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連載
ある日のドワーフさんと絹さん親子日記 番外編
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ここはドワーフさんたちの集落。親方たちの他にも若返ったドワーフさんたちがたくさん。もともと好奇心旺盛で働くのが大好きなドワーフさんたち。おいちゃんやおばあちゃん、サーヤがもたらす異世界の物や知識に食いつかないわけがない。
ということで、
『体が若返って腰や肩が軽くなったからね』
『やりたいこといくらでもできるね』
『俺たちだって有り余った力を思いっきり使えるぞ』
『いやぁ、最初に話聞いた時はたまげたが、親方達についてきて正解だったな!』
『違いないね!』
『『『『『ガハハハハ!』』』』』
豪快に笑いながら手は動いている。
『よう!調子はどうだ?』
『親方、おかみさんも』
『励んでるようだね。今日は仕事を持ってきたんだよ』にやっ
『聞くか?』にやっ
親方とおかみさんが意味ありげにニヤッとすると
『『おお?』』キラン
『『なんだい?』』キラン
『もったいづけずに教えろよ』うずうず
『やりがいがある仕事だろうね?』うずうず
ドワーフさんたちの目の色が変わった
『ふふん。天界の凛からサーヤたちに届け物があってな』
『どうやらひな祭りってやつらしいんだけどさ』
『『『うんうん』』』
『『『それで?』』』
ドワーフさんたち、目がランラン
『サーヤに着物が届いたんで、どんな祭りか凛さんに昔の写真ってのをを見せてもらったんだよ』
『そしたらよ、こんな立派な人形なんだよ。ついでに、ひな祭りが女の子の節句で、男の子はまた別にあるらしいんだ』
『で、男の子の節句はゲンの家の飾りの前でサーヤが写った写真があってな。これだ』
親方が凛さんに借りてきた写真をドワーフさんたちに見せる
『おお、これが前の世界のサーヤか、前の黒髪も似合うなぁ』
『どれどれ、うんうん。可愛いねぇ。ん?もしかしてこれ』
『ゲンか?わはは!ほんとにジジィだったんだな!』
サーヤを片手で抱っこし、もう他方の手で、あやめの刀を掲げ、歯を見せ笑う歳をとったゲンさんの写真が。
『でも、じいさんでもいいガタイしてんね』
『たしかに。そんじゃこれが』
『『『『凛さんか⋯』』』』
『なんつうか、婆さんなんだろうけど』
『なんとも言えない迫力があるっつうか』
『優しそうなのに、逆らっちゃヤバい感が⋯』
『美人には違いないね』
『あとは⋯』
みんなある一点を、じーぃぃぃっ
『うん。見なかったことにしよう』
『そうそう。迫力美人ってことさえ覚えてればね』
『着物美人ってこれだね、きっと』
『似合ってるよな』
『『『うんうん』』』
皆さん、ある一点に関しては、口に出すことすらしないようです。恐ろしいんだね。
『あらあらまあまあ、一点とはどこのことかしら?』
さあ?
『こほん。んで、この写真を見せたってことは作るんだろ?これを』にや
『そうだ。しかもな、聖域の分だけじゃなく、天界にも献上するんだよ』
『しかも、雛人形と兜、鯉のぼりと両方さ』
『『『『『『天界にぃ!?』』』』』』
『そ、そりゃあ神様にってことか?』
ドワーフさんたち、天界と聞いて一気に色めきだった
『正確には天界に保護されてる子たちにってことらしいぞ』
『ほら、山桜桃達みたいな子がたくさんいるんだってさ』
『でもよ!神様もご覧になるんだろ?』
その通り。だけど
『何言ってんだい。今だっているじゃないかい』
『しかも何人も会ってるだろ』
『『『『『『あ』』』』』』
『そうだった』
『当たり前に居すぎて忘れてたね』
『『だな』』
『『うん』』
そう。神様ならいつもいる。今更すぎる。
『でよ?この着物の柄、紋織って言って縦糸と横糸の浮き沈みで模様を出すらしいんだよ』
『あと、着物も木目込みっていう着せ方と、衣裳着人形ってのがあるんだってさ』
『『『『『やる!』』』』』
きゅるる『やる』
きゅるるん『『『『『『『がんばる!』』』』』』』
『『『『『『えっ!?』』』』』』
突如聞こえた声に驚くドワーフさんたち。さっきまで影も形ももなかったのに!
『お?絹さんに子グモたちも来たのか』
『気づかなかったね』
でも、さすが親方夫婦。全く動じない。
きゅるる『隠密目指してるから』
きゅるるん『『『ぜっさん』』』
きゅるるん『『『『しゅぎょうちゅう!』』』』
『『なるほど』』
『子グモちゃんたちまですごいね』
きゅるるん『『『『『『『えっへん!』』』』』』』
親方たちあっさり納得しちゃうんだね。胸を張る子グモちゃんたちも可愛いし。
きゅるる『こんな楽しいことドワーフだけ、ダメ』
きゅるるん『『『『『『『だめーっ!』』』』』』』
絹さん親子だって着物と聞いたら黙ってられない。なんたって絹さんだし、子グモちゃんたちだって糸や織物の名前だもんね。
『うんうん。そうだよな』
『糸は絹さんたちに頼むしね』
きゅるる『まかせる』
きゅるるん『『『おま』』』
きゅるるん『『『『かせー!』』』』
やる気満々!
『兜はゲンに聞くしかないよな』
『だね。鯉のぼりは大きさどうするかね』
『それはヴァル様⋯じゃなくてバートさんに聞いた方がいいな』
『そうだね』
鍛冶神ヴァル様を崇拝するドワーフさんたちだけど、ヴァル様に聞いたら
〖でかけりゃでかいほどいいぞ!気合いだ気合!ガハハハハ〗
とでも返ってきそうなのは予想がついた。だって脳筋だから
〖脳筋じゃねぇ!〗
だから、冷静な判断ができるバートさんが正解だと思ったようだ。
〖おや?私の意見はよろしいのですか?ふふ〗
エル様も何か恐ろし⋯じゃなくて無茶振りされそう⋯口には絶対出さないけど⋯
『ま、まあ、とにかく始めようぜ!』
『そうだね。ねえ、この雛人形用の着物ってさ、反物も柄も小さくていいんだよね?』
『あ?そうだな』
『じゃあさ、本格的に子グモちゃんサイズの一人用織り機あっていいんじゃないかい?もちろん私らの人形用もさ。大きな織り機作って仕組みが分かったから小さくするのも楽だろ?』
『たしかに。そうだな。良し!作るか!』
きゅるるん『『『ほんと?』』』キラキラ
きゅるるん『『『『じぶんよう?』』』』キラキラ
今まで大きな織り機一台を七人で協力して織っていた子グモちゃんたち。いよいよ自分専用と聞いて期待に目が、キラッキラ
『ああ!任せときな!』
『良かったね。子グモちゃんたち』
きゅるるん『『『『『『『うん!ありがとう!』』』』』』』
きゅるる『親方たち、ありがとう』
『『いいってことよ!』』にかっ
そんなこんなで、天界の凛さんからの贈り物は、結果、ドワーフさんたちや、子グモちゃんたちにもプレゼントをもたらした!
そして
『おーい!サーヤ!凛さんから『私たち寿命伸びたし、サーヤが行き遅れることもないから大丈夫!』って、手紙と一緒に遅いひな祭りが届いたぞ。なんかやたら立派な折り紙で出来た雛人形と、料理とサーヤの着物だな』
『あらあらまあまあ、行き遅れって⋯あら?でも行き遅れてくれた方が嬉しいような?』
さすが天界のおばあちゃん。そして、こっちのおばあちゃん。サーヤと一緒に居られるなら行き遅れて大丈夫!
「ふおおおっ!じぇっちゃい!おいちいやちゅ!たくしゃん!」キラキラ
色とりどりのご馳走が目の前に!
『サーヤ、口拭こうな。それに届いたのは食いもんだけじゃないぞ』ふきふき
「ふお?しゅっごー、じぇんぶ、おりがみ!たっちぇりゅ!」
おばあちゃんとエルフさん達が作った折り紙雛人形。お雛様にお内裏様はもちろん、三人官女や五人囃子も。そして、ぼんぼりや菱餅、御所車、五人囃子の楽器に至るまで全て折り紙!しかも全部自立してる!すごい!
『着物は『お正月やお月見にも使えるように』だってさ。羽織やショールまでついてるな』
赤地に橙の井桁紋様の絣の着物。これなら色んな時に切られそう。揃いの羽織に、手編みの毛糸のショールが。色は着物の橙に合わせている。とってもあったかそう!サーやの好きなフリンジで縁取られてます!
「しゅごい!いま、きちゃい!かあいい!」
『うん。そうだな』
『あらあらまあまあ、待って、サーヤ』
「う?」
『ゲンさん、足袋は大丈夫そうだけど、下駄の鼻緒は調節してあげてって手紙にあるわよ』
「う?」
『ああ、たしかに、足にちゃんと合わせた方がいいよな。鼻緒の硬さは⋯うん。叩いてくれたみたいだな。当たりは柔らかそうだ。サーヤ、先に足袋履いて鼻緒付けちまおう』
「あい!ひみょ、きいりょ!あかいちぇっく!かあい!」
『あらあらまあまあ、半衿も帯も黄色ね。明るくていいわね』
「あい!」
コンコンコン!
『よっしゃ!どうだ?痛くないか?』
「だいじぶ!いちゃくにゃい!」カランコロン♪
『そうか。まあ、痛くなったらちゃんと言うんだぞ』
「あい!」
『良かったわね。じゃあ、着つけたらスマホで天界の皆さんに見ていただきましょう。髪は編み込みでハーフアップにしましょうか。黄色いおリボンあったわよね』
「あい!」
そして
「いりゅしゃま、じーにしゃま、しあしゃま、さーやでしゅよ!」にぱっ
飾ってもらったお雛様の前で、着物姿で手を振るサーヤ。手には可愛くぬいぐるみ⋯ではなく、右手にいちご大福、左手に三色団子。天界からの贈り物。お口の周りもなんかちょっと?
〖〖〖サーヤーっ〗〗〗うるうるうる
〖あああっサーヤ可愛いよ~〗
「えへ?」
しょう?
〖サーヤ、くるっと回って!〗
「あい♪くりゅん☆」
〖〖いやぁ可愛いわぁ!〗〗ぎゅうっ
「えへへ?しょう?」
袖をちょこって持って、はい!ポーズ☆
〖ああっ何しても可愛い~!〗
涙流して画面に張り付く皆さん⋯
『サーヤ、ほら、言うことあるだろ?』
「ほあっ!しょでちた。おきもにょ、ごはん、おかち、たくしゃん!おひにゃしゃみゃ、あいがちょ!」にぱっ
ズキュンっ!
『『『『うっ!』』』』
『お主らも打ちぬかれたかの』
『まあ、仕方ないよな』
〖ええ。お口の周りの大福の白い粉さえ可愛く見えます〗
〖そこは見えないフリしてやれよ。ま、同感だけどな〗
『ああ、サーヤ、今すぐ会いに行きたいわ』はらはら
サーヤたちが映し出された大画面を隠れて見てた皆さんとエルフさんたち。エルフさんたちはやっぱり撃ち抜かれて悶えてます。仕方ない!
「こりぇかりゃ、おきがえちて、たべりゅにょ!おにぎい!」
『おばあちゃんのお雛様おにぎりな。せっかくの着物汚せないからな』
「あい!だかりゃ、ばいばい!」
〖〖〖えっ?〗〗〗
〖サーヤ、待って~〗
〖サーヤ、もう少しっ〗
〖サーヤ、お話をっ〗
「ばいば~い」ブツっ
〖〖〖あああ~〗〗〗
〖そんな~〗がくっ
〖〖サーヤ~ぁ〗〗おいおい
『あらあらまあまあ、サーヤったら⋯』
『主神様方、哀れよの⋯』
『ガハハハハ!俺たちの飯が勝ったわけだ!』
〖こういうのなんと言うのでしたか?〗
〖花より団子じゃねえか?〗
『そうね。サーヤがごめんさい』
私ももう少し見ていたかったわ。しくしく
聖域でも
『あ~あ、可哀想なことしたな。すまん。凛さん、イル様たち。色気より食い気、花より団子は抑えられなった⋯』
「おいち♪」もっきゅもっきゅ
おいちゃんが謝っていた。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。またまた、『元おばあちゃん~』の番外編から受けております。よろしかったらそちらもお読みいただけると嬉しいです。
感想、エールなどもありがとうございます。
ということで、
『体が若返って腰や肩が軽くなったからね』
『やりたいこといくらでもできるね』
『俺たちだって有り余った力を思いっきり使えるぞ』
『いやぁ、最初に話聞いた時はたまげたが、親方達についてきて正解だったな!』
『違いないね!』
『『『『『ガハハハハ!』』』』』
豪快に笑いながら手は動いている。
『よう!調子はどうだ?』
『親方、おかみさんも』
『励んでるようだね。今日は仕事を持ってきたんだよ』にやっ
『聞くか?』にやっ
親方とおかみさんが意味ありげにニヤッとすると
『『おお?』』キラン
『『なんだい?』』キラン
『もったいづけずに教えろよ』うずうず
『やりがいがある仕事だろうね?』うずうず
ドワーフさんたちの目の色が変わった
『ふふん。天界の凛からサーヤたちに届け物があってな』
『どうやらひな祭りってやつらしいんだけどさ』
『『『うんうん』』』
『『『それで?』』』
ドワーフさんたち、目がランラン
『サーヤに着物が届いたんで、どんな祭りか凛さんに昔の写真ってのをを見せてもらったんだよ』
『そしたらよ、こんな立派な人形なんだよ。ついでに、ひな祭りが女の子の節句で、男の子はまた別にあるらしいんだ』
『で、男の子の節句はゲンの家の飾りの前でサーヤが写った写真があってな。これだ』
親方が凛さんに借りてきた写真をドワーフさんたちに見せる
『おお、これが前の世界のサーヤか、前の黒髪も似合うなぁ』
『どれどれ、うんうん。可愛いねぇ。ん?もしかしてこれ』
『ゲンか?わはは!ほんとにジジィだったんだな!』
サーヤを片手で抱っこし、もう他方の手で、あやめの刀を掲げ、歯を見せ笑う歳をとったゲンさんの写真が。
『でも、じいさんでもいいガタイしてんね』
『たしかに。そんじゃこれが』
『『『『凛さんか⋯』』』』
『なんつうか、婆さんなんだろうけど』
『なんとも言えない迫力があるっつうか』
『優しそうなのに、逆らっちゃヤバい感が⋯』
『美人には違いないね』
『あとは⋯』
みんなある一点を、じーぃぃぃっ
『うん。見なかったことにしよう』
『そうそう。迫力美人ってことさえ覚えてればね』
『着物美人ってこれだね、きっと』
『似合ってるよな』
『『『うんうん』』』
皆さん、ある一点に関しては、口に出すことすらしないようです。恐ろしいんだね。
『あらあらまあまあ、一点とはどこのことかしら?』
さあ?
『こほん。んで、この写真を見せたってことは作るんだろ?これを』にや
『そうだ。しかもな、聖域の分だけじゃなく、天界にも献上するんだよ』
『しかも、雛人形と兜、鯉のぼりと両方さ』
『『『『『『天界にぃ!?』』』』』』
『そ、そりゃあ神様にってことか?』
ドワーフさんたち、天界と聞いて一気に色めきだった
『正確には天界に保護されてる子たちにってことらしいぞ』
『ほら、山桜桃達みたいな子がたくさんいるんだってさ』
『でもよ!神様もご覧になるんだろ?』
その通り。だけど
『何言ってんだい。今だっているじゃないかい』
『しかも何人も会ってるだろ』
『『『『『『あ』』』』』』
『そうだった』
『当たり前に居すぎて忘れてたね』
『『だな』』
『『うん』』
そう。神様ならいつもいる。今更すぎる。
『でよ?この着物の柄、紋織って言って縦糸と横糸の浮き沈みで模様を出すらしいんだよ』
『あと、着物も木目込みっていう着せ方と、衣裳着人形ってのがあるんだってさ』
『『『『『やる!』』』』』
きゅるる『やる』
きゅるるん『『『『『『『がんばる!』』』』』』』
『『『『『『えっ!?』』』』』』
突如聞こえた声に驚くドワーフさんたち。さっきまで影も形ももなかったのに!
『お?絹さんに子グモたちも来たのか』
『気づかなかったね』
でも、さすが親方夫婦。全く動じない。
きゅるる『隠密目指してるから』
きゅるるん『『『ぜっさん』』』
きゅるるん『『『『しゅぎょうちゅう!』』』』
『『なるほど』』
『子グモちゃんたちまですごいね』
きゅるるん『『『『『『『えっへん!』』』』』』』
親方たちあっさり納得しちゃうんだね。胸を張る子グモちゃんたちも可愛いし。
きゅるる『こんな楽しいことドワーフだけ、ダメ』
きゅるるん『『『『『『『だめーっ!』』』』』』』
絹さん親子だって着物と聞いたら黙ってられない。なんたって絹さんだし、子グモちゃんたちだって糸や織物の名前だもんね。
『うんうん。そうだよな』
『糸は絹さんたちに頼むしね』
きゅるる『まかせる』
きゅるるん『『『おま』』』
きゅるるん『『『『かせー!』』』』
やる気満々!
『兜はゲンに聞くしかないよな』
『だね。鯉のぼりは大きさどうするかね』
『それはヴァル様⋯じゃなくてバートさんに聞いた方がいいな』
『そうだね』
鍛冶神ヴァル様を崇拝するドワーフさんたちだけど、ヴァル様に聞いたら
〖でかけりゃでかいほどいいぞ!気合いだ気合!ガハハハハ〗
とでも返ってきそうなのは予想がついた。だって脳筋だから
〖脳筋じゃねぇ!〗
だから、冷静な判断ができるバートさんが正解だと思ったようだ。
〖おや?私の意見はよろしいのですか?ふふ〗
エル様も何か恐ろし⋯じゃなくて無茶振りされそう⋯口には絶対出さないけど⋯
『ま、まあ、とにかく始めようぜ!』
『そうだね。ねえ、この雛人形用の着物ってさ、反物も柄も小さくていいんだよね?』
『あ?そうだな』
『じゃあさ、本格的に子グモちゃんサイズの一人用織り機あっていいんじゃないかい?もちろん私らの人形用もさ。大きな織り機作って仕組みが分かったから小さくするのも楽だろ?』
『たしかに。そうだな。良し!作るか!』
きゅるるん『『『ほんと?』』』キラキラ
きゅるるん『『『『じぶんよう?』』』』キラキラ
今まで大きな織り機一台を七人で協力して織っていた子グモちゃんたち。いよいよ自分専用と聞いて期待に目が、キラッキラ
『ああ!任せときな!』
『良かったね。子グモちゃんたち』
きゅるるん『『『『『『『うん!ありがとう!』』』』』』』
きゅるる『親方たち、ありがとう』
『『いいってことよ!』』にかっ
そんなこんなで、天界の凛さんからの贈り物は、結果、ドワーフさんたちや、子グモちゃんたちにもプレゼントをもたらした!
そして
『おーい!サーヤ!凛さんから『私たち寿命伸びたし、サーヤが行き遅れることもないから大丈夫!』って、手紙と一緒に遅いひな祭りが届いたぞ。なんかやたら立派な折り紙で出来た雛人形と、料理とサーヤの着物だな』
『あらあらまあまあ、行き遅れって⋯あら?でも行き遅れてくれた方が嬉しいような?』
さすが天界のおばあちゃん。そして、こっちのおばあちゃん。サーヤと一緒に居られるなら行き遅れて大丈夫!
「ふおおおっ!じぇっちゃい!おいちいやちゅ!たくしゃん!」キラキラ
色とりどりのご馳走が目の前に!
『サーヤ、口拭こうな。それに届いたのは食いもんだけじゃないぞ』ふきふき
「ふお?しゅっごー、じぇんぶ、おりがみ!たっちぇりゅ!」
おばあちゃんとエルフさん達が作った折り紙雛人形。お雛様にお内裏様はもちろん、三人官女や五人囃子も。そして、ぼんぼりや菱餅、御所車、五人囃子の楽器に至るまで全て折り紙!しかも全部自立してる!すごい!
『着物は『お正月やお月見にも使えるように』だってさ。羽織やショールまでついてるな』
赤地に橙の井桁紋様の絣の着物。これなら色んな時に切られそう。揃いの羽織に、手編みの毛糸のショールが。色は着物の橙に合わせている。とってもあったかそう!サーやの好きなフリンジで縁取られてます!
「しゅごい!いま、きちゃい!かあいい!」
『うん。そうだな』
『あらあらまあまあ、待って、サーヤ』
「う?」
『ゲンさん、足袋は大丈夫そうだけど、下駄の鼻緒は調節してあげてって手紙にあるわよ』
「う?」
『ああ、たしかに、足にちゃんと合わせた方がいいよな。鼻緒の硬さは⋯うん。叩いてくれたみたいだな。当たりは柔らかそうだ。サーヤ、先に足袋履いて鼻緒付けちまおう』
「あい!ひみょ、きいりょ!あかいちぇっく!かあい!」
『あらあらまあまあ、半衿も帯も黄色ね。明るくていいわね』
「あい!」
コンコンコン!
『よっしゃ!どうだ?痛くないか?』
「だいじぶ!いちゃくにゃい!」カランコロン♪
『そうか。まあ、痛くなったらちゃんと言うんだぞ』
「あい!」
『良かったわね。じゃあ、着つけたらスマホで天界の皆さんに見ていただきましょう。髪は編み込みでハーフアップにしましょうか。黄色いおリボンあったわよね』
「あい!」
そして
「いりゅしゃま、じーにしゃま、しあしゃま、さーやでしゅよ!」にぱっ
飾ってもらったお雛様の前で、着物姿で手を振るサーヤ。手には可愛くぬいぐるみ⋯ではなく、右手にいちご大福、左手に三色団子。天界からの贈り物。お口の周りもなんかちょっと?
〖〖〖サーヤーっ〗〗〗うるうるうる
〖あああっサーヤ可愛いよ~〗
「えへ?」
しょう?
〖サーヤ、くるっと回って!〗
「あい♪くりゅん☆」
〖〖いやぁ可愛いわぁ!〗〗ぎゅうっ
「えへへ?しょう?」
袖をちょこって持って、はい!ポーズ☆
〖ああっ何しても可愛い~!〗
涙流して画面に張り付く皆さん⋯
『サーヤ、ほら、言うことあるだろ?』
「ほあっ!しょでちた。おきもにょ、ごはん、おかち、たくしゃん!おひにゃしゃみゃ、あいがちょ!」にぱっ
ズキュンっ!
『『『『うっ!』』』』
『お主らも打ちぬかれたかの』
『まあ、仕方ないよな』
〖ええ。お口の周りの大福の白い粉さえ可愛く見えます〗
〖そこは見えないフリしてやれよ。ま、同感だけどな〗
『ああ、サーヤ、今すぐ会いに行きたいわ』はらはら
サーヤたちが映し出された大画面を隠れて見てた皆さんとエルフさんたち。エルフさんたちはやっぱり撃ち抜かれて悶えてます。仕方ない!
「こりぇかりゃ、おきがえちて、たべりゅにょ!おにぎい!」
『おばあちゃんのお雛様おにぎりな。せっかくの着物汚せないからな』
「あい!だかりゃ、ばいばい!」
〖〖〖えっ?〗〗〗
〖サーヤ、待って~〗
〖サーヤ、もう少しっ〗
〖サーヤ、お話をっ〗
「ばいば~い」ブツっ
〖〖〖あああ~〗〗〗
〖そんな~〗がくっ
〖〖サーヤ~ぁ〗〗おいおい
『あらあらまあまあ、サーヤったら⋯』
『主神様方、哀れよの⋯』
『ガハハハハ!俺たちの飯が勝ったわけだ!』
〖こういうのなんと言うのでしたか?〗
〖花より団子じゃねえか?〗
『そうね。サーヤがごめんさい』
私ももう少し見ていたかったわ。しくしく
聖域でも
『あ~あ、可哀想なことしたな。すまん。凛さん、イル様たち。色気より食い気、花より団子は抑えられなった⋯』
「おいち♪」もっきゅもっきゅ
おいちゃんが謝っていた。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございます。またまた、『元おばあちゃん~』の番外編から受けております。よろしかったらそちらもお読みいただけると嬉しいです。
感想、エールなどもありがとうございます。
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アルフォート家の3男、エリアス・アルフォート3歳は、毎日楽しく屋敷の広い広い庭を、お友達のぷるちゃん(スライム)とウルちゃん(ホワイトウルフ)と一緒に走り回っておりました。
そして4歳の誕生日の日。この日は庭でエリアスの誕生日パーティーが開かれていました。その時何処からかエリアスの事を呼ぶ声が。その声を前に聞いた事があるエリアスは、声のする庭の奥へ、ぷるちゃんとウルちゃんと3人進んで行きます。そこでエリアス達を待っていたものは?
剣と魔法そしてもふもふの溢れる世界で、繰り広げられるエリアスの大冒険。周りを巻き込みながら、今日もエリアスはやらかします!
*エリアス本人登場は2話からとなります。
もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!
ありぽん
ファンタジー
いつも『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』をご愛読いただき、ありがとうございます。
10月21日、『もふもち』コミカライズの配信がスタートしました!!
江戸はち先生に可愛いジョーディ達を描いていただきました。
先生、ありがとうございます。
今後とも小説のジョーディ達、そしてコミカライズのジョーディ達を、よろしくお願いいたします。
*********
小学3年生の如月啓太は、病気により小学校に通えないまま、病院で息を引き取った。
次に気が付いたとき、啓太の前に女神さま現れて、啓太自身の話を聞くことに。
そして啓太は別の世界の、マカリスター侯爵家次男、ジョーディ・マカリスターとして転生することが決まる。
すくすくそだった啓太改めジョーディは1歳に。
そしてジョーディには友達がいっぱい。でも友達は友達でも、人間の友達ではありません。
ダークウルフの子供にホワイトキャットの子供に。何故か魔獣の友達だらけ。
そんなジョーディの毎日は、父(ラディス)母(ルリエット)長男(マイケル)、そしてお友達魔獣達と一緒に、騒がしくも楽しく過ぎていきます。
自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ
饕餮
ファンタジー
書籍発売中!
詳しくは近況ノートをご覧ください。
桐渕 有里沙ことアリサは16歳。天使のせいで異世界に転生した元日本人。
お詫びにとたくさんのスキルと、とても珍しい黒いにゃんこスライムをもらい、にゃんすらを相棒にしてその世界を旅することに。
途中で魔馬と魔鳥を助けて懐かれ、従魔契約をし、旅を続ける。
自重しないでものを作ったり、テンプレに出会ったり……。
旅を続けるうちにとある村にたどり着き、スキルを使って村の一番奥に家を建てた。
訳アリの住人たちが住む村と、そこでの暮らしはアリサに合っていたようで、人間嫌いのアリサは徐々に心を開いていく。
リュミエール世界をのんびりと冒険したり旅をしたりダンジョンに潜ったりする、スローライフ。かもしれないお話。
★最初は旅しかしていませんが、その道中でもいろいろ作ります。
★本人は自重しません。
★たまに残酷表現がありますので、苦手な方はご注意ください。
表紙は巴月のんさんに依頼し、有償で作っていただきました。
黒い猫耳の丸いものは作中に出てくる神獣・にゃんすらことにゃんこスライムです。
★カクヨムでも連載しています。カクヨム先行。
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