♡ちょっとエッチなアンソロジー〜BL編〜♡

♡小豆色の乳首を舐めながら♡

　早朝、義男は小豆島に釣りに出かけた。釣り船を借り、沖に向かう。客は義男だけだった。

　船長の保は船を止めた。

「さ、やってくれ」

　竿を出して釣りを始める。太陽が波に反射して泳いでいる。穏やかに時間が過ぎる。

「竿あげてくれー」

　保の言う通りに義男は竿を上げた。


　小豆色の乳首を舐めながら義男が言う。

「男ならみんなこうするのさ。アメリカの大統領だって、アリストテレスだって、みんなみんなこうするのさ。こうしてきたのさ」

　小豆色の乳首を舐めながら義男は言う。

「君はいつもそう言うね。みんなそうしてきたって。でもそうは思わないな。だって僕は男じゃないか。男はあまり男の乳首を舐めないものだよ」

　船長が上目遣いの義男の眼を見ながら言う。

　暗い嵐の中温め合う2人。この世界のアダムとイブはここで命が潰えようともそれに抗うのだ。

「結局の所命というものは、その存在が僕たちの眼前にあらわれることはなかった。ついぞなかった。今の今までは。でも僕は今この瞬間に命の萌え出る新芽をここに捉えているのだ。そう、この瞬間、僕たちはすでに生命の誕生以前の存在になっているのだ。そう僕は確信している」

　義男は小豆色の乳首を舐めながら言う。

「…そういうものなのかもしれないな」

　船長は舐められながらそう答えた。

　いつの間にか嵐は去っていた。小豆島が水平線から小豆大の乳首程に顔を出していた。義男はそれを舐めたいと思った。