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本編 最強冒険者
story200/恋の行方〈前編〉
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閲覧下さってる皆様✨いつもありがとうございます🙇♀️
そして、コメントを下さる方、本当に感謝です🙏
「腐男子、転生したら最強冒険者に溺愛されてる」
を書き始めてから約2ヶ月が経ち、拙い文章ながらもとうとう200話まできました🙋♀️
どこまで話が続くのか、作者である私自身も把握してませんが、もう少しだけ物語は続く予定です☺️👍
200話記念…ということではないですが、新キャラ「翔馬の父親」の恋の行方を書きました📖´-
ちょっと、いや、かなり長いです😖💧
「興味無いよ!」と思うかもしれませんが…読んで頂けたら幸いですm(*_ _)m
ではでは新話「恋の行方〈前編〉」をお楽しみ下さい🥰
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
年甲斐もなくオーガ族のイケメン、ガイアに恋してしまった私は、その恋心を明かすつもりはなかったのです。
ひっそりと想い続け、誰かと幸せになる姿を見られれば、それだけで良かったのです。
だから、シャイナくんと仲睦まじくしている姿を目の当たりにしても平気…だったのです。
なのに…二人から逃げるように新国へと転移し、空に向かって恋心を呟いた瞬間、後ろから突然抱き締められ、
そして抱き上げられ、対面になって至近距離で見つめてくるガイアに、
「俺もマシロが好きだ。その天真爛漫な笑顔が俺の心を捉えて離さない。好きだマシロ」
と囁かれ、次の瞬間にはクチビルが重なっていた。
驚き過ぎた私は数秒だけ思考が停止し、気が付いた時には肉厚な舌で、口内を蹂躙されていた。
くちゅくちゅと唾液が絡まる音が私の耳に響いて聞こえ、激しい口付けに息も乱れ、
「んふッ…んんッ」と、鼻から息を吐く度にくぐもった喘ぎを漏らした。
好きな人にキスされるのは嬉しいのです。とても。
だから、このまま堪能していたいのですが、ダメです…ダメだよガイア…キミにはシャイナくんが…
いくら好きでも、人の恋路を邪魔してまで結ばれたくないのです…
それに私は不老不死の138歳。老いぼれなんです。だから…やめてよガイア…
そう思ったら、自然と涙が溢れてきて、頬を伝って流れ落ちた。
もう枯れたと思ってたのに…ここに来て二度目の涙です。イヤですね、涙腺が壊れてしまいましたかね。
そんな事を思っていたら、「ヂュッ」と舌を思い切り吸われ、「んぁッ…」声が漏れ出たと同時に、唇が離れた。
「マシロ?なぜ泣く?口付けが嫌だったか?
悪かった…初めて恋した相手と同じ気持ちだと分かったから、触れたい衝動が止められなかった」
(え…初めて…恋した相手?私が?え?シャイナくんは?)
「お前の泣き顔を見ると心臓が痛くなる…笑ってくれマシロ。ちゅっ。俺はお前の笑顔がみたい。ちゅ」
「んッ…」
いや、もう驚き過ぎて涙なんか引っ込みましたよ!ガイアってキス魔なのでしょうか?
さっきから軽く啄んだり、ぐちゅぐちゅと口内犯したり激しいです…しかもめちゃくちゃ上手い…
「んんッ…ふッ……あッ…激しい…んちゅ…」
こりゃ、恋したのは初めてかもしれないが、経験豊富だろうな。手馴れてる…
そう思ったまま、濃厚なキスに翻弄されていたが、唐突に想い出した。なぜガイアが此処に居るのか?
だから、胸元を掴んでる手を緩め、逞しい上腕二頭筋をタップし、クチビルが離れた瞬間に問いかけた。
「んはぁ…はぁ…ガ、ガイア。あの、突然の質問なんだけど、キミはなんでココにいるの?
キャンピングカーのリビングで、シャイナくんとイチャイチャしてなかった?」
「マシロ可愛いな。頬が真っ赤だ」
「だ、か、かわ…そ、そんな事ありません!やめてよ恥ずかしい…で?質問の答えは?」
「なんでココに居るのか。の答えは。マシロが術を発動する時に、咄嗟にお前の服を掴んだからだな。
リビングのソファにシャイナと一緒に居たが、あれはイチャイチャじゃないぞ。あれがアイツの通常だ。
お前を威嚇してたのは警戒心が強いからだな。それと、凄ぇ寂しがりで、俺が近くにいる時は離れねんだ」
一緒に転移したからココに居るのは分かった。うん。
で、シャイナは警戒心が強く、寂しがり。ガイアから離れない甘えん坊さんか。なるほど…
……いや、イヤイヤ!あの目は完全に私を敵視していたよ!?ガイアにたかる虫の如き睨み付けてたよ!!
「絶対あの子ガイアのこと好きだよね?
それと…たぶんだけど、憶測だけど、二人って身体の関係あるでしょ?」
だって、腕に絡まりながら、ガイアの身体を撫でくりまわしてたの見てたし。
フェアリー族とオーガ族って、確か凄く性欲強い種族だったはずだから、
もしセックスしたことあるのなら、一回や二回のレベルじゃないと思うんだ。そう思って聞いてみたら、
「まあ…シャイナが俺に惚れてる…のは分からんが、性行為をした事は何度かある。
フェアリー族は、妖魔並に性欲が強いから、俺とベスケが…主にベスケが、アイツの処理係ってやつだ」
「やっぱりね…」
で、たぶんだけど、ベスケくんはシャイナが好きだと思うんだよね。
みんなで新国を見て回った時、ずっと嬉しそうにエスコートしてたし。
んで、ロイアくんはマイキーちゃんに惚れてるね。
話してる間、顔がデレデレだったもん。
で、シェロンとマッシューくんは、みんなの癒しマスコット的存在なのだろう。
シェロンとマッシューくん、ナビアちゃん以外は、全員が全員、一方通行の恋をしてる感じだね。
…ん?私とガイアとシャイナくんは三角関係かな??
と、とにかく、以上がみんなの恋愛模様です!三角関係でも、四角関係でもなく、完全に一方通行です!
この情報は、ワタクシ、天城翔陽が、異世界であるモンドディディオの新国からお送りしました。
「やっぱりって…行為自体はした事あるが、お互い欲の発散の為に身体を繋げただけで、気持ちは無いぞ?
狭い世界で、世間から身を隠すように暮らしてた俺たちは、仲間内で欲の発散をするしかなかったからな。
まぁ、ベスケがシャイナに惚れてるのが分かってからは、手を出してはいないがな」
「性欲処理のための行為…」
気持ちが無くても、できちゃうんだね。世界が違えば価値観も違うのか…いや、日本でも一定数そういう人もいたか。
私は無理だな…気持ちが無ければ、触られてもチンコが⤴︎︎︎⤴︎︎︎⤴︎︎︎こうならないし、寧ろ⤵︎ ︎⤵︎ ︎⤵︎ ︎こうだよ。
しっぼしぼに縮んで、亀頭もこんにちはーってしないよ。エリンギがナメコサイズに縮むよ。
「そうだ。ただの性欲処理だ。
だが、もう何年も誰とも行為はしていないし、実は口付けはマシロにしたのが初めてなんだ。
笑われるかもしれないが、口付けは愛する人としかしたくなくてな。幾ら乞われてもしなかったんだ」
「ファ、ファーストキスだったの?にしては、めちゃくちゃ上手だったんだけど。腰砕けちゃったもん」
「ファファスートキス?マシロの元国の言葉か」
「ちっがーう!ファーストキス!えっと、初めての口付けって意味ね」
「ファーストキッスな。理解した。
で、俺のファーストキッスが上手で腰が砕けたってことは、気持ち良かったってことだよな?」
若干ニュアンスが違うけど…まあ良いか。
で、ガイアよ。なんでそんなに嬉しそうに笑って言うの!!き、気持ち良かったけど!う…笑顔素敵です…
新国の中心に頓挫する、どデカいフェリス神像の噴水の前で、完全に二人だけの空間でキスして話して、
傍から見ればラブラブなバカップル状態の私達だったのですが、その空気を分散させるように、
「マシロさん、ガイアに近付かないで。私から彼を取らないで。お願い。彼も私の唯一の存在なの」
泣きながらシャイナが現れ、私達の元に向かってゆっくり歩みを進めてきた。
(“も”ってなに?“彼も”って。まさかこの子、ベスケくんとガイア、二人共が好きなわけ?)
そして私の前でピタッと止まり、威圧を放ちながら、
ヴォンと空気を切るような音を響かせ、私の頬を目掛け思い切り腕を振りかぶった。
ビンタの衝撃に耐えようと目を瞑り歯を食いしばっていたら、
バシーンッと肌と肌がぶつかる音が聞こえたのに、私には全く、これっぽっちも、衝撃が無かった。
(この身は痛みさえも感じないのだろうか…)
なんて思いながら、ゆっくり目を開けたら、私を庇うように目の前にガイアの大きな背中があった。
その行動が嬉しくて、キュンキュンする胸を押さえ悶えていたんだけど、
良く見るとガイアの腕の中にはシャイナが抱え込まれていた。そしてシクシクと泣く彼の頭を撫で、
「シャイナ、ダメだろ人に手を挙げたら。どうしたんだ?そんなに泣いて。昨日から情緒不安定だな」
と優しく声を掛けていた。それに対しシャイナは、
「ガイアが突然居なくなるから心配になって探したの。
マシロさんがガイアを無理やり拉致したのかと思って、怒りと共に腕を振り上げちゃった。ごめんなさい」
と酷く申し訳なさそうに謝ってきたけど、背中越しに私を見つめる目は、憎しみの炎が揺れていた。
「そうだったか。それは悪かった。拉致なんてされてないから安心しろ。だから威嚇するな。大丈夫だから」
頭を撫でられ、嬉しそうに顔を綻ばせてるシャイナくんと、優しく彼に声を掛け宥めるガイア。
そんな二人の姿は、愛情に溢れた恋人同士のやり取りにしか見えず、
勝ち誇ったように笑顔を向けるシャイナに、私は苦笑いを浮かべるしか出来なかった。
(はは。もう二人でお好きなようにやって下さい。あとは若い者同士で存分にどうぞ)
ガイアにキスして貰った思い出があるから、私はそれだけでもう充分だよ。そう思って微笑んでいたら、
「それとは別にシャイナに報告しとく。後でベスケ達を集めて伝えようと思っていたんだが、
実はな…昨日出会ったばかりなんだが、マシロと恋人になったんだ。祝福してくれるよな?」
と、爆弾発言をしたガイアに私は大きく目を見開き驚愕した。
イヤイヤ、「好きだ」とは言われたけど、私もガイアが好きだけど、それは事実だけど…
恋人!?いつなったの?そんな話ししてないですよね!?
まさか、ガイアの中では、好き同士=恋人という図式が出来てるのでしょうか?
ちょっと理解の範疇を超えたので、一旦コマーシャルへ……
じゃなくて、一旦お二人さんクルマにお戻り頂けます?あ、私が家に戻ります?
「…そうなんだ。ガイアはマシロさんが好きなんだね。そっか…誰とも恋はしないって言ってたのに…
だから昨日、私を抱いてくれなかったの?いつもなら激しく求めてくれるのに…
私の誘いを断って、マシロさんと交わってたの?」
……いつもなら。って…最近は行為してないんじゃなかったっけ?あれはウソかい?ガイアさん?
それとシャイナくん、私はガイアと交わってませんよ!さっき彼のファーストキスを貰っただけです!
「誰とも恋はしないつもりだったのは、そんな機会があるとは思ってなかったからな。
あのまま森で一生を過ごすと思ってたし、そもそも出会いが無かったろ?
でも、ここでマシロに出会って初めて恋をしたんだ。そして恋人にもなった」
(おおう…恋人になったの確定ですか。私が老いぼれジジイなのを分かってて言ってるんですかね)
「だから、誤解を与えるような言い方はしないでくれないか?お前を最後に抱いたのは、もう2、3年前だろ。
シャイナがベスケの気持ちを受け入れたあの時に、俺は役目を終えたんだ。だから昨日の誘いは断ったんだよ」
(はい。盛大に誤解しました。最近までズコバコしていたのかと思ってました。ガイア疑ってソーリー)
「あとな、マシロとはまだ口付けしかしていない。
初めての恋人だし、大事にしたいからな。性急なことはしないつもりだ。な、マシロ」
「え!?あ、え…う、うん」
(急に話を振らないでくれません!?そして性急なことはしないって…さっきの濃厚なチッスは性急ではないの?)
「口付け…私がいくら欲してもしてくれなかったのに…
私は、ガイアを愛してるから純潔を捧げたのに!
ベスケを受け入れたのは、溜まる欲を発散させるためだよ!ガイアが抱いてくれなくなったから仕方なく!
今では彼のことも愛してるけど、それ以上に愛してるのはガイアなの!お願い…私を捨てないで…ぐすっ…」
「…悪い。そんな想いを抱いてるなど知らなかった。それに大事な純粋を奪ってしまって申し訳なかった」
「謝らないでよ…そんなことされたら惨めな気持ちになるじゃない!
だったら、申し訳ないと思うんだったら、マシロさんじゃなくて私を選んでよ!!」
この後も「申し訳ない」と謝るガイアと、「愛して」と泣き叫ぶシャイナの、
私の目の前で繰り広げられてる二人の愛の行方を、傍観者の気分で見ていたら、
突如としてシャイナの魔力が膨れ上がり、私を睨み付けたまま罵詈雑言を浴びせてきた。
「マシロさんって、私たち亜人を助けて良い気になってる偽善者、ショウマさんの父親なんでしょ?
しかも、100年以上生きてる不老不死の大魔導師だっけ?見た目は若いけど、ただの爺さんってことよね?
そんな化け物が、ガイアと恋人?笑わせないでよ!
恥ずかしくないわけ?いい歳したジジイが若い男を誑かして!」
「シャイナ貴様!口を慎め!」
その酷い言葉を受け、一瞬だけ立ち尽くしたが、少しずつ自分の表情が硬くなっていくのが分かった。
それでも私は冷静さを保ちながら、言葉を選んで返答した。
「ガイアいいから。シャイナさん。息子は確かに君たちに手を差し伸べたのでしょう。
しかし、それは偽善者ではなく、ただ一人の人間として、
共に生きる存在として大切に思っているからだと思いますよ。あの子は純粋に優しいですからね。
私を罵るのは構いませんが、翔馬を貶すのは看過できません。気に入らないのなら元の場所に帰りなさい」
そう冷たく言い放ったら、唇をかみ締めて尚も睨みつけてきた。その表情に眉を寄せながら苦笑し、更に言葉を重ねた。
「確かに私は不老不死の化け物です。しかも138歳のジジイです。それは認めます。
そして年甲斐もなくガイアに恋をしてるのも認めます。
ただ、恋を成就させるつもりは無かったし、出来るとも思ってませんでしたよ。
貴方とガイアの恋を純粋に応援もしていましたし、今だってガイアが貴方を選ぶなら身を引きますよ」
そうなったら貴方たち二人に、新国で一番いい家をプレゼントしますよ。スローライフ出来るように畑も付けてね!
そして二度と会う事はせず、遠くから幸せを願いますよ。アーメン…
「マシロ!不老不死のお前が化け物なら、不老の俺だって化け物だ。
138歳だからなんだよ。お互いの気持ちが同じなら歳なんか関係ないだろ?
それとシャイナの気持ちは嬉しいが、俺はお前に恋愛事情を持っていない。
だから、家族として愛す事は出来るが、恋人として愛す事は出来ない。
お前は俺みたいなクズより、一途に思い続けてくれてるベスケと幸せになって欲しい」
ガイアがそう告げた直後、シャイナが「うわぁぁあ!」と空気を震わすような雄叫びをあげ、
「許さない、お前だけは絶対に!」«インフェルノ!»
血の涙を流しながら、私に向かって炎の最上位攻撃魔法を放ってきた。
そして、コメントを下さる方、本当に感謝です🙏
「腐男子、転生したら最強冒険者に溺愛されてる」
を書き始めてから約2ヶ月が経ち、拙い文章ながらもとうとう200話まできました🙋♀️
どこまで話が続くのか、作者である私自身も把握してませんが、もう少しだけ物語は続く予定です☺️👍
200話記念…ということではないですが、新キャラ「翔馬の父親」の恋の行方を書きました📖´-
ちょっと、いや、かなり長いです😖💧
「興味無いよ!」と思うかもしれませんが…読んで頂けたら幸いですm(*_ _)m
ではでは新話「恋の行方〈前編〉」をお楽しみ下さい🥰
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年甲斐もなくオーガ族のイケメン、ガイアに恋してしまった私は、その恋心を明かすつもりはなかったのです。
ひっそりと想い続け、誰かと幸せになる姿を見られれば、それだけで良かったのです。
だから、シャイナくんと仲睦まじくしている姿を目の当たりにしても平気…だったのです。
なのに…二人から逃げるように新国へと転移し、空に向かって恋心を呟いた瞬間、後ろから突然抱き締められ、
そして抱き上げられ、対面になって至近距離で見つめてくるガイアに、
「俺もマシロが好きだ。その天真爛漫な笑顔が俺の心を捉えて離さない。好きだマシロ」
と囁かれ、次の瞬間にはクチビルが重なっていた。
驚き過ぎた私は数秒だけ思考が停止し、気が付いた時には肉厚な舌で、口内を蹂躙されていた。
くちゅくちゅと唾液が絡まる音が私の耳に響いて聞こえ、激しい口付けに息も乱れ、
「んふッ…んんッ」と、鼻から息を吐く度にくぐもった喘ぎを漏らした。
好きな人にキスされるのは嬉しいのです。とても。
だから、このまま堪能していたいのですが、ダメです…ダメだよガイア…キミにはシャイナくんが…
いくら好きでも、人の恋路を邪魔してまで結ばれたくないのです…
それに私は不老不死の138歳。老いぼれなんです。だから…やめてよガイア…
そう思ったら、自然と涙が溢れてきて、頬を伝って流れ落ちた。
もう枯れたと思ってたのに…ここに来て二度目の涙です。イヤですね、涙腺が壊れてしまいましたかね。
そんな事を思っていたら、「ヂュッ」と舌を思い切り吸われ、「んぁッ…」声が漏れ出たと同時に、唇が離れた。
「マシロ?なぜ泣く?口付けが嫌だったか?
悪かった…初めて恋した相手と同じ気持ちだと分かったから、触れたい衝動が止められなかった」
(え…初めて…恋した相手?私が?え?シャイナくんは?)
「お前の泣き顔を見ると心臓が痛くなる…笑ってくれマシロ。ちゅっ。俺はお前の笑顔がみたい。ちゅ」
「んッ…」
いや、もう驚き過ぎて涙なんか引っ込みましたよ!ガイアってキス魔なのでしょうか?
さっきから軽く啄んだり、ぐちゅぐちゅと口内犯したり激しいです…しかもめちゃくちゃ上手い…
「んんッ…ふッ……あッ…激しい…んちゅ…」
こりゃ、恋したのは初めてかもしれないが、経験豊富だろうな。手馴れてる…
そう思ったまま、濃厚なキスに翻弄されていたが、唐突に想い出した。なぜガイアが此処に居るのか?
だから、胸元を掴んでる手を緩め、逞しい上腕二頭筋をタップし、クチビルが離れた瞬間に問いかけた。
「んはぁ…はぁ…ガ、ガイア。あの、突然の質問なんだけど、キミはなんでココにいるの?
キャンピングカーのリビングで、シャイナくんとイチャイチャしてなかった?」
「マシロ可愛いな。頬が真っ赤だ」
「だ、か、かわ…そ、そんな事ありません!やめてよ恥ずかしい…で?質問の答えは?」
「なんでココに居るのか。の答えは。マシロが術を発動する時に、咄嗟にお前の服を掴んだからだな。
リビングのソファにシャイナと一緒に居たが、あれはイチャイチャじゃないぞ。あれがアイツの通常だ。
お前を威嚇してたのは警戒心が強いからだな。それと、凄ぇ寂しがりで、俺が近くにいる時は離れねんだ」
一緒に転移したからココに居るのは分かった。うん。
で、シャイナは警戒心が強く、寂しがり。ガイアから離れない甘えん坊さんか。なるほど…
……いや、イヤイヤ!あの目は完全に私を敵視していたよ!?ガイアにたかる虫の如き睨み付けてたよ!!
「絶対あの子ガイアのこと好きだよね?
それと…たぶんだけど、憶測だけど、二人って身体の関係あるでしょ?」
だって、腕に絡まりながら、ガイアの身体を撫でくりまわしてたの見てたし。
フェアリー族とオーガ族って、確か凄く性欲強い種族だったはずだから、
もしセックスしたことあるのなら、一回や二回のレベルじゃないと思うんだ。そう思って聞いてみたら、
「まあ…シャイナが俺に惚れてる…のは分からんが、性行為をした事は何度かある。
フェアリー族は、妖魔並に性欲が強いから、俺とベスケが…主にベスケが、アイツの処理係ってやつだ」
「やっぱりね…」
で、たぶんだけど、ベスケくんはシャイナが好きだと思うんだよね。
みんなで新国を見て回った時、ずっと嬉しそうにエスコートしてたし。
んで、ロイアくんはマイキーちゃんに惚れてるね。
話してる間、顔がデレデレだったもん。
で、シェロンとマッシューくんは、みんなの癒しマスコット的存在なのだろう。
シェロンとマッシューくん、ナビアちゃん以外は、全員が全員、一方通行の恋をしてる感じだね。
…ん?私とガイアとシャイナくんは三角関係かな??
と、とにかく、以上がみんなの恋愛模様です!三角関係でも、四角関係でもなく、完全に一方通行です!
この情報は、ワタクシ、天城翔陽が、異世界であるモンドディディオの新国からお送りしました。
「やっぱりって…行為自体はした事あるが、お互い欲の発散の為に身体を繋げただけで、気持ちは無いぞ?
狭い世界で、世間から身を隠すように暮らしてた俺たちは、仲間内で欲の発散をするしかなかったからな。
まぁ、ベスケがシャイナに惚れてるのが分かってからは、手を出してはいないがな」
「性欲処理のための行為…」
気持ちが無くても、できちゃうんだね。世界が違えば価値観も違うのか…いや、日本でも一定数そういう人もいたか。
私は無理だな…気持ちが無ければ、触られてもチンコが⤴︎︎︎⤴︎︎︎⤴︎︎︎こうならないし、寧ろ⤵︎ ︎⤵︎ ︎⤵︎ ︎こうだよ。
しっぼしぼに縮んで、亀頭もこんにちはーってしないよ。エリンギがナメコサイズに縮むよ。
「そうだ。ただの性欲処理だ。
だが、もう何年も誰とも行為はしていないし、実は口付けはマシロにしたのが初めてなんだ。
笑われるかもしれないが、口付けは愛する人としかしたくなくてな。幾ら乞われてもしなかったんだ」
「ファ、ファーストキスだったの?にしては、めちゃくちゃ上手だったんだけど。腰砕けちゃったもん」
「ファファスートキス?マシロの元国の言葉か」
「ちっがーう!ファーストキス!えっと、初めての口付けって意味ね」
「ファーストキッスな。理解した。
で、俺のファーストキッスが上手で腰が砕けたってことは、気持ち良かったってことだよな?」
若干ニュアンスが違うけど…まあ良いか。
で、ガイアよ。なんでそんなに嬉しそうに笑って言うの!!き、気持ち良かったけど!う…笑顔素敵です…
新国の中心に頓挫する、どデカいフェリス神像の噴水の前で、完全に二人だけの空間でキスして話して、
傍から見ればラブラブなバカップル状態の私達だったのですが、その空気を分散させるように、
「マシロさん、ガイアに近付かないで。私から彼を取らないで。お願い。彼も私の唯一の存在なの」
泣きながらシャイナが現れ、私達の元に向かってゆっくり歩みを進めてきた。
(“も”ってなに?“彼も”って。まさかこの子、ベスケくんとガイア、二人共が好きなわけ?)
そして私の前でピタッと止まり、威圧を放ちながら、
ヴォンと空気を切るような音を響かせ、私の頬を目掛け思い切り腕を振りかぶった。
ビンタの衝撃に耐えようと目を瞑り歯を食いしばっていたら、
バシーンッと肌と肌がぶつかる音が聞こえたのに、私には全く、これっぽっちも、衝撃が無かった。
(この身は痛みさえも感じないのだろうか…)
なんて思いながら、ゆっくり目を開けたら、私を庇うように目の前にガイアの大きな背中があった。
その行動が嬉しくて、キュンキュンする胸を押さえ悶えていたんだけど、
良く見るとガイアの腕の中にはシャイナが抱え込まれていた。そしてシクシクと泣く彼の頭を撫で、
「シャイナ、ダメだろ人に手を挙げたら。どうしたんだ?そんなに泣いて。昨日から情緒不安定だな」
と優しく声を掛けていた。それに対しシャイナは、
「ガイアが突然居なくなるから心配になって探したの。
マシロさんがガイアを無理やり拉致したのかと思って、怒りと共に腕を振り上げちゃった。ごめんなさい」
と酷く申し訳なさそうに謝ってきたけど、背中越しに私を見つめる目は、憎しみの炎が揺れていた。
「そうだったか。それは悪かった。拉致なんてされてないから安心しろ。だから威嚇するな。大丈夫だから」
頭を撫でられ、嬉しそうに顔を綻ばせてるシャイナくんと、優しく彼に声を掛け宥めるガイア。
そんな二人の姿は、愛情に溢れた恋人同士のやり取りにしか見えず、
勝ち誇ったように笑顔を向けるシャイナに、私は苦笑いを浮かべるしか出来なかった。
(はは。もう二人でお好きなようにやって下さい。あとは若い者同士で存分にどうぞ)
ガイアにキスして貰った思い出があるから、私はそれだけでもう充分だよ。そう思って微笑んでいたら、
「それとは別にシャイナに報告しとく。後でベスケ達を集めて伝えようと思っていたんだが、
実はな…昨日出会ったばかりなんだが、マシロと恋人になったんだ。祝福してくれるよな?」
と、爆弾発言をしたガイアに私は大きく目を見開き驚愕した。
イヤイヤ、「好きだ」とは言われたけど、私もガイアが好きだけど、それは事実だけど…
恋人!?いつなったの?そんな話ししてないですよね!?
まさか、ガイアの中では、好き同士=恋人という図式が出来てるのでしょうか?
ちょっと理解の範疇を超えたので、一旦コマーシャルへ……
じゃなくて、一旦お二人さんクルマにお戻り頂けます?あ、私が家に戻ります?
「…そうなんだ。ガイアはマシロさんが好きなんだね。そっか…誰とも恋はしないって言ってたのに…
だから昨日、私を抱いてくれなかったの?いつもなら激しく求めてくれるのに…
私の誘いを断って、マシロさんと交わってたの?」
……いつもなら。って…最近は行為してないんじゃなかったっけ?あれはウソかい?ガイアさん?
それとシャイナくん、私はガイアと交わってませんよ!さっき彼のファーストキスを貰っただけです!
「誰とも恋はしないつもりだったのは、そんな機会があるとは思ってなかったからな。
あのまま森で一生を過ごすと思ってたし、そもそも出会いが無かったろ?
でも、ここでマシロに出会って初めて恋をしたんだ。そして恋人にもなった」
(おおう…恋人になったの確定ですか。私が老いぼれジジイなのを分かってて言ってるんですかね)
「だから、誤解を与えるような言い方はしないでくれないか?お前を最後に抱いたのは、もう2、3年前だろ。
シャイナがベスケの気持ちを受け入れたあの時に、俺は役目を終えたんだ。だから昨日の誘いは断ったんだよ」
(はい。盛大に誤解しました。最近までズコバコしていたのかと思ってました。ガイア疑ってソーリー)
「あとな、マシロとはまだ口付けしかしていない。
初めての恋人だし、大事にしたいからな。性急なことはしないつもりだ。な、マシロ」
「え!?あ、え…う、うん」
(急に話を振らないでくれません!?そして性急なことはしないって…さっきの濃厚なチッスは性急ではないの?)
「口付け…私がいくら欲してもしてくれなかったのに…
私は、ガイアを愛してるから純潔を捧げたのに!
ベスケを受け入れたのは、溜まる欲を発散させるためだよ!ガイアが抱いてくれなくなったから仕方なく!
今では彼のことも愛してるけど、それ以上に愛してるのはガイアなの!お願い…私を捨てないで…ぐすっ…」
「…悪い。そんな想いを抱いてるなど知らなかった。それに大事な純粋を奪ってしまって申し訳なかった」
「謝らないでよ…そんなことされたら惨めな気持ちになるじゃない!
だったら、申し訳ないと思うんだったら、マシロさんじゃなくて私を選んでよ!!」
この後も「申し訳ない」と謝るガイアと、「愛して」と泣き叫ぶシャイナの、
私の目の前で繰り広げられてる二人の愛の行方を、傍観者の気分で見ていたら、
突如としてシャイナの魔力が膨れ上がり、私を睨み付けたまま罵詈雑言を浴びせてきた。
「マシロさんって、私たち亜人を助けて良い気になってる偽善者、ショウマさんの父親なんでしょ?
しかも、100年以上生きてる不老不死の大魔導師だっけ?見た目は若いけど、ただの爺さんってことよね?
そんな化け物が、ガイアと恋人?笑わせないでよ!
恥ずかしくないわけ?いい歳したジジイが若い男を誑かして!」
「シャイナ貴様!口を慎め!」
その酷い言葉を受け、一瞬だけ立ち尽くしたが、少しずつ自分の表情が硬くなっていくのが分かった。
それでも私は冷静さを保ちながら、言葉を選んで返答した。
「ガイアいいから。シャイナさん。息子は確かに君たちに手を差し伸べたのでしょう。
しかし、それは偽善者ではなく、ただ一人の人間として、
共に生きる存在として大切に思っているからだと思いますよ。あの子は純粋に優しいですからね。
私を罵るのは構いませんが、翔馬を貶すのは看過できません。気に入らないのなら元の場所に帰りなさい」
そう冷たく言い放ったら、唇をかみ締めて尚も睨みつけてきた。その表情に眉を寄せながら苦笑し、更に言葉を重ねた。
「確かに私は不老不死の化け物です。しかも138歳のジジイです。それは認めます。
そして年甲斐もなくガイアに恋をしてるのも認めます。
ただ、恋を成就させるつもりは無かったし、出来るとも思ってませんでしたよ。
貴方とガイアの恋を純粋に応援もしていましたし、今だってガイアが貴方を選ぶなら身を引きますよ」
そうなったら貴方たち二人に、新国で一番いい家をプレゼントしますよ。スローライフ出来るように畑も付けてね!
そして二度と会う事はせず、遠くから幸せを願いますよ。アーメン…
「マシロ!不老不死のお前が化け物なら、不老の俺だって化け物だ。
138歳だからなんだよ。お互いの気持ちが同じなら歳なんか関係ないだろ?
それとシャイナの気持ちは嬉しいが、俺はお前に恋愛事情を持っていない。
だから、家族として愛す事は出来るが、恋人として愛す事は出来ない。
お前は俺みたいなクズより、一途に思い続けてくれてるベスケと幸せになって欲しい」
ガイアがそう告げた直後、シャイナが「うわぁぁあ!」と空気を震わすような雄叫びをあげ、
「許さない、お前だけは絶対に!」«インフェルノ!»
血の涙を流しながら、私に向かって炎の最上位攻撃魔法を放ってきた。
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アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
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以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
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