を潜めながらいきなりそんな事を言い出す苺。

「ん?変な臭いって?何か感じるか?」
うちには無臭の消臭剤位しか置いてないから他には臭う様な物は無いと思うが…??
あっ、そういえば…真琴が俺の部屋に最初に入る前にシャワーを浴びたすぐだったのになぜか香水を腕と首の辺りに入念に付けてたか…もしかしたらあの匂いを感じたのかな?
この部屋に一緒に居て最初に一緒に買い物に出て帰ってきた時に真琴の匂いが部屋からした時はちょっとドキッとしたもんなぁ~♡

あれはなかなかイイモノだったなぁ~♡
それまでくすんで見えていたほとんど価値が感じられなかった自分の部屋が色鮮やかな世界に一気に変わった感じがしたんだよなぁ~♡
女の子の匂いってやっぱ最高だよなぁ~♡

鼻歌交じりにとりあえずネクタイを緩めつつ冷蔵庫を開け、最近いつも入っている真琴まことが買って来て煮だして冷やしてくれていた麦茶を取り出しグラスに入れてローテーブルの所で静かに正座して待ってる苺の所まで持って行くと、苺が少しだけ周囲の温度を下げる様な顔をして俺を見ていた。
「おにいさまってそんなお茶とか用意していませんでしたよね?」

なんとなく真琴が正座して待ってた時を思い出す様な顔だった。

「えっ?!あ、あぁ~~!!これはな、最近ほら、体に良い物を取る方が良いかと思ってな。俺もそろそろアラサーって呼ばれる年代になった訳だし、体の事も色々な?考えないといけない頃だろ?」
「…そうなのですか?まぁそう言う事であれば…あっ♪そう言えばそろそろお姉さまが一度家に戻って来てはどうかしらって言ってましたよ。お電話が頂けなかったのがちょっと寂しく感じられたみたいで…私も近くで座ってるのが怖くなる感じでした。週末はお願いしますね」
これって確定イベントみたいなものなのかな?妹が先触れで来て姉が待つ伏魔殿へ連行されるって流れか…

「まぁ…来いと言うなら行くけど…苺はそれを伝えにわざわざ来たのか?」
「えっ?あ~…おにいさまに会うのが一番の目的ですわ♡」
手を足に挟むようにしてモジモジしてる姿はけっこう可愛いんだけど、妹…この子って俺と血が繋がってるんだよね?
さすがに手は出せないと思うんだけど…何だろう?苺の行動の節々に、エリちゃんの最後の姿がフラッシュバックして見えるんだけど…そう言えば喜美華きみかさんの情報でも真琴の情報でも苺ってブラコンみたいな話が出てたか…

むっ…これは手を出すべきか出さざるべきか…究極の選択だな。
相手は俺を受け入れそうな雰囲気がゴンゴン感じられる言動。そして…あ、そうか、この世界もしかしたら近親相姦もそこまでタブー視されないって感じかもしれない…か?
そこらをちょっとだけ確認しておきたいな…誰に聞いたらわかるかなぁ?

「おにいさま?何か迷っていらっしゃるのですか?もし良ければ私に話してみませんか?少しはおにいさまに相応しい女になれるように頑張ってきてますので♡」
苺がすごくイイ笑顔で俺の力になれるのが嬉しいと思ってくれてそうなどこかの宗教団体の勧誘者の様な顔で聞いてきた。
この妹に『近親相姦ってOK?NG?』って聞いたらどんな危険な状況下でも『OK』としか答えない気がするが…まぁとりあえず聞くだけ聞いてみるか。
「あ~苺?さっきからのお前の言葉にチョットだけ俺への好意みたいなのを感じるんだが、そう言うのは駄目なんじゃないのか?」
「ふふふっ♡おにいさまはいつもそういう事を言ってお逃げになられるのですね♡でも♪子供さえ作らなければなんら問題無いといつも言っているではありませんか。その証拠にお兄様の精通はおねえさまのお口でしたよね?」


えっ?今何ていった??


「俺の精通が姉の口って今言った?」
「えぇ。別に変な事ではないではありませんか?一番搾りは家族の中の姉妹の物。これはどこの家庭でもごく普通の事でしてよ?そもそも私がもらいたかったのにお姉さまが…」
俺は苺の言葉に結構なショックを受けていた。声がゆっくりと遠ざかって行ってる様に感じる…

そうかぁ、こっちの大悟はそんな事になってたのかぁ…俺はあっちでは弟しかいなかったからそんな事って無い…無いよな?あいつも俺と一緒でエロ本をベッドの下に隠していたから大丈夫だよな…あいつはどっちかと言えば巨乳派だったから男になびく可能性はほぼ0と言ってもいいは…

「おにいさま?どうしました?コレはお姉さまから聞いていらっしゃらなかったのですか??」
俺が無意識に自分の貞操に関する大丈夫な理由探しをしていたら苺が確認してきた。
「あ~そこまで詳しくは聞いてなかったなぁ…そうかぁ…」
どうしよう…こっちの俺って近親相姦バッチコーイな環境で生きてきてたみたいだ…

あ、でも苺の答えにこっちの俺も同じ様な事を言ってたみたいな返しが有ったって事は、姉妹兄弟間でのそんな行為はあまり推奨されないって事だって考えても良さそうか…あまり無茶な事をしないほうがいいな。この苺ちゃんの体はちょっと味わってみたい気はするけど…さすがにアナコンダが口を開けて待ってる場所に自分から歩いて入る様な危険は冒せない。

「まぁ…苺?あまり褒められた事ではないからそういう事は人が居ない場所でしか言ってはいけないよ?」
「アラッ♡おにいさま♡今ここには私とおにいさましかおりませんわ♡」
そう言ってじりじりと近づいてくる妹がちょっと怖かった。

ただ、俺にはさっきから壁の先に人が居るような感覚があったんだ。
たぶんだけど、真琴と…多分鞠子だろうな。もしかしたらあとの2人も居たりするかもだけど、そんな状況下で苺に手を出すのは本当の地獄へ自分から足を踏み出す行為だ。

止めよう。
俺はまだずっと真琴達とのあま~~い生活を満喫する気なんだ♪

「苺、この建物けっこう壁が薄いからあまり無茶な事をしないでくれよ?たまに隣の部屋の人の話し声とか聞こえるからね?」
チラッと壁を見ながら言うと、
「あ~…そういえば2人ほど小汚い女が隣に入って行きましたね…聞き耳でも立ててるのでしょうか?何ていやらしいのでしょうか。まったく。…まぁおにいさまが恥ずかしいと仰るのであれば、無理はできませんね。それに私とおにいさまの初夜は最高の環境でなければなりません♡ここでしてしまっては今までの用意が全て無駄になってしまいます」
そう言って、
「くれぐれも隣のメス猫達には気を付けてくださいませ」

そんな言葉を残して妹は帰って行った…
なんか週末の予定が決まったって事なのかな?家の場所が変わってなければいいんだけど…

その後妹が帰って行った部屋に5分ほどして真琴と鞠子が乗り込んできて、なぜかすごい勢いで俺が怒られた。

「なんで私達がメス猫扱いなの?!あの女がもっと発情メスネコじゃないのよ?!」
「そうですよぉ!!しかも一番搾りを姉に持っていかれてたとか信じられません!!」

なぜか俺が原因では無さそうな事を延々1時間ぐらい言われた。
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