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本編 最強冒険者

story48/ 触れたら危険! 

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「腐男子転生したら最強冒険者に溺愛されてる」
を読んで頂いてる皆様、作者のリョンコです。

いつもありがとうございます!(´▽`)

アレックスの暴走に引いてませんか?(笑)

前回気絶したショウマを説得して、無事実家へと連れて行く事が出来るのか?
アレックスの奮闘をお楽しみ下さいm(_ _)m

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


“砦の街・フォルティエ”
その街に、俺の生まれ育った実家がある。

俺の父、“ファボーレ・ディ・フォルティエ”
現辺境伯当主が収める領地だ。

辺境にある俺の実家は、国境を守る盾の貴族。
初代が王都で騎士としての武勲を立て、王に認められ、
最初は騎士爵から始まり、先祖代々に渡り、功績を収めてきて、
現在の辺境伯の地位まで登り詰めた。

所謂、平民上がりの脳筋一族なのだ。

父の口癖は「拳で語れば道は拓かれる!」そう、まさに脳筋。戦闘狂なのだ。

そんな俺の家族は、父、長兄、次兄、俺。
母は、この世界では珍しい女性だった。
今はもうこの世に居ないが母もまた脳筋だった。

平民の冒険者だった彼女は、
貴族の暮らしに馴れず、
父に内緒で隠れて行った魔獣狩りで命を落とした。

長兄はフォルティエ家では珍しい
剣の腕には恵まれなかった頭脳派で、その賢さで父の代わりに領地運営をしている。

次兄は父にそっくりで、まさに筋肉の塊。
自分で身体を痛めつけて鍛えるのが好きな変態。
今は王都で副騎士団長をしている。

そんな俺の家族は、長兄以外全員可愛い物好き。
父と次兄は筋金入りで、小さい子とか、
小動物を見ると捕まえて撫で回すのが好きなんだ。

ただ見た目で怖がられ、泣かれ、逃げられては
ズーーーン……ってなっている。
まあ、残念な男なのだ。

そんな可愛い物大好きな家族のいる実家に渋々、本当に渋々、長兄に報告する為だけに、
ショウマを連れて行こうと思ってたんだ。

俺のショウマは天使みたいに可愛いので、父と次兄には会わせたくない。
絶対捕まって、撫でくり回される。

父なんて、執務室に連れ込んで膝抱っこして仕事しそうだ……
冒険者活動しに行くなんて言ったらフル装備でついて行くぞ?

いや、ショウマ人見知りだし……
あんな筋肉ゴリラなんて怖くて近寄らないか?
なら大丈夫か?

そもそも、ショウマが行くって言うかが問題だ。
ベッドで休ませてるけど……
全く起きる気配がしない……


「遠出がイヤだったのか?実家がイヤなのか?
家族と無縁だと言っていたから、不安か?

目を開けて、俺を見てくれショウマ」ちゅっちゅ


「…………んんぅぅ…うにゅ…アレックス……。
んん?……ぁっ?…ぁれ?…僕…寝ちゃった?


「ショウマ!あぁー、良かった。目覚ましたか!
気分はどうだ?気持ち悪くないか?」


「気分は……。あ、そうか……フォルティエ?の
話ししてたんだっけ?
僕また気絶したのぉ~? ぷぷぷっ
SEXもしてないのに倒れるとかさぁ~?弱過ぎぃ~。ははは……」


そうそう、アレックスが貴族なのは何となく解ってたけど、
実家に行くという彼の言葉でまた妄想し過ぎて……倒れたんだ。


「ごめんね?思考回路ショートしたみたい。
もう大丈夫だから、そんな顔しないで?
それより、こっち来て抱き締めて欲しいな~」


「本当に心配した……」ぎゅぅぅぅぅ。ちゅっ。


ちゅ、ちゅ、ちゅぅ、ちゅっちゅ、ちゅくっ……


「ふふ、擽ったいっ、ん、んちゅっ、んはっ……」


「はぁー。ははっ、睨むなって。ちゅっ。
喉乾いたろ?水飲むか?ほら」


ゴクゴク「あいがとう。それで、実家へ行く話しだったよね?
それさ……僕お留守番してていい?1人で依頼受けたりして待ってるから……」


「え!?何で?留守番?ダメだ、それはダメ!
な、なあ?どうして行きたく無いんだ?
遠いからか?知らない街だと怖いか?不安か?」


「んにゃ、遠いのは大丈夫だよ?
アレックスとお出掛けなら嬉しいもん。
ただ……不安なの。だって僕平民だし……
貴族って、政治の為に政略結婚とかさ?
幼少期から婚約者が~とか?あるでしょ?」


「平民の分際で!貴族に手を出したか!」とか
「お前みたいな男娼など相応しくない!」とか
そんな事になったら、僕どうすればいいの?


「え?お前良く知ってんな。
確かに幼少期から婚約者いたり、政略結婚は貴族としての務めの一つだな。
家の為に強力な後ろ盾を得る為に婚姻する……
それが貴族社会の婚約の意味だな」


「…………うん。何となく知ってる
そういう物語りを良く読んでたから……だから、僕は行きたくないの……」


「物語……それはまた興味深い……。
いや、それは置いといて。
行きたく無いのは解った……。
でもな?兄上に行く事を伝えてしまったんだ。
だから、ついて来てくれ。な?」


「…………もう伝えた?手紙とかで?
ん~ん~。恋人だって紹介に行くの?
そもそも、展開が早すぎない?
まだ、数日しか経ってないし……
もし、もしだよ?
お別れする事になったらどうするの?」ガシッ!


(ギャッ!痛いっ!腕掴む強さが尋常じゃない!)
「い、痛いよっ、離して!腕潰れるっ」ビクッ!


(え?怖っ!めちゃくちゃ怒ってる!なんで??)


「ショウマ、別れるだと?俺から離れる気か!
こんなに愛してるのに!別れるだと!?
俺はお前を絶対離す気は無い!!
どれだけ愛してるか解らせてやる!!」ドサッ!


「ち、違うの。別れる……ヒッ!ぐっうっ…」

ぢゅっぢゅぢゅぅぅ、がじっ、ぴちゃ、ぢゅる…

「ぐっ、あ゙ぁ゙!いだぃぃ、やめでぇ、ゔっ」


僕の何気ない一言に、激怒し「解らせてやる!」
そう怒鳴って僕をベッドに押し倒し力の限り押さえつけ、荒々しく口付けをし、
無防備で真っ白な首筋に噛み付いた。

余りの痛さに呻いた僕を睨みつけ、「抵抗は無駄だ」と言わんばかりの目で
見据えたまま、迫ってくるアレックス。

全てを飲み込む、大型津波のような、豪雪の雪崩のような勢いで迫り、

弱者を痛めつける獰猛な獣のような、獲物を丸飲みする大蛇のような、
そんな形相で追い詰めるアレックスに恐怖を覚え

僕の身体はガタガタ震えて止まらなかった。



そんな僕は思った。これぞ正しく
(まさに魔王!恐怖の大魔王!触れたら危険!)


「ア、アレッ…ぎゃぅっ!い゛だぃって!
最低!痛いって言ってる!怖いんだけど!何でそんなに怒るの!」


「痛くしてんだよ。何故怒るだと?お前が!ショウマが……ぐっ……」


「アレックス、ちょっと落ち着いて?どーどー。
はぃ、吸って~「すぅぅ」吐いて~「ふぅぅ」
落ち着いた?(全くこの猛獣は!)」


「……悪ぃ、頭に血が上った。落ち着いた…
あぁー!ごめんな、腕青くなってるっ!」


何とか怒りを抑えたアレックスが、腕を握ってた手を離すと……

手の跡くっきり残ってる~!それに凹んでる!
青と赤のコントラストのようなアザ……
こりゃ痛いわけだよ。

勘違いした暴走男は何しでかすか解んないよ…
もう2度と「別れる」とか「離れる」とか言わないようにしないと、ヤリ殺されそう……

とりあえず、落ち着いたみたいだしさっきの話の続きしないとねぇ


「アレックス?腕は大丈夫だから。
そこに座ってくれる?話の続きしよっか」
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