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本編 最強冒険者

story35/討伐と盗賊

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コカトリス討伐の依頼を受けて
南門の先の街道まで来たんだけど、
道中アレックスがずっと笑ってるの!

「失礼だよ!なんで笑うのぉ~!」

「いやぁ、悪ぃって!可愛くてな!」

「答えになってないんだから!」

そんなやり取りをしながら道中歩いていた。
南門の門番さんはアレックスの知り合いらしく
それなら僕も挨拶と思って「こんにちは」と
言ったのに「挨拶しなくていいから!」ってさ
目の前に両腕広げて視界遮るの!酷くない!?

門を抜けて抗議したら

「アイツは可愛いのが好きで、
見境なく誰とでもヤルからダメだ、見るな」

だってさ。
なるほどね、ヤリチン君なんだね。
そんなこんなでコカトリス出没エリアまで来た。

「ここら辺にコカトリスが出るんだよね?」

「そうなんだが……この気配は……」

「うん、魔物じゃないよね?人?かな……」

そう、サーチ使ってみたんだけど
コカトリスの反応よりも10人くらいの人かな?
が、街道脇の茂みに隠れてるんだよね……

(ショウマ、盗賊だ。10人。左右5人ずつ)コソコソ

(盗賊!10はわかってたけど、盗賊なんて)コソコソ

(いいか、殺しても罪にはならない。が、
なるべく生け捕りにしたほうがいい)コソコソ

(僕、人は殺せないよ!捕縛すればいの?)コソコソ

(できればな。無理だったら隠れてろ)コソコソ

(やるよ!悪い人達でしょ!右5人行くよ)コソコソ

(了解、気をつけろよ。ちゅっ)コソコソ

盗賊とかさ、やっぱりこの世界いるんだね…
コカトリス討伐が、盗賊捕縛になるなんて……
あっ!2人出て来た……

「なあなあ兄ちゃん達よぉ、ここを……
うっわ、何この子めちゃくちゃ可愛いじゃん!
へぇ、なぁ遊んでやっからよこっちこいよ!」

「マジで可愛いっすね、俺らで可愛いがって
やりましょうや!あはははは」

「うわ、可愛い」「俺こっちのがタイプ」
「今日は上玉だな!」「順番な!ギャハハ」

茂みからゾロゾロ出て来た……
うっ……臭い…鼻が曲がりそう……
近寄らないでよ……   !?!?え?この気配!

「アレックス!」


ギョワァァァア、グワァァアアア、ギャァァ!


「ショウマ!逃げろ!コカトリスだ!
奴等の中に魔物使いがいる!」


「ギャハハ!遅せぇよ!お前達行け!」

「「「「了解!!」」」」

「あ~あ、可哀想に!お前はこっちだ!ほら!」

「!?何すんの!離せよ!臭い臭い!」


ギャーー!キモイキモイキモイー!
臭いんだってー!わぁぁぁ!クソっ!
あ、魔法で捕縛!ヤダヤダ、触らないでよ!

«バインド!»  やった、1人拘束……!?

何なの!次から次にぃぃ!アレックス……!
ギャーー!今度はコカトリスが来たー!

「暴れんなって、気持ち良くさせてやっからよ
大人しくしてろ。«パラライズ»ははは!」

「な...ぅぅ...ぁぅ...らめ...ぁぅ...ぅぅ...」

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!
身体が痺れて動かない……ヤダヤダ!
!?そっちは茂みじゃん!
アレックスどこ!クソっ!こんな奴等……


次から次に襲ってくる盗賊を捕縛してたら
コカトリスが襲ってきて、油断してたら
後ろから拘束されて«パラライズ»を掛けられた
身体が動かなくなった僕は、茂みに連れてかれ
盗賊の1人に馬乗りにされている。
アレックスは戦闘中だから助けに来れない。
自分でどうにかしなきゃならないのに
判断が鈍って思考が定まらない……

この男は僕を強姦するつもりなんだろう……
装備を外され、上半身裸にされ
執拗に乳首を弄ってくる……

痛いよ……触るな……やめてよ……
あぁぁ!ベルト外さないで……ヤダヤダ……
身体動けよ!ギャーー!ズボンは脱がすなよ!

「ありぇっ……くしゅ...ぅぅ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「ショウマー!どこだー!」

クソ野郎共が!従魔を使って襲ってたんだな!
ちっ、1人殺っちまったが仕方ねぇ。
それよりショウマがいない!!何処だ!

ガサガサ  {………………ぅぅ}

「!?微かに聞こえた、こっちか!ショウマ!」

ガサガサ、ザッ

「ショウマ無事……か……貴様!!」

«雷神付与»

「貴様だけは絶対許さねぇ!死ね!」

「アレ...クス...らめ...殺し...ちゃ...ぅぅ...ぁぅ...
ほぁくぅ...しゅる...ぅぅ...て...はぁ...ぅぅ」

「ショウマ!くっ...わかった」«バインド»

「くくく、はははは!お前の恋人か!
雷神アレックスさんよぉ!ははは!
ちょっとだけ味見してやったよ!ギャハハ!」

この言葉に怒りが頂点に達した俺は
顔の判別がつかなくなるまで殴り続けた。
気絶しても、怒りが収まらず殴り続けた……


「ショウマ!ショウマ……クソ、クソ……
何でお前がこんな目に…ショウマ...クソ...」

俺は気を失ってるショウマを抱えその場を離れ
門番に後を任せ家に帰った。
ベッドに寝かし付け、目を覚ますまで傍に居た。

目を覚ましたのは朝日が登ってからだった。
俺は、泣いて取り乱すショウマを
抱き締める事しか出来なくて……
守れなかった事が悔しくて
自分の不甲斐なさに涙が零れた……
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