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♡ 和馬は駅前で自身のバナナを露出させて、腰を回した♡
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「バナナブーンブーンブーン!」
和馬は駅前で自身のバナナを露出させて、腰を回した。
夏の間はみな、和馬の前で涼み、一息ついた。
「ふぅ~涼しい~」
「今年の夏は異常だね~」
「いつもありがとう」
だが夏が過ぎると、みな手のひらを返したように見向きもしなくなる。
「まだやってるよ」
「寒っ」
「やめさせろよ駅員」
駅員は和馬が善意でやっている事を知っている。人々のためを思ってやっている事を知っている。だからいつもやめさせる時は気が引ける。
「和馬さん…今年の夏はもう、終わったんだよ」
「ブーンブーンブブーン」
「和馬さん、ね、もういいんだ」
「ブーンブーンブブーン」
「和馬!!」
「ブブ…ひっく、ブーン、ひっくブブーン」
「和馬さん、もう歳なんだし、今年はもう、来年また、ね」
駅員は諭すように言った。和馬は首を振り、涙を拭いながら腰を回した。
「ブーンブブブブーーーンバキッ!!!」
「……え?」
凄まじい音が和馬の腰からして、回転が止まった。
「だ、大丈夫?すごい音したけど」
和馬は動かない。いや、動けない。
「やっと止まったよ」
「季節感ないやつって目障りだよね」
「電池切れw」
道行く人のヤジがやたら大きく聴こえる。
「ふひゅー、ふひゅー、ふひゅー」
和馬は呼吸をするだけで精一杯だった。
「あ、今お医者さん、呼んでくるから」
駅員はそう言ってその場を去った。その後ろ姿がどこか、嬉しそうだった。
和馬は駅前で自身のバナナを露出させて、腰を回した。
夏の間はみな、和馬の前で涼み、一息ついた。
「ふぅ~涼しい~」
「今年の夏は異常だね~」
「いつもありがとう」
だが夏が過ぎると、みな手のひらを返したように見向きもしなくなる。
「まだやってるよ」
「寒っ」
「やめさせろよ駅員」
駅員は和馬が善意でやっている事を知っている。人々のためを思ってやっている事を知っている。だからいつもやめさせる時は気が引ける。
「和馬さん…今年の夏はもう、終わったんだよ」
「ブーンブーンブブーン」
「和馬さん、ね、もういいんだ」
「ブーンブーンブブーン」
「和馬!!」
「ブブ…ひっく、ブーン、ひっくブブーン」
「和馬さん、もう歳なんだし、今年はもう、来年また、ね」
駅員は諭すように言った。和馬は首を振り、涙を拭いながら腰を回した。
「ブーンブブブブーーーンバキッ!!!」
「……え?」
凄まじい音が和馬の腰からして、回転が止まった。
「だ、大丈夫?すごい音したけど」
和馬は動かない。いや、動けない。
「やっと止まったよ」
「季節感ないやつって目障りだよね」
「電池切れw」
道行く人のヤジがやたら大きく聴こえる。
「ふひゅー、ふひゅー、ふひゅー」
和馬は呼吸をするだけで精一杯だった。
「あ、今お医者さん、呼んでくるから」
駅員はそう言ってその場を去った。その後ろ姿がどこか、嬉しそうだった。
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