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本編 最強冒険者

story160/キャパオーバー

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目の前で、いきなり意識を失ったショウマを寝室へと運び、ベッドへ寝かせた。

頭を撫でながら様子を伺ってたら、運命神が語り掛けてきた内容に驚愕し硬直した。

そこへ現れたマイキーに、ショウマの状況を聞かれたので、話して聞かせた。

「━という事なんだよ。とりあえず、ショウマは大丈夫だ」

「イベントリ授けられたの!?賢者スキルって言われてる奴でしょ!?
転移魔法の次に最強だって言われてるよね!?
そしてその中に神様からの贈り物が入ってるの!?凄さの次元が違う!」

「おいマイキー、少し声の大きさ抑えろ。ルナが吃驚してるし、ショウマが起きちまう。」

「あ、ごめん興奮しちゃってつい…。
ねぇ、贈り物って何かな?ショウ兄ちゃんの為に色々準備してるアレに役立つ物なんだよね?」

「そう言ってたな。なるべくこの世界の物で飾り付けたかったんだがな……はは」

「ん~。気持ちは分かるけど、一生に一度の事なんだし、
だから神様もお祝いしたくて贈り物くれたんじゃない?ご好意は有難く受け取ろうよ」

「……そうだよな。でもな、あの神様の用意してくれた物ってだけで不安なんだよな……」

「そんな事を言ってないで、見るだけ見てみれば?いい物かもしれないじゃん?
綺麗に飾り付け出来なくて困ってたの、解消出来るかもしれないよ?
まぁ、前にも言ったけど、綺麗に出来なくても、
アレクのその気持ちだけでショウ兄ちゃんは嬉しいと思うけどね」

「ははっ。そうだと良いんだがな……どうしてもユアン達の時のと比べてしまうんだよな」

「……あれは比べちゃダメだと思うな……あの時の招待客も言ってたけど、
“神様の晩餐”って言葉がピッタリ嵌る宴だったもん」

そんな話をマイキーと真剣にしてたら「まんま、おちた」というルナの呟きが聞こえ、
慌てて振り向いたら、笑顔で涙を流すショウマと目が合った。

幸せそうな顔で微笑みながら、俺の手を掴み、そっと下腹部に乗せ、
俺が「どうした?」と言葉を発する前に、衝撃的な告白を口にした。

「アレク…僕、妊娠してるんだって…」

その瞬間、時が止まったかのように辺りがシーンっと静まり返った。

数秒そうして思考が停止した後、俺は脇目も振らず雄叫びを上げた。

「!?嘘だろぉぉおお!!」

それはそうだろう、セックスはしていたが、子実果は使っていないんだ。

ショウマの浮気は疑ってないが、何故なのか、どうしてなのか分からず、俺は困惑し混乱したまま、
「何がどうなって、妊娠なんて…俺の子なんだよな?」そう疑問を投げ掛けてしまった。

そうしたら、ショウマの顔が悲しそうに歪み、
「酷い…」そう呟いて嗚咽を漏らしながら泣き出してしまった。

そんな俺達のやり取りを冷静に見ていたマイキーが、ショウマの涙を拭いながら俺を見据え、

「アレク最低だね、何故?とか、どうして?って疑問とか理由聞く前に、
子供を授かった事を喜ぼうよ。嬉しくないの?自分の子でしょ?
それともショウ兄ちゃんの浮気を疑ってるの?」

そう言葉を投げ掛けてきた。
それに対し俺は、頭を振るって反論し、ショウマに謝罪した。

「浮気なんて疑ってねぇよ。最高に幸せだし嬉しいに決まってんだろ?
ただ、状況に戸惑ったんだよ…ごめんなショウマ、俺のひと言で傷付けちまった」

「…ぐすっ。ううん、泣いてごめんね。そりゃ戸惑うよね…僕だって聞いた時は戸惑ったもん。
マイキーありがとう、君の言葉にはいつも驚かされるよ。
それに心が暖まる…優しい子だよ本当に。この子のお兄ちゃんとして頼りにしてます」

「え、そ、そうかなぁ?えへへ。アレクが頼りないから、オレがお父さんになってあげるよ!
ショウ兄ちゃんオレと結婚しようよ、アレクよりも幸せにしてあげる!」

マイキーがドヤ顔でアレクに略奪宣言した瞬間、2人の間に火花が散ってまた口論を始めた。

その様子をルナと戯れながら見ていたら「「「!?」」」3人同時に外の異変に気付いた。

「アレク、マイキー、気付いた?」

「ああ、複数の人の気配だな……」

「うん…20人くらいいる…方向的に幼稚園を囲ってる感じだね…」

「何だろ…盗賊かな…?」そう言いながら、外へ行こうとベッドから降りたら、2人に全力で止められた。

「お前はダメだ、ここにいろ!」とアレクにベッドに戻され、口唇にちゅっと口付けされ、
「ショウ兄ちゃんはルナとお腹の子守ってて」
とマイキーには布団を掛けられ、なんと頬にキスされた。

その流れるような動きに呆気に取られていたら、
悪戯成功!と言わんばかりに、
ペロッと舌を出したマイキーの頭を小突きながら、2人で仲良く駆け出して行った。

「…あっははは!さり気なく頬にキスされちゃったよ!
ねぇ、ルナ。マイキーお兄ちゃんのあの顔見た?アレクパパの顔も凄かったね」

そう言って笑いながらベッドの上で転がってたら、
僕の顔面をペチペチと叩きながら、顔を歪ませたルナが迫ってきた。
そして「まんま、ちゅー、ぱーぱ、やーの」と言いながら、
ゴンッと思いっきり顔面でアタックしてきた。

「!?痛ぁぁあい!ルナ、額の角が刺さってるよぉお!コラ、グリグリしないで!痛ぃぃい!」

「きゃははっ、まんま、たいのー?」

「“きゃはっ”じゃないでしょ~!痛いんですぅ~!
悪い子にはお仕置きだよ~?必殺……脇こしょこしょ~!」

「きゃははは、まんま、めんねー、もーちないー、きゃははは!」

「ふふふ。もうしないって約束出来るかな~?」

「…あい!やくしょーく、もーちないー」

「ルナは良い子だからね、約束は守れるもんねぇ。
お外に居るのは良い子かな?悪い子かなぁ?どっちだろうねぇ、ルナ」

「……?ねー、まんまー」

アレクとマイキーの事を心配しながらも、ルナと笑い合って戻って来るのを待ってたんだけど、
1時間経っても、2時間経っても戻って来る様子が無く不安になってたら、
部屋に近付く2つの気配を感じ取った。

「え!なんでここにいるの??」

その気配は、ガーディアンにいる筈もない人達の物で、驚いいたと同時にノックの音が響いた。
そしてその2人の人物がドアを開け、姿を現した。

「ショウマ君、体調はどうです?子を授かったとアレクレスから聞きましたよ。おめでとう」

「よお、翔馬。妊娠したって?おめでとう!俺とエクシェルの子と同級生になんな。ほら」

「ぇええ!!ユリウス兄様とニクス!?何でガーディアンに居るの!?
それに、2人の子って何!?え?結婚したの!?」

驚き過ぎてパニックになりながらも、ニクスのお腹に手を当ててみた。

ニクス達に、シェリー達にと、友人が続々と結婚&妊娠した事実に、驚きと嬉しさが混ざり合い、
「なんだこのラッシュわぁあ!!」と大声で叫んだら、
「エクシェルも妊娠してんぞ」と更に驚くべき事実を告げられ、
キャパオーバーした僕は「君達はリバなのね……」そう呟き、暫し天井を見上げ放心していた。

そして、そのままの状態で、ユリウス兄様から外の状況を伝えられた。

「外の破落戸を雇ったのはヴィツィオ元男爵でした。
今、アレクレス達が後処理してますので、もう少ししたら戻ってきますよ」

その情報に驚愕した僕は「ガッデェェム!!」と叫びながら、本日2回目となる気絶を起こした。
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