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まじなんなのコイツ。※

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 それから少ししてサンドイッチを食べ終えた時、奴はテーブルや椅子を消し、真正面から優雅に近寄って来た。

 いや、うん。

 これから私で食事するんだから仕方ないんだが、こんなイケメンが無表情で近寄って来る様って威圧感ハンパないわ。

 「......怖いのか?」
 「そんな訳無いだろう」

 反骨心からか即答したけど、完全に強がりかもしれない。

 はい、地味に怖いです。

 「......そうか」

 だがしかし奴はそんな私を特に気にした様子もなく、私の顎をその細長い指で、くい、と持ち上げて、私の首筋に顔を埋めた。

 「......っ...」

 ベロリと首筋を舐められる感触に、思わず身体がビクッと震える。

 え、なんで舐められてんのコレ。

 「魔族の唾液には鎮痛作用がある、大人しく舐められろ」

 耳元でそう言われ、また舐められた。

 そうなんだー、へー、知らんかったわー
 とりあえず問題点として上げるなら、やっぱ私相手じゃ萌えないって事だろうか
 あとそれから

 「...っん...!」

 首が弱いんだよこの身体......!

 ピチャピチャと聞こえる妖しい水音と、執拗に舐められる感触、時折掛かる吐息に腰辺りがゾクリとした。

 ......ぅおお早く終われ!

 そう念じていると、首筋からプツリと何かが刺さったような感触がして、次いでそこを覆うように何か生暖かくて柔らかいものが吸い付く感触もした。

 ......昨日よりは痛くない。

 鎮痛作用付いてるってマジだったんだー、なんて考えて居たら、血が下がって行くみたいな、お風呂上がりにたまにある立ちくらみみたいな感じがして、ちょっと焦った。

 「......っおい、飲み過ぎてないだろうな?」
 「.........喰っていいか」

 は?

 え、なに?
 ちょっとまて、嘘だろまさかそういう感じ?

 「朝っぱらから何サカッてる貴様」

 そういうのは夜でお願いします。

 って、いやいやいや違うだろ自分!そうじゃない!

 「ほう、夜なら良いのか」
 「良くない」

 「分かった、存分に可愛がってやろう」

 私の首筋に顔を埋めたまま、クツクツと笑う悪魔の吐息がくすぐったくて、それに付随して身の危険も感じて身を捩る。

 「やめろ、ふざけた事を抜かすな、そろそろ離せ」
 「ほう?」

 「ひぁっ!」

 ちょ、ま、背筋撫でないで下さいやめろマジで。
 つかまた変な声出た死にたい。

 「身体は正直だが?」

 そう言って、悪魔はズボンの上から私のソレを緩く揉んで刺激して来た。

 「っ!、やめろ......触るなっ!」

 ゆるゆると持ち上がり始めた、普段よりも早い自分のソレの反応に焦る。

 朝になると息子が元気になる事あったけど、何もこんな時に!

 「......このままではまた服が駄目になってしまうな」

 私の首筋に舌を這わせながらそう呟いた悪魔は、私が奴から借りて着ていた服を全て、一瞬で消した。

 えっ、ちょ......ええぇぇぇ!

 「貴様......!何を!」

 突然の事に戸惑いながら、何とかこの状態を打開するべく抵抗する為身を捩り、奴から離れようと手を突っ張る。

 しかし貧血気味の為か力が入りづらい。

 あれ、ちょっと待てコレやばくない?喰われるくない?

 「抵抗する貴様も良いな」

 「ひぅっ!」

 耳元で囁かれながら、脇腹を撫でられて、何故か引き攣ったような声が出た。

 なんかもう自分が気持ち悪い

 「く、離せっ!」

 貧血でかくらくらする頭を片手で支えながらも、残った手で奴の胸を押す

 「無理だと言ったら?」

 奴は腰を押し付けるように密着してきた。
 奴の股間の固いモノが腹にあたる。

 あらやだ息子さんお元気になってらっしゃる......!

 いやいやいやちょっと待って、なんで朝から欲情されてんの私

 何コレ何が原因?

 「というわけで喰うからな」

 奴はそう言って、指を私のソレに絡み付かせ、そのまま遠慮なく扱き始めた。

 「なっ...!」

 一体全体何が“というわけで”なのかさっぱり分からんぞこんちくしょう

 ヒトの身体とは不思議なもので、ソコを掴まれたり弄られたりしてしまうとろくに抵抗出来なくなってしまうらしい。

 急所なんだから仕方ないとは思うが、出来る事ならもう少し頑張って頂きたいのになぁ!!

 「んんっ、ん...!」

 鼻から息が抜けていくような熱の篭った自分の声が無性に腹立つ。
 しかし奴はお構いなしに私のソレを責め立てた。

 全く力が入らない

 「......可愛いな」

 不意に呟いた奴は、その場に膝立ちになって屈み込んだかと思えば、刺激されて立ち上がっている私のソレを口に含んだ。

 「あッ、やめ......!」

 必死に引きはがそうと奴の頭を両手で掴むが、どうしても力が入らなくてもどかしかった。

 マジで何してんだコイツ意味分からん
 あと私が可愛いのは外見だけですので悪しからず!

 いやそんなん考えてる場合じゃない
 早くなんとかしないと

 「く、ぅう...!、手を離せ......!」

 「嫌だ」

 一瞬だけ口を離しそれだけを言った奴は、敏感な裏筋を舐めあげ、尖らせた舌を蜜口に差し込むように舐める。
 どうしようもなく、勝手に身体が撥ねた。

 「ぅあっ!、く...!」

 なんか良いようにされてるぞ自分!
 抵抗したいのに出来ないってどういう事だ!
 急所握られてるからですねちくしょう!

 また喰われるのか私

 心は全力で嫌がってるのに、身体が勝手に反応して腹が立つ。
 奴はまた私のソレを口に含むと執拗に舐めあげ、頭を動かし、私を絶頂へと誘っていった。

 「あ、あ...ぁッ、...ーッ!」

 快感にビクビクと身体が震え、とうとう限界を迎えたソレが白濁を吐き出す。
 膝に力が入らなくてガクガクした。

 「......っ、...くそ......ッ」

 ジュルジュルと音を立てて搾り取るようにして飲み込んだ後、達したばかりでうまく抵抗出来ない私をひょいと抱え上げた悪魔は、昨日と同じように比較的平らな岩の上に私を仰向けに横たえた。
 岩の上は朝だということもあって昨日よりも少し冷たい。

 そう、朝なんだよ今。

 鳥とかめっちゃ長閑に鳴いてる、とてもいい天気の中、私はこれから性的に喰われるらしい。

 ふざけんな無理だそんなんレベル高すぎだろ初心者ナメんな!

 「っ嫌だ!離せ!」
 「大丈夫だ、じきにどうでも良くなる」

 それ、なっちゃいけないヤツだと思います!

 なんとか抵抗しようともがく私を片手一本で押さえ付け、奴はどこらからか取り出した小瓶からローションのような液体を垂らして指に取った。
 そして私の後ろのソコの皺を伸ばすようにそれを塗り付け、指を一本、ゆっくりと入れていく。

 「っひ...ぅ...!」

 昨日散々弄ばれたソコは、簡単に奴の指を受け入れてしまって、私の中で動く指に嫌悪感を覚えて軽い吐き気を催した。

 「大丈夫か?」

 不意に悪魔は指を止め、私に優しくそう尋ねる。

 だからどうしてそこで気遣うんだお前
 こんな時に優しくされても困る
 いっそ私の事など無視して、無理矢理に事に及んでくれれば、本気でコイツを嫌う事が出来るのに

 厄介だ

 コイツ本当に、厄介だ。


 「っくぅ...聞くな...!...離せ!あと抜け!」

 「すまんが無理だ、我の猛りが収まるまで付き合ってもらうぞ」

 そう言って、奴はまた指を動かし始める。
 知識でしか知らなかった前立腺だろう箇所を擦りあげられた時、また勝手に身体が撥ね、同時に自分の口から高い声が出た。

 「っあ...っ!」

 そこばかり責められてビクビクと身体が撥ね、自分の中心に再度熱が集まり立ち上がったのが分かる。
 奴はイッたばかりで敏感なソレを手に取ると、容赦無く扱き始めた。

 「ん...っ、く...ぁっ!ひぅ...!ん...んっ!」

 声を出したくなくて、聞きたくなくて、とにかく両手で口を塞ぐ。

 「誰も聞いていない、声を出しても構わんぞ」

 口元に笑みを浮かべた悪魔が楽しそうに言った。

 いや私が自分の声聞きたくないんだよちくしょうが!

 後孔に入っていた指が増やされ、更に感じる所を掠められ、また私の意志を無視して絶頂へと追い上げられていく。
 しかし、あと少しというとこで根本を握られてしまった。

 「ふぁ...ッ!」

 こうすると達せない事は知っていたが、まさか自分の身で体験する事になるとは。

 「んうぅっ!、く、はっ、あっ」

 身悶えするような快感が引っ切り無しに襲って来て苦しくて仕方がない。
 余りのキツさに訳が分からなくなりそうだった。

 「あっ、やぁ...!」

 「もう、いいだろう」

 そう言って後孔から指を引き抜くと、奴はズボンを下ろし、猛った己のソレを、今まで指を入れていた私のソコへ当てた。

 「ぅあ...!はなせ...!」

 イクにイケなくて、ただ己を襲う快感が苦しくて、悶える。

 「あぁ、離してやるとも」

 奴は己の猛ったソレを突き入れたと同時に握っていた手を離した。

 「っぁああ!」

 飛び出た白濁が私の腹と奴の服を汚す。
 しかし肩で息をしていられたのは数秒で、不意にズンッと突き上げられた。

 「っ...はんっ!」

 口から出た声が気持ち悪い。

 ナカの、良いところばかり擦りあげられて声が止まらなかった。

 「っあ!、あっ、...んぁ!、ひっぅ!」

 「......気持ち良いか...?」

 「やっ、っぁ!、っ...きくなぁっ!」

 なんでコイツはこう羞恥心を煽って来るんだ!
 あぁもう嫌だ、何なんだこの身体!
 嫌で仕方ないのに、抵抗出来なくて悔しくて仕方ないのに
 身体だけが勝手に反応しているなんて
 最低だ、こんなの

 そういう仕事のヒトならまだ精神的にももっと強かっただろうが、私は普通のOLだったんだ
 免疫も無ければ経験だって殆どない
 にも関わらず身体はこんなビッチってどういう事だちくしょう

 気持ち良いだなんて、絶対に認めたくなかった。

 「ほう、善いか、ならばもう少し激しく動いても構わんな」

 「っふざけ...!っんぁ!あっ!」

 言葉の途中にも関わらず、奥まで突き上げられて艶のある声が口から発されてしまう。
 それが嫌で身を捩るが、そのせいで余計に感じてしまって自分で自分に腹が立った。

 「抱き潰してやるから安心しろ」

 クックッと笑った悪魔は今までよりも激しく腰を動かす。

 「ひぁっ!あっ!んんッ!ふぁッ!ァあッ!」

 何も安心出来ないし、潰されても困る!

 そんな思考の中、口から出ていく嬌声にすら気を回せなくなって来て、ただ快感に喘ぐ事しか出来なかった。


 そして宣言通り、私は足腰が立たなくなるまで犯され続け、解放されたのは結局、太陽が真上まで昇った昼過ぎ頃だった。


 いくら死人出さない為に血をやろうとしたとはいえ、どうしてこうなった
 私絶対判断間違ったと思う。

 もうやだコイツ。
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