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本編 最強冒険者

story52/ 地獄絵図

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「教会へ行きたい」


と言うショウマの為、街の教会へ行く事に。

俺も久々だし、旅の安全を祈願する為
ショウマと聖像の前で膝をつき、目を閉じた。

そんな俺達を眩い光が包み込み
教会内を明るく照らした。

暫く目を閉じたまま

(この後、ショウマはフェリス様に会うのか)

等と考えていて、気付いた時には
辺り一面真っ白な空間で膝まづいていた。

目の前には、教会に飾られてる絵画と同じ
銀色の髪の毛とピンク色の瞳をした
この世界の創造神  “ピースフェリス神”が、
ショウマを愛おしそうに見つめ、
悠然と立っていた。

愛好を崩した顔でショウマを手招く神に、
嬉しそうに走って行き抱擁し合う2人が、
とても神聖な1つの絵画のように美麗で、
俺は「ほぅ…」っと息を吐き
暫し見惚れていた。

その後も2人は俺の目の前で
言葉を交わし、抱擁を交わし、キスを交わし、
愛し合う恋人の逢瀬のような場面を
見せ付けてきたが、2人が神々し過ぎて

「俺の恋人だ!」とか「キスだと!?」とか

普段なら絶対怒り狂いそうなのに、
唯々、その光景に魅入っていた。


その後は、ショウマに本名がバレたり、
(別にいいんだけどな)

旅の途中での魔物の出現情報を貰ったり、
戦神の加護を貰ったりしてから
神から直接「祝福」を受けるという
前代未聞の展開を体験し、祈りの間へと戻った。


“神の祝福”  

それは産まれて直ぐ、教会で授かる奇跡の光。
太陽のような暖かい光が、魂を包み込み
生命の力を与えてくれる

祝福を受けた魂は、神の存在に感謝し、
日々暮らしているのだ。


産まれた時にしか与えられない“祝福”を
ショウマと2人、天界?で与えて貰い、
祈りの間へと戻って来た俺達は、
手を取り合い教会を後にした。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「フェリス様は相変わらず素敵だったのぉ」


「まさか俺までお会い出来るとはな……
しかも 加護に“祝福” だぞ?…………」


「加護貰ってたねぇ。戦神様?の」


「なあ、ショウマ」「え?何ぃ?」


アレクが僕と向かい合わせに立ち、
肩に手を置き額を合わせてきた。

173……cmくらいある?よね?な
僕でもアレクは大きくて
首を後ろに思いっきり反らせて
額を合わせているので、地味に辛い……


「フェリス神様が仰ってた、魔物の暴走。
覚えてるか?」


「え?うん。スタンピードの前兆でしょ?
森から魔物溢れて街を襲うってやつ」


「スタンピード?ニホンの物語の言葉か。
この国では “魔物大氾濫” そう呼ばれていてな、
Cランク以上の冒険者は招集されるんだ。
俺はAランク、お前Cランクだろ?
緊急討伐依頼は、必ず参加しなきゃならない」


「うんうん。知ってるよ?
アレクは参加するんでしょ?僕も強制?」


「参加するんだが、旅の道中だからなー。
討伐依頼は受けるが、達成報告やらは
フォルティエのギルドで行う予定だ。

それでな?お前には言いづらいんだが……
ギルド長や、副ギルド長は
お前が愛し子だって知ってるんだ。だから…」


「ふふふ。色彩でバレてるんでしょ?
大丈夫だよ?アレクの言いたい事は解ったの。

僕も前線で参加するって事でしょ?」


「っつ、そうなんだが……クソッ。
俺はお前を危険な目に合わせたくないんだ。
魔物の氾濫は凄ぇ危険なんだよっ。
今までも何人も亡くなったり、大怪我したり…」


「アレックス。こっち見て?ふふふ。
僕だってさ、危険な目に合うのは嫌だよ?
怪我したくない。
でもね、参加しないで僕の目の届かない所で
アレクにもし何かあったら、
参加しなかった事を凄く後悔すると思うの。

だから、一緒に戦おう?ね?」ちゅっ。


「解った。嫌だけど一緒に戦おう。離れんなよ」


「チッチッチ。離れないと戦えないのぉ~(笑)
大丈ーーーー夫!僕って規格外だから!」



依頼を受ける為に、久々に来ましたギルド。
色んな事があって嫌煙していたギルドだが、
依頼受注をしにカウンターへ行っても
特に絡まれる事も無く、無事手続き完了。

2人で「「行くか」」と声を掛け合い
手を繋いで外へ。

そのまま、偶に、ちゅっ、としながら
門を目指して歩き、門を出て街の外へ。

魔物出現エリアは馬車で1日程行った場所だと
受付で情報を貰っていたので、
そこまで “トライキー” に乗って行く事に。

イベントリから出し、地面に置いたら、
道行く人達がビックリして腰を抜かしていた(笑)

突然現れた異質な物に、周りは騒然!
門番さんまで駆けつけてくる始末。

僕達2人は顔を合わせて


「「やらかしちゃったな」たのぉ」


とクスクス笑って居たら


「おい!アレックス、久々じゃねぇか。
ショウマくんも久々だな」


「久々っすね。所で凄ぇっすね、この化け物」


アレクの冒険者仲間、
ユアンさんとシェリーさんに声を掛けられた。


「ユアンとシェリーじゃねぇか。久々だな!
ははは!悪ぃな騒ぎ起こして」


「こんにちはぁ~。お久しぶりです~。
皆この子にビックリしちゃってぇ。ふふふ。
この子は “トライキー” 僕達のペットなのぉ」


「「僕達のペットー!?」」


アレクがトライキーについて2人に説明してたら

(ユアンが乗ってみたいって言ってるんだが
乗せてやってもいいか?)コソコソ

と、アレクに耳打ちされたので

(金貨3枚出せるなら売ってもいいよ)コソコソ

と耳打ちして答えたら、ニヤッと笑ってから


「ユアン、これは俺達のペットだからダメだが
金貨3枚出せるなら同じの売ってやるよ?
但し、即金、シェリーの許可が出ればな」


「何だってー!!金貨3枚……くぅー!
シェリー、買うぞ!いいよな!な!」

「はぁぁあ?」


ユアンさんは手持ちが金貨1枚しか無く、
それでも欲しい!とシェリーさんに懇願。

溜息尽くシェリーさんに「お願い!お願い!」
と必死に頼み込み、金貨3枚ゲットして
僕から “トライキー” を購入した。


ユアンさん達は、
僕達と同じ依頼を受けていたので、
現地まで一緒に行く事に。

4人でトライキーに乗り出発!

周りで僕達のやり取りを見ていた人にも
「売ってくれ!」と言われたが
知り合いでも無い人に売る訳ないじゃん?

だから笑顔で「ごめんなさい?」して
颯爽と走り去った。


そのまま4人で街道を走り、
道行く人に驚かれながらも走り続け
馬車で1日掛かる場所まで
4時間程で辿り着いてしまった。


そこは沢山の魔物の死体と、人の亡骸。
大怪我して呻いてる人や、泣いてる人がいる

まさに戦場。その光景は地獄絵図だった。


「あ、あ、ア…レク…ま、魔物が…人が……」


「ショウマ!いいか、これがこの世界。
俺達が住む世界だ。お前の居た国とは違うんだ。
魔物が人を襲い、街を襲い、時に破壊する。
気をしっかり持て!俺は討伐に向かう。
ここまで来たら、覚悟を決めろ!」


「アレックス!俺達は先に行くぜ!
行くぞシェリー!」

「ショウマくん。いえ、愛し子様。
無理はしなくていいっす。
でも、覚悟を決めないと殺られるっす。

アレックス、僕も先に行きます」


「わ、解ったの!アレク行って!
僕は僕に出来る事をするよ。気を付けて」ちゅっ。


ちゅっ「戦闘が無理でも出来る事はある。
その規格外パワーで存分に暴れろ!はは!」



アレクと別れ、俺は自分の出来る事を。

怪我してる人を«ヒール»で治療をし、
その場に結界を張り魔物から守ったり

街の方に行こうとするのを
«ストーンウォール»で阻止したり、

狼の群れに«サンダーボルト»を喰らわせたり
魔物を討伐しては治療をして回り、
現場で奮闘していた。

スタンピード収束を確認出来た頃には
辺り一面暗闇に覆われていた。


「終わったぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

「ショウマ!」「アレックス!」ぎゅぅぅう。

「終わったね」「終わったな」

「見てドロドロ!」「はは!俺もだ!」


「これにて一件落着なのぉ~~!」

「明日、後処理が終わったら一件落着だ!」



「…………ぇぇぇえええ!聞いてないのぉ~!」
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