腐男子、転生したら最強冒険者に溺愛されてる

玲央

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本編 最強冒険者

story91/ 脳裏に浮かぶのは……

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強制転移させられ、またアレクに会った森に送られ、
そこで出会った“”森のモジャさん“”
いや、冒険者のグレインさんと、
街に到着し、門を抜けた所で再会した。

第一印象は“”髭モジャの原始人“”
髪がボサボサ、髭がボーボーで、
服もアチコチ破れていて……
まぁ、原始人というか、浮浪者というか、
そんな感じだった。

そんな彼が、街に到着したばかりの僕に
話し掛けてきたんだけどぉ~

最初は本当に分からなかったんだよねぇ。
だって、原始人から美中年になってんだもん!

髪の毛の色はグリーンアッシュで、
ツーブロパーマでお洒落ぇ~!
顎髭が生えてるんだけどね、
綺麗に整えてあって、カッコイイのぉ~!

目はブラックグリーンで、優しい色合い?

背はユアンさんと同じくらいかな?
体格は冒険者だけあってガッチリしてるよ。

そんなんだから、
最初グレインだと分からなかったんだよねぇ。

で、そんな彼が「ギルドへ行く」と言った僕に
「一緒に行こう」と誘ってくれたので
今は冒険者ギルドへ行く為並んで歩いてまぁす!


「ねぇ~、グレンってガーディアン出身?」


「……あ、いや。王都ウォルデン」


「王都ぉ!都会だねぇ~♪
あ、ねぇねぇ~ご飯食べたぁ~?
僕食べたんだけどぉ~、肉の香りがぁ~!
あれは、匂いの暴力だよぉ~」


「……飯は食べたぞ。腹減ってるなら食べるか?」


「ん?ん~ん~。むむむ……今は止めとくぅ~。
チラッ。ふふふ。グレンはお喋り苦手なの?」


「…………ああ。気を悪くさせたらすまない」


「え?全然大丈夫ぅ~♪
僕が勝手に喋ってるからさぁ~。
無理な事は無理!だもんねぇ~
僕みたいに五月蝿い人も居れば、
グレンみたいな静かな人もいるのは当たり前ぇ」


「……いや、ヨウマは五月蝿く無いから平気だ。
お前の声を聞くと心地良い気持ちになるから、
もっと聞いてたいって思うな」


「え?声が心地良いの?
ふ~ん♪グレンは僕の声がすきなんだぁ~。
僕もグレンの声好きだなぁ~低くてさぁ~
大人の色気を感じるセクシーな声だよねぇ」


「……え?色気?
で、セクシーとは?初めて聞く言葉だ」


「あ!そっか知らないよねぇ。
セクシーは、色っぽいとか、艶っぽいって意味」


「……くっくっく。俺の声が色っぽい…ははは。
……!あ、悪い。手が触れてしまった……」


「ん?手が触れただけで
謝る事ないじゃん(笑)……なんなら繋いで歩く?」


「…………繋いで!?あ、いや大丈夫だ」


「何が大丈夫なのぉ~?ねぇ~?ふふふ」


その後も、手が触れる度に謝ってきて面白かった。
潔癖症なのかな?って思ったけど違った。
手が触れる瞬間、耳が赤くなってたからね。

触れ合いが苦手なのか?まさか童貞かな!

そんな事を考えてたら、ギルドに到着!



「ふぅ。ココ来ると嫌な事思い出すなぁ……」


「…………何か嫌な事があったのか?
……それなら俺が先頭で入るから、
後ろから着いてこい。俺の背に隠れてたら平気だろ」


「(何このイケメン様!きゅん、てしちゃった)
ふぅ。大丈夫、ありがとう。グレン」


では……オープン~~!


{わっ!凄い綺麗な子} {何あの子!凄い美人}
{一緒に居るのってグレインじゃない?}
{本当だ、怖いんだよアイツ}    {無口だよな}

ヒソヒソヒソヒソ……ザワザワガヤガヤ……

また人の事ジロジロ見て何か言ってるぅ~
グレインが怖いとかさぁ~
無口なのの何処が悪いの!失礼な奴等ぁ!


「……おい、あんなの気にするな。
あれは何時もの事。何か言いたいだけなんだろ。
お前は自分の用事あるんだろ?済ませてこい」


「あ、うん(あんなのが日常茶飯事なの!?)
じゃあ、ちょっと行ってくるねぇ~」


(毎回ここ来る度にあんなコソコソされてるのかな。
気にするなって言うけどさぁ……
ああいうの僕キライなんだよねぇ~!
言いたい事あるなら直接言えばいいのにさぁ~!)


そんな事を思いながら、受け付けに到着。
ショウマのギルドカード情報変更出来るかなぁ~。


「次の方どうぞ。本日のご要件をお伺い致します」


「以前作ったカードの名前を変更したいんだ。
訳あって、ある方に名前を変えられてしまって。
そういう事って出来ます?
無理なら新規登録したいのですが」


「お名前の変更ですね、出来ますよ。
本当に本人のか確認の為と変更手続きの為に
水晶に魔力流して貰えますか?」


「水晶に魔力流すだけで、本人のだとわかるの?」


「左様で御座います。
魔力は一人一人違いますので、
それを新規登録した時に
カード内に記憶させているのです」


ほ~。凄いね、
水晶に触れるだけでそんな事出来るんだ。
占いに使うような玉でねぇ。魔道具なのかな?

ではでは。手を乗せて、魔力を流す……


「はい。確認取れました……
ショウマ・アマギ様から、
ヨウマ・フェリアス様に変更も完了しました……
えっ!あの……以前のお名前ショウマ・アマギ……
って記載が有りましたが……
アレックス様のお連れ様だった……ショウマ様?」


「あ、そうそう。……あれ?
君、あの時謝ってくれた方だよね?
その節は色々とお騒がせしてすみませんでした」


「え!ご本人様!?あれ?でもお姿が……
それに、アレックス様は?」


「姿はね、ある方に魔法で変えられちゃったの。
でも、本人だよ?
それと、アレックスは今一緒にいないよ」


「あ!あの!ギルド長に会って貰えませんか?
以前発生した大氾濫の時にその場にいらした、
“”銀髪の血濡れ天使“”とは貴方様の事では?
その氾濫の際にお造りになった石碑の件で、
ご遺族の方から贈り物を頂いているのです。
“”銀髪の血濡れ天使“”様に渡して欲しいと」


「え゙!何その変な2つ名ぁ~!
それ、僕じゃないからぁ~!贈り物いらないし、
ギルド長には会いません!ね?わかった?」


「でも……」「会・わ・な・いの!ね?」


ガシッ!

そうしてカウンターで、
会う会わないの押し問答をしていると、
誰かに後ろから思い切り肩を掴まれた。そして……


「さっきから何だテメェー!
セイアさんに馴れ馴れしくしてんなよ!!
こっち向け…や…(うっわ!凄っ!精霊か!)ボソッ。
コホン。ほ、ほら!セイアさんに迷惑掛けてねぇで、
あっちで、お、俺達と話ししようぜ!な!」


「オズマ!何し…て…うっわ!凄ぇ美人!
何、キミ本当に人間?うわっ細!白っ!
俺の性器突っ込みてぇ!オズマ俺にも回せよ!」


キモっ!何このチンピラ!


「あ、受け付けさん。
ギルド長の件は今度でいい?ごめんね?
この人達、僕に用事あるみたいたからさ」


では、コイツらの相手してあげますか。


「触んなよ。何だお前ら。キモっ、浮浪者?
アンタら臭いんだけどぉ~!鼻曲がりそう!
そんな奴等の性器なんて腐ってそう~!
しかも小さっ!本当に付いてんのぉ?あはは!」


「んだとコラ!犯すぞテメェ!コッチ来いや!」


「痛いぃ!離せよっ腐敗臭野郎がぁあ!」


「いいから来いよっ!?痛!でででででっ!
痛ぇなっ、がァあ!腕もげ…る…誰だよ離せ!」


僕に絡んで来た奴の腕を、誰かに捻りあげられ、
目の前で悶絶しているチンピラくん。
その誰かを見ようと目線をやるとグレンだった。


「……辞めろ。みっともなく騒ぐな。
ここはギルドだ。揉め事は外でやれ。
それに、その子は俺の連れ何だが、
要件があるなら俺が聞いてやるが」


「ヒィィイ!A級のグ、グレインさん!
貴方のお連れ様とは知らず失礼致しました!
用事は終わったので、あの、もう行きます!

おい!もう止めろ!その手離してもう行くぞ!」

バタバタバタバタ……

ふぅ……助かったぁ~ほんとにキモかったぁ~


「ありがとうグレン!何なのアイツらぁ~!」


「…………いや構わない。ヨウマ外に出よう」


そう言われ、ギルドの外へと出た。
そしてもう一度お礼を言おうとして
口を開いたら、グレンに遮られた。


「さっ…」


「……ヨウマ。お転婆なのは可愛いが、程々にな。
先程の事は彼等に非がある。が、
穏便に済ませる事も大事だ。
揉め事が大きくなってしまった原因はお前だ。

あ、いや。攻めてる訳じゃないんだが……
ああいう輩は煽るより穏便に済まさないと、
後で仕返しと称して何されるかわからない。
冒険者は気の荒い奴が多い。今後は気を付けろ」


「…………はい。あ…あの…気を付けます」


こんな風に窘めるように
注意された事が今まで無かった僕は
大人な対応と口調に胸がきゅんってしちゃった……

その後、少し話しをしてギルド前で解散したが、
暫しその場から動く事もせず、
去って行くグレンの背中を見つめていた……

その後森の中に転移してテントを出し、
何時もなら直ぐにアレクの様子を見るのだが、
その日は眠りに就くまで1度も
アレクの事を思い出す事も無かった……

そして脳裏に浮かぶのは……グレインだった……
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