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本編 最強冒険者
story186/ユアネームイズ
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キャンピングカーのリビングの床に広がる無数の食べ物や衣装に驚き、
巨体モニターに映るユアゾンのトップ画面に驚き、
奇声をあげてひっくり返った僕を。慌てて抱き起こしてくれたオーガ族の彼のイケメンぶりに驚きと、
スリーコンボでノックアウトされた僕は、天界から見ているだろうレディス様に切実に願った。
「レディス様!何かするなら事前連絡を~」と。
そんな僕の呟きを間近で聞いていたオーガさんが、
「あ、愛し子様ソファまでお運びします」と何故か抱っこでソファまで運んだあと、
「……あの、レディス様とは、愛の神でしょうか?」と優しく降ろし聞いてきたので、
「あ、どうもすみません」とお礼を言ってから、
「そうそう。そうなんだよねぇ。突然干渉してくる困った神様なの」
と答え、それ以上なんて説明すれば良いか分からなかったので、気を取り直して別の話題を振ることにした。
「えっと、先ずは家族の紹介からしようかな。僕はショウマで、このクルマを操作してるのがアレクレス、
長男がハーフインプ族のマイキー、次男が…一応インプ族のルナ、三男がエスポア、四男が獣人のカイトだよ」
カイトくんはね、前世が元同級生だけど、それはもう気にしない事にしたんだ。
これだけ一緒に居たら、もう家族みたいなもんだから、うちの四男として紹介しました。
当の本人は吃驚して、うにゃうにゃ言ってたけどね。無視無視。
「俺はオーガ族のガイアだ」ガイアさん、顔も筋肉も声もマジイケメンです!眼福です!
「ボクはラビット族のナビア」ピンク髪のナビくんね。かわゆす。
「フェアリー族シャイナです…」シャイナ美麗だね!透明感のある美しさだね!
「あ、あの黒豹のロイア…」目がキョロキョロ、身体ソワソワと…挙動不審だよロイくん。
「…ふん。ハーフオーガ、シェロン」またそっぽ向いちゃった…けど耳が赤いよシェロ。
「フェアリー族マッシュだよ」キノコの妖精かな?そのずんぐりむっくりのフォルムめんこいねぇ。
「妖魔族のベスケっす」んん?妖魔のスケベ?「ぶっ」あ、すいません。思わず吹き出しちゃった。
「モンキー族キウバナっきー」猿のキウバナくん…名前の由来はキウイとバナナですか?
亜人の皆んなの、それぞれの自己紹介と僕の呟きが終わったところで、
「これから宜しくね。ナビくん、カイトが纏わりついててごめんねぇ。こらカイト辞めなさい!」
「はにゃ!」はにゃ!じゃないの!可愛いけど!
「ロイくんもごめんねぇ。こらルナ!尻尾にぶら下がったらダメでしょ!」
「ぶぅー」ぶぅ。じゃないの!悪戯っ子めぇ!
「マッシュくんの頭の上で寝てるのはエスポアかな?何故そんなところに?マイキー降ろしてくれない?」
「ママ、無理。髪の毛ギッチリ掴んで離さないの。降ろそうとしたら大泣きするよ」
まっさかぁ。そんな訳…と抱き上げたら、パチッと目を開け「んぎゃぁああ!」とマジで大泣きした。
その光景を見て、皆ひとしきり笑ったあと、子供達に「後は任せた」と助手席に戻ろうとしたら、ガイアが、
「旦那様の補助は任せて下さい。愛し子様はこちらでお寛ぎを」
と言い残し、そそくさと助手席へと行ってしまった。
あまりの素早さに呆気にとられていたら、シャイナくんが、「あの、これからどちらへ?」と聞いてきたので、
「ウォルデンの王都だよ」と伝えたら、
「そ、それは不味いです…私達は王都へ入れません」と顔を青くしてガクブルしちゃった。
「ありゃ」と呟き周りを見たら、他の子たちも同様の反応をしていたので、
子供達と頷き合ってから、安心させるために、二階へと案内することにした。部屋も選んで貰わなきゃだしね。
ルナとカイトが率先して「「きて」にゃ」と困惑してる面々を案内したんだけど、扉を開けた瞬間、
「「「ええ!」」」と驚き、恐る恐る階段を昇って二階の全貌を見て、
「「「……」」」数秒、口開けて固まったあと、「「「どうなってんのぉ!!」」」と大声で叫び声をあげた。
「ロイちゃ、バナキー、シェイちゃ、あちいこー」とルナが声を掛け、
「「「うわぁ!降ろしてぇ!」」」と叫ぶ3人を、浮かせながら公園へと連れて行った。
カイトは「ナビア、自分の部屋選ぶにゃ」と手を繋ぎ、
「…へや?」コテンと首を傾げ呟いたナビくんと、恋人同士のように駆け出して行った。
その可愛らしい2人の後ろ姿が萌えキュン過ぎて、「くぅぅぅ」と悶えてしまった僕は正常だと思う。うん。
マイキーは、悶える僕をジト目で見たあと、「ベスとシェロ、面白い部屋あるから行こう」
と声を掛け、渋る2人と手を繋ぎ、ツイスタールームへとゆっくり歩いて行った。
そんな面々に僕は手を振り、「気を付けて遊ぶんだよー!」と言葉を掛けてから、
未だ頭にエスポアを乗せたままのマッシュに「ごめんねエスのせいで…」と謝った。
んだけど……ニコニコと笑顔のまま微動だにせず、一点を見つめて固まってたので、
顔の前で手を振り「どうしたぁ?」と聞いたら、小声で(生暖かい感触と芳しい匂いが)ボソッ。と呟いた。
んん~?と鼻を近付けてクンカクンカしたら、髪の毛に埋もれたエスポアのお尻辺りから臭いがして、
「どわぁあ!本当にごめんね!今すぐ退けるから!」と慌てて引っペがした。瞬間…
「おぎゃあ、おぎゃあ」と泣き出したけど、流石に、
「エスくんメッ!」と叱って、床にマットを敷いて降ろし、ササッとおしめを替えた。
そのあとカンガルーカーに乗せて、やっと泣き止んだエスポアに「ホッ」と息を吐いてから、
「マッシュくんも個人部屋決めようか」と声を掛けた。
「へ、部屋…あのあの!マッシュもいいの?」
「ん?当たり前でしょ?どんな部屋が良いかなぁ。妖精さんだもんねぇ」
……妖精…キノコちゃん…あ!あの部屋がイイかも!くふふ。絶対気にいるはず!
という事で連れて来た部屋は…
「じゃあん!どうどう?マ〇オルーム!可愛いでしょ!
ベッドがノコ〇コで、ルームライトがスー〇ースター!トイレがワープド〇ンなの!」
この部屋を発見した時めっちゃ興奮したからね僕!
他にもね、お風呂の湯口がク〇パで、シャワーベッドがヨ〇シー、
ソファがク〇ボーで、テーブルの支柱がドンキー〇ングになってるの!
あとね、クローゼット開けたら…テ〇サが飛び出てくるんだよ!
可愛い部屋なんだけど、何か物足りないなぁって思ってたんだよねぇ。
ここまでを、一つ一つウキウキとしながら説明して歩き、くるっと振り向いてから、
「そう!キ〇ピオ!キミだよ、マッシュ!キミが揃えばこの部屋は完成するんだよ!」
と言ったら、ポカーンとした顔して見つめられ、場がシーンっと静まり返った。が、数秒後……
「わ、わーい…うれしいなぁ…えとえと…マシュのための部屋!って感じだねぇ…」
と、なかなか好感触?だったので「でっしょう?じゃ、後は好きな様に過ごしてねぇ」と伝え、部屋を出た。
んだけど、伝え忘れたことがあったからすぐに戻りドアを開けて声を掛けた。
「そういえばマッシュ、ご飯なんだ…け…ど」
あれ?キョロキョロ。ん?マッシュどこ行った?
部屋にいるハズなのに見当たらなくて、首を傾げながら中を見回して、
「マッシュ?」と言いながら歩き回ったら、「ここだよぉ」とトイレの中からくぐもった声が聞こえたので、
恐る恐る扉を開けて覗いたら、ドカンにハマったキノコがいた。いや、マッシュがいた。
「どぇええ!何してるのぉ!?」慌てて引っこ抜こうとしたら、
「ここ落ち着くねぇ」とニッコニコと笑顔で言うもんだから、「そ、そう…」と言って手を引っ込めた。
そして、そのままの状態で、ご飯のこととか風呂のこととか教えてあげてから今度こそ部屋を出たんだけど、
出て少し歩いてから先程の光景を思い出し、フツフツと笑いが込み上げてきて、
「あっははは!マジかマッシュ!リアルゲームの世界だよぉ!上から踏んだら…ってそれはク〇ボーか!」
(はぁ面白い。ここ最近で一番笑ったなぁ)そう呟きながら歩き、寝ちゃったエスポアを連れリビングに戻った。
それと同時に休息帯に到着し、窓から見える景色は夕闇に染まっていた。
「アレクお疲れ様ぁ。ガイアさんも補助ありがとう!」
「おうショウマ。居ない間に結構進んだぞ」
「愛し子様、もったいないお言葉です」
ガイアさんの“愛し子様“呼び嫌だなぁ。それに喋り方が硬い!皆に話す時みたいにフランクに話して欲しいな。
そう思ってプクッと膨れてたら、僕の気持ちに気付いてくれたアレクが、
「くくく」と苦笑して、ガイアさんに代弁してくれた。
最初は「しかし…」と渋っていたんだけど、
「普通に接してやってくれ」とアレクが肩を叩きながら言ったら、
「わ…分かりま…くッ…分かった」と苦渋の決断をするように顔面を歪まして答えていた。
その返事に「うんうん」と頷いてからアレクに、
「ガイアさんに部屋の案内してあげて。僕はご飯用意しておくから、30分後に皆で降りて来て」
そう伝えて、「へ、へや?」と困惑している彼の背を押し、アレクに後の事を任せた。
「ちゅっ。分かった30分後な。ガイア行くぞ」
「あ、ああ…あっ、ちょ、アレク押すな!」
ドアを開けた瞬間に現れた螺旋階段を見て「ウソだろ!」と声を荒らげたガイアと、
その反応に「すげぇだろ!あはは!」と大笑いしたアレク。そんな2人の背に手を振り、
(たった数時間でめちゃくちゃ仲良しさんになったな、あの2人。良きかな良きかな)と心の中で呟き、
「さぁ。腹ペコだろう野郎共に食べさせる飯、何にするかなぁ」と声に出し独り言を呟いて、
キャンカー後方右側の扉を開け、備え付けのキッチンに立った。
あ、ちなみにエスポアはアレクが連れて行きました。
「う~ん。アレクはガッツリ系が食べたいだろうし…あ!今日は歓迎会ってことでステーキにしよう!」
という事で«ユアゾン»で高級ステーキ肉を検索したら、トップに出てきた肉に驚き嬉声をあげた。
「シャトーブリアン!何これ凄っ!200gで大銀貨6枚ってことは…ひぇえ!6万円!?
う、美味そう…ドラゴン肉とどっちが美味しいかな…ゴクッ…ええいままよ!」
ポチッとな…
という事で一人一枚、計14枚購入して、車内で焼くと煙が凄そうなので車外へ出、«ライト!»周囲を明るくし、
「魔物や盗賊が出たら大変だね」と結界を張り、BBQコンロを出し火を起こし、肉を焼き始めた。
「焼けたのを中で食べようと思ったけど…どうせなら椅子出して外で食べた方が美味しいよねぇ」
そう思いルンルン気分で、鼻歌唄いながらテーブルや椅子を用意していたらアレクが降りて来たので、
“今日はステーキだよ”と声を掛けようとしたら、いきなりガッと肩を掴まれて、
「このバカ野郎がぁぁあ!!」と怒鳴られた。
巨体モニターに映るユアゾンのトップ画面に驚き、
奇声をあげてひっくり返った僕を。慌てて抱き起こしてくれたオーガ族の彼のイケメンぶりに驚きと、
スリーコンボでノックアウトされた僕は、天界から見ているだろうレディス様に切実に願った。
「レディス様!何かするなら事前連絡を~」と。
そんな僕の呟きを間近で聞いていたオーガさんが、
「あ、愛し子様ソファまでお運びします」と何故か抱っこでソファまで運んだあと、
「……あの、レディス様とは、愛の神でしょうか?」と優しく降ろし聞いてきたので、
「あ、どうもすみません」とお礼を言ってから、
「そうそう。そうなんだよねぇ。突然干渉してくる困った神様なの」
と答え、それ以上なんて説明すれば良いか分からなかったので、気を取り直して別の話題を振ることにした。
「えっと、先ずは家族の紹介からしようかな。僕はショウマで、このクルマを操作してるのがアレクレス、
長男がハーフインプ族のマイキー、次男が…一応インプ族のルナ、三男がエスポア、四男が獣人のカイトだよ」
カイトくんはね、前世が元同級生だけど、それはもう気にしない事にしたんだ。
これだけ一緒に居たら、もう家族みたいなもんだから、うちの四男として紹介しました。
当の本人は吃驚して、うにゃうにゃ言ってたけどね。無視無視。
「俺はオーガ族のガイアだ」ガイアさん、顔も筋肉も声もマジイケメンです!眼福です!
「ボクはラビット族のナビア」ピンク髪のナビくんね。かわゆす。
「フェアリー族シャイナです…」シャイナ美麗だね!透明感のある美しさだね!
「あ、あの黒豹のロイア…」目がキョロキョロ、身体ソワソワと…挙動不審だよロイくん。
「…ふん。ハーフオーガ、シェロン」またそっぽ向いちゃった…けど耳が赤いよシェロ。
「フェアリー族マッシュだよ」キノコの妖精かな?そのずんぐりむっくりのフォルムめんこいねぇ。
「妖魔族のベスケっす」んん?妖魔のスケベ?「ぶっ」あ、すいません。思わず吹き出しちゃった。
「モンキー族キウバナっきー」猿のキウバナくん…名前の由来はキウイとバナナですか?
亜人の皆んなの、それぞれの自己紹介と僕の呟きが終わったところで、
「これから宜しくね。ナビくん、カイトが纏わりついててごめんねぇ。こらカイト辞めなさい!」
「はにゃ!」はにゃ!じゃないの!可愛いけど!
「ロイくんもごめんねぇ。こらルナ!尻尾にぶら下がったらダメでしょ!」
「ぶぅー」ぶぅ。じゃないの!悪戯っ子めぇ!
「マッシュくんの頭の上で寝てるのはエスポアかな?何故そんなところに?マイキー降ろしてくれない?」
「ママ、無理。髪の毛ギッチリ掴んで離さないの。降ろそうとしたら大泣きするよ」
まっさかぁ。そんな訳…と抱き上げたら、パチッと目を開け「んぎゃぁああ!」とマジで大泣きした。
その光景を見て、皆ひとしきり笑ったあと、子供達に「後は任せた」と助手席に戻ろうとしたら、ガイアが、
「旦那様の補助は任せて下さい。愛し子様はこちらでお寛ぎを」
と言い残し、そそくさと助手席へと行ってしまった。
あまりの素早さに呆気にとられていたら、シャイナくんが、「あの、これからどちらへ?」と聞いてきたので、
「ウォルデンの王都だよ」と伝えたら、
「そ、それは不味いです…私達は王都へ入れません」と顔を青くしてガクブルしちゃった。
「ありゃ」と呟き周りを見たら、他の子たちも同様の反応をしていたので、
子供達と頷き合ってから、安心させるために、二階へと案内することにした。部屋も選んで貰わなきゃだしね。
ルナとカイトが率先して「「きて」にゃ」と困惑してる面々を案内したんだけど、扉を開けた瞬間、
「「「ええ!」」」と驚き、恐る恐る階段を昇って二階の全貌を見て、
「「「……」」」数秒、口開けて固まったあと、「「「どうなってんのぉ!!」」」と大声で叫び声をあげた。
「ロイちゃ、バナキー、シェイちゃ、あちいこー」とルナが声を掛け、
「「「うわぁ!降ろしてぇ!」」」と叫ぶ3人を、浮かせながら公園へと連れて行った。
カイトは「ナビア、自分の部屋選ぶにゃ」と手を繋ぎ、
「…へや?」コテンと首を傾げ呟いたナビくんと、恋人同士のように駆け出して行った。
その可愛らしい2人の後ろ姿が萌えキュン過ぎて、「くぅぅぅ」と悶えてしまった僕は正常だと思う。うん。
マイキーは、悶える僕をジト目で見たあと、「ベスとシェロ、面白い部屋あるから行こう」
と声を掛け、渋る2人と手を繋ぎ、ツイスタールームへとゆっくり歩いて行った。
そんな面々に僕は手を振り、「気を付けて遊ぶんだよー!」と言葉を掛けてから、
未だ頭にエスポアを乗せたままのマッシュに「ごめんねエスのせいで…」と謝った。
んだけど……ニコニコと笑顔のまま微動だにせず、一点を見つめて固まってたので、
顔の前で手を振り「どうしたぁ?」と聞いたら、小声で(生暖かい感触と芳しい匂いが)ボソッ。と呟いた。
んん~?と鼻を近付けてクンカクンカしたら、髪の毛に埋もれたエスポアのお尻辺りから臭いがして、
「どわぁあ!本当にごめんね!今すぐ退けるから!」と慌てて引っペがした。瞬間…
「おぎゃあ、おぎゃあ」と泣き出したけど、流石に、
「エスくんメッ!」と叱って、床にマットを敷いて降ろし、ササッとおしめを替えた。
そのあとカンガルーカーに乗せて、やっと泣き止んだエスポアに「ホッ」と息を吐いてから、
「マッシュくんも個人部屋決めようか」と声を掛けた。
「へ、部屋…あのあの!マッシュもいいの?」
「ん?当たり前でしょ?どんな部屋が良いかなぁ。妖精さんだもんねぇ」
……妖精…キノコちゃん…あ!あの部屋がイイかも!くふふ。絶対気にいるはず!
という事で連れて来た部屋は…
「じゃあん!どうどう?マ〇オルーム!可愛いでしょ!
ベッドがノコ〇コで、ルームライトがスー〇ースター!トイレがワープド〇ンなの!」
この部屋を発見した時めっちゃ興奮したからね僕!
他にもね、お風呂の湯口がク〇パで、シャワーベッドがヨ〇シー、
ソファがク〇ボーで、テーブルの支柱がドンキー〇ングになってるの!
あとね、クローゼット開けたら…テ〇サが飛び出てくるんだよ!
可愛い部屋なんだけど、何か物足りないなぁって思ってたんだよねぇ。
ここまでを、一つ一つウキウキとしながら説明して歩き、くるっと振り向いてから、
「そう!キ〇ピオ!キミだよ、マッシュ!キミが揃えばこの部屋は完成するんだよ!」
と言ったら、ポカーンとした顔して見つめられ、場がシーンっと静まり返った。が、数秒後……
「わ、わーい…うれしいなぁ…えとえと…マシュのための部屋!って感じだねぇ…」
と、なかなか好感触?だったので「でっしょう?じゃ、後は好きな様に過ごしてねぇ」と伝え、部屋を出た。
んだけど、伝え忘れたことがあったからすぐに戻りドアを開けて声を掛けた。
「そういえばマッシュ、ご飯なんだ…け…ど」
あれ?キョロキョロ。ん?マッシュどこ行った?
部屋にいるハズなのに見当たらなくて、首を傾げながら中を見回して、
「マッシュ?」と言いながら歩き回ったら、「ここだよぉ」とトイレの中からくぐもった声が聞こえたので、
恐る恐る扉を開けて覗いたら、ドカンにハマったキノコがいた。いや、マッシュがいた。
「どぇええ!何してるのぉ!?」慌てて引っこ抜こうとしたら、
「ここ落ち着くねぇ」とニッコニコと笑顔で言うもんだから、「そ、そう…」と言って手を引っ込めた。
そして、そのままの状態で、ご飯のこととか風呂のこととか教えてあげてから今度こそ部屋を出たんだけど、
出て少し歩いてから先程の光景を思い出し、フツフツと笑いが込み上げてきて、
「あっははは!マジかマッシュ!リアルゲームの世界だよぉ!上から踏んだら…ってそれはク〇ボーか!」
(はぁ面白い。ここ最近で一番笑ったなぁ)そう呟きながら歩き、寝ちゃったエスポアを連れリビングに戻った。
それと同時に休息帯に到着し、窓から見える景色は夕闇に染まっていた。
「アレクお疲れ様ぁ。ガイアさんも補助ありがとう!」
「おうショウマ。居ない間に結構進んだぞ」
「愛し子様、もったいないお言葉です」
ガイアさんの“愛し子様“呼び嫌だなぁ。それに喋り方が硬い!皆に話す時みたいにフランクに話して欲しいな。
そう思ってプクッと膨れてたら、僕の気持ちに気付いてくれたアレクが、
「くくく」と苦笑して、ガイアさんに代弁してくれた。
最初は「しかし…」と渋っていたんだけど、
「普通に接してやってくれ」とアレクが肩を叩きながら言ったら、
「わ…分かりま…くッ…分かった」と苦渋の決断をするように顔面を歪まして答えていた。
その返事に「うんうん」と頷いてからアレクに、
「ガイアさんに部屋の案内してあげて。僕はご飯用意しておくから、30分後に皆で降りて来て」
そう伝えて、「へ、へや?」と困惑している彼の背を押し、アレクに後の事を任せた。
「ちゅっ。分かった30分後な。ガイア行くぞ」
「あ、ああ…あっ、ちょ、アレク押すな!」
ドアを開けた瞬間に現れた螺旋階段を見て「ウソだろ!」と声を荒らげたガイアと、
その反応に「すげぇだろ!あはは!」と大笑いしたアレク。そんな2人の背に手を振り、
(たった数時間でめちゃくちゃ仲良しさんになったな、あの2人。良きかな良きかな)と心の中で呟き、
「さぁ。腹ペコだろう野郎共に食べさせる飯、何にするかなぁ」と声に出し独り言を呟いて、
キャンカー後方右側の扉を開け、備え付けのキッチンに立った。
あ、ちなみにエスポアはアレクが連れて行きました。
「う~ん。アレクはガッツリ系が食べたいだろうし…あ!今日は歓迎会ってことでステーキにしよう!」
という事で«ユアゾン»で高級ステーキ肉を検索したら、トップに出てきた肉に驚き嬉声をあげた。
「シャトーブリアン!何これ凄っ!200gで大銀貨6枚ってことは…ひぇえ!6万円!?
う、美味そう…ドラゴン肉とどっちが美味しいかな…ゴクッ…ええいままよ!」
ポチッとな…
という事で一人一枚、計14枚購入して、車内で焼くと煙が凄そうなので車外へ出、«ライト!»周囲を明るくし、
「魔物や盗賊が出たら大変だね」と結界を張り、BBQコンロを出し火を起こし、肉を焼き始めた。
「焼けたのを中で食べようと思ったけど…どうせなら椅子出して外で食べた方が美味しいよねぇ」
そう思いルンルン気分で、鼻歌唄いながらテーブルや椅子を用意していたらアレクが降りて来たので、
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