上 下
8 / 16

忘れられた言葉の庭

しおりを挟む
 老学者オリバーは、忘れられた言葉を保護する庭を持っていた。

 この庭には使われなくなった言葉が花として咲いており、彼はそれらを大切に育てていた。

 ある日、若い詩人がこの庭を訪れた。彼は新しい詩を書くインスピレーションを求めていた。

「どうしてこれらの言葉を守るのですか?」

 と詩人が尋ねた。オリバーは静かに答えた。

「言葉には力があります。使われなくなったからといって、その価値が失われるわけではありません。ここでは、それぞれの言葉が新たな息吹を得ています」

 詩人は庭を散策し、忘れられた言葉たちから美しくも儚い詩を紡ぎだした。

 
しおりを挟む

処理中です...