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本編 最強冒険者
story210/永遠に愛してる
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「今日から皆さんは、忙しい日々に突入することになりますが、
それは新しい国を円滑に統治するためなので、皆さん一丸となって頑張りましょう」
「「「はい!!」」」
宣誓を終え、執務室へと戻り、各々が自分の今日からの動きを確認し終わったあと、
お父さんの声掛けで皆んな一斉に返事をし、動きだした。
今日から暫くフォルティエへ滞在するため離れ離れになるアレクと抱き合い、
「行ってらっしゃい…気を付けてね。ちゅっ」
「ああ。行ってくるな。ちゅっ。寂しくなったら転移して来い。皆んなもお前が来たら喜ぶだろうしな」
「…うん。じゃあねアレク。ちゅ」
「おう!」ブロロロロ…
あーあ行っちゃった。別に今生の別れじゃないんだけどね。ずっと一緒に居たから少し離れただけで寂しいんだよ。
(ふぅ。自由に簡単に行き来できればなぁ。
異世界漫画でお馴染みの“転移魔法陣”とかさ“転移扉”とかあればなぁ…)
「無かったら、作れば良いんじゃんホトトギス。冷蔵庫も作れたんだし、原理さえ分かれば簡単じゃない?」
作れたらヤバくない?
“玄関開けたら秒で学校“に憧れた学生時代…寝坊する度に何度欲しいと思ったか…
青いロボットが腹ポケから取り出すあの扉…どこでも行けちゃうあの扉…
日本じゃ作るの無理だけど。異世界、しかも魔法が使えるこの世界なら実現可能なのでは?
「ヤダしゅごい!もし完成したら是非ともヴェルくんのお腹から出して貰いたい!」
白いウェストポーチを魔法鞄に作り変えて、ヴェルくんが装着して、お決まりセリフと共に出して貰いたい!
「僕ワックワクしてきた!そうと決まれば塩田とかキビ畑なんて後回しだよぉ!」
ゴンッ「痛ぁぁあい!ってお父さんなんで殴るの!」
「翔馬。あなたさっきからブツブツと…何を言ってるのかと耳を澄ませて聞いてみれば…全く!
どこ○も○アは後にしなさい!造れたら凄いし、輸送が楽になるので有難いですが、今は塩田とキビ畑です!」
ヤッバイ無意識に声に出してたのか!
……怒なお父さん怖いナリ…
「じゃ、じゃあ!畑作り終わったら、ドア作っていい?
空飛ぶ竹とんぼも考えたんだけど、やっぱり転移ドアのほうが良いと思うんだ!」
「はぁ。分かったから落ち着きなさい。キチンと自分の役割りをこなしたら好きにしなさい」
(実はお父さんもちょっとワクワクしてます)コソッ。
(やっぱり!完成したら一番に見せるね)コソッ。あ、一番はアレクかな?残念だけどお父さんは2番目だな。
「ふふふ。ええ、楽しみにしてますね。では私も出掛けるから畑作り頼んだよ翔馬」
「はぁい。行ってらっしゃい!穏便にねぇ!」
その場で転移して消えたお父さんを見送り、ガイアさんにエスポア、ルナ、ヴェルくんを預けて、
「畑作り手伝う」と言ったマイキーと、
「ボクもマイキーと一緒に手伝います…」と言ったロイアくんを連れ、建設予定地までやって来た。
「手伝う」と言ってくれたのは嬉しいんだけどさぁ。毎度お馴染み、ユアゾン開いてドドンと表示!
もうさ、お金後払いするから、必要施設バンバン建てちゃってよレディス神様。
フェリス様とヴェルム様、スラム街一掃した時の報奨金、製紙工場の利益。
それらがたんまりあるから少し減っても大丈夫だからさ。念話で報告してくれればお金払うからさ。
(レディス様ぁ!聞こえてるなら、キビ畑作ってよぉ!
もう収穫出来るくらいまで育てちゃってよぉ!僕作りたい物があるからさ!お願いレディス様!)
『あら、愛し子ちゃん。話し掛けてくれるなんて嬉しいわ♡塩田とキビ畑は任せて頂戴♡
管理者AIと従業員AIも付けてあげるから、この先の収穫なんかも安心して頂戴な♡』
(えっ!?本当にやってくれるの!お金はどうやって払えば良い?)
『お金は要らないわよ?ヴェルムの仕出かしに対するお詫びだと思って受け取って頂戴な♡
それと、ヴェルムを引き取って育てて欲しいのよ。それに対するお詫びとして携帯電話をプレゼントしたわ。
その世界でも使えるように改良してあるから、連絡を取りたい相手に渡してあげなさい。じゃあねぇ』
マジかぁ!やり過ぎレディス様、またまたやり過ぎですねぇ。異世界で携帯とは…カイトとニクスが喜びそう。
「ショウ兄ちゃん?固まってどうしたの?」
「マイキー、ロイアくん。お手伝い必要無くなったよ。
実はねぇ、運命神が塩田の設備を用意してくれてね、キビ畑も作ってくれるって念話で確約してくれたの」
あはは。驚いてる驚いてる!まぁ…そりゃ驚くよねぇ。
「…愛し子って、本当に凄いね…」
「…………う、うん」
このあと、建設予定地にズガーーンッと塩田設備が現れ、AI作業員が忙しなく働きだした。
そして、少し離れた場所に巨大な温室が眩い光と共に建ち上がり、恐る恐る近付き中を覗いたら…
「な、な、なんじゃこりゃー!サトウキビの大群!しかも目が付いてて動いてるんだけどぉ!」
「マ、ママ…これ何?草の魔物?ウネウネしてて気持ち悪い」
「…小さいゴーレムがいっぱい…ウネウネ緑がいっぱい…
あ、あれ、自ら潰れに行ってる…サラサラ白い粉になって山になってる…」
これは本当にやり過ぎだよレディス様!小さいゴーレムがちょこちょこ動いてるのは可愛いけどぉ!
動くサトウキビは怖すぎる!潰れる瞬間のあの目!なんで恍惚な表情してるのぉ!
まるで砂糖になるのに喜びを感じてるような表情…
ヤダぁ!この現場を見たあとに砂糖使ったお菓子とか料理とか口にしたくないぃ。
…自分の口に入る分はユアゾンから購入しよう…
塩田もキビ畑も神の力によって簡単に精製出来るようになったので、報告の為にサイラスくんの元へ行った。
会頭室には居らず、従業員の面接をしているのだろう。
そう思って報告書を作成して机に置いて商会を出て、マイキーとロイアと別れ家路についた。
そのまま大広間へと入り、ユアゾンからメルヘンチックな扉を購入し、魔石に転移魔法を付与して取り付けた。
「よぉし、出来た!」
僕が行ったことある場所にしか行けないから、先ず最初に行く所は…
「ふふふ。やっぱりアレクと離れてるの寂しいからぁ。フォルティエへ先回りして待ってようっと」
パパとかユリウス兄様、セバスリンさんにも会いたいしね。それにニクスとエク兄様の様子も気になるしぃ。
繋げるトビラはフォルティエ家のアレクの部屋のドアにしようかな。
«アレクの部屋に転移!»
「到着ぅ。うわぁ久しぶりに来たな。全然変わってない!トビラに魔石取り付けたら兄様に挨拶行こうっと」
ということで、取り付け終わったのでユリウス兄様の執務室へと向かった。
コンコンコン…
{ん?どうぞ、お入り下さい}
カチャ…「失礼しまぁす。お久しぶりですユリウス兄様」
あれ?ニクスが居ないのは想定内だけど、セオドアさんも居ないなぁ。
「……えっと。どちら様でしょうか…」
え!?僕の顔忘れちゃったの!?なんで!?
「ユリウス兄様…僕のこと忘れちゃったの?ショウマだよぉ」
なんでそんなに驚いた顔してるの…しかも固まって動かないし…悲しいよぉ。
「…ショ、ショウマくん!?アレクレスと結婚した!?か、髪が髪の毛が真っ黒ぉぉお!」
あ、そうだった。容姿変わってたんだった。
「実はね──と色々あってねぇ。毎日濃すぎる日々を過ごしてるんだぁ。ふふふ」
「…それはまた…大変でしたね…
それより偉大な大魔導師様がお父上とは…家系も規格外なのですね」
「ははは。本当にねぇ。僕も吃驚しちゃったもん!」
「ふふふ。それで、新国ボナジャルダン建国の件と、
ダウィン侯爵の所業、アレクレスがこちらに向かってる事、転移扉の件、全て了承しました」
「ありがと兄様!ニクスとエク兄様には会えますか?臨月だから無理かな?」
「大丈夫ですよ。食事の時間には顔を出しますから。そこで会えますよ。なので夕食一緒に食べて行きなさい」
「ありがとう!じゃあ一回家に帰って子供達も連れてくるねぇ!」
「ふふふ。お子様たちに会えるの楽しみにしてますね」
「はぁい!」
このあと一度自宅に戻り、エスポアを迎えに幼稚園へ行き、
マイキーとルナ、ヴェルくんを連れ、五人でフォルティエ家へ舞い戻った。
(パパは絶対ヴェルくん見て興奮するだろうなぁ。抱えて離さないんじゃない?ふふふ。想像できちゃうな)
案の定、出会った瞬間、
「そのピンクの目!まさかショウくん!それにルナちゃ~ん!そ、そ、それと子虎ちゃん!白い子虎ちゃん!」
「愛し子、この者はなんでしゅか!わ、我は子虎ちあう!亜神ヴェリュムなのら!」
「おお!喋れる虎ちゃんなのか!う~ん!可愛いのう」
真っ先にヴェルくんを捕まえてスリスリしながら食事の間に連れてっちゃった。
苦笑しながらパパについて行き、ニクスやエクシェル兄様、セバスリンさんと再会し、賑やかな食事時間を過ごした。
その次の日の昼頃アレクが屋敷に到着し、吃驚させようと僕たちが出迎えたんだけど、
「よお!出迎えご苦労ショウマ!」と気配を察知していたので全然驚いてくれなかった。
その反応に、「く、悔しい!」と胸をポカポカ叩いたんだけど、
商品取り引きの契約を終えたあと案内した転移扉には目を見開き唖然としていた。
「ぷぷぷ。驚いた?玄関開けたら秒で自宅!
この転移扉を商会同士で繋げたら、輸送が超ラクでしょ?だから作っちゃった!てへへ」
それにこの扉があればユリウス兄様たちもすぐ会いに来れるしねぇ。
「全く…お前は発想が凄いな。くくくっ。じゃあ契約も終わったし、扉を使って帰るとするか。ちゅっ」
「んッ…ふふ。うん!マイキー、ルナ、ヴェルくん、さぁ帰るよぉ!フォルティエ家の皆んなまたねぇ!」
ちなみに、携帯電話はフォルティエ家の皆に渡したよ!その際のニクスの反応は号泣でした(笑)
そしてヴェルくんにはイベントリを付与した白いポーチをプレゼントし、
困惑しているヴェルくんに、あのセリフをお願いして扉を仕舞って出しての行為をして貰った。
それを見て、「リアルド○え○ん!!ヤバ可愛いぃ!」と叫んだのは言うまでもない。
それからの日々はあっという間に過ぎていき、僕とアレクはとうとう40歳になった。
だけど…不思議なことに全く見た目が変わらないので調べてみたら、
魔力が多い人は老けないらしいという吃驚な事実が判明した。
まあ、なので相変わらずラブラブ、イチャイチャして毎日を過ごしています。勿論SEXもしてます。ふふふ。
あ、因みに新国はめちゃくちゃ発展して、王都ウォルデンよりも人口が増え、島の面積も2倍くらい増えました。
地球、日本で産まれ育ち、18歳という若さで生涯を終え、
気付いた時には異世界を管理する神様に魂を拾われており、新しい身体とスキルを与えられ転生した。
あの日から約22年という長いような短いような期間に色々と、本当に色々とあり。
ただ一人の人を愛し、そして愛され続け、全ての困難を一緒に乗り越えて、今日まで共に歩んで来た。
「これからもずっと愛してるよ、ショウマ。ちゅっ」
「んッ…ふふ。僕も永遠に愛してるよ、アレク」
「…はぁ。幾つになってもイチャイチャと…息子の前でやめてよねぇ。行こうマッシュ。ちゅっ」
「あ、うん。でも、仲良いのはいい事だと思うよエスポア。ボクはお父上達に憧れちゃうな」
「そうでしょ?ふふふ。ほら二人共、早く行かないと。結婚式の打ち合わせの時間に間に合わないよ」
「「はぁい!行ってきまぁす!」」
子供達も成長し、マイキーはロイアと恋人に、
カイトはナビアと結婚し、なんとチビウサギちゃんを産みました。
ルナとヴェルムは成人まで地上におり、今は天界へ戻り管轄区域を守ってます。
まぁ、フェリス様が嫌がる二人を強制回収していったんだけどね(笑)
今も昔も変わらず仲の良い家族と一緒に、波乱万丈な日々を過ごし、
これからもボナジャルダンで幸せに暮らしていこうと思います。
~~完~~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつもご覧いただきありがとうございますm(_ _)m
「腐男子、転生したら最強冒険者に溺愛されてる」
の、ショウマとアレクのお話はこれで完了です。
微妙な最後になってしまってモヤモヤするかもですが…
次話から番外編を執筆していこうと思ってます。
ユリウスの話、ガイア×翔馬父の話、ダウィン侯爵のその後の話。とまぁ色々閑話として公開していきます。
公開の際は是非ご覧頂ければと思います。m(*_ _)m
それは新しい国を円滑に統治するためなので、皆さん一丸となって頑張りましょう」
「「「はい!!」」」
宣誓を終え、執務室へと戻り、各々が自分の今日からの動きを確認し終わったあと、
お父さんの声掛けで皆んな一斉に返事をし、動きだした。
今日から暫くフォルティエへ滞在するため離れ離れになるアレクと抱き合い、
「行ってらっしゃい…気を付けてね。ちゅっ」
「ああ。行ってくるな。ちゅっ。寂しくなったら転移して来い。皆んなもお前が来たら喜ぶだろうしな」
「…うん。じゃあねアレク。ちゅ」
「おう!」ブロロロロ…
あーあ行っちゃった。別に今生の別れじゃないんだけどね。ずっと一緒に居たから少し離れただけで寂しいんだよ。
(ふぅ。自由に簡単に行き来できればなぁ。
異世界漫画でお馴染みの“転移魔法陣”とかさ“転移扉”とかあればなぁ…)
「無かったら、作れば良いんじゃんホトトギス。冷蔵庫も作れたんだし、原理さえ分かれば簡単じゃない?」
作れたらヤバくない?
“玄関開けたら秒で学校“に憧れた学生時代…寝坊する度に何度欲しいと思ったか…
青いロボットが腹ポケから取り出すあの扉…どこでも行けちゃうあの扉…
日本じゃ作るの無理だけど。異世界、しかも魔法が使えるこの世界なら実現可能なのでは?
「ヤダしゅごい!もし完成したら是非ともヴェルくんのお腹から出して貰いたい!」
白いウェストポーチを魔法鞄に作り変えて、ヴェルくんが装着して、お決まりセリフと共に出して貰いたい!
「僕ワックワクしてきた!そうと決まれば塩田とかキビ畑なんて後回しだよぉ!」
ゴンッ「痛ぁぁあい!ってお父さんなんで殴るの!」
「翔馬。あなたさっきからブツブツと…何を言ってるのかと耳を澄ませて聞いてみれば…全く!
どこ○も○アは後にしなさい!造れたら凄いし、輸送が楽になるので有難いですが、今は塩田とキビ畑です!」
ヤッバイ無意識に声に出してたのか!
……怒なお父さん怖いナリ…
「じゃ、じゃあ!畑作り終わったら、ドア作っていい?
空飛ぶ竹とんぼも考えたんだけど、やっぱり転移ドアのほうが良いと思うんだ!」
「はぁ。分かったから落ち着きなさい。キチンと自分の役割りをこなしたら好きにしなさい」
(実はお父さんもちょっとワクワクしてます)コソッ。
(やっぱり!完成したら一番に見せるね)コソッ。あ、一番はアレクかな?残念だけどお父さんは2番目だな。
「ふふふ。ええ、楽しみにしてますね。では私も出掛けるから畑作り頼んだよ翔馬」
「はぁい。行ってらっしゃい!穏便にねぇ!」
その場で転移して消えたお父さんを見送り、ガイアさんにエスポア、ルナ、ヴェルくんを預けて、
「畑作り手伝う」と言ったマイキーと、
「ボクもマイキーと一緒に手伝います…」と言ったロイアくんを連れ、建設予定地までやって来た。
「手伝う」と言ってくれたのは嬉しいんだけどさぁ。毎度お馴染み、ユアゾン開いてドドンと表示!
もうさ、お金後払いするから、必要施設バンバン建てちゃってよレディス神様。
フェリス様とヴェルム様、スラム街一掃した時の報奨金、製紙工場の利益。
それらがたんまりあるから少し減っても大丈夫だからさ。念話で報告してくれればお金払うからさ。
(レディス様ぁ!聞こえてるなら、キビ畑作ってよぉ!
もう収穫出来るくらいまで育てちゃってよぉ!僕作りたい物があるからさ!お願いレディス様!)
『あら、愛し子ちゃん。話し掛けてくれるなんて嬉しいわ♡塩田とキビ畑は任せて頂戴♡
管理者AIと従業員AIも付けてあげるから、この先の収穫なんかも安心して頂戴な♡』
(えっ!?本当にやってくれるの!お金はどうやって払えば良い?)
『お金は要らないわよ?ヴェルムの仕出かしに対するお詫びだと思って受け取って頂戴な♡
それと、ヴェルムを引き取って育てて欲しいのよ。それに対するお詫びとして携帯電話をプレゼントしたわ。
その世界でも使えるように改良してあるから、連絡を取りたい相手に渡してあげなさい。じゃあねぇ』
マジかぁ!やり過ぎレディス様、またまたやり過ぎですねぇ。異世界で携帯とは…カイトとニクスが喜びそう。
「ショウ兄ちゃん?固まってどうしたの?」
「マイキー、ロイアくん。お手伝い必要無くなったよ。
実はねぇ、運命神が塩田の設備を用意してくれてね、キビ畑も作ってくれるって念話で確約してくれたの」
あはは。驚いてる驚いてる!まぁ…そりゃ驚くよねぇ。
「…愛し子って、本当に凄いね…」
「…………う、うん」
このあと、建設予定地にズガーーンッと塩田設備が現れ、AI作業員が忙しなく働きだした。
そして、少し離れた場所に巨大な温室が眩い光と共に建ち上がり、恐る恐る近付き中を覗いたら…
「な、な、なんじゃこりゃー!サトウキビの大群!しかも目が付いてて動いてるんだけどぉ!」
「マ、ママ…これ何?草の魔物?ウネウネしてて気持ち悪い」
「…小さいゴーレムがいっぱい…ウネウネ緑がいっぱい…
あ、あれ、自ら潰れに行ってる…サラサラ白い粉になって山になってる…」
これは本当にやり過ぎだよレディス様!小さいゴーレムがちょこちょこ動いてるのは可愛いけどぉ!
動くサトウキビは怖すぎる!潰れる瞬間のあの目!なんで恍惚な表情してるのぉ!
まるで砂糖になるのに喜びを感じてるような表情…
ヤダぁ!この現場を見たあとに砂糖使ったお菓子とか料理とか口にしたくないぃ。
…自分の口に入る分はユアゾンから購入しよう…
塩田もキビ畑も神の力によって簡単に精製出来るようになったので、報告の為にサイラスくんの元へ行った。
会頭室には居らず、従業員の面接をしているのだろう。
そう思って報告書を作成して机に置いて商会を出て、マイキーとロイアと別れ家路についた。
そのまま大広間へと入り、ユアゾンからメルヘンチックな扉を購入し、魔石に転移魔法を付与して取り付けた。
「よぉし、出来た!」
僕が行ったことある場所にしか行けないから、先ず最初に行く所は…
「ふふふ。やっぱりアレクと離れてるの寂しいからぁ。フォルティエへ先回りして待ってようっと」
パパとかユリウス兄様、セバスリンさんにも会いたいしね。それにニクスとエク兄様の様子も気になるしぃ。
繋げるトビラはフォルティエ家のアレクの部屋のドアにしようかな。
«アレクの部屋に転移!»
「到着ぅ。うわぁ久しぶりに来たな。全然変わってない!トビラに魔石取り付けたら兄様に挨拶行こうっと」
ということで、取り付け終わったのでユリウス兄様の執務室へと向かった。
コンコンコン…
{ん?どうぞ、お入り下さい}
カチャ…「失礼しまぁす。お久しぶりですユリウス兄様」
あれ?ニクスが居ないのは想定内だけど、セオドアさんも居ないなぁ。
「……えっと。どちら様でしょうか…」
え!?僕の顔忘れちゃったの!?なんで!?
「ユリウス兄様…僕のこと忘れちゃったの?ショウマだよぉ」
なんでそんなに驚いた顔してるの…しかも固まって動かないし…悲しいよぉ。
「…ショ、ショウマくん!?アレクレスと結婚した!?か、髪が髪の毛が真っ黒ぉぉお!」
あ、そうだった。容姿変わってたんだった。
「実はね──と色々あってねぇ。毎日濃すぎる日々を過ごしてるんだぁ。ふふふ」
「…それはまた…大変でしたね…
それより偉大な大魔導師様がお父上とは…家系も規格外なのですね」
「ははは。本当にねぇ。僕も吃驚しちゃったもん!」
「ふふふ。それで、新国ボナジャルダン建国の件と、
ダウィン侯爵の所業、アレクレスがこちらに向かってる事、転移扉の件、全て了承しました」
「ありがと兄様!ニクスとエク兄様には会えますか?臨月だから無理かな?」
「大丈夫ですよ。食事の時間には顔を出しますから。そこで会えますよ。なので夕食一緒に食べて行きなさい」
「ありがとう!じゃあ一回家に帰って子供達も連れてくるねぇ!」
「ふふふ。お子様たちに会えるの楽しみにしてますね」
「はぁい!」
このあと一度自宅に戻り、エスポアを迎えに幼稚園へ行き、
マイキーとルナ、ヴェルくんを連れ、五人でフォルティエ家へ舞い戻った。
(パパは絶対ヴェルくん見て興奮するだろうなぁ。抱えて離さないんじゃない?ふふふ。想像できちゃうな)
案の定、出会った瞬間、
「そのピンクの目!まさかショウくん!それにルナちゃ~ん!そ、そ、それと子虎ちゃん!白い子虎ちゃん!」
「愛し子、この者はなんでしゅか!わ、我は子虎ちあう!亜神ヴェリュムなのら!」
「おお!喋れる虎ちゃんなのか!う~ん!可愛いのう」
真っ先にヴェルくんを捕まえてスリスリしながら食事の間に連れてっちゃった。
苦笑しながらパパについて行き、ニクスやエクシェル兄様、セバスリンさんと再会し、賑やかな食事時間を過ごした。
その次の日の昼頃アレクが屋敷に到着し、吃驚させようと僕たちが出迎えたんだけど、
「よお!出迎えご苦労ショウマ!」と気配を察知していたので全然驚いてくれなかった。
その反応に、「く、悔しい!」と胸をポカポカ叩いたんだけど、
商品取り引きの契約を終えたあと案内した転移扉には目を見開き唖然としていた。
「ぷぷぷ。驚いた?玄関開けたら秒で自宅!
この転移扉を商会同士で繋げたら、輸送が超ラクでしょ?だから作っちゃった!てへへ」
それにこの扉があればユリウス兄様たちもすぐ会いに来れるしねぇ。
「全く…お前は発想が凄いな。くくくっ。じゃあ契約も終わったし、扉を使って帰るとするか。ちゅっ」
「んッ…ふふ。うん!マイキー、ルナ、ヴェルくん、さぁ帰るよぉ!フォルティエ家の皆んなまたねぇ!」
ちなみに、携帯電話はフォルティエ家の皆に渡したよ!その際のニクスの反応は号泣でした(笑)
そしてヴェルくんにはイベントリを付与した白いポーチをプレゼントし、
困惑しているヴェルくんに、あのセリフをお願いして扉を仕舞って出しての行為をして貰った。
それを見て、「リアルド○え○ん!!ヤバ可愛いぃ!」と叫んだのは言うまでもない。
それからの日々はあっという間に過ぎていき、僕とアレクはとうとう40歳になった。
だけど…不思議なことに全く見た目が変わらないので調べてみたら、
魔力が多い人は老けないらしいという吃驚な事実が判明した。
まあ、なので相変わらずラブラブ、イチャイチャして毎日を過ごしています。勿論SEXもしてます。ふふふ。
あ、因みに新国はめちゃくちゃ発展して、王都ウォルデンよりも人口が増え、島の面積も2倍くらい増えました。
地球、日本で産まれ育ち、18歳という若さで生涯を終え、
気付いた時には異世界を管理する神様に魂を拾われており、新しい身体とスキルを与えられ転生した。
あの日から約22年という長いような短いような期間に色々と、本当に色々とあり。
ただ一人の人を愛し、そして愛され続け、全ての困難を一緒に乗り越えて、今日まで共に歩んで来た。
「これからもずっと愛してるよ、ショウマ。ちゅっ」
「んッ…ふふ。僕も永遠に愛してるよ、アレク」
「…はぁ。幾つになってもイチャイチャと…息子の前でやめてよねぇ。行こうマッシュ。ちゅっ」
「あ、うん。でも、仲良いのはいい事だと思うよエスポア。ボクはお父上達に憧れちゃうな」
「そうでしょ?ふふふ。ほら二人共、早く行かないと。結婚式の打ち合わせの時間に間に合わないよ」
「「はぁい!行ってきまぁす!」」
子供達も成長し、マイキーはロイアと恋人に、
カイトはナビアと結婚し、なんとチビウサギちゃんを産みました。
ルナとヴェルムは成人まで地上におり、今は天界へ戻り管轄区域を守ってます。
まぁ、フェリス様が嫌がる二人を強制回収していったんだけどね(笑)
今も昔も変わらず仲の良い家族と一緒に、波乱万丈な日々を過ごし、
これからもボナジャルダンで幸せに暮らしていこうと思います。
~~完~~
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いつもご覧いただきありがとうございますm(_ _)m
「腐男子、転生したら最強冒険者に溺愛されてる」
の、ショウマとアレクのお話はこれで完了です。
微妙な最後になってしまってモヤモヤするかもですが…
次話から番外編を執筆していこうと思ってます。
ユリウスの話、ガイア×翔馬父の話、ダウィン侯爵のその後の話。とまぁ色々閑話として公開していきます。
公開の際は是非ご覧頂ければと思います。m(*_ _)m
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完結おめでとうございます、お疲れさまでした🎉
番外編を心待ちにしています!
完結おめでとうございます!
ダウィン侯爵の件気になっていたので番外編書いてくれるとのこと嬉しいです(*^^*)
毎日更新本当にありがとうございました😊
ノア吉様。コメントありがとうございます"(ノ*>∀<)ノ
そして読んで頂けて嬉しいです(((o(*゚▽゚*)o)))
ショウマとアレクが主役のstoryはここで一旦完結なのですが、
ダウィン侯爵の事件は解決までちょっと長い閑話storyになる予定です🫠💦
公開の際は是非ともまたお付き合い下さいm(_ _)m
作者。リョンコ🎶
なるほど~サイラスくんと。アリですねw
新しい国、加護持ちばっかり😅💧
怒らせると怖い人たくさん(笑)
精神的に追い込む作戦、より怖い気がしているのは私だけ?
亜人をバカにして差別して、ショウパパも怒りますよね、愛するガイアさんのためにも。
シェリーさん達とは離れちゃったけれど、アレクさん家族たち限定で来られるようにすることもショウくんなら出来そう🤣
愛し子を息子の嫁にと企んでいたけれど、愛し子も英雄も敵にまわした事にいつ気づくのかな……w
コメントありがとうございます❀.(*´▽`*)❀.
グレイン×サイラス。不憫同士でくっ付けちゃいます♡
登場人物が増えてきて、わちゃわちゃ\( ॑꒳ ॑ \三/ ॑꒳ ॑)/してますが大丈夫ですかね😅
シェリーやニクス達と簡単に会う為に、商品の輸送を簡単に行う為に、翔馬アレを作っちゃいます!
ドラちゃんでお馴染み「○○○○ドア〜」です(笑)
次話では登場しませんが……🚪
そして、侯爵破滅へのロンドは、翔馬パパが積極的に動きます・*・:≡( ε:)`ロ゚;)
英雄を怒らしたらダメですよ〜🙅♀️って感じで……
いつもありがとうございます🙇♀️(*´∇`)ノ ではでは~✋