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本編 最強冒険者

story55/ 戦士達よ安らかに

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朝から濃ゆい絡みを終えてから、
夢の中の出来事を思い出し、
トライキーに不満爆発した僕は
アレクの後ろから抱き着き

「こう!これがトラちゃんで出来ないのぉ」

と、頭グリグリ押し付けて訴えたんだけど

「なるほど……ま、それは諦めろ!あはは!
トライキーは俺達のペットだろ?ん?
大事に乗ってやらんとな!あはは!」


と言って、頭ポンポンして“”ちゅっ“”としてから


「ベッドの中とか、座ってる時とか、
歩いてる時ならいつでも大歓迎だから。
トライキーは要らなくありません!」


そう言い、笑いながらベッドから出て
僕を放置してリビングへ行ったの。

(クッソ~!絶対バイクに乗って貰うもん!)

DVDでバイク映像見せたら、
絶対欲しくなると思うんだ~。
ふっふっふ…アレクよ覚悟するのだ!


今日は惜しくも散った命を、そして
奮闘した戦士達を称える為の石碑を建てる日。

慰霊碑って言う、事故や災害等で
亡くなってしまった人や、動物の霊を
慰める為に建てる石碑を建てるのぉ

戒めや警告を文言にして石碑に刻むんだけど
それはギルド長が来てからやるんだぁ。


「ショウ、俺ギルド長に挨拶してくるから
先に行くな?ちゅっ。
ちゃんと食べてから、後からおいで」


ちゅっ「はぁぁい。後から行くね~」


アレクが先に出て行ってしまったので、
少し急ぎめで“”モグモグ“”食べてから、
歯を磨いて……

今更だけど、この世界歯磨きの習慣が無くて、
ビックリしたんだよねぇ。
僕が歯ブラシで“”シュコシュコ“”してたら
アレクが不思議そうに見てきてさぁ…

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「それは何をしてる?」

「え?歯磨きだよ?アレク磨かないの?
お口の中バイ菌だらけで汚いよ?」

「ハウミィガキ?バイキン……。う~ん
その棒に毛が付いてるので口の中を洗うのか?
ニホンは不思議な事すんなぁ」

「え?ハ・ミ・ガ・キね?
そうそう、口の中と歯を綺麗にするの。
日本は魔法が無いから、虫歯になったら
治療院行って治すのが普通だからね?」

「へぇ。俺らは口の中に«クリーン»
掛けるのが普通だな。
世界が違うと色々違って面白いもんだよな」

「まぁねぇ。世界も違えば、風習も違う。
魔法があるのと無いのじゃ暮らしも違う。
確かに面白いよねぇ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

なぁんて事を話してたの思い出したぁ。
僕も«クリーン»使えるけどぉ~
やっぱり磨かないと落ち着かないよねぇ~


「にぃぃい。うん。綺麗になったね♪
支度…う~ん。今は冒険者装備でぇ~。
黙祷の時は、喪服にしようっと」


いつもの冒険者装備に着替え、テントを出て外へ。
丁度そこにシェリーさんが通り掛かったので


「あ!シェリーさん!おはようございます~」


と、元気に挨拶したら、ビックリした顔で
近寄って来て、耳元で言われた言葉に唖然……


(ショウマくん、性行為する時は
防音魔法か、結界張らないとダメっすよ?
昨日の夜と朝の閨時の声漏れ響いてましたっす)


「じゃ、気を付けて下さいっすよぉ~
ユアンが刺激されて
俺昨日大変だったんすからね!」


「…………閨…声漏れ…ぁ、ぁぁああああ!!」


うぎゃあ!うそうそ!あ、あのテントが悪い!
中が快適過ぎてテントだって事忘れてたぁ!
デカい声で“”あんあん“”言ってたの
周りに響いてたのかぁぁぁあああ!!
羞恥!知らないうちに羞恥プレイ!?


「Oh my God!Deepest  apologize!!」
※何てことだ!大変申し訳ございませんでした!


羞恥で大混乱した僕は、
聞かせて申し訳ございません!を
何故か英語で大絶叫していた。

それを遠くで聞いていたアレクが「何事だ!」
と、走って来たんだけど
顔を両手で覆い上を向いてブツブツ謝ってる僕に


「お前、アレだろ?喘ぎ声筒抜けだったの
誰かに指摘されたんだろ。あははは!
まぁ、あれだな。要するに……」


そう言ってから、顔から手を離させて
顔見合わせてから、2人で声を合わせハモった。


「「やっちまったな!!」たぁぁあ!!」


その後、僕を抱き上げギルド長の元へ連れて行き
石碑、慰霊碑の話しをしてから皆で作業に。

さっきの事を考えないように、
石碑を建てる場所に魔法で穴を開けてたら、
昨日討伐に参加していた他の冒険者の人達から

「昨日はいい声ありがとよ」とか
「可愛い顔して……」とか「ご馳走様」とか

次々言われ、また更に羞恥に晒された。

(誰かこの僕をこの穴に埋めて下さい…(泣))

そこに石碑に使う石を担いだユアンさんが来て


「あっはっは!ショウマの声凄かったな!!
お陰で俺も滾ってよ、
シェリー抱き潰してしまってな!あっはっは!
最高の夜だったが、最後殴られてなぁ。
ヤリ過ぎて無視されてんの!あっはっは!」


その言葉で、僕はさっきまでの羞恥も忘れ

(出た!生BL!ユアン×シェリー!
抱き潰しぃ~!きゃぁ~萌えるぅ!
この巨漢が黒髪ヤンチャ系を犯す……
最高~!聞きたかった~覗きたかった~♡)

と、頭の中できゃあきゃあ言っては
妄想の世界へと旅立っていた。

巨大な石を担いで大声で笑う巨漢と
その隣で遠くを見つめ頬に手を当て悶える僕。

その光景を周りで見ていた人達は
奇妙な2人組に恐れ慄いていたらしく
後からアレックスに聞いた僕は、

「すいませんでしたぁぁああああ!!」と

また大絶叫で謝った。


そんなこんな有りながら、無事慰霊碑完成!
僕は1度テントに戻り、喪服を着てから
慰霊碑の前へ。


「その服かっこいいな。似合ってる」「エヘヘ」


そんな言葉を交わしながら、
両膝ついて、両手組んでお祈りポーズ。
僕を真似して皆んなで同じポーズをして黙祷。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

(亡くなった方々に、深い哀悼の意を表します。
貴方達は、家族や友人、恋人達の心に
永遠に存在し続けます。

亡くなった方々の心に平穏が訪れ、
安らかな眠りにつけるようにお祈りいたします。

心からの哀悼と共に
僕達は貴方達の尊い命を忘れず、
感謝と敬意の文言を石碑に刻み、
祈りを捧げます。

フェリス神様は、優しいからね
天国で幸せに暮らして下さいね
僕みたいに、転生するかもしれないね?ふふふ

心から弔いの気持ちを込め
ご冥福をお祈り致します)

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

どれくらい黙祷を捧げていたのか、
心でお祈りしてから目を開け
アレクに視線を向けると
驚愕した顔で僕を見つめていた。

ん?なに?と問おうとしたら
何やら周りが騒がしいんですけどぉ~?

後ろを振り返り、見回すと「聖女だ」
「聖女様だ」「王宮が探している聖女様」

と、何やら口々に言ってますけどぉ~?


「アレク、聖女って澱みを払う女の人?
僕が知らない間にそんな人ココに来たの?」


「お、おま、お前ーー!ショウマ!
お前の事だよ!祈りの間ずっと光ってたぞ!」


「…………何、それ?え?聖女ぉぉおお!?」


え?聖女って女の人でしょ!?
僕男なんだけど……あれれ~?

確か、フェリス様が言ってたのは
どっかの国の人が聖女召喚を行おうとして、
選ばれたのが僕でぇ……

召喚される前に亡くなったから
聖女とか聖者としての責務は無いって
言ってたよねぇ?


「「「聖女様!お会い出来光栄です!」」」


「……僕は男!聖女じゃないのぉぉおおお!!」



(神の愛し子に、聖女様……はぁぁ。
俺の恋人はどこまで規格外なんだろうな……)
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