異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央

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最終章 プリシータで商売人

海の悪魔

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今俺は、元日本人記憶保持者で
前世の勤めてた会社の後輩だった
“黒崎  直斗” と一緒に船の中を探索中。

改めて見るとめちゃくちゃ豪華なんですよ!
シアタールームは、
ふかふかなリクライニングソファと
サイドテーブル。大画面スクリーンと
冷蔵庫やキッチン付き。

BARを覗いて見れば、ズラっと並んだ
酒の瓶とジュークボックスに、
ピンク色の光を放つミラーボール。

客室は広々としてて、全室個室。

まぁ、兎に角豪華だった。

そして今何をしてるかというと、
船全体に鳴り響くアラートを聞きながら
パニックになってる乗客を落ち着かせている。

なんのお知らせ??と困惑していたら
アクアが来て教えてくれた。


「リョウゴっち~。ここからあっちの方角に
魔力反応だよ~。海の悪魔だねぇ。
この船襲おうとしてるみたい。」


海の悪魔。巨大な身体をクネクネさせて
8本の足を使って攻撃してくる
Sランク相当の魔物だと聞いた事がある。

以前プリシータの噴水広場で
子供達に配ったお菓子の中に
“魚っとっと” という名の菓子があったのを
覚えているだろうか?

子供達がそのお菓子の1つを摘んで
「海の悪魔!」と言っていたのだが……

どうみても “タコ” なんだ。
まあ、ここは異世界だし?
タコが巨大化してても不思議じゃないか。

んで、その海の悪魔さんが
船の前へ躍り出てきて通せんぼしてんのね。

ふむ。それはさっさと討伐して
食用に卸してあげないとですね。

たこ焼き、カルパッチョ、酢だこ~♪

美味いんだよな!
あ、あとタコから!
それらと一緒にビールをクイッといくのが
またいいんだよ~!

それでは、海の悪魔討伐開始!




「飛鳥先輩!タコです!オクトパス!
めっちゃくちゃデカいですね。
タコの弱点は眉間ですよ!
そこに魔法ぶちかまして下さい!」


「ネコのキミ~。眉間が弱点なんだけどね?
ヌルヌルしてて魔法耐性もあるから
効かないんっすよ~。
口から吐く黒い液体は毒っすから
倒す時に当たると死ぬっすよ~。」


な、なんだと!?
魔法が効かない!!しかも毒吐くのか……
フライで飛んで行って
剣で〈ザシュッ〉としたいところだけど
眉間狙った瞬間、

毒ブシャャャャャ!だよな
梨汁じゃないよ?毒ね、毒。

「飛鳥先輩、あのオクトパスを
結界で封じ込めて中の空気抜くとか……
それで窒息しないですか?

“空気を抜く”これは魔法じゃないですよ?
それか、素材ダメになるかもですが
乾燥させるとか?
浮かせて太陽近くまで持ち上げるとか……

あ!先輩チートなんですから
イメージであのまま解体しちゃえば
いいのでは?
それか、アポーツで魔石だけ抜くとか?」


さすが異世界ファンタジーオタク……


直斗がブツブツと知識披露しているのを
聞きながら、自分でも考えてみた。
そう2人で考えていたら、突然……


「リョウゴっち、悪魔さん攻撃態勢!
結界張ってっす!」

「マジか!!了解!」

《結界!》

バッシャャャャヤヤヤ~~~ン、ドガッ!



「リョウゴさん!ご無事ですか!!」

「ジョディスさん!?部屋にいて下さい!
プリシータに
無事に送り届けなくちゃなんですよ!
危ないですから、部屋にいて下さい!ね?」

「リョウゴさん、私これでも冒険者なんです。
それに、剣神様の加護もあるので
結構強いんですよ?これでも!」


そんなの知ってるんだよ!
ジョディスくんて
聡明で博識な学者タイプじゃなくて、
頭いい系、戦闘狂かよ!?

「そんな強いのに遭難したんすか??」

「あははは!それはですね?
船酔いして部屋で休んでる時に襲われて
気付いた時には島に漂流してたんです。」


頭いいのに戦闘狂で、船に弱い天然か!!

「それは、何とも……」


そんなやり取りをしている間も
悪魔くんは巨大な触手をウネウネさせて
結界をバンバン攻撃してきてる。
墨をぶっ掛けたり、叩いたり……
忙しいな!タコさんよ!


「リョウゴっち、オレっちが結界維持するんで
隙を見て、悪魔くんの頭に転移するっす!
間髪おかずに眉間に剣突き立ててくるっす!」

「転移して、眉間に剣だな!了解!」

「先輩!自分に結界張るの
忘れないでくださいね!」

「あ!忘れてたわ!危ねぇ~。
《結界!》良し。んじゃ行ってくるわ!」

《転移!》


そうして、頭に転移し、
眉間に剣突き立てた俺は
見事、海の悪魔を討伐した。
巨大悪魔くんを、
水飛沫をあげながら海に沈んでいく寸前で、
収納に回収した俺は無事船に戻った。

収納に入れた“海の悪魔”をどうするのか
ジョディスくんに問われたので
「食べる」と答えると発狂して驚いていた。

“海の悪魔”は巨大でヌルヌルして厄介なのに
使える素材が無い粗悪魔物らしい。

「ヌメリを取り除けば美味しく食べられる」

そう言うと、
機会があれば食してみたいと言うので

「この後解体して、調理するので食べますか」

と、提案してみた。
直斗も手伝ってくれるというので
船のキッチンで料理する事に。


「直斗、とりあえずタコ焼きだな!
鉄板購入して焼き台セットするから
生地作っといて。あ、できたら野菜もな」

「わかりました。お任せ下さい。
あの、僕はタコからも食べたいです」

「おう!今日の飯はタコ尽くしだな。
こりゃビールが進むな!」

「船の上なので程々にしないとダメですよ?
悪酔いしますからね。
それでは作って行きましょうか」



さあ、悪魔くんを使って料理開始!
美味しく出来るといいな。

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