♡ちゅっぽんCITY♡

x頭金x

文字の大きさ
上 下
11 / 67
第2章 “飛鳥さん”家

11

しおりを挟む
 “旅人“が目を覚ますと、そこには見知らぬ天井があった。どこの天井だろう、と思案していると、

「起きた?」

 と聴き覚えのある声がした。“飛鳥さん“だ。“旅人“が寝ている布団のそばで、文庫本を読んでいる。

「こ、ここは・・・」

 “旅人“がそう言うと、“飛鳥さん“は私ん家、と文庫本を読みながらそっけなく言った。

「あ、あの・・・なぜ僕はここに・・・」

 “旅人“は記憶が曖昧で、“飛鳥さん“に殴られた事も覚えていなかった。だから“飛鳥さん“はぷすぷす笑いを溢しながら、ここに至った経緯を説明した。

「あ・・・そうか・・・ハットが落ちて・・・“飛鳥さん“に殴られてここに・・・」

(でもどうやって・・・“飛鳥さん“がおぶってここまで!?くそう!なぜ覚えていない!!)

 “旅人“が悔しがっていると、玄関のドアをバンバン叩く音がした。

(なんだ?一人暮らしじゃないのか?)

「ああ、今行くから」

 “飛鳥さん“はそう言うと文庫本を置いて立ち上がり、ドアを開けた。そこには2メートルを越すゴリラがウホウホ言いながら立っていた。

「あ、あんた家まで運んだのこいつ」

 “飛鳥さん“はゴリラの頭を撫でながら言った。そしてバナナを渡した。ゴリラはウホホと喜んだ。“飛鳥さん“はゴリラを見送り、ドアを閉めた。

「あんた5時間も気絶してたのよ」

 “飛鳥さん“が床に置かれた時計を見ながら言った。“旅人“も見ると、時刻は11時を回っていた。

「あ・・・もうこんな時間・・・」

 “旅人“が起き上がると、頭がクラクラ、顎がズキズキした。

「まだ起き上がるのは無理よ、寝てなさい」

 “飛鳥さん“はそう言うと“旅人“の禿げ上がったおでこをツンと突いた。“旅人“はまたベッドに横になった。

「で、でも・・・宿を探さないと」

 “旅人“がそう言うと、“飛鳥さん“は眉間に皺を寄せて

「あんた馬鹿?ここにあるじゃない」

 と言った。

「え・・・泊まっていいんですか?」

 “旅人“が股間にテントを張りながら言った。

「まあ、私のせいだしね、今日だけは」

 “旅人“はおっきした。だから布団の中で右手でその隆起を押さえて、悟られないようにした。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

処理中です...