35 / 114
第2章 始まりの街<プリシータ>
閑話休題:教えて!エオリカ先生! ※挿絵有り
しおりを挟む
私は、エオリカという名前で
風精霊を務めています。
自分自身につけられた名前を
とても素敵だと思いますわ。
神の愛し子である
リョウゴ様によって与えられたものですもの。
当たり前ですわね!
リョウゴ様は
いつもゆったりとした生活を望んでいますの。
要するに、のんびりと過ごしたい
ということなのでしょうね。
しかし、そんなリョウゴ様は
<火の精霊フォーコ>
のわがままを叶えるために旅に出ました。
あのへたれが、人々が生活する街で
上手くやっていけるとは思えませんわ。
リョウゴ様が苦労することは明らかです!
人々に迷惑をかけるとも思いますわ!
あら、この気配は……
「フフフ。フォーコさん、どうしたのかしら?
何か悪さでもしてリョウゴ様に
追い返されたのかしら?
それと、オスクリタさん
今までどちらにいらしたの?
番人様が心配していらっしゃったわよ」
「よーっ!リョウゴが寝ちまったからな!
帰ってきたぜ!みんな元気かー?
オスクリタは俺とリョウゴを送ってから
影の中にいやがったぜ!
そうだ!エオリカ、
礼儀作法って何かわかるかー?
リョウゴが俺様に教えてくれるってんだぜ!
冒険者になったからさー、必要なんだぜ!」
「まぁ~。オスクリタは
ずっとリョウゴ様のそばにいられるなんて
素敵なことですわ。
本当に羨ましいですわ~。
リョウゴ様に対して礼儀正しく接することが
大切ですものね?
それならば
リョウゴ様のお手を煩わせる事はありませんわ!
わたくしが教えて差し上げるわ~!
そのポンコツの頭に叩き込んであげるわ!」
『礼儀作法講座、先生は私!
風の精霊エオリカよ~』
礼儀作法とは、挨拶をする、
目を合わせて話を聞く、
礼儀正しい言葉遣いをする事です。
適切な言葉を使うというのが最も大切なのです。
今から、お教え致しますわ!
最初にわたくしが やりますので 復唱なさいな!
「拙者、名をエオリカと申す。
今回、冒険者にならんとして
連れ合いと郷里を出でた次第でござる。
所作も多様に無知故
何卒お容れ願う次第にござる。」
「お辞儀の角度はこうよ~
頭を少し下げ胸を張りなさいな
体をまっすぐにして目線は地面よ~
右足を少し後ろに引き膝を曲げ
腕は体の横!指をそろえるのよ。
ほら!やってみなさいな」
「おう!こうだな!」
頭下げて体真っ直ぐ、目だけ下向いて
右足を後ろにして膝を曲げる。
腕は横、指を揃える。
これでさっきのセリフだな!
「拙者、フォーコと申す。
冒険者にならんとツレと里を出た!ござる!
しょしゃも無知でござる!何卒……ござる!」
バチーーーーーーーーン!!!
「全くダメダメですわ!?
それでもリョウゴ様のパートナーですの!?
頭下げすぎよ!目も白目になってるじゃない!
膝曲げすぎだわ! 腕は大丈夫ね!
やり直しよ!!
セリフは全然ダメね、ポンコツなんですから
何回もやって覚えなさい!
そうだわ!スオーロ!来てちょうだいな」
「なんで?なんで?よんだ?
あれれれれ?フォーコがいる!です!」
「スオーロ、今からわたくしが言う言葉を
そこの地面に書いてちょうだい」
(……伝え中……)
「なんで?なんで?いいよ書くよ!です!」
(……カキカキ……)
「エオリカ~、フォーコなにしてるのー?
なんでそんな奇妙なポーズをとってるのー?
何かの修行の一環なのー?
スオーロが書いているのは一体何なのー?」
『ふぉっふぉっふぉっ!火精霊と闇精霊じゃな。
よくぞ戻ったわい。
風と土の、主らは何をしておるのだ?
火精霊の奇妙な動きは、昔見た事あるのぉ
言葉も知っておるなー
前に居った彼奴じゃ
<シンコク・アツジ>じゃったかな?
「拙者、流浪の武士でござる!」
って言っておった者がいたのぉ
奇妙な服着とって
カタナっちゅう武器持っておったのよな。』
「番人様ー。
その<シンコク・アツジ>ってのさー
ここフェリーチェから
海を渡って東にずっと行った所にある国
<アイゼンコク(愛染国)>の初代武将じゃないー?
オレっち知ってるー!
それにしても変な言葉だよねー
お辞儀の仕方も不思議~」アハハハ!
『ほっほっほ。あの国の火山におる番人
<ロッソドラーゴ>が言うておったわ。
独特の文化を持っておって
皆<はかま>っちゅう服を着ておるとな。
<アイゼンコク>では 当たり前の言語であるからの
そう笑うでないぞ』ククク……
------------------------------------------------
頭はこう、目線は地面、姿勢!膝!
腕がこう!で、言葉!
「拙者、名をフォーコと申す。
今回、冒険者にならんとして
連れ合いと郷里を出でた次第でござる。
所作も多様に無知故、
何卒お容れ願う次第にござる。」
「そう!それよ!でも、少し堅苦しいかしらね?
ちょっと変更しましょう~!
後は只管練習よ! 」
「火ヨ、帰ったカ、遊ぼ、遊ぼ!
何してる? カッコイイな、オレもヤル。」
「おう!フィアマ!挨拶の練習だぜ!
冒険者には必要な礼儀作法ってやつだ!
カッコイイか!一緒にやろうぜ!
覚えたらフィアマも冒険者になれるぜ!」
・
・
・
・
「フォーコ、完璧ニ 覚えたナ!
オレは冒険者、ならない。
フォーコハ、あの人族と頑張ってくれ。
終わったら遊ぼ。」
段々良くなってきたわね! あともう少しね!
リョウゴ様、わたくしが完璧な
フォーコをお創りして差し上げるわ~!
だから安心して下さいな~。
まだまだやるわよ~ 練習あるのみ!
ですのよ~!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※戦国好きな方、1部セリフに 武士言葉を笑ってる箇所がありますが、決してバカにしてるわけではありませんので、悪しからず。
風精霊を務めています。
自分自身につけられた名前を
とても素敵だと思いますわ。
神の愛し子である
リョウゴ様によって与えられたものですもの。
当たり前ですわね!
リョウゴ様は
いつもゆったりとした生活を望んでいますの。
要するに、のんびりと過ごしたい
ということなのでしょうね。
しかし、そんなリョウゴ様は
<火の精霊フォーコ>
のわがままを叶えるために旅に出ました。
あのへたれが、人々が生活する街で
上手くやっていけるとは思えませんわ。
リョウゴ様が苦労することは明らかです!
人々に迷惑をかけるとも思いますわ!
あら、この気配は……
「フフフ。フォーコさん、どうしたのかしら?
何か悪さでもしてリョウゴ様に
追い返されたのかしら?
それと、オスクリタさん
今までどちらにいらしたの?
番人様が心配していらっしゃったわよ」
「よーっ!リョウゴが寝ちまったからな!
帰ってきたぜ!みんな元気かー?
オスクリタは俺とリョウゴを送ってから
影の中にいやがったぜ!
そうだ!エオリカ、
礼儀作法って何かわかるかー?
リョウゴが俺様に教えてくれるってんだぜ!
冒険者になったからさー、必要なんだぜ!」
「まぁ~。オスクリタは
ずっとリョウゴ様のそばにいられるなんて
素敵なことですわ。
本当に羨ましいですわ~。
リョウゴ様に対して礼儀正しく接することが
大切ですものね?
それならば
リョウゴ様のお手を煩わせる事はありませんわ!
わたくしが教えて差し上げるわ~!
そのポンコツの頭に叩き込んであげるわ!」
『礼儀作法講座、先生は私!
風の精霊エオリカよ~』
礼儀作法とは、挨拶をする、
目を合わせて話を聞く、
礼儀正しい言葉遣いをする事です。
適切な言葉を使うというのが最も大切なのです。
今から、お教え致しますわ!
最初にわたくしが やりますので 復唱なさいな!
「拙者、名をエオリカと申す。
今回、冒険者にならんとして
連れ合いと郷里を出でた次第でござる。
所作も多様に無知故
何卒お容れ願う次第にござる。」
「お辞儀の角度はこうよ~
頭を少し下げ胸を張りなさいな
体をまっすぐにして目線は地面よ~
右足を少し後ろに引き膝を曲げ
腕は体の横!指をそろえるのよ。
ほら!やってみなさいな」
「おう!こうだな!」
頭下げて体真っ直ぐ、目だけ下向いて
右足を後ろにして膝を曲げる。
腕は横、指を揃える。
これでさっきのセリフだな!
「拙者、フォーコと申す。
冒険者にならんとツレと里を出た!ござる!
しょしゃも無知でござる!何卒……ござる!」
バチーーーーーーーーン!!!
「全くダメダメですわ!?
それでもリョウゴ様のパートナーですの!?
頭下げすぎよ!目も白目になってるじゃない!
膝曲げすぎだわ! 腕は大丈夫ね!
やり直しよ!!
セリフは全然ダメね、ポンコツなんですから
何回もやって覚えなさい!
そうだわ!スオーロ!来てちょうだいな」
「なんで?なんで?よんだ?
あれれれれ?フォーコがいる!です!」
「スオーロ、今からわたくしが言う言葉を
そこの地面に書いてちょうだい」
(……伝え中……)
「なんで?なんで?いいよ書くよ!です!」
(……カキカキ……)
「エオリカ~、フォーコなにしてるのー?
なんでそんな奇妙なポーズをとってるのー?
何かの修行の一環なのー?
スオーロが書いているのは一体何なのー?」
『ふぉっふぉっふぉっ!火精霊と闇精霊じゃな。
よくぞ戻ったわい。
風と土の、主らは何をしておるのだ?
火精霊の奇妙な動きは、昔見た事あるのぉ
言葉も知っておるなー
前に居った彼奴じゃ
<シンコク・アツジ>じゃったかな?
「拙者、流浪の武士でござる!」
って言っておった者がいたのぉ
奇妙な服着とって
カタナっちゅう武器持っておったのよな。』
「番人様ー。
その<シンコク・アツジ>ってのさー
ここフェリーチェから
海を渡って東にずっと行った所にある国
<アイゼンコク(愛染国)>の初代武将じゃないー?
オレっち知ってるー!
それにしても変な言葉だよねー
お辞儀の仕方も不思議~」アハハハ!
『ほっほっほ。あの国の火山におる番人
<ロッソドラーゴ>が言うておったわ。
独特の文化を持っておって
皆<はかま>っちゅう服を着ておるとな。
<アイゼンコク>では 当たり前の言語であるからの
そう笑うでないぞ』ククク……
------------------------------------------------
頭はこう、目線は地面、姿勢!膝!
腕がこう!で、言葉!
「拙者、名をフォーコと申す。
今回、冒険者にならんとして
連れ合いと郷里を出でた次第でござる。
所作も多様に無知故、
何卒お容れ願う次第にござる。」
「そう!それよ!でも、少し堅苦しいかしらね?
ちょっと変更しましょう~!
後は只管練習よ! 」
「火ヨ、帰ったカ、遊ぼ、遊ぼ!
何してる? カッコイイな、オレもヤル。」
「おう!フィアマ!挨拶の練習だぜ!
冒険者には必要な礼儀作法ってやつだ!
カッコイイか!一緒にやろうぜ!
覚えたらフィアマも冒険者になれるぜ!」
・
・
・
・
「フォーコ、完璧ニ 覚えたナ!
オレは冒険者、ならない。
フォーコハ、あの人族と頑張ってくれ。
終わったら遊ぼ。」
段々良くなってきたわね! あともう少しね!
リョウゴ様、わたくしが完璧な
フォーコをお創りして差し上げるわ~!
だから安心して下さいな~。
まだまだやるわよ~ 練習あるのみ!
ですのよ~!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※戦国好きな方、1部セリフに 武士言葉を笑ってる箇所がありますが、決してバカにしてるわけではありませんので、悪しからず。
36
お気に入りに追加
1,902
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
うどん五段
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる