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本編 2 『婚約者』

第2-1話 12歳。あれから3年

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波乱の生誕祭が終わり、乙女ゲームオープニングストーリーを何とか?成功させたっぽい(ヤミーちゃんが、熊の騎士って言ってた)キャロル美亜

聞いた時は、熊の騎士!?って驚いた。キャロルの好みじゃなさそうだし。でも、一応「おめでとう」と言っといた。本人には届かないだろうけどね。

そんな幸せ?なキャロル美亜が、前世で一番好きだった、ゲームシナリオの時期がやってきた。

それが、12歳で貴族子女、子息、一部の平民が通う『学園』だ。

『一部の平民』とは、特殊スキル持ち。精神系や錬金術。特殊属性持ち。聖属性、光属性、氷属性、精霊魔法。
王家御用達商人の跡継ぎ、Bランク以上の冒険者、王の推薦があった者をいう。

12歳。今年12歳になったんだよ。学園入学の歳。キャロルは学園に通うのか?と、パパンに聞いてみた。

「ああ」と短く答えていた。凄いイヤな顔をして…

どの立ち位置で?と聞いたら、ヤミーちゃんが教えてくれた。


ヤミー《ビターズ王国の、貴族令嬢だよぉ。ピアーズの腰巾着侍女の実家の養女になって、留学生として入学するんだって》


「え?その侍女って、生誕祭の日に馬車から蹴飛ばされたっていう人?骨折る怪我したんでしょ?普通なら怨みそうじゃない?なんで協力してるの?」


凄い驚いて、前のめりで質問した。

「それについては私めがお教え致します」と、話し出したセバスさん。「お願いします」

全て聞いて、「ほぇぇ」と変な声が出た。

生誕祭の日、大泣きしたキャロル美亜は、茫然自失で別邸まで帰り、居合わせたピアーズに頬を打たれた。
それにキレたキャロル美亜が、背後に回り込み、階段の上から突き落とした。

その辺の話は、ヤミーちゃんに聞いてたから知ってる。『キャロル美亜の大泣き』は衝撃だった。

ピアーズは、顔と腕を擦りむき、足首を捻挫しただけで済んだが、(スゲェ頑丈だよね)キャロル美亜に対して恐怖を覚え、顔を合わす度に悲鳴をあげるようになる。

侍女も同じ状態で、会う度に怖がるもんだから面白くなったキャロル美亜は、色々と要求を出すようになったと。

料理人をクビにして、本邸の料理人(見習いだけど)を別邸へ。

ピアーズの小遣いで別邸に商人を呼び買い物三昧。

ビターズ王国から、見目の良い護衛騎士を呼び寄せた。

侍女の家の養女になり、学園入学の段取りを付けた。

これをキャロル美亜がやったと。「ほぇぇ」だよね。階段から突き落としたり、馬車から蹴り落としたり、ホント危ない子だよね。恐ろしい子!


「凄い!としか言えないわぁ。そういえば、熊の騎士さんがキャロル美亜の王子様じゃなかったの?
なんか、連絡取り合ってるんでしょ?文通だっけ?それなのに学園へ行って男漁りするの?熊騎士さん可哀想じゃない」


侯爵 「ディルムンドな。近衛騎士第3部隊隊長の。あれは『王子』じゃないだろう」


ウル《初めて優しくしてくれた大人だから、懐いたって感じぃ?ほら、キャロルって凄い暴虐女だから、みんな敬遠してたでしょ?なのに、こう、ナデナデされて、嬉しかったんじゃない?》


「はぁ。なるほど…じゃあ、『恋人』とかそんな感じじゃないのね」


侯爵 「29歳と12歳だしな。17歳差か?そこまで離れてると、『親子』だな。
しかも平民だからなディルムンドは。煌びやかな世界が好きなキャロルにはディルムンドはムリだろ」


17歳差くらい大丈夫じゃない?平民って……キャロル美亜だって平民でしょ……じゃ無かったかぁ。今は貴族令嬢だったわ。

でも、キャロル美亜って、煌びやかな世界はキライだったはずよ。
宝石やブランド物は好きだったけど、シャンデリアがキラキラしてる会場とか、目が痛いって言ってたし。

前世でも、パーティがある度にイライラしてたんだよね。しおらしく、大人しく、お嬢様をしなきゃいけなかったから、良い男がいても積極的に話し掛けたりしちゃダメだったし。

そんなんだから、パーティ後は鬱憤を晴らすようにクラブ通ったり、ホストに貢いだりしてたのよ。私の名前でね!!

でも、あれかな?日本の煌びやかな世界は嫌ってたけど、この世界のなら好きなのか?なんせイケメンが多いからね。

シャンデリアのキラキラは苦手だけど、イケメンのキラキラは大好物だもんな美亜。

前世の美亜のアレコレを思い出していたら、パパンに「ところでベリー」と名前を呼ばれた。「何ですか?」


侯爵 「冒険者ランクがBになったんだったな?」


「あ、そうなんです。この間、依頼で隣領まで行く道中で「ぐへへぇ」って盗賊に絡まれて、ウルが《スリープ》で眠らせて、私が《バインド》で拘束し、衛兵に引き渡したんです。
そしたら、依頼完了報告の時に鬼ギル様に褒められてぇ。Bランクになったんです。で、それが何ですの?」


鬼ギルのウェード様が、褒めながら頭めっちゃ撫でてくれたのよぉ。間近でご尊顔を堪能したわ。ついでに角も触らせて貰ったの。あれは至福だったなぁ。


侯爵 「報告には聞いていた。無事で何よりだ。
そうそう、12歳でBランクになった女性が初めてでな、ギルドから学園への入学推薦が届いているんだ。王立学園の剣闘士科なんだが、行くか?」


剣闘士…何故に剣闘士?魔法科じゃないんかーい!騎士科とかさ。
剣闘士って、闘技場で見世物として剣で戦う人の事じゃなかった?
学園という闘技場で、剣で戦う女剣士として見世物になれと?そういう事ですか何処ぞのギルドの方。


侯爵 「剣闘士科ってのは、騎士や兵士を目指す為に剣術や格闘技を鍛える科だな。冒険者で上を目指すヤツは、そこで剣術等を鍛えながらSランクを目指したりする」


「じゃあエドも通ってたんですか?Sランクですよね?」


侯爵 「エドワードは通ってないな。推薦はあったが、12歳の時に単独で、Sランクの白大蛇を討伐したから、学園に通わずSランクになったんだ。まぁ、向こうが断ってきたんだ。「そんなに強いなら、学園で教える事はありません」って」


「ひぇー。単独でSランクの魔物討伐ですか。白大蛇って建物丸ごと飲み込める程デカいんでしたっけ?魔法も剣も効かないって資料ウルに聞きました。それを討伐……強いとは思ってましたけど、エドって規格外ですね」


あ、サイラスも討伐出来るかも。エドと剣の腕が互角だし、英雄(仮)だからな。

んで、話を戻すけど、何故に私が物騒な名前の科に入らんとならんの?剣術スキルはあるけど、レベル超ーーー低いよ?普段は魔法だし。
ランクDの冒険者と同レベルだよ?才能ないんじゃ?と思って、ビキニアーマーで大剣は諦めたのよ?

そんな私が剣闘士科?ギルドからの挑戦状か?それか、隣領の女ギルド長からの嫌がらせ?

あの女、サイラスにドッキューンなんだよね。

普通さ、ギルド長って、達成報告の度にホールに顔出さんくない?それなのに、私達がギルドに来ると、2階からわざわざ降りて来て、サイラスに猛アピールすんの。

サイラスはその度に「気持ち悪いですね」ってボソッと呟くのよ。吹き出しそうになって困るわ。

で、アピールしても見向きもされないから、矛先を私に向けてウザ絡みしてくるの。


「護衛にやらせたらダメよ?自分で討伐しなきゃ達成にならないの。依頼失敗として処理するわ」


って、依頼失敗にされて、「罰金払ってね」と言われたんだよね。つい最近。

まぁ、サイラスがプチッとキレて文句を言ったら、渋々依頼達成と罰金無しになったけど、
「サイラス様、失敗のフォローも大変ね。私が癒してあげたいわ」と、懲りずにサイラスにアピールしてんの。

くねっくね身体くねらせて。軟体動物みたいなの。「漏れそうならトイレ行けば?」って言ってやったわ。

「女の子がそんな言葉、下品な子」って言われたから、「行き遅れ女。ドンマイ」って哀れんであげたのよ。

「行き遅れ」の意味が分かってなかったのか、首を傾げてたから、「婚期逃したオバサン」って言い捨てて来たのよね。ドアの向こうから「キーキー」聞こえたわ。ははは!

日本では女が25過ぎて独身でも普通だったけど、この世界の女性って、20過ぎてもまだ独身だと、「いわくつき」と思われるんだよね。

それと、『10代で既婚者』になるのがステータス(『勝ち組』ってやつ)になるから、『20過ぎても独身』だと、バカにされる。だから、女ギルド長のような必死な人がいるのだ。

そんな女ギルド長からの嫌がらせ推薦か?と思ったから、「どこのギルド長からですか?」ってパパンに聞いた。

パチパチって高速瞬きという、あの女の得意技を真似しながら。

あれ見た時、「目痛いならポーションぶっ掛けようか?」って思わずポーション取り出したのよ。
食い気味に、「要らないわよ!!」って怒鳴られたけどね。


侯爵 「ん?ベリー目が痛いのか?セバス、ポーションを……」


「待って待って!セバス大丈夫だから、痛くないから。お父様もポーション要らないから。ね?」

特大ブーメランが戻って来ましたぁ!自分が言ったことが、そっくりそのまま返って来ましたぁ。さすが親子!


侯爵 「そうか?なんか異変を感じたらすぐ言いなさいね。で、話を戻すが、推薦人は『隣領のギルド長ヴィクセンさん』だな。女性ギルド長の。「剣術の才能が素晴らしいので学園でもっと鍛えてSランクを目指してほしい」って書いてあるな」


っかーー!ほらやっぱり!何が「剣術の才能が素晴らしい」だよ!見た事ねぇだろーが!

てか、名前が『ヴィクセン』って、女狐じゃん!前のギルド員三人娘の名前も「意地悪」とかだったし、誰か狙って付けてんの??

てか、名前のせいで性格曲がってんじゃないの?『カインド』とか『テンダー』とか『スウィート』って名前に改名しろよ!少しは優しく甘くなるんじゃね?

私なんて、『ストロベリー』だよ!イチゴだよ?甘くて酸っぱいんだよ。性格も甘くて酸っぱいよ!

……いや、甘くて酸っぱい性格ってどんなんさ!自分で言って自分にツッコんだわ。


「はぁ。ヴィクセン女狐からの挑戦状ですか。剣術スキルがDランクしかない私への。そのレベルを引っ提げて剣闘士科でボコボコにされて来いというメッセージですか。
そうですか、そうですか。で、お父様は学園に行ってほしいと暗に言っていると。そういう事ですか」


侯爵 「ベリー?違う、違うよ?ベリーが行っても退屈だろうから、行かなくて良いんだ。
プライドだけは一人前な貴族子息ばかりの科だから、女冒険者がいると、大した強くもないのに、上から目線でバカにしてくるかもしれないんだ」


はぁ。なるほど有り得るね。「生意気!」とか、「女のくせに」とかね。想像できるよ。うん。


侯爵 「そんな事されたらベリーはコテンパンにしちゃうだろ?貴族ってのはバカでな、剣闘士科で怪我など普通の事なのに、「ウチの子に怪我させたのは誰だ!」って怒鳴り込んで来るヤツもいるんだよ」


いや、バカ過ぎん?怪我が嫌なら騎士目指すなよ。一般教養のクラスとか、そっち行けよ。常識科とかさ。あるか知らないけど。


侯爵 「で、怪我させた家に慰謝料を請求したり、平民や下位貴族なら権力で脅し、学園から追い出したりするんだ。アホな貴族子息を叩きのめして、アホな貴族に金なんぞ払いたくないだろ?だから、行かなくて良いんだ」


ん~。確かに絡まれたら、ぶっ飛ばすな。男なら拳で、女なら言葉で。その度に慰謝料請求?払わんな。「やられたら、やり返す」だし。
私の辞書に『慰謝料を支払う』という言葉は存在しないのだ。だって、私悪くないし。

前世でも、今世でも、だいたい悪いのは相手だし。『慰謝料を払え』なら辞書にあるよ。「金で誠意を見せろ」だよ。

どこぞの小説の善人みたいに、「お金は要りませんよ。謝罪頂ければ…」とか、絶対に言わないよ。謝罪で腹は膨れないもんねぇ。

だから、もし学園に行って絡まれたら、倍返しして尚且つ慰謝料請求するね。うん。絶対に。


「お父様、そういう酷い目に遭ってる子って素直に支払うんですか?支払い義務もないのに?
教師は見て見ぬフリなんですか?貴族の権力に屈する学園って、意味あります?
生徒を守る立場の教師が、権力に逆らえない?馬鹿げてると思いません?大人が注意しないから付け上がるんじゃないです?」


侯爵 「そうだな。やはり権力に逆らえなくて、借金してまで支払う親が大半だな。
教師も、学園のトップも、ヘコヘコするのばかりだ。平等を謳ってるんだが、やはり序列はあるな」


「謳い文句があるなら、権力に屈せず、弱い立場の子供を守ってほしいですよね。『教師』って、生徒の見本なんですから。
高位貴族でも、下位貴族でも、平民でも、悪い事したら叱らないと。誰も怒らないから、良い悪いの区別がつかなくて、傲慢な大人になるんだと思いますよ」


侯爵 「教師が生徒の見本……そうだな。頭が良いだけじゃなく、見本と成りうる大人として生徒を導く。そんな人が教師なら学園ももっと良くなるだろうな」


その後も、そんな話をパパンと続けていたら、「で、行くのか?」と聞かれたので、「ちょっと考えてみます」と返事をした。

何故「行かない」と言わなかったのかって?
そりゃ、絡まれたら「お尻ペンペン」でもしてやろうかと思ってね。「わるいごはいねがぁ」って言いながら。

いや、嘘です。お尻ペンペンはしません。『ナマハゲ』にもなりません。

ただ単にの女友達が……の友達が欲しいのです。
学園になら一人くらい、『立夏ちゃん』みたいな奇特な存在もいるかなぁ?って思ってね。それで『考える時間を』と言ったのです。


サイラスに、「そろそろお暇しましょう」と言われたので窓の外を見たら、日が沈み出していた。

昼頃に来たから長居し過ぎたようね。「では」と、ソファから立ち上がり、「また来るね」と手を振って部屋を出る寸前、「ユージーン殿下は?」と聞かれたので、「まだ帰ってきませんね」と首を振った。

「いい返事を貰えると良いな」と言われたので、「ふふふ。そうですね…」と返して部屋を出た。

心配させちゃってるなぁ。と、申し訳なく思いながら、サイラスと転移して屋敷に帰った。

ハクや、ちびっ子メイド達に「おかえりなさいませー」と帰宅の挨拶をしてから、夕飯を食べた。

メニューは、グラタンと温野菜サラダ、塩フランスパン。うん。美味しい。
「ご馳走様」をして、サロンのソファに座り、読みかけの本を読んでたら、ポチが桃の果実水を入れてくれた。

よく、異世界系の漫画とか小説には紅茶が出てくるんだけど、この世界の紅茶がちょっと苦手なんだよね。

前世では、無糖のアールグレイとかルイボスティーを好んで飲んでたんだけど、この世界の紅茶って渋みが強いというか、雑味がするっていうか……
「淹れ方の問題?」って思ったけど、アル兄様が「コレが普通だね」って言ってたから、茶葉がダメなんだなって思った。

まぁ、緑茶もあるし、コーヒーもあるし、果実水もあるから、あえて紅茶を飲む必要がないんだけどね。


「ポチありがとう。とっても美味しいよ」と、いつもの如く頭を撫で、今日はスモークチーズをご褒美としてあげたら、《ベリーしゃま、ありがとワン!》と尻尾ブンブンで去って行った。

「ふぅぅ」と息を吐き出し、ふと空を見上げ、考えるのはユージの事。

生誕祭が終わって1年ほど経ったある日。護衛の仕事が終わって、普段着で部屋に来て、
たわいも無い話をしながら、チューしてギューしてとイチャイチャしてたら、城にて影武者をしている人から通信で連絡があり、ユージの祖国から帰還命令があったと報告を受けたのだ。

「帰って来るな」と放っぽり出した上での「帰還命令」だ。穏やかじゃない。「何か嫌な予感がする」と口がへの字になってた。

「一時も離れたくない…」とごねてたけど、少し考えるような仕草をしたと思ったら、「やっぱ、ちょっと行ってくるわ。籍抜いてもらってくる」と、連絡を受けた次の日には祖国へと旅立って行った。


「国の手前まで転移で行くから、移動には時間は掛からないと思うけど…向こうの要求がろくな事じゃない気がするんだ。それと、縁切りにも時間が掛かりそうなんだ。でも、絶対に全部終わらせて帰って来るから待ってて」と言って、存分にガッツリとキスしてから旅立ったよ。


あれから約2年、帰って来ていない。

ウルが見に行ってくれてるけど、《あー、いやー、ユージなら大丈夫ぅ。だと思うよぉ?》と、ハッキリと何してるのかを教えてくれないの。

「何聞いても怒らないから。教えて?心配なのよ」と言っても、《ベリーちゃん、ユージを信じて待ってて》って言うだけで口を閉ざすのよ。

何回聞いても同じ返事しかしないから、最近は聞かないようにしてる。

何となく分かるんだよね。生誕祭→ユージ兄参加→他国と挨拶→ユージ王族&未婚→女性紹介→お見合い→逃げれない。みたいな?まぁ、確証はないけどね。

《ユージは大丈夫》ってウルが言うなら信じるさ。

でもね、流石に2年放ったらかしにされると、心配よりもイライラしてくるのよ。

「こっちから行こうかな」って呟いたら、「行ってもユージには会えませんよ」ってサイラスにツッコまれた。

んなぁこたぁ分かってんだわぁ。ユージーン殿だからねぇ。こっちはの冒険者だしぃ?
立場が違ーーう!って言いたいんでしょ?

腰に手を当て、下から睨み付けながら、何処ぞのヤンキーみたいに凄んでみた。オラオラって。


サイラス 「はぁ…私に色目を使っても、ユージの代わりは出来ませんよ?おやめ下さい」


「色目ぇ?色目……ちっがーう!こう、下から睨んでるの!オラオラぁーって!破落戸みたいに!」


ユージの代わりは誰もなれないもん。サイラスはお母さん枠だもん。


サイラス 「……ああ!破落戸ですか。くくくっ。ベリー様がやっても、可愛くて絆されるだけですね。猫がフシャーって威嚇してるみたいですよ」


ウル《ベリーにゃん?にゃんにゃんベリーにゃん。ピンクの猫にゃんにゃん》


「2人してバカにしたにゃぁあああ!!」


サイラス (早く帰って来いユージ。ベリー様が限界を迎える前に。このまま放ったらかしにしとくと、本当に突撃して行きますよ)


「にゃんにゃん」と、サイラスとウルにバカにされた日から数日後、『学園への入学』についての返事をする為、パパンのところへ来ました。

ユージの事は一旦置いといて。

良く考えたよ。めちゃくちゃ……は、考えてないな。ウルとサイラスに相談して決めたよ。うん。


「お父様。王立学園への推薦入学、謹んでお受け致します。剣闘士科でスキルを磨こうと思います」


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