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本編 2 『婚約者』

第2-15話 問題勃発!?13歳の衝撃

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シュタイザー侯爵家の執務室で、サイラス、エドに愛を告げられたベリーは、『考える時間が欲しい』と伝え、自宅の自室へと転移した。
  
ベリーは混乱と心の乱れを抱えて布団に横になった。彼女の頭の中では、サイラスとエドに告げられた言葉と、自分自身の複雑な気持ちが入り混じり、まるで迷路のように錯綜していた。

「はぁ…参った。メロドラマかよって」とベリーはつぶやき、目を閉じて深い考えに耽っていた。

そんな呟きに反応したのは、さっきまで酒瓶抱えてヘソ天でひっくり返ってたウルだった。


ウル《ん~?どったのぉ~?ついにエドとサイラスに『ラブどっきゅん♡』されちったぁ?》


「……あんたねぇ。はぁ…私がこんなに悩んでるっていうのに、呑気なものよね。てか、酒瓶離しなさいよ飲兵衛うさぎ。そのナリで酒飲んでたら犯罪よ犯罪!」


ウル《yoyoyo♪恋のジレンマで頭がパニック?ハートのバイブレーション、もう止まらない!チキチキ♪
チクチクと心をつつくナイフ!yoyo。でも何も言えずに堪えるサイフ、フッ、フッ!yoチェケラッチョ♪》


ベリー「…………」また何か始まったわ阿呆うさぎ。


ウル《ボーイズのことが気になって眠れずッ、睡眠不足?ohno-フレンズは「OKすれば?」とズバリッ!
胸の高鳴りがコントロール不能♪まるでカオス、もう止められない!ノンストップッ♪》


ベリー「…………友達居ないわよ」


ウル《愛すること、不安なこと、すべてが混じり合ってフルコンボ。チキチキ♪愛したい気持ち止まらない、もう止まれない!Loveどっきゅん♡
どうすりゃいいかわからないッ、けどこの想いを伝えたいッ、今すぐ愛を!君に届けたい、その想いを~♪ジャン!》


ベリー「……ウルのリサイタルは終わりました?なに今のラップは…」


ウル《ボクが考えた『ラブどっきゅんラップ』だお。で?で?どう?悩み解決したナリか?》


ベリー「そうね……って、するかボケぇー!!」 

んな変な歌で解決するなら最初から悩んでないわ!尻尾ニギニギの刑に処してやるからコッチ来い阿呆うさぎ!

この後、酒瓶抱えて飛び回るウルを捕まえるべく、存分に暴れまくったベリーは、ベッドに突っ伏し朝まで起きなかった。


ウル《悩め悩めぇ。時間はたっぷりあるからねぇ。おやすみベリーちゃん》

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【ユージの部屋】

ところ変わって、こちらはベリー邸にあるユージーンの部屋。その場には、侯爵家から戻った3人の男が額を突き合わせていた。ビールの入ったグラスを手に持って。

そんな彼等の話題は、ヴェルディ侯爵に教えられた様々な情報についてだ。酒が入った男達の話は尽きない。お互いがライバルだが、歳の近い彼等は仲良し3人組なのです。


ユージ「取り敢えず、乾杯!!」

エド&サイラス「「乾杯!!」」

グラスを合わせ、まずは一口。「「「ぷッは~」」」

エド「っかぁ!この“”ビール“”ってのはマジで美味いな!もうエールなんて飲めないわ」


この世界の酒は主に“”エール“”という酒で、発酵させた麦芽に、シナモンやカルダモン等のスパイスを混ぜた物で、温くて酸味が強く不味いのだ。


ユージ「やっぱり日本のビールは美味いよな。ベリーに感謝だわ」


ベリーは前世から酒好きだったので、自宅の庭に酒小屋を作り、色々な酒を醸造している。元々が研究肌だったので、化粧品や洗髪剤なども手作りしている。


サイラス「ニホンって色々と発展してるよなぁ。生活水準もそうだけど、識字率がほぼ100%だろ?あとメシ!ベリー様がたまに作る“”ニホン食“”が凄ぇ美味い!『美食の国』って言われてるんだったか?」


サイラスは一応男爵家の子息だが、実家が貧乏だったので、質素な生活、質素な食事だった。学園に通える貯えも無く、5歳で出奔し騎士を目指していた。

座学は騎士養成所で、脳筋先生にサラッとしか教えて貰ってなかったので、ベリーと初めて会った時はあまり頭が良くなかった。

今は人並み以上に優秀だが、そこまで育てたのは当時3歳~5歳のベリーと、10代前半のユージなのです。

その頃から彼等と一緒にいるエドとサイラスは、ニホンの事を色々と聞いていた。そして感銘を受けていた。それは、ベリーの作る食事もそうだった。


エド「分かるわぁ。ハンバーグとカラアゲとカリーが最高に美味いよな。ミライも大好物だよ」


ユージ「美食…そうだな。新鮮な食材と繊細な調理法が特徴で、季節の変化や地域の特産品に敏感で、食材の持つ旬の味を堪能する文化が根付いてんな」

あとは酒だよな。地域によって色んな地酒があって、種類が豊富なんだよなぁ。

……日本酒が飲みたくなってきた……ベリー作ってくれないかな……


サイラス「“”旬の味“”か……行ってみたいなニホン……
ところで話は変わるが、さっきの侯爵様の話だが、どう思う?俺は、別にベリー様に迷惑掛けないなら“”放っとけば良い“”と思ってるが」 

というかどうでも良いな。好きにやれって思うわ。


エド「キャロル嬢なぁ。ディルムンド隊長が、ちゃんと手綱握ってくれてれば良いんだがなぁ。あの子ぶっ飛んでるだろ?色々と」

“”貴方が私のヒーローね“”とか言われたしな。マジ恐怖だわ。


ユージ「“”私はヒロインよ“”ってやつな。ハーレム築こうとして失敗して、今は近衛の隊長と良い感じなんだっけ?クマみたいな大柄の男なんだろ?」

ベリーが好きそうなタイプのゴリマッチョだっけか?


サイラス「そう。あの城に召喚された時に、門から案内してくれた騎士隊長な。凄ぇデカくて厳つかったわ。鬼人族のギルマス並じゃないか?」

ベリー様が筋肉見てウットリしてたんだよな。俺もあれくらい鍛えれば、興味持って貰えるんだろうか……


エド「あの人な、厳ついけど凄ぇ優しいんだよ。特に小さい子供にな。年の離れた妹が居たんだけど、魔物に殺されてんの。それからかな?小さい子に敏感に反応するの」

孤児院とか浮浪児に施ししてるもんな、あの体格と顔で怖がられてっけどな……泣かれてるの何回か見たわ。


ユージ「それは……キャロル嬢の事も守る対象として引き取ったんかな?」

妹さんと重ねて見てるんか?え、じゃあ擁護的な感覚?


サイラス「そりゃ、本人に聞かないと分からんだろ。で、どう思う?放っとくか、ベリー様に伝えるか」

まぁ、いちいち聞かないけどな。庇護でも愛でもどっちでも良いし。


エド「ん~。言わなくて良いんじゃない?なんか被害が遭ったわけじゃないし。何かしてきても守れば良くね?」

守らなくても自分で解決するだろうけどね。“”やられたら、やり返す!“”って常に言ってるし。


ユージ「だな。ただでさえ俺達の事で悩ませてるのに、これ以上要らん心配させるのも良くないしな」

心配というか、マジギレするなアイツなら。『次から次になんなのよ!放っときなさいよ!』って。



侯爵の話とは、ここ数日で起こった『別邸での出来事』のアレコレだった。まず一つがキャロルの引っ越しの件だ。

ディルムンド隊長が、所属している第3部隊から数十人ほど引き連れて別邸に現れ、あっという間に引っ越しが完了。

隊長は侯爵に面会をし、『自分に任せて欲しい』と頼んできたのだとか。“”侯爵家との離別“”も提案してきて、今後一切関わらない事を誓っていったのだと。

3人は、『結界外で自由の身になった事』を、どの規模で警戒すれば良いか?ベリーに伝える必要があるのか?等を話し合う事にし、ユージの部屋に集まったのだ。

結果、『伝えない』という結論に至った。『成り行きを見守ろう』と。

そして話題は、もう一つ教えられた件について移行した。それは、『現在のビターズ王国の情勢』だった。正直、こっちの話の方が厄介だったのだ。


ユージ「ビターズ王国って、ミライくんの祖国だろ?あと、侯爵夫人の」

ピアスだったか?ピアなんとか夫人。一応ベリーの産みの親。


エド「ああ…本当に胸糞悪い国だよな。戦争の準備ってさぁ…で、反対してきた奴等を見せしめで処刑…」

そんなヤバい国なのに、神は天罰を下さないのかね。処刑は御法度じゃなかったか?


サイラス「その筆頭だったのが、クロフォード家。ミライの実家か…殺されるのが分かってたから、ミライだけ逃がしたんだろうな」

連れて来たヤツは追っ手に殺されたか、魔物に食われたのかもな。この世は弱肉強食。もしそうなら不憫だな。


『ビターズ王国』は、王を筆頭に脳筋集団が統治しており、政治手腕が皆無の国なのだ。国全体が要塞のようになっていて、『力こそ全て』を掲げている。

そんな国で産まれた子供は、3歳の洗礼式で振るいにかけられるのだ。戦闘系なら国の庇護下に置かれ、大事に育てられるが、生産系なら生涯奴隷だ。

ただ、奴隷といっても生活環境はそこまで悪くない。食物や武器を作り、献上してれば罰せられる事はないからだ。そして、見目が良い男女は王に気に入られれば寵愛を受けられる。そうすれば生涯安泰だ。

そんな脳筋国家が戦争の準備をしているらしく、もしかしなくても『ユージ達に出兵命令が下される可能性がある』と告げられたのだ。

正直言って、勘弁して欲しいと思ってる。でも、騎士として、Sランクとして、出兵命令には従わなければならない。本当に厄介だ。


ユージ「戦争に至った経緯が、生産奴隷の相次ぐ不審死で、食糧難になったからだっけ?疫病かな?」

なんだっけ、コレラとか?黒死病……ペストか。衛生環境悪そうだしな。


エド「疫病なら国に蔓延してるだろうし、“”戦争しよう“”なんて発想にならなくね?てゆうかよ、食糧難なら周辺国に援助要請すれば良くねぇか?」

脳筋にそんな発想は無いんかね。ん?それを提案したヤツが処刑されたんだったか?


サイラス「ゴクッ。ふぅ…」不審死なぁ。酷使されすぎて過労死ってやつかもな。「あのな、その援助要請を提案した奴等が処刑されたんだろ?『戦争は…』って渋った奴等も」


ユージ「さすが“”脳筋国家“”だよな。他国に弱みを見せたくないんだろ。シュガーズ国王は援助を申し出るって言ってんだっけ?」

戦争賛成派のハゲ宰相とそれで揉めてるんだったな。『我が国の軍事力を見せ付けるべきだ!』だっけ?


サイラス「ああ。だが、聞く耳持たないだろうな“”要らん!それより国を寄越せ!“”って突っぱねそう」

だから戦争なんだろうよ。


エド「なぁ、出兵は絶対辞退出来ないだろ?向こうの兵士と殺り合うとして、ビターズの軍事力ってどの程度なんだろうな。俺が思うに大した事なさそうな気がするんだけど」


サイラス「軍事力は分からんが、“”大した事ない“”って言えるのは称号持ちだけじゃないか?ギザに怯えてた近衛兵なんて使い物にならんだろ」

というか、ギザが闇魔法で異空間に放り込めば一瞬で終わるな。まぁ、アイツは参加させねぇけどな。


ユージ「軍事力なぁ……武器製造の技術が、どの程度発達してるのかにもよるんじゃね?」

銃なんかが開発されてたら、剣じゃ太刀打ち出来ないだろうな。通用するのは魔法か?でも、詠唱中に撃たれて終わりだろうな。


サイラス「あれか?弾丸を撃ち出す鉄の筒だったか?“”ショットガン“”って名前の武器だっけ?なぁエド、そんな事を言ってたよな俺のベリー様」

指先から《ショットガン!》って撃ち出して、的当てしてたんだよな。当たらなくてブーブー言ってたの可愛かったな。


ユージ(“”ショットガン“”は流石にないだろ。せいぜい作れても火縄銃くらいじゃねぇかな)


エド「な~に~が~だコラ。だろうが。ってか俺さ、ぶっちゃけ求婚断られても良いんだよね。というか、100%断られるな。はは!」

“”兄ちゃん“”だもんなぁ。として全く意識されてねぇのな。年上すぎて恋愛対象外なんだろな。


酒が進むにつれ、戦争の話から、いつの間にか恋愛話に移行していった。男子会も女子会並に話が飛ぶ飛ぶ。


ユージ「お前さぁ、弱気すぎだよ。そんな気持ちでいたら、真剣に考えてくれてるベリーに失礼じゃん。15歳まであと二年半か?最後まで諦めないで、一途に愛を貫く姿勢を見せろって」

積極的にアプローチして、デートに誘ったり、一緒に過ごす機会を増やす努力をしろよ。
必要な覚悟を決めて告白したのであれば、その気持ちを大切にして行動しろよな。そうすりゃ良い方向に進むかもしれねぇだろ。


サイラス「ユージ……お前大人になったな。は感動した。うんうん。エド、諦めるな!男を見せろ!デートに誘えデートに。ミライと一緒に行くでも良いし、2人っきりで過ごすでも良い。ベリー様をキュンキュンさせて来い!“”お兄ちゃん“”返上だ!」

俺も返上しないと。というか、なんで俺がお母さん的存在なんだ?不本意だが俺は男にモテる。が、女顔じゃないぞ?線は細いが筋肉はあるし。


エド(ユージ、サイラス酔ってね?目がトロントロンだし、妙な色気が出てね?)コソッ。

ユージ(ん?ん~。確かに…コレに惚れてる騎士のアイツって、この色香にやられたんだろうな…)コソッ。

エド(あー、なんだっけ?モキイ2級騎士だっけ?)コソッ。

ユージ(そうそう。「サイちゃん一回だけ!」って追い掛け回してるアイツ。エドもあれくらい積極的にいけば?)コソッ。

エド「アホか!永久に嫌われるわ!」

結婚できなくても良いけど、軽蔑されたり、嫌われるのは嫌だわ!

サイラス「あっはは!嫌われろ嫌われろぉ~!存分に~」

エド「うっせー酔っ払い!お前も本性晒して嫌われろ!このエロ魔人が!」

サイラス「あ゙?んだと童〇ヤローが」

エド「あ゙?んなのユージもだから!」

ユージ「おい。俺を巻き込むなよ。2人で殺ってろオッサンズ」


ユージのこの一言で、エドとサイラスがヒートアップし、口喧嘩が勃発。実にくだらない内容での喧嘩だ。そして最終的に矛先がユージに向かった。「お前だけズルい」と。『ほぼ毎日の同衾』と、『口付け済』にだ。

「もう、暫く出来ないし」と言っても、「今まで散々やってたんなら良いだろ!」と返され、それからずっと、あーだこーだと責められまくった。

そのまま夜を明かし、気付けば『ギャオコンドル』の鳴き声が響く時間帯になっていた。それで酒盛りが終了し、各々「じゃ、また」と部屋を出た。

で、廊下でバッタリ遭遇したベリーに、「クッサイ!今まで飲んでたの?サイラスまで…」と鼻を摘まれた。

「ゔッ…すぐに身支度整えてきます!」と先を急ごうとしたら、「イイから待て飲兵衛さん」と引き留められ、

「はぁ…良いわよねぇ。酒飲んで、騒いで喋って、日頃の鬱憤晴らしたり出来るんだもの」とグチグチと小言を言われ、最後は「今日は護衛要らないわ。さっさと部屋戻ってろや」と、シッシッとされた。

「あ!いやでも護衛は……」必要……と言いかけたが、ギンっと睨まれ、「いいから寝てなさいよ!そんなにフラフラじゃ、まともに護衛出来ないでしょ!」と怒鳴られ、部屋に強制転移させられた。


そのあとベリーは、3人の部屋の扉に結界を張り、中に閉じ込めた。ウルに頼んでスリープで強制的に眠らせ、丸一日おひとり様ライフを堪能した。


「おひとり様って最っ高~!」

ネチネチ小言を言うママもいない、纏わりつく元恋人もいない、エドもミライもウルもいない。

その清々しさに味をしめたベリーは、この日から度々行方を晦ます事になるのだが、その新たな自由さに心躍らせていた。

そんな日々がしばらく続いてたある日、13歳になったベリーは一人でフラッと冒険者ギルドを訪れた。

そこで、いつもと違う不穏な空気を感じとり、「なんだろ?」と不安なまま依頼ボードを見てビックリ!

いつもはビッシリと依頼書が貼ってあるそのボードはスッカラカンで、中央に一枚だけ緊急依頼の用紙があり、みんなそれを見て「ウソだろ」 「マジか」 「俺らも?」と口々に言い、不安に駆られていた。

そんな空気の中、2階からギルマスの低音ボイスが響き渡った。


『冒険者ランクD以上の者に告ぐ!国より通達があり、戦争への出兵命令が下された!資格を持つ者は強制参加となる!各々準備して西の国境へと向かうように!以上!』


ベリーは、国からの通達に目を疑った。戦争への出兵命令なんて、想像だにしていなかった。しかも、資格を持つ者は強制参加という言葉に、心がギュムッと鷲掴みされたように傷んだ。

その場で膝から崩れ落ちそうになり、「ベリー!!」咄嗟に支えてくれた腕に縋りついた。「ユ、ユージ!せ、戦争、戦争に参加…強制だ…って」

ガタガタ震える身体をギュッと抱き締められ、「今日は屋敷に帰ろう」と、ユージがそっと囁いた。
その温かな声に支えられて、私は少しだけ落ち着いた。ユージの腕の中で、彼の安心感に包まれながら、私はただただ頷くことしかできなかった。
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