14 / 83
序章
第13話 アレクシエル襲来
しおりを挟む
歓声が落ち着き一段落した頃、サミエムは静かに舞台から降り、僕に頭を下げた。自分勝手にやった謝罪だろうか?まぁ、お金自体には困っていないからいいが‥‥
「サミエム‥‥頭を上げてくれよ、僕は別に不満になんて思ってないよ」
「ありがとう、灰崎‥‥さて、ステータス更新だろ?時間取らせて悪かった、行こうぜ!」
彼が受付に向かって走り出す。それを追いかけるように僕もついていった。
「冒険者ギルド受付です、ご用件はなんでしょうか?」
「ステータス更新をお願いします」
「かしこまりました!少々お待ちください‥‥おめでとうございます!魂術師が12レベルとなりましたよ‥‥あら?スキルポイントが多く溜まっていますね‥‥これならダブルライセンスが出来そうですよ」
「ダブルライセンス‥‥?」
「はい、基本的に最初についた職業を変えることは出来ませんが、それは絶対ではありません。実際には2つほど変える方法があります。1つは、職業進化でございます。基本職からランクアップさせる時の方法でございます。しかし、灰崎様は魂術師でございますので進化先がありません」
「2つ目の方法であるダブルライセンスは、上級職のみに適用されるものです。こちらは、大量のスキルポイントを消費して同ランク以下の同系統職業を追加するということが出来ます。追加という形なため、職業進化のように元の職業が使えないことはありません」
「なるほど‥‥うーん、スキルを取るか職業を取るかですか‥‥少し考えても?」
「どうぞ!」
「ありがとうございます」
さて、どうしたものか‥‥上の段階にあるスキルを取れば戦闘の選択肢は増えるのか?基本的に魂縛化が重要になってくるし、それを売って生計を立てる予定だからなぁ‥‥もし、職業を取れば魂術師以外の戦い方も出来るし、選択肢も増える‥‥
「よし、決めました!ダブルライセンスをします」
「かしこまりました、ではリストをお持ちいたしますので少々お待ちください‥‥」
多分これはいい選択だと思うけど、大丈夫かな?そもそも魂術師と相性が良い職業を見つけられるかな?あれ‥‥スキルポイントって共通して使えるものなのかな?帰ってきたら聞いてみよう。
「おーい、灰崎!」
「あれ、サミエムさん?」
「おっ、まだやってたのか、俺はもう終わらせたぜ!」
「早いですね」
「おうよ、MPとか関係ないから名前がかっこいい奴選ぶんだよ、はは!」
「ははは、そんな選び方して後悔したことってないの?」
「なくはない!」
「えぇ‥‥」
「お待たせいたしました!こちらがリストでございます」
「え、なんで職業リストなんだよ?」
「あぁ、ダブルライセンスしたからだよ」
「ダブルライセンス‥‥って、お前何レベルになったんだ?」
「えっと、12だったかな?」
「俺はまだ8レベルなのに‥‥ぐぬぬ」
「まぁ元々レベル差があったから仕方がないよ」
「いいぜ、それでこそ抜かし甲斐があるってもんだ!」
よし、魔術系の職業‥‥魔術‥‥あっ、これっていいかも‥‥でも、これもいいなぁ。あぁ、迷う!すごく迷う!あっ、決める前にあれ聞いとくか。
「すみません、スキルポイントについて聞きたいことが‥‥」
「はい、なんでしょうか?」
「ダブルライセンスで取った職業で得たスキルポイントって他の職業でも使えますか?」
「ええ、使えますよ。しかし、職業レベルは1からじゃなく元の職業を参照します。だから、ダブルライセンスでスキルポイントを大量獲得とはいきません」
「なるほど、ありがとうございます」
「それで決まったの、灰崎」
「もう少し待ってくれよ‥‥あっ、これだ‥‥この職業が合いそうなだ!」
「やっと決まりそうだなぁ‥‥待ちわびたぜぇ」
「すみません、この幻術師を取りたいです」
「はい、分かりました!少々お待ちください‥‥はい、これでダブルライセンス完了です!」
「ありがとうございます‥‥お待たせ、サミエム」
「おう、じゃあ今日はどこ行こうか?平原じゃレベル上がりにくそうだ‥‥し‥‥え?」
彼が唐突に口ごもる。どうやら驚きと恐怖が入り混じった感情の色をしているから‥‥なんだろう?分かんないなぁ‥‥うん?前にいる人がずっとこっちを見てる?なんだろう‥‥とりあえずお金持ちというのは分かる。見るからに品質の良い鎧だ‥‥この辺じゃ扱ってないだろうな。
「ようやく見つけたぞ、サミエム」
「なんでこんなところにいるんだよ、兄さん!」
「兄さん?」
「そっちの彼は誰だ?」
「こいつは、ただの‥‥知り合いだよ」
「そうか、なら都合が良い、帰るぞ」
「今更なんだよ‥‥あの家には帰らないからな!」
「そういうと思った、だから力づくでも帰らせる」
「‥‥灰崎、絶対に手を出すなよ」
「別に2人でも構わない、その時は彼も連れていくことになるが」
「うるさい、俺は帰らない!」
「駄々をこねているだけで隙だらけだ」
「うっ‥‥」
「サミエム!」
「さぁ‥‥君はどうする?個人的には弟の恩人に手荒な真似をしたくないから、大人しくして欲しいが」
「‥‥悪いですが、彼には僕も恩がある‥‥まぁ、お相子って感じだけど‥‥」
「お喋りが過ぎるようだな、はぁ!」
「うぐっ‥‥」
頭に強い衝撃が走り、目の前が段々と暗くなる。あぁ‥‥これが、気をうしな‥‥そこで僕の記憶は終わった。
「サミエム‥‥頭を上げてくれよ、僕は別に不満になんて思ってないよ」
「ありがとう、灰崎‥‥さて、ステータス更新だろ?時間取らせて悪かった、行こうぜ!」
彼が受付に向かって走り出す。それを追いかけるように僕もついていった。
「冒険者ギルド受付です、ご用件はなんでしょうか?」
「ステータス更新をお願いします」
「かしこまりました!少々お待ちください‥‥おめでとうございます!魂術師が12レベルとなりましたよ‥‥あら?スキルポイントが多く溜まっていますね‥‥これならダブルライセンスが出来そうですよ」
「ダブルライセンス‥‥?」
「はい、基本的に最初についた職業を変えることは出来ませんが、それは絶対ではありません。実際には2つほど変える方法があります。1つは、職業進化でございます。基本職からランクアップさせる時の方法でございます。しかし、灰崎様は魂術師でございますので進化先がありません」
「2つ目の方法であるダブルライセンスは、上級職のみに適用されるものです。こちらは、大量のスキルポイントを消費して同ランク以下の同系統職業を追加するということが出来ます。追加という形なため、職業進化のように元の職業が使えないことはありません」
「なるほど‥‥うーん、スキルを取るか職業を取るかですか‥‥少し考えても?」
「どうぞ!」
「ありがとうございます」
さて、どうしたものか‥‥上の段階にあるスキルを取れば戦闘の選択肢は増えるのか?基本的に魂縛化が重要になってくるし、それを売って生計を立てる予定だからなぁ‥‥もし、職業を取れば魂術師以外の戦い方も出来るし、選択肢も増える‥‥
「よし、決めました!ダブルライセンスをします」
「かしこまりました、ではリストをお持ちいたしますので少々お待ちください‥‥」
多分これはいい選択だと思うけど、大丈夫かな?そもそも魂術師と相性が良い職業を見つけられるかな?あれ‥‥スキルポイントって共通して使えるものなのかな?帰ってきたら聞いてみよう。
「おーい、灰崎!」
「あれ、サミエムさん?」
「おっ、まだやってたのか、俺はもう終わらせたぜ!」
「早いですね」
「おうよ、MPとか関係ないから名前がかっこいい奴選ぶんだよ、はは!」
「ははは、そんな選び方して後悔したことってないの?」
「なくはない!」
「えぇ‥‥」
「お待たせいたしました!こちらがリストでございます」
「え、なんで職業リストなんだよ?」
「あぁ、ダブルライセンスしたからだよ」
「ダブルライセンス‥‥って、お前何レベルになったんだ?」
「えっと、12だったかな?」
「俺はまだ8レベルなのに‥‥ぐぬぬ」
「まぁ元々レベル差があったから仕方がないよ」
「いいぜ、それでこそ抜かし甲斐があるってもんだ!」
よし、魔術系の職業‥‥魔術‥‥あっ、これっていいかも‥‥でも、これもいいなぁ。あぁ、迷う!すごく迷う!あっ、決める前にあれ聞いとくか。
「すみません、スキルポイントについて聞きたいことが‥‥」
「はい、なんでしょうか?」
「ダブルライセンスで取った職業で得たスキルポイントって他の職業でも使えますか?」
「ええ、使えますよ。しかし、職業レベルは1からじゃなく元の職業を参照します。だから、ダブルライセンスでスキルポイントを大量獲得とはいきません」
「なるほど、ありがとうございます」
「それで決まったの、灰崎」
「もう少し待ってくれよ‥‥あっ、これだ‥‥この職業が合いそうなだ!」
「やっと決まりそうだなぁ‥‥待ちわびたぜぇ」
「すみません、この幻術師を取りたいです」
「はい、分かりました!少々お待ちください‥‥はい、これでダブルライセンス完了です!」
「ありがとうございます‥‥お待たせ、サミエム」
「おう、じゃあ今日はどこ行こうか?平原じゃレベル上がりにくそうだ‥‥し‥‥え?」
彼が唐突に口ごもる。どうやら驚きと恐怖が入り混じった感情の色をしているから‥‥なんだろう?分かんないなぁ‥‥うん?前にいる人がずっとこっちを見てる?なんだろう‥‥とりあえずお金持ちというのは分かる。見るからに品質の良い鎧だ‥‥この辺じゃ扱ってないだろうな。
「ようやく見つけたぞ、サミエム」
「なんでこんなところにいるんだよ、兄さん!」
「兄さん?」
「そっちの彼は誰だ?」
「こいつは、ただの‥‥知り合いだよ」
「そうか、なら都合が良い、帰るぞ」
「今更なんだよ‥‥あの家には帰らないからな!」
「そういうと思った、だから力づくでも帰らせる」
「‥‥灰崎、絶対に手を出すなよ」
「別に2人でも構わない、その時は彼も連れていくことになるが」
「うるさい、俺は帰らない!」
「駄々をこねているだけで隙だらけだ」
「うっ‥‥」
「サミエム!」
「さぁ‥‥君はどうする?個人的には弟の恩人に手荒な真似をしたくないから、大人しくして欲しいが」
「‥‥悪いですが、彼には僕も恩がある‥‥まぁ、お相子って感じだけど‥‥」
「お喋りが過ぎるようだな、はぁ!」
「うぐっ‥‥」
頭に強い衝撃が走り、目の前が段々と暗くなる。あぁ‥‥これが、気をうしな‥‥そこで僕の記憶は終わった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
辺境領の底辺領主は知識チートでのんびり開拓します~前世の【全知データベース】で、あらゆる危機を回避して世界を掌握する~
昼から山猫
ファンタジー
異世界に転生したリューイは、前世で培った圧倒的な知識を手にしていた。
辺境の小さな領地を相続した彼は、王都の学士たちも驚く画期的な技術を次々と編み出す。
農業を革命し、魔物への対処法を確立し、そして人々の生活を豊かにするため、彼は動く。
だがその一方、強欲な諸侯や闇に潜む魔族が、リューイの繁栄を脅かそうと企む。
彼は仲間たちと協力しながら、領地を守り、さらには国家の危機にも立ち向かうことに。
ところが、次々に襲い来る困難を解決するたびに、リューイはさらに大きな注目を集めてしまう。
望んでいたのは「のんびりしたスローライフ」のはずが、彼の活躍は留まることを知らない。
リューイは果たして、すべての敵意を退けて平穏を手にできるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる