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本編 最強冒険者

story113/ ☆全裸で起きた朝は

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「……んん……さむい…」

怒涛の1日を終え、テントに入った途端、
僕を抱き締めながら「頑張ったな」と言われ、
それまで抑えてた涙が溢れ出し、
アレクの胸に縋り付き嗚咽を漏らしながら泣いた。

そして、泣き疲れて
アレクの腕の中で眠ってしまった僕は、
「寒い……」と肌寒さを感じて身動ぎ目を覚ました。

眠ったままの体勢で目を開けると、
ベッドの上に寝かされている自分がいた。

布団の柔らかな感触が身体に心地良く、
自然と笑みが浮かぶ。
傍に温もりを感じ、横を向いたら、
スー、スー、と眠る大好きな彼が居た。

愛しい人がそばにいる安心感に頬が緩む。
アレクの寝顔を見つめながら
「そういえば……」と思い出した。
幸せな夢を見てた事を。


ガーディアンにある2人の愛の巣は、
穏やかな時間を共有し、何の障害もなく、
ただただ僕達二人だけが存在する特別な場所で、

その家のベッドの上で嬉しそうに笑って、
僕の頭を撫で続けるアレク。

彼の目には純粋な愛情と幸福が溢れてて、
僕もまた、心から彼を愛しいと感じながら、
その愛情と幸福に寄り添っている。

優しい声音で
「ずっと一緒だよ」と言われ、
「傍にいてね、約束だよ」と答え、
優しく幸せそうに2人笑顔で見つめ合う。
そんな心が暖かくなる幸せな夢だった。


僕は、隣で眠るアレクの頬に手を伸ばし、
その柔らかな肌に触れた。
彼と共に過ごす時間はいつも特別で、
僕はアレクの傍にいることで幸福を感じていた。

ススス、と傍に寄り身体を密着させて
アレクの髪を優しく撫でた。

彼の存在が、僕にとってどれほど大切なものか、
それを再確認する瞬間だった。
そして、彼の眠る姿を大切に眺めながら、
心からの愛を彼に伝えた。


「ありがとう、アレク。傍にいてくれて、
愛してるよ、ずっと一緒にいようね」


と囁くと、少しだけ唇が微笑むように動いた。
アレクも幸せな夢見てたら良いな……

そんな事を思いながら寝顔を見てたら、
肌に触れるアレクの感触に違和感を感じた。

「まさか……」と恐る恐る毛布を捲ると……
僕は何も身に着けてなかった。そして絶叫。


「ひゃぁぁああ!なんで全裸なのぉぉおお!」


僕のその声に驚き目を覚ましたアレクが、
勢い良く起き上がり、いきなり抱き締めてきた。


「ショウマ!どうした?また怖い夢見たか?
もう大丈夫だから、な?傍にいるから」


「え?夢?それは見てたけど……
凄く幸せな夢だったから、悪夢じゃないよ」


「そうか……良かった……」


(まさか魘されてたのかな?)
「ふふふ。うん。大丈夫だよ……
………って!そうじゃなくて、何で全裸なの!?」


「えっ!あ、そ、それは…あれだ、ほら!
魘されてたからな?苦しそうにしてたしな?
服の締め付けから解放してやろうと…思って…」


「………………アレクレス様?」「は、はい」

「本当は?」「いや…ベッドに寝かせたらさ」

「ええ」「服着たままだと窮屈だろうな、と」

「それで?何で全裸?」「フェリの服をな」

「ええ」「脱がしてたら……止まらなくなってさ」

「……」「フェリ様の裸を見たくなりまして……」


「フェリ。お前の肌は真っ白で凄く綺麗だった」


いきなり得意げな真面目な顔して、
目を見つめながらそんな事を言ってきてもダメ!


「おバカ!真剣に言ってもダメなのぉ~!」

「何で!?」「何でも!」

「触ってないから、見てただけ!」「ぷんすこ」

「ぷんすこ可愛い。何しても可愛い」「いや!」


破顔しながら、可愛い×2と繰り返し発して、
そっと触れるだけのキスを送ってたアレクが、
抱き締めてた腕を緩め、背中、腕、腰、お尻と、
手のひら全部を使い、さわさわ、と撫でてきた、


「可愛い、愛しい、肌すべすべ」「あっ、やめ」

「腰細い折れそう、お尻小さい」「ふあっ、ん」

「フェリ、もっと触りたい」「え、んんッ、や」

「少しだけ……」

「あ…「ごめん!……もう我慢できんっ!」


「朝からダメだよ」そう言おうと口を開いた瞬間、
辛抱出来なかったアレクが噛み付くようにして
強引に僕の口唇を奪ってきた。

アレクの唇が僕の唇に触れると同時に、
僕は一瞬でその感覚に溺れてしまった。

アレクの強引な口付けは脳みそを甘く痺れさせ、
溶けるほどの熱を僕に与えてきた。

僕達はただ唇を交わすだけではなく、
お互いの存在を確かめ合っていた。

くちゅ、くちゅ、と舌が絡み合う度に響く水音と、

「んんッ…んぁッ」と合間に漏れる甘い声音が、

テントの中で響き渡り、
アレクの熱い吐息が舌が口内を愛撫する。

アレクの指先が僕の頬をなぞるように滑り、
深い愛情が伝わってきた。


「好きだフェリ、そしてショウマ愛してる」

「ぼくも好きらよ、やら、もっとほしい」

「くく。ああ、俺ももっとお前を感じたい」


ちゅく、ちゅっ、と唇を重ねるたびに、
奥深くから痺れる快感が湧き上がる。

舌を絡ませる情熱的なキスをしてると、
喜びと幸福感が胸いっぱいに広がっていく。

噛み付くように始まった唇同士の触れ合いは、
どんどん激しくなり、欲望が二人を包み込む。

二人の唇が絡み合い、舌が躍動する度に、
息が続かず苦しい。でもその苦しさも快感になる。

絶え間ない愛撫とともに、舌が痺れてきて、
快感が全身を駆け巡り、身体は熱く疼き始める。


「ンゃァ、からだが熱いのぉ、アレクぅきもちぃよぉ」

「くそ、可愛い、そんな事言ったら止められん」

「ァぅ…んぁッ…アレクぅ、とめらいれ、もっと」


アレクの身体に密着し、その感触が欲を刺激する。
愛しい彼の存在に夢中になり、
情欲で濡れた瞳を見つめ「もっと」と懇願した。


「は、フェリ……堪らなく可愛い、愛しいよ」


甘い言葉を優しい声音で囁かれ、
テント内は、くちゅ、くちゅ、という水音と
「ンはァ…」と欲を帯びた吐息で満たされていく。


「おなかに、ちんぽ、こしゅれてきもち、よ。
ちくびがっ、ジンジンしゅる、のっ」

「は、ヤバいっ、淫靡すぎて耐えられんっ!
朝は抱かないって決めたのにっ、決心が鈍るっ」

「にぶってぇ、おねがいぃ、ァぅん、ぬいでぇ」


僕の思考は身体を満たす情欲に焦がれていて、
熱く疼く欲が奥底に燻り続け、解放を求めていた。

アレクは僕の淫猥な願いに
「くそっ」と悪態をつきながらも、
次々とボタンを解いていった。

僕は解けたボタンの隙間から徐々に現れる肉体に
恍惚な表情を浮かべ魅入っていた。

アレクの肌は滑らかで引き締まり、
まるで理想的な彫像のような肉体美をしてる。

その強靱な身体に触れたいという欲求が
僕の頭の支配し始め、
目の前の光景に釘付けになった。

そしてお互い一糸纏わぬ状態になった瞬間、
アレクが僕を優しく背中からベッドに沈め、
M字に開いた脚の間に陣取ってから、

額、目、鼻頭、頬、顎に、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と

軽く触れるだけの口付けを落とし、

「お前が欲しい」

そう言ってから、口唇に口付けを贈ってきた。

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