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第6章 憩いの場【oh!湯♡】
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しおりを挟む「すいません“ミカさん“、私のせいで・・・」
「ううん、“しまるくん“は何も悪くないよ、私が悪いの」
「“ミカさん“だって何も悪くないじゃないですか」
「・・・」
「大変だな、ハゲの上に気難しい彼氏持つと」
と“おじいA“が言った。
「あなた達も悪いんだからね!」
そう言って“ミカエル“は手に持っていた固形石鹸を“おじいA“にポイと投げた。固形石鹸は“おじいA“の頭に当たり、跳ねて“おじいB“の頭にも当たった。
「おいおい、従業員が客に向かって暴力はいかんぜよ」
“おじいB“が湯船の中に落ちた固形石鹸を拾い上げながら言った。
「ベーだ」
“ミカエル“は舌を出しながら言った。
「私は、そろそろ・・・」
気まずくなった“しまる“は立ち上がり言った。
「うん、またね」
“ミカエル“が微笑みながら言った。
「また来いよ、あんちゃん」
おじい達が言った。
“しまる“は服を着て、憩いの場【oh!湯】を後にした。
アパートに近づくと、バイクのエンジン音がアパートの1階の駐車場からした。このアパートは4階建てで、1階部分は丸々駐車場になっている。部屋はワンフロア3部屋で、合計9つの部屋がある。“しまる“は2階の203号室に住んでいる。
エンジン音が消えた。バイクに跨っていた人物がヘルメットを取ると、そこには黒髪ロングの、美しい女性の顔があった。
「あ・・・」
“しまる“がそう口に出すと、バイクに跨っていた女性がヘルメットを小脇に抱えた状態で“しまる“の方を向いた。
「あ、あの・・・」
「何?」
黒髪ロングの女性は無愛想にそう言った。
「あ、ここのアパートの住人でいらっしゃいますでしょうか?」
「そうだけど?」
「あ、私は春から【ちゅっぽん大学】に通うためにこのアパートの203号室に越してきた“穴吹しまる“と申します」
「そう、私は301号室の“古澤飛鳥“」
「よ、よろしくお願いします」
「あなたの1つ先輩」
そう言って“飛鳥“は駐車場のすぐ脇にある螺旋階段をカンカンと上って自身の部屋へと向かった。
“しまる“は下から部屋に入る“飛鳥さん“の姿を眺めていた。
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