上 下
86 / 233
本編 最強冒険者

story66/ 号泣

しおりを挟む
翌日から、コックドゥさんに料理指導をする
という事になり、


「ありがとうございます!師匠!
弟子として貴方様に追いつく為、
技術を磨かせて頂きます!」


「だから、師匠じゃなくて“”先生“”ね!
ふふふ。精一杯努めさせて頂きますね?

それと、先程は“”不味い“”なんて言って
すみませんでした。
あなたの尊厳を傷つけるような発言をしてしまい、
申し訳ありませんでした」


そう言って謝ったら、パパに頭撫で撫でされて
「えへへぇ」
って笑ったら“”ぎゅうぅ“”と抱き締められて
僕も抱き締め返して……としていたら、


「料理長、先程の非礼すまなかった」


と、アレクも謝っていた。
そんなアレクは、なんと!
ユリウス様に頭撫で撫でされていたのです!

その光景を見て脳内トリップしたのは
ご愛嬌って事で♪

僕達2人が謝った事で、
料理長が若干パニックにり
オロオロとアワアワとしていたのには
皆んなして笑っちゃた!

そんな賑やかな家族団欒の場に
僕が一緒にいれる事が本当に幸せで……

パパの膝から降りて、アレクに抱き着き、
感極まった僕は声を殺して泣きだした。

アレクはそんな僕の背中を、優しく撫でながら

「ショウマは母親しか居なくて、
父親を知らないんです。
唯一の母親は働きに出ていて、
ショウマは小さい頃から1人きりだったのです。
だから父上や兄上達と楽しく過ごす、
こういう時間に感動したのだと思います」


「そうでしたか。
それはさぞ寂しかったでしょうね。
ショウマ君はもう我が家の一員ですよ。
もう家族です。
私は可愛い弟が出来て、とても嬉しいのです。
だから、もっと甘えて下さいね?ふふふ。
エクシェルもアレクも図体がデカくてねぇ。
可愛げが無いのですよ。はぁぁ」


ユリウス様はアレクから僕を受け取り、
優しく抱擁して、撫で撫でしながら
そう言ってくれた。
最後の一言には泣きながら笑っちゃった。


「そうだぞー!妖精ちゃんはもう、
フォルティエ家の大事な宝物なんだ!ちゅっ。
俺も可愛い弟が出来て最高に嬉しいんだ!
一緒にお出掛けとかしような!スリスリ
隊舎に連れてって皆に自慢もしたいから、
今度一緒に行こうな!」ちゅっ。


エクシェルお兄様は、膝に僕を乗せて
そう言いながら、頭にキスして、
頬をスリスリ撫でて、最後に口にちゅって
軽くキスするもんだから、
慌てたアレクが奪い返して
僕の口をゴシゴシ拭いてから
エクシェルお兄様に説教していた。

一瞬の出来事にビックリして、
僕の涙は引っ込んじゃった(笑)

アレクとエクシェルお兄様の遣り取りに
クスクスと笑っていたら、パパに抱き上げられて


「ショウくん。
寂しい幼少期を送ってきた君は
孤独で辛い道のりを歩んで来たのかもしれない。
それでも君はたくましく生きてきたのだろう。

どんなに辛い日々だったとしても、
君の心には優しさが宿っているだろう。
幼少期の寂しさは、
君の強さへの礎となってるはずだよ。

君は一人ではないのだよ。
“”私達の家族“”という“”絆“”が存在し、
君を包み込んでくれる場所がココにある。

アレクレスと私達家族と一緒に、
愛と優しさに満たされた人生を
共に歩んで行こうな。

だから、泣くのは今日で終わりだよ?
可愛いお目目が真っ赤になってるじゃないか」


パパの言葉が心に染み渡り、
折角止まってた涙が溢れてきて、
嗚咽を漏らして泣いてしまった僕は、
パパに背中をトントンされていたのも相まって
泣き疲れてそのまま眠ってしまった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい

戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。 人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください! チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!! ※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。 番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」 「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。

黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

料理がしたいので、騎士団の任命を受けます!

ハルノ
ファンタジー
過労死した主人公が、異世界に飛ばされてしまいました 。ここは天国か、地獄か。メイド長・ジェミニが丁寧にもてなしてくれたけれども、どうも味覚に違いがあるようです。異世界に飛ばされたとわかり、屋敷の主、領主の元でこの世界のマナーを学びます。 令嬢はお菓子作りを趣味とすると知り、キッチンを借りた女性。元々好きだった料理のスキルを活用して、ジェミニも領主も、料理のおいしさに目覚めました。 そのスキルを生かしたいと、いろいろなことがあってから騎士団の料理係に就職。 ひとり暮らしではなかなか作ることのなかった料理も、大人数の料理を作ることと、満足そうに食べる青年たちの姿に生きがいを感じる日々を送る話。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」を使用しています。

処理中です...