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迷宮14-4)みんなで栽培頑張ろう!
しおりを挟むわたしの叫びに呼応して、迷宮全体が小刻みに揺れた。
ちっちゃな地震みたいな状態に、ルーくんはおろおろだ。
ごめんねルーくん。
でもわたし、ほんっとうに虫はだめ。
蜘蛛とかムカデとか。
足がわさわさしている感じとか。
ましてや一メートルを超えるムカデなんて、想像もしたくないっ。
「迷宮さん泣いてる? ごめんね?」
『……ううん、わたしが聞いたのですし、ルーくんは悪くないのですよ』
うぅっ。
わたしが聞いたんだものね、他の迷宮の事。
でもまさか、そんな大きな虫がいるとは思わなかったの。
ビジュアル的には、迷宮と巨大な虫ってとっても似合うと思うんだけれどね。
あっ、またちょっと想像しちゃって鳥肌が。
ほんとに迷宮に鳥肌が出るわけじゃないけど、気持ち的にね。
「きっと、地下にしかいないから、迷宮さんの迷宮は大丈夫だよ。ね?」
いいながら、ルーくんはわたしの意識がある壁を撫でさすった。
ルーくん、優しいなぁ。
うんうん、わたしの迷宮には、ケロケロさんもいますからね。
そんな巨大な虫さんは、迷宮に入る前にお帰りいただいちゃいます。
ぽこんぽこん、ぽこんぽこん♪
気を取り直して、わたしは土をぽこぽこして耕す。
その土を、ゴーレムさんとソードさんが整えて、階段の隣にも花壇ができた。
ルーくんが抜いてくれた雑草は、スライムさんがごっくん!
雑草なんか食べて大丈夫かなって思って聞いてみたら、大丈夫なんだって。
そういえば、初めてあったときはわたしの迷宮の壁をもぐもぐしていたものね。
雑草は意外と美味しいそうな。
コビットさんが花壇の上に、パラパラっと何かの種を撒く。
コビットさんは、どこから種を持ってくるんだろう?
『こびこーび、こびっ☆』
『秘密なのー? ふふっ、いつか教えてね』
『こびこび☆』
――数日後。
新しい花壇には、炎を灯したような花が生えた。
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