腐男子、転生したら最強冒険者に溺愛されてる

玲央

文字の大きさ
上 下
71 / 232
本編 最強冒険者

story52/ 地獄絵図

しおりを挟む
「教会へ行きたい」


と言うショウマの為、街の教会へ行く事に。

俺も久々だし、旅の安全を祈願する為
ショウマと聖像の前で膝をつき、目を閉じた。

そんな俺達を眩い光が包み込み
教会内を明るく照らした。

暫く目を閉じたまま

(この後、ショウマはフェリス様に会うのか)

等と考えていて、気付いた時には
辺り一面真っ白な空間で膝まづいていた。

目の前には、教会に飾られてる絵画と同じ
銀色の髪の毛とピンク色の瞳をした
この世界の創造神  “ピースフェリス神”が、
ショウマを愛おしそうに見つめ、
悠然と立っていた。

愛好を崩した顔でショウマを手招く神に、
嬉しそうに走って行き抱擁し合う2人が、
とても神聖な1つの絵画のように美麗で、
俺は「ほぅ…」っと息を吐き
暫し見惚れていた。

その後も2人は俺の目の前で
言葉を交わし、抱擁を交わし、キスを交わし、
愛し合う恋人の逢瀬のような場面を
見せ付けてきたが、2人が神々し過ぎて

「俺の恋人だ!」とか「キスだと!?」とか

普段なら絶対怒り狂いそうなのに、
唯々、その光景に魅入っていた。


その後は、ショウマに本名がバレたり、
(別にいいんだけどな)

旅の途中での魔物の出現情報を貰ったり、
戦神の加護を貰ったりしてから
神から直接「祝福」を受けるという
前代未聞の展開を体験し、祈りの間へと戻った。


“神の祝福”  

それは産まれて直ぐ、教会で授かる奇跡の光。
太陽のような暖かい光が、魂を包み込み
生命の力を与えてくれる

祝福を受けた魂は、神の存在に感謝し、
日々暮らしているのだ。


産まれた時にしか与えられない“祝福”を
ショウマと2人、天界?で与えて貰い、
祈りの間へと戻って来た俺達は、
手を取り合い教会を後にした。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「フェリス様は相変わらず素敵だったのぉ」


「まさか俺までお会い出来るとはな……
しかも 加護に“祝福” だぞ?…………」


「加護貰ってたねぇ。戦神様?の」


「なあ、ショウマ」「え?何ぃ?」


アレクが僕と向かい合わせに立ち、
肩に手を置き額を合わせてきた。

173……cmくらいある?よね?な
僕でもアレクは大きくて
首を後ろに思いっきり反らせて
額を合わせているので、地味に辛い……


「フェリス神様が仰ってた、魔物の暴走。
覚えてるか?」


「え?うん。スタンピードの前兆でしょ?
森から魔物溢れて街を襲うってやつ」


「スタンピード?ニホンの物語の言葉か。
この国では “魔物大氾濫” そう呼ばれていてな、
Cランク以上の冒険者は招集されるんだ。
俺はAランク、お前Cランクだろ?
緊急討伐依頼は、必ず参加しなきゃならない」


「うんうん。知ってるよ?
アレクは参加するんでしょ?僕も強制?」


「参加するんだが、旅の道中だからなー。
討伐依頼は受けるが、達成報告やらは
フォルティエのギルドで行う予定だ。

それでな?お前には言いづらいんだが……
ギルド長や、副ギルド長は
お前が愛し子だって知ってるんだ。だから…」


「ふふふ。色彩でバレてるんでしょ?
大丈夫だよ?アレクの言いたい事は解ったの。

僕も前線で参加するって事でしょ?」


「っつ、そうなんだが……クソッ。
俺はお前を危険な目に合わせたくないんだ。
魔物の氾濫は凄ぇ危険なんだよっ。
今までも何人も亡くなったり、大怪我したり…」


「アレックス。こっち見て?ふふふ。
僕だってさ、危険な目に合うのは嫌だよ?
怪我したくない。
でもね、参加しないで僕の目の届かない所で
アレクにもし何かあったら、
参加しなかった事を凄く後悔すると思うの。

だから、一緒に戦おう?ね?」ちゅっ。


「解った。嫌だけど一緒に戦おう。離れんなよ」


「チッチッチ。離れないと戦えないのぉ~(笑)
大丈ーーーー夫!僕って規格外だから!」



依頼を受ける為に、久々に来ましたギルド。
色んな事があって嫌煙していたギルドだが、
依頼受注をしにカウンターへ行っても
特に絡まれる事も無く、無事手続き完了。

2人で「「行くか」」と声を掛け合い
手を繋いで外へ。

そのまま、偶に、ちゅっ、としながら
門を目指して歩き、門を出て街の外へ。

魔物出現エリアは馬車で1日程行った場所だと
受付で情報を貰っていたので、
そこまで “トライキー” に乗って行く事に。

イベントリから出し、地面に置いたら、
道行く人達がビックリして腰を抜かしていた(笑)

突然現れた異質な物に、周りは騒然!
門番さんまで駆けつけてくる始末。

僕達2人は顔を合わせて


「「やらかしちゃったな」たのぉ」


とクスクス笑って居たら


「おい!アレックス、久々じゃねぇか。
ショウマくんも久々だな」


「久々っすね。所で凄ぇっすね、この化け物」


アレクの冒険者仲間、
ユアンさんとシェリーさんに声を掛けられた。


「ユアンとシェリーじゃねぇか。久々だな!
ははは!悪ぃな騒ぎ起こして」


「こんにちはぁ~。お久しぶりです~。
皆この子にビックリしちゃってぇ。ふふふ。
この子は “トライキー” 僕達のペットなのぉ」


「「僕達のペットー!?」」


アレクがトライキーについて2人に説明してたら

(ユアンが乗ってみたいって言ってるんだが
乗せてやってもいいか?)コソコソ

と、アレクに耳打ちされたので

(金貨3枚出せるなら売ってもいいよ)コソコソ

と耳打ちして答えたら、ニヤッと笑ってから


「ユアン、これは俺達のペットだからダメだが
金貨3枚出せるなら同じの売ってやるよ?
但し、即金、シェリーの許可が出ればな」


「何だってー!!金貨3枚……くぅー!
シェリー、買うぞ!いいよな!な!」

「はぁぁあ?」


ユアンさんは手持ちが金貨1枚しか無く、
それでも欲しい!とシェリーさんに懇願。

溜息尽くシェリーさんに「お願い!お願い!」
と必死に頼み込み、金貨3枚ゲットして
僕から “トライキー” を購入した。


ユアンさん達は、
僕達と同じ依頼を受けていたので、
現地まで一緒に行く事に。

4人でトライキーに乗り出発!

周りで僕達のやり取りを見ていた人にも
「売ってくれ!」と言われたが
知り合いでも無い人に売る訳ないじゃん?

だから笑顔で「ごめんなさい?」して
颯爽と走り去った。


そのまま4人で街道を走り、
道行く人に驚かれながらも走り続け
馬車で1日掛かる場所まで
4時間程で辿り着いてしまった。


そこは沢山の魔物の死体と、人の亡骸。
大怪我して呻いてる人や、泣いてる人がいる

まさに戦場。その光景は地獄絵図だった。


「あ、あ、ア…レク…ま、魔物が…人が……」


「ショウマ!いいか、これがこの世界。
俺達が住む世界だ。お前の居た国とは違うんだ。
魔物が人を襲い、街を襲い、時に破壊する。
気をしっかり持て!俺は討伐に向かう。
ここまで来たら、覚悟を決めろ!」


「アレックス!俺達は先に行くぜ!
行くぞシェリー!」

「ショウマくん。いえ、愛し子様。
無理はしなくていいっす。
でも、覚悟を決めないと殺られるっす。

アレックス、僕も先に行きます」


「わ、解ったの!アレク行って!
僕は僕に出来る事をするよ。気を付けて」ちゅっ。


ちゅっ「戦闘が無理でも出来る事はある。
その規格外パワーで存分に暴れろ!はは!」



アレクと別れ、俺は自分の出来る事を。

怪我してる人を«ヒール»で治療をし、
その場に結界を張り魔物から守ったり

街の方に行こうとするのを
«ストーンウォール»で阻止したり、

狼の群れに«サンダーボルト»を喰らわせたり
魔物を討伐しては治療をして回り、
現場で奮闘していた。

スタンピード収束を確認出来た頃には
辺り一面暗闇に覆われていた。


「終わったぁぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

「ショウマ!」「アレックス!」ぎゅぅぅう。

「終わったね」「終わったな」

「見てドロドロ!」「はは!俺もだ!」


「これにて一件落着なのぉ~~!」

「明日、後処理が終わったら一件落着だ!」



「…………ぇぇぇえええ!聞いてないのぉ~!」
しおりを挟む
感想 140

あなたにおすすめの小説

不憫王子に転生したら、獣人王太子の番になりました

織緒こん
BL
日本の大学生だった前世の記憶を持つクラフトクリフは異世界の王子に転生したものの、母親の身分が低く、同母の姉と共に継母である王妃に虐げられていた。そんなある日、父王が獣人族の国へ戦争を仕掛け、あっという間に負けてしまう。戦勝国の代表として乗り込んできたのは、なんと獅子獣人の王太子のリカルデロ! 彼は臣下にクラフトクリフを戦利品として側妃にしたらどうかとすすめられるが、王子があまりに痩せて見すぼらしいせいか、きっぱり「いらない」と断る。それでもクラフトクリフの処遇を決めかねた臣下たちは、彼をリカルデロの後宮に入れた。そこで、しばらく世話をされたクラフトクリフはやがて健康を取り戻し、再び、リカルデロと会う。すると、何故か、リカルデロは突然、クラフトクリフを溺愛し始めた。リカルデロの態度に心当たりのないクラフトクリフは情熱的な彼に戸惑うばかりで――!?

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~

荷居人(にいと)
BL
BL大賞20位。読者様ありがとうございました。 弟が生まれた日、足を滑らせ、階段から落ち、頭を打った俺は、前世の記憶を思い出す。 そして知る。今の自分は乙女ゲーム『王座の証』で平凡な顔、平凡な頭、平凡な運動能力、全てに置いて普通、全てに置いて完璧で優秀な弟はどんなに後に生まれようと次期王の継承権がいく、王にふさわしい赤の瞳と黒髪を持ち、親の愛さえ奪った弟に恨みを覚える悪役の兄であると。 でも今の俺はそんな弟の苦労を知っているし、生まれたばかりの弟は可愛い。 そんな可愛い弟が幸せになるためにはヒロインと結婚して王になることだろう。悪役になれば死ぬ。わかってはいるが、前世の後悔を繰り返さないため、将来処刑されるとわかっていたとしても、弟の幸せを願います! ・・・でもヒロインに会うまでは可愛がってもいいよね? 本編は完結。番外編が本編越えたのでタイトルも変えた。ある意味間違ってはいない。可愛がらなければ番外編もないのだから。 そしてまさかのモブの恋愛まで始まったようだ。 お気に入り1000突破は私の作品の中で初作品でございます!ありがとうございます! 2018/10/10より章の整理を致しました。ご迷惑おかけします。 2018/10/7.23時25分確認。BLランキング1位だと・・・? 2018/10/24.話がワンパターン化してきた気がするのでまた意欲が湧き、書きたいネタができるまでとりあえず完結といたします。 2018/11/3.久々の更新。BL小説大賞応募したので思い付きを更新してみました。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

悪役令嬢の兄、閨の講義をする。

猫宮乾
BL
 ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。

ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない

Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。 かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。 後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。 群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って…… 冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。 表紙は友人絵師kouma.作です♪

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

処理中です...