♡ちゅっぽんCITY♡

第1章 海辺の喫茶店【シナプる】

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「ふう・・・死ぬところだったわ」

　“飛鳥さん“が床を見ながら言った。そしておもむろに顔を上げ“旅人“の顔を見るやいなやまた唾を吹き出したので、“旅人“はまたその唾をありがたく舌で舐めとった。

「・・・ダメだわ・・・“マスター“、早く帽子被せて頂戴」

　“飛鳥さん“が“旅人“に背を向けながら言った。

「えー、こんなに面白いのに？」

「仕事にならないわ」

「もー仕方ないなー、はい、もういいよ」

　“マスター“がそう言うと、“飛鳥さん“は振り向いた。

「んくーー！！！くくくくく」

　そこにはまだ落武者状態の“旅人“に“マスター“着用の丸メガネを掛けさせられた“旅人“の姿があった。

「んふーす！！！んふーす！！」

　あくまでも無表情をキープしようとする“飛鳥さん“の鼻から大量の笑い息が漏れた。

「だから・・・殺す気かて・・・んふ・・・んふ・・・」

　また背を向けて“飛鳥さん“は言った。

「ごめんごめん、今度こそ大丈夫だから、振り向いていいよ」

　“マスター“がそう言うと、

「ホントね？嘘だったらタダじゃ置かないから」

「うん、ホントホント」

　と“マスター“が言うから“飛鳥さん“が振り向くと、そこには落武者状態で眼鏡を掛けて、マジックで髭をかかれて真面目な顔して週刊誌を読んでいる“旅人“の姿があった。

「んくーんす！！んくーんす！！！！」

　鼻から笑い息と共に鼻水を噴射させながら“飛鳥さん“は耐えた。全身をブルブル振るわせながら、“飛鳥さん“は耐えた。もちろん耐えきれなくて、“旅人“を殴り飛ばして強制的に視界から消し去った。