190 / 232
本編 最強冒険者
story169/スキルチェック
しおりを挟む
目の前で抱き合い震えてる2人を見ながら、僕はルナに問い掛けた。
「ルナ、もしかして天気を操れるの?それとも雨を降らせるスキルがあるだけ?」
そう聞いたら、首を傾げながら、
「…?ちらにゃい、むちゅかちい…」と言われたので、ユアゾンでスノードームを購入して、
「この白いフワフワの雪さんを空から降らせれるの?」と聞いてみた。
「まんま、こりぇ、かあいーねー。ルナ、しゅきよー。ちろいゆきしゃん、ゆきらるましゃん?
ゆきゆき、ふりぇふりぇ、ルナ、でちる…」
そう言って手を上に翳したんだけど、慌てて止めた。雨の次に豪雪とか流石に不味いと思って。
「ふぅ。そう、天気を操るスキルか…僕より規格外だね……ははっ。
そう、これは雪だるまさんの雪だよ。ルナにあげる、お部屋に飾ろうか」
「くふふっ。あいがと、まんま。ねー、チュッちて、ぺぺに。ルナしゅきって」
頬を突き出し、そんな可愛い事を言われた僕は、悶えながら要望に応えた。
「ん~!可愛いルナ好きだよ、ちゅっ」その瞬間、ニヤッと笑ったルナがお腹を指差し、
「えしゅに、かっちゃ、まんまは、ルナの」と呟いた。
その声に応えるように赤ちゃんが激しく暴れだし「くっ…」あまりの痛さに顔を歪めていたら、
復活したアレクとマイキーが「またか…」「また始まったね…」と言いながら背中を摩ってくれた。
これがルナの規格外スキルの1つで、なんとお腹の子と会話?が出来るんだ。
最初は「凄い!」「羨ましい!」って思ったんだけど、
会話?が始まると中で暴れ出すから、その度に痛くて苦しくて悲痛な声が漏れ出る。
何言ってるか分かんないのが可愛いんだけど、ちょっと止めて頂きたい…痛みが辛いんです…
「ルナ、そろそろ止めてあげないと、ママが痛いって泣いてるから」
「そうだぞ、エスポアも暴れ過ぎだ。2人とも少し落ち着きなさい」
アレクとマイキーがそう注意してくれて、やっと動きが止まり「ホッ」と息を吐いた。
そして、幼稚園のロビーでそんなやり取りをしていたら、AI先生が来て、
「ルナサン。勉強ノ時間デス。サボリ、ダメ、絶対」と言いながら、
「まんまー!べんきょ、いやのー、たちゅけてぇー!ぱーぱ、にぃにー!」と叫ぶルナを回収して行った。
その様子を見て、3人で笑いながら「「「ルナ、頑張れー!」」」と手を振り見送った。
「2人とも、雨止んだけどギルドに戻る?僕、少し疲れたからベッドで横になるよ」
雨に濡れて冷えたのと、激しい胎動に体力が奪われた事でフラフラする。
「ああ。ちゅっ。街の様子気になるし、戻るわ。お前は身体温めて少し休め」
そんな僕を抱き上げ、外へ出て家へと歩きだしたアレク。
「オレも、アレクと一緒に行ってくるね。えっと、ママ…は風呂入って温まってね」
その後ろからついてきたマイキーも言葉を発したんだけど、僕に「ママ」って言うのが未だ慣れず、
顔を俯かせて真っ赤になっちゃった。
日々一緒に過ごす中で、2つ決めた事があるんだ。
先ずはマイキーに「ママ」呼びをさせることにした。長男として扱ってるから「兄ちゃん」呼びは封印。
あとはマイキーとルナの家を、幼稚園から僕達の家へと変更した。
「他の子達に悪いよ…」と渋ってたけど、みんな気にしてなかったので「はい決定!」と連れてきた。
それと、赤ちゃんの名前は皆で決めた。色々と案はあったんだけど、最終的に「エスポア」になった。
“期待”とか“希望”っていう意味なんだけど「意味と響きが良いね」と満場一致で決定した。
そんな「エスポア」君はスクスクと育ち…育ち過ぎて、
今すぐ産まれそうなくらい育ってます…まだ妊娠2ヶ月目なんだけどね…はは…異世界パネェっす。
そんな腹ぼっけな僕は歩くのに一苦労で、今みたいにアレクに抱っこされて運ばれてます。
さて、我が家に着いたけど、風呂に入る前に2人に伝えたい事があるのでギルドへ行くのはお待ち。
「アレク、マイキー。用事済ませて帰ってきたら、ルナの能力の事について話したいんだぁ。
だからさ、夕飯前には帰ってきてくれる?」
「ああ。俺もその事は話したいと思ってたから、なるべく早く帰るよ。ちゅっ」
アレクもやっぱり気になってたようで、頬に口付けをしながら了承してくれた。
「オレもね、スキルの事で2人に伝えたい事があるから…その時に一緒に話すね…」
マイキーは、何故か困ったように笑顔を浮かべ、そう告げてきた。
だから「何でも話して、家族でしょ?そんな顔しないの。大丈夫、何聞いても絶対に嫌いにならないから」
そう言って頭を撫でたら安心したのか、ニコッと良い笑顔で笑い、アレクと一緒に出掛けて行った。
「ふぅ。腹が重い…エスポアちゃん、スクスクと育ち過ぎじゃないかなぁ~?
この間シェリーに会ったけど、こんなに大きくなかったぞぉ~?君は肥満児なのかい?」
ポコン、ポコンポコン…
「あ、痛い。ごめんごめん。元気で何よりだよ。うん。
さぁ、お風呂入って温まろうねぇ」
そう言いながら、大きくなった腹を抱えて湯船に浸かった。「あ゙~気持ちいい…温かいぃ~至福の瞬間…」
ため息と共に呟いたら、ウニョッと腹の中で動いた。
「ははっ、エスポアも気持ちいいの分かるんだねぇ」
と、撫でながら話し掛けたら、手の形がハッキリと感じられるほどの反応があった。
「およ、小さいお手手が見えたような…エスポアも規格外なのかなぁ~?
……まさかもう産まれるとか無いよねぇ?早く会いたいけど、まだ早いと思うなぁ…」
胎動を感じながら独り言を呟き、湯船の中で至福の時間を過ごしながら、その後も会話を続けた。
その度に、ウニョッと手や足で反応してくれるのが嬉しくて、逆上せる寸前まで入浴を楽しんだ。
「はふぅ。ちょっと入り過ぎちゃったね。さて、充分温まったからお昼寝しようか」
そう言って布団に潜り込み目を閉じたら、心地よい眠りが訪れ、
エスポアの存在を感じながら、夢の世界へと旅立った。
どのくらい寝てたのか、スッキリしないまま目覚めた僕の耳に聞こえてきたのは、ルナの声だった。
「えしゅ、ルナにぃちあう。ルナしゃまよ」
「…ぶー。まんま、しゅきはルナよ」
「えしゅは、ぱーぱと、チュッちて。まんまはメッよ」
「…にぃにも、ルナしゃまのよ。えしゅは、ぱーぱとじーじ、あげりゅ」
布団に潜り込み、お腹に向かって話し掛ける姿が可愛くて暫し観察していたら、
エスポアと口喧嘩?しているのか、だんだんヒートアップしてきた。
「…しょれは、メッなのぉ!えしゅ、ねんねちて。ルナしゃま、おこぷんぷんよ!」
そろそろ止めて。エスポアの動きが激しくて、ママ耐えられません…
「くっ、ルナ様。そろそろ終わりね…痛たたた」
「…まんま、おあよ。めんね、いちゃい、ちた?」
「ふふ。ちゅっ。もう大丈夫だよ。お帰りルナ。お勉強は終わったの?良い子に出来たかい?」
「…んと、べんきょ、しぇんしぇい、えらいちてくりぇた。ルナいーこ、ちたのよー」
「AI先生に褒められたの?それは凄いね。良い子に出来たのも偉いね。ちゅっ。
パパとお兄ちゃんは?まだ帰って来てない?」
誇らしげにしている顔に口付けをしながら聞いたら、クシャッと顔を歪ませて、問に答えた。
「ぱーぱ、にぃに、くしゃい、かりゃ、おふりょ、ポイッて、ぽちゃん、ちた…」
その答えと顔が面白すぎて「ぶはっ」と吹き出したら、アレクとマイキーが入室してきて、
「「コラ、ルナー!」」と叫びながら、ルナを捕まえようと手を伸ばした。(無駄なのにね……)
案の定、捕まる寸前にヒョイ、ヒョイっと転移して逃げるから全く捕えられず、
追いかけてる側が疲弊して、攻防戦が終了した。
最近ずっとこのパターンで3人が遊んでます。飽きもせず毎日ね。面白いし可愛いから良いんだけどね。
いつもならこの後、ご飯食べて、ルナを寝かして、部屋に戻るマイキーとおやすみのハグしてから、
アレクと2人の時間を楽しむんだけど、今日はルナを寝かしつけた後、家族会議と称して能力チェックです。
さぁ、規格外な次男の能力や如何に……
「皆んなご飯食べようか。お腹空いたでしょ?何食べたい?ルナのデザートは、いちごにする?ボーロかな?」
「さっき、ルナ迎えに行った時に食堂で飯貰ってきたから、それ食おうぜ」
「リビングで食べる?ママ…歩くの辛そうだし、この部屋で食べようか?ルナおいで、兄ちゃんと食べよ」
「ルナ、ぼーりょ、たべりゅ。…しゃかにゃ、いりゃない。みろりのふしゃふしゃ、いりゃない…」
「「「ルナ、好き嫌いしないの!!」」」
魚とブロッコリーを食べたくない!とごねる息子に、四苦八苦しながら食べさせ、
ワイワイと賑やかな、騒がしい夕食の時間を過ごし、ウトウトし始めたルナをアレクが寝かし付けた。
「アレクありがと。ちゅっ。マイキーもね、ちゅっ」
「どういたしまして、ちゅっ」
「えっと、うん。へへ。ママお疲れ様、ちゅっ」
3人で頬チューを交わし、微笑み合ってから視線を絡ませ、頷き合い、ルナを鑑定した。
----------------------------------------------------
name:ルアナーシュ。 age:3。 tribe:???。
MP:♾ HP:♾
スキル:全属性魔法、精霊、大地、神級(開花前)、空間、
召喚、付与、古代、禁忌、大気、千里眼、念話、転移。
ピースフェリスの加護。闇神の加護。???の子。
----------------------------------------------------
「……こりゃ凄い。何だろねこの???って。知りたいような、知りたくないような…闇神って何だろ」
「ルナって、ルアナーシュって言うんだな…この???は、知らないほうが良い気がする。何だ神級魔法って…」
「これ、ママより凄い…感じがするね…。
???の子って何だろね…種族の箇所も???だよ。インプ族じゃないって事だよね…古代魔法に禁忌魔法…」
一つ一つの鑑定結果を目にして驚き、振り返る時間もなしに思い思いの感想を述べた。
その声が部屋に広がると、急に静寂が訪れた。
部屋の中には緊張感が漂い、息を潜めるような雰囲気が広がった。
その中でルナの寝息だけがひっそりと木霊し続けていた。
「ルナ、もしかして天気を操れるの?それとも雨を降らせるスキルがあるだけ?」
そう聞いたら、首を傾げながら、
「…?ちらにゃい、むちゅかちい…」と言われたので、ユアゾンでスノードームを購入して、
「この白いフワフワの雪さんを空から降らせれるの?」と聞いてみた。
「まんま、こりぇ、かあいーねー。ルナ、しゅきよー。ちろいゆきしゃん、ゆきらるましゃん?
ゆきゆき、ふりぇふりぇ、ルナ、でちる…」
そう言って手を上に翳したんだけど、慌てて止めた。雨の次に豪雪とか流石に不味いと思って。
「ふぅ。そう、天気を操るスキルか…僕より規格外だね……ははっ。
そう、これは雪だるまさんの雪だよ。ルナにあげる、お部屋に飾ろうか」
「くふふっ。あいがと、まんま。ねー、チュッちて、ぺぺに。ルナしゅきって」
頬を突き出し、そんな可愛い事を言われた僕は、悶えながら要望に応えた。
「ん~!可愛いルナ好きだよ、ちゅっ」その瞬間、ニヤッと笑ったルナがお腹を指差し、
「えしゅに、かっちゃ、まんまは、ルナの」と呟いた。
その声に応えるように赤ちゃんが激しく暴れだし「くっ…」あまりの痛さに顔を歪めていたら、
復活したアレクとマイキーが「またか…」「また始まったね…」と言いながら背中を摩ってくれた。
これがルナの規格外スキルの1つで、なんとお腹の子と会話?が出来るんだ。
最初は「凄い!」「羨ましい!」って思ったんだけど、
会話?が始まると中で暴れ出すから、その度に痛くて苦しくて悲痛な声が漏れ出る。
何言ってるか分かんないのが可愛いんだけど、ちょっと止めて頂きたい…痛みが辛いんです…
「ルナ、そろそろ止めてあげないと、ママが痛いって泣いてるから」
「そうだぞ、エスポアも暴れ過ぎだ。2人とも少し落ち着きなさい」
アレクとマイキーがそう注意してくれて、やっと動きが止まり「ホッ」と息を吐いた。
そして、幼稚園のロビーでそんなやり取りをしていたら、AI先生が来て、
「ルナサン。勉強ノ時間デス。サボリ、ダメ、絶対」と言いながら、
「まんまー!べんきょ、いやのー、たちゅけてぇー!ぱーぱ、にぃにー!」と叫ぶルナを回収して行った。
その様子を見て、3人で笑いながら「「「ルナ、頑張れー!」」」と手を振り見送った。
「2人とも、雨止んだけどギルドに戻る?僕、少し疲れたからベッドで横になるよ」
雨に濡れて冷えたのと、激しい胎動に体力が奪われた事でフラフラする。
「ああ。ちゅっ。街の様子気になるし、戻るわ。お前は身体温めて少し休め」
そんな僕を抱き上げ、外へ出て家へと歩きだしたアレク。
「オレも、アレクと一緒に行ってくるね。えっと、ママ…は風呂入って温まってね」
その後ろからついてきたマイキーも言葉を発したんだけど、僕に「ママ」って言うのが未だ慣れず、
顔を俯かせて真っ赤になっちゃった。
日々一緒に過ごす中で、2つ決めた事があるんだ。
先ずはマイキーに「ママ」呼びをさせることにした。長男として扱ってるから「兄ちゃん」呼びは封印。
あとはマイキーとルナの家を、幼稚園から僕達の家へと変更した。
「他の子達に悪いよ…」と渋ってたけど、みんな気にしてなかったので「はい決定!」と連れてきた。
それと、赤ちゃんの名前は皆で決めた。色々と案はあったんだけど、最終的に「エスポア」になった。
“期待”とか“希望”っていう意味なんだけど「意味と響きが良いね」と満場一致で決定した。
そんな「エスポア」君はスクスクと育ち…育ち過ぎて、
今すぐ産まれそうなくらい育ってます…まだ妊娠2ヶ月目なんだけどね…はは…異世界パネェっす。
そんな腹ぼっけな僕は歩くのに一苦労で、今みたいにアレクに抱っこされて運ばれてます。
さて、我が家に着いたけど、風呂に入る前に2人に伝えたい事があるのでギルドへ行くのはお待ち。
「アレク、マイキー。用事済ませて帰ってきたら、ルナの能力の事について話したいんだぁ。
だからさ、夕飯前には帰ってきてくれる?」
「ああ。俺もその事は話したいと思ってたから、なるべく早く帰るよ。ちゅっ」
アレクもやっぱり気になってたようで、頬に口付けをしながら了承してくれた。
「オレもね、スキルの事で2人に伝えたい事があるから…その時に一緒に話すね…」
マイキーは、何故か困ったように笑顔を浮かべ、そう告げてきた。
だから「何でも話して、家族でしょ?そんな顔しないの。大丈夫、何聞いても絶対に嫌いにならないから」
そう言って頭を撫でたら安心したのか、ニコッと良い笑顔で笑い、アレクと一緒に出掛けて行った。
「ふぅ。腹が重い…エスポアちゃん、スクスクと育ち過ぎじゃないかなぁ~?
この間シェリーに会ったけど、こんなに大きくなかったぞぉ~?君は肥満児なのかい?」
ポコン、ポコンポコン…
「あ、痛い。ごめんごめん。元気で何よりだよ。うん。
さぁ、お風呂入って温まろうねぇ」
そう言いながら、大きくなった腹を抱えて湯船に浸かった。「あ゙~気持ちいい…温かいぃ~至福の瞬間…」
ため息と共に呟いたら、ウニョッと腹の中で動いた。
「ははっ、エスポアも気持ちいいの分かるんだねぇ」
と、撫でながら話し掛けたら、手の形がハッキリと感じられるほどの反応があった。
「およ、小さいお手手が見えたような…エスポアも規格外なのかなぁ~?
……まさかもう産まれるとか無いよねぇ?早く会いたいけど、まだ早いと思うなぁ…」
胎動を感じながら独り言を呟き、湯船の中で至福の時間を過ごしながら、その後も会話を続けた。
その度に、ウニョッと手や足で反応してくれるのが嬉しくて、逆上せる寸前まで入浴を楽しんだ。
「はふぅ。ちょっと入り過ぎちゃったね。さて、充分温まったからお昼寝しようか」
そう言って布団に潜り込み目を閉じたら、心地よい眠りが訪れ、
エスポアの存在を感じながら、夢の世界へと旅立った。
どのくらい寝てたのか、スッキリしないまま目覚めた僕の耳に聞こえてきたのは、ルナの声だった。
「えしゅ、ルナにぃちあう。ルナしゃまよ」
「…ぶー。まんま、しゅきはルナよ」
「えしゅは、ぱーぱと、チュッちて。まんまはメッよ」
「…にぃにも、ルナしゃまのよ。えしゅは、ぱーぱとじーじ、あげりゅ」
布団に潜り込み、お腹に向かって話し掛ける姿が可愛くて暫し観察していたら、
エスポアと口喧嘩?しているのか、だんだんヒートアップしてきた。
「…しょれは、メッなのぉ!えしゅ、ねんねちて。ルナしゃま、おこぷんぷんよ!」
そろそろ止めて。エスポアの動きが激しくて、ママ耐えられません…
「くっ、ルナ様。そろそろ終わりね…痛たたた」
「…まんま、おあよ。めんね、いちゃい、ちた?」
「ふふ。ちゅっ。もう大丈夫だよ。お帰りルナ。お勉強は終わったの?良い子に出来たかい?」
「…んと、べんきょ、しぇんしぇい、えらいちてくりぇた。ルナいーこ、ちたのよー」
「AI先生に褒められたの?それは凄いね。良い子に出来たのも偉いね。ちゅっ。
パパとお兄ちゃんは?まだ帰って来てない?」
誇らしげにしている顔に口付けをしながら聞いたら、クシャッと顔を歪ませて、問に答えた。
「ぱーぱ、にぃに、くしゃい、かりゃ、おふりょ、ポイッて、ぽちゃん、ちた…」
その答えと顔が面白すぎて「ぶはっ」と吹き出したら、アレクとマイキーが入室してきて、
「「コラ、ルナー!」」と叫びながら、ルナを捕まえようと手を伸ばした。(無駄なのにね……)
案の定、捕まる寸前にヒョイ、ヒョイっと転移して逃げるから全く捕えられず、
追いかけてる側が疲弊して、攻防戦が終了した。
最近ずっとこのパターンで3人が遊んでます。飽きもせず毎日ね。面白いし可愛いから良いんだけどね。
いつもならこの後、ご飯食べて、ルナを寝かして、部屋に戻るマイキーとおやすみのハグしてから、
アレクと2人の時間を楽しむんだけど、今日はルナを寝かしつけた後、家族会議と称して能力チェックです。
さぁ、規格外な次男の能力や如何に……
「皆んなご飯食べようか。お腹空いたでしょ?何食べたい?ルナのデザートは、いちごにする?ボーロかな?」
「さっき、ルナ迎えに行った時に食堂で飯貰ってきたから、それ食おうぜ」
「リビングで食べる?ママ…歩くの辛そうだし、この部屋で食べようか?ルナおいで、兄ちゃんと食べよ」
「ルナ、ぼーりょ、たべりゅ。…しゃかにゃ、いりゃない。みろりのふしゃふしゃ、いりゃない…」
「「「ルナ、好き嫌いしないの!!」」」
魚とブロッコリーを食べたくない!とごねる息子に、四苦八苦しながら食べさせ、
ワイワイと賑やかな、騒がしい夕食の時間を過ごし、ウトウトし始めたルナをアレクが寝かし付けた。
「アレクありがと。ちゅっ。マイキーもね、ちゅっ」
「どういたしまして、ちゅっ」
「えっと、うん。へへ。ママお疲れ様、ちゅっ」
3人で頬チューを交わし、微笑み合ってから視線を絡ませ、頷き合い、ルナを鑑定した。
----------------------------------------------------
name:ルアナーシュ。 age:3。 tribe:???。
MP:♾ HP:♾
スキル:全属性魔法、精霊、大地、神級(開花前)、空間、
召喚、付与、古代、禁忌、大気、千里眼、念話、転移。
ピースフェリスの加護。闇神の加護。???の子。
----------------------------------------------------
「……こりゃ凄い。何だろねこの???って。知りたいような、知りたくないような…闇神って何だろ」
「ルナって、ルアナーシュって言うんだな…この???は、知らないほうが良い気がする。何だ神級魔法って…」
「これ、ママより凄い…感じがするね…。
???の子って何だろね…種族の箇所も???だよ。インプ族じゃないって事だよね…古代魔法に禁忌魔法…」
一つ一つの鑑定結果を目にして驚き、振り返る時間もなしに思い思いの感想を述べた。
その声が部屋に広がると、急に静寂が訪れた。
部屋の中には緊張感が漂い、息を潜めるような雰囲気が広がった。
その中でルナの寝息だけがひっそりと木霊し続けていた。
30
お気に入りに追加
1,848
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完】ラスボス(予定)に転生しましたが、家を出て幸せになります
ナナメ
BL
8歳の頃ここが『光の勇者と救世の御子』の小説、もしくはそれに類似した世界であるという記憶が甦ったウル。
家族に疎まれながら育った自分は囮で偽物の王太子の婚約者である事、同い年の義弟ハガルが本物の婚約者である事、真実を告げられた日に全てを失い絶望して魔王になってしまう事ーーそれを、思い出した。
思い出したからには思いどおりになるものか、そして小説のちょい役である推しの元で幸せになってみせる!と10年かけて下地を築いた卒業パーティーの日ーー
ーーさあ、早く来い!僕の10年の努力の成果よ今ここに!
魔王になりたくないラスボス(予定)と、本来超脇役のおっさんとの物語。
※体調次第で書いておりますのでかなりの鈍足更新になっております。ご了承頂ければ幸いです。
※表紙はAI作成です
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる