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521 ドワーフさんたちの力と、内緒話
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「ううぅ⋯つくしちゃん」しくしくなでなで
『つくし、しっかりするだ⋯』なでなで
『ちいにいちゃん、おきてなんだな』しくしくなでなで
『⋯⋯』
めーめーさん達のお布団を借りて、つくしちゃんを寝かせてもらってます。サーヤたちはなでなでしながら、つくしちゃんを呼んでるけど、おっきしてくれません。
〖あ~ん、ごめんなさ~い〗
ジーニ様も反省してます。そして
『エル様、神様にこんなことを何度も申し上げるのは、誠に心苦しいのですがの』
『もう少し、ご自分の影響力をお考えにならんとのぉ』
〖申し訳ない〗
今回、つくしちゃんという犠牲が出てしまったことで、再びじぃじと亀じぃによるお説教タイムに⋯
『おいおい。つくし、生きてるからな?』
『あらあらまあまあ、サーヤったら、大丈夫よ。直ぐに目を覚ますわよ。ぽぽちゃんも、なずなちゃんも泣かないで』
「うぅぅつくしちゃん」
『はいなんだな』
『ちいにいちゃん⋯』
早くおっきちて。
そして、気絶と言えば
『『『あんたっ』』』バシバシっ
『『『う~ん⋯』』』
『情けねぇな』
『こんくらいのことで』
『気絶するなんてよ』
親方たち、聖域に馴染み過ぎて感覚麻痺。きっと気絶した方が正常な反応。
〖そう言えば、どうして親方の息子さんたちを連れてこられたのかしら?〗
シア様が聞くと、
『それが、私も教えて貰っていないのですわ』
『そうにゃのだ。奥様方はほぼ誘拐状態なのにゃ』
アイナ様とニャーニャはありのままを伝える。
『うむ。まあ、大体の察しはつくが、一応、ジーニ様、シア様それからリノに意見を求めようと考えられたのではないか?』
アルコン様は一応、フォロー?
『え?私にもですの?』
神々はともかく自分の名が出たことに驚くリノ様。
リノ様の名が出たところで、アイナ様とニャーニャも、何かに気づいたようです。
『ええ。そうでしたわ。ドワーフさん達なのですが、どうやら特別な力をお持ちなようなのですが、まだ目覚めてはいないようなのです』
『目覚めの兆しは見せてるのにゃ。それが今回、里を救ってたのにゃ』
『それで、ジーニ様とシア様、リノ様にも見極めてもらいたいのだ』
アイナ様、ニャーニャ、アルコン様がそう話すと驚いたのは
『ええ?』
『うちのがかい?』
『まさか、そんな大層なことに?』
訳が分からぬまま連れてこられた奥様方と
『ああ?息子がか?』
『なんの冗談だ?』
『一体どんな力があるってんだ?』
父親の親方たち。
〖ふ~ん?話を聞かせてちょうだい〗
〖そうですね。聞かせていただきましょう〗
『お願い致しますわ』
対して女神様は冷静です。
みんなが聞く準備が整うと、アイナ様たちが話し出します。
話し出される内容にみんなびっくり。
『はあ、まさかなぁ』
『息子達にそんな力があるなんてな』
『だが、そのおかげで里は助かったってことか』
親方たちもびっくりしてます。
それから、つくしちゃんが寝かされている場所から少々離れた場所に移動し、深刻な話になりそうだと、念の為、サーヤたちにこちらの話は聞こえないように、ジーニが魔法をかけて話をしている。
〖う~ん〗
〖困りましたね〗
『やはり、アイナの里のそばでもおかしなことが起こっていたのですね』
話を聞いていたジーニ様、シア様、リノ様がそれぞれの反応を見せると
〖それで、どう思いますか?〗
当たり前のようにエル様が話に参加。でも
『エル様、お話はまだ終わっておりませんでのぉ』
『今は致し方ありませんのでの、また後ほど続きをいたしませんとの』
亀じぃと、じぃじ、後ろから釘を刺す⋯
〖⋯⋯〗
エル様、逃げられないようですよ。
『う~ん、ジーニ様、ほんとにこの坊主ども、何か特別なもんを持ってるのか?』
親方が信じられないと、唸りながら聞いてます。
〖確かに、何か持ってそうね〗
〖そうですね。でも、そうすると少々やっかいですね〗
『⋯⋯』
女神様二人のお話に、リノ様が珍しく押し黙ってしまっています。
『⋯お姉様、どうかお気になさらないで。私のことを思って下さっていらっしゃるのでしょう?』
そっとリノ様の手をとってアイナ様がリノ様に話しかけます。
『アイナ⋯』
なんと言ったらいいのか分からないというお顔のリノ様、言葉が続きません。
そんなリノ様に代わって、アイナ様が話し出しました。
『ジーニ様とシア様が、厄介だと感じられていらっしゃること。それは、地の精霊王である私の治める土地に住まうドワーフさん方に、光の精霊王の管轄である聖魔法を持つ者が現れたこと。そして、わざわざその方たちを、エル様がこちらに連れていらしたということは、おそらく名付けをした方が良いと判断されたからですわよね〗
〖⋯そうね〗
〖その通りよ〗
『⋯⋯』
ジーニ様たちが頷きます。リノ様は無言で俯いたまま。
〖問題は誰が名を付けるかということ。本来ならば、私が行うべきでしょうが、聖魔法のことを考えた場合、私よりもリノお姉さま、もしくはサーヤちゃんに名をつけて頂いた方が良いかもしれないということですわよね』
『アイナ⋯』
アイナ様の話にリノ様も気づいていた。
アイナ様は真っ直ぐな目で、リノ様に語りかける。
『お姉様、私は、お姉様に名を付けて頂いても良いと考えておりますわ。ですが、心配なのは、私以外の誰かが名を付けた場合に起こるかもしれない問題なのですわ』
『そうにゃね、リノ様が名付けをしても、ご主人の加護がなくなるわけではないから、まだなんとかなると思うにゃ。ですがにゃ、サーヤちゃんが名付けをした場合、聖域の外に住まうドワーフさんたちに、どんな影響が出るか分からないにゃ。それに、もしかしたら、ヤツが何かを感じ取ってしまう可能性もあるにゃ』
そう、ドワーフたちは永きに渡り地の精霊王アイナ様の治める地に住まい、加護を受けてきた。
親方たちが今、聖域にいる以上、外界のドワーフの長は、事実上、親方の息子だ。
その息子に地の精霊王アイナ様が名をつけるなら分かるが、光の精霊王であるリノ様が名前をつけるとなると、アイナ様の力が揺らぐのではないか⋯
そして、ニャーニャの言う通り、アイナ様がいくら結界の力を強めたとはいえ、やはり聖域のそれには及ばない。そこにサーヤから名をもらった者がいれば、ヤツに何か勘づかれるかもしれない。落ちたとはいえ元は神、侮ることは出来ない。だが、名を頂くことで確実に力を得ることは出来るはず。
難しい問題だ⋯
〖そうね。ニャーニャの言う通り。ただ、サーヤの名付けが一番強い力を得られる可能性が高いのは確かなのよね〗
〖そうですね。ですが、危険性も上がります〗
〖我々、神がつける訳にもいかないですしね〗
神様も悩んでいる。だがそこに
『ねえ?それならぁ、私が名付ければいいんじゃなぁい?』
結葉様が唐突に発言した。のほほんと。
〖〖〖え?⋯あっ!〗〗〗
神様は一瞬考えたものの、直ぐに結葉様の考えが分かったらしい。
『お母様がですの?』
『どういうことでしょうか?』
『分からないにゃ』
アイナ様、リノ様、ニャーニャはまだ分からないようで
『んもう!私はあなた達のなぁに?』
結葉様が何で気づかないの?ってぷんすか。さっきまでのシリアスっぽいのはどこへ?
『え?何と言われましても?』
『お母様ですわよね?』
『そうにゃね?』
三人とも、だから何?って感じです。
『んもうっ!だからぁ』
〖ふふ。アイナ、リノ、ニャーニャ、結葉はあなた達、精霊王全員の母よね?〗
〖と、言うことは?くすくす〗
ぷんすかしてる結葉様を遮ってジーニ様とシア様がヒントをくれるが
〖〖う~ん?〗〗
『なんにゃ?』
どこまでも悩むアイナ様たち
〖〖ええ?まだダメ?〗〗
『んもう~どうしてぇ?』
まだ分からない三人に逆に驚くジーニ様たち。でも、ここには理解者がいた。
『あ~無理ねぇんじゃねぇか?』
『そうだよなぁ、結葉様をよく知らないヤツの方がむしろ気づくんじゃねぇか?』
『だよなぁ。この三人、チビの頃から酷い目にしか会ってないだろうからなぁ』
『『『うんうん。違いないね』』』
親方たちが、うんうんっと、頷きながら言うと息子さんたちの奥さん方も思いっきり頷いている。
〖なるほど。盲点でしたね〗うんうん
エル様、妙に納得。
『ああ、そうだな』
アルコン様も、遅れて納得。
『つまりこういうことですかの?「全ての精霊王を生み出した偉大なる母」という、わしらの認識が』
『精霊王様たちは、幼い頃からの記憶から思いつかない。と、言うことですかのぉ?』
じぃじと亀じぃがまとめると
『『『そうそう』』』
『『『その通り』』』
ドワーフさんたち、またまた力強く、うんうん。
『『なんとも難儀なことですの(ぉ)』』
じぃじと亀じぃの目からは何かがポロリと⋯
『ええ~?なんでかしらぁ?』
〖〖⋯⋯〗〗
ジーニ様とシア様、結葉様を見る目が、冷たい。
〖結葉、あんた⋯〗
ハーっと、ため息のジーニ様に
『『ううう~ん?』』
『分からないのにゃあ?』
〖ごめんなさい。アイナ、リノ、ニャーニャ。もう悩まなくていいのよ。もう大丈夫ですからね⋯ううっ〗
悩み続けるアイナ様たちをそっと抱きしめるシア様。シア様の目にも光るものが⋯
『あ~、だからな?アイナ様、ニャーニャ、それにリノ様。結葉様は精霊王様たちの母親だよな?』
親方たちが見かねて説明を始める
〖そうですわ〗
〖そうですわね〗
『そうにゃね?』
まだだから何?な、アイナ様たち
『全ての精霊王様たちの母親ってことはよ?結葉様には属性なんて関係ないってこったろ?』
丁寧に噛み砕いて説明していくドワーフさんたち
『あら?そう言えば?』
『そうですわね?』
『そうにゃね?』
まだ?マークがついているアイナ様たち
『全ての精霊王様たちの母親ってことは、精霊王様たちより格も上ってことだよな?』
ダメ押しにかかるドワーフさんたち
『もちろん、そのはず?』
『そのはず、ですわよね?』
『そのはずにゃ?』
うわぁ、根深い⋯
『それに神様やサーヤちゃんと違って、古くからこの地にいる訳だしね?』
『結葉様の気配を感じたって不思議はないんじゃないかい?』
『実際、昔は里にもいたわけだしね?』
奥様方、更にダメ押し
『確かに?そうですわね?』
『考えつきもしませんでしたわね?』
『みんなすごいにゃ。よく気づいたにゃね?』
『『本当ですわね~』』
ようやく理解が追いついてきたアイナ様たち
『ええ~?なんか、ひどくなぁい?』
納得いかなくてぷんすかする結葉に、みんな一斉に⋯
〖〖〖酷いのは〗〗〗
『『『『『『あんただよ!』』』』』』
みんなの声が揃ったのは言うまでもない。
『皆さんすごいですわねぇ』
『ほんとですわねぇ』
『頭いいにゃねぇ』
本気で感心しているアイナ様たちに
〖アイナ、リノ、ニャーニャ⋯ううっ〗ぎゅう
『『なんとの(ぉ)、おいたわしい』』
シア様と、じぃじたちの涙は止まらない⋯
『つくし、しっかりするだ⋯』なでなで
『ちいにいちゃん、おきてなんだな』しくしくなでなで
『⋯⋯』
めーめーさん達のお布団を借りて、つくしちゃんを寝かせてもらってます。サーヤたちはなでなでしながら、つくしちゃんを呼んでるけど、おっきしてくれません。
〖あ~ん、ごめんなさ~い〗
ジーニ様も反省してます。そして
『エル様、神様にこんなことを何度も申し上げるのは、誠に心苦しいのですがの』
『もう少し、ご自分の影響力をお考えにならんとのぉ』
〖申し訳ない〗
今回、つくしちゃんという犠牲が出てしまったことで、再びじぃじと亀じぃによるお説教タイムに⋯
『おいおい。つくし、生きてるからな?』
『あらあらまあまあ、サーヤったら、大丈夫よ。直ぐに目を覚ますわよ。ぽぽちゃんも、なずなちゃんも泣かないで』
「うぅぅつくしちゃん」
『はいなんだな』
『ちいにいちゃん⋯』
早くおっきちて。
そして、気絶と言えば
『『『あんたっ』』』バシバシっ
『『『う~ん⋯』』』
『情けねぇな』
『こんくらいのことで』
『気絶するなんてよ』
親方たち、聖域に馴染み過ぎて感覚麻痺。きっと気絶した方が正常な反応。
〖そう言えば、どうして親方の息子さんたちを連れてこられたのかしら?〗
シア様が聞くと、
『それが、私も教えて貰っていないのですわ』
『そうにゃのだ。奥様方はほぼ誘拐状態なのにゃ』
アイナ様とニャーニャはありのままを伝える。
『うむ。まあ、大体の察しはつくが、一応、ジーニ様、シア様それからリノに意見を求めようと考えられたのではないか?』
アルコン様は一応、フォロー?
『え?私にもですの?』
神々はともかく自分の名が出たことに驚くリノ様。
リノ様の名が出たところで、アイナ様とニャーニャも、何かに気づいたようです。
『ええ。そうでしたわ。ドワーフさん達なのですが、どうやら特別な力をお持ちなようなのですが、まだ目覚めてはいないようなのです』
『目覚めの兆しは見せてるのにゃ。それが今回、里を救ってたのにゃ』
『それで、ジーニ様とシア様、リノ様にも見極めてもらいたいのだ』
アイナ様、ニャーニャ、アルコン様がそう話すと驚いたのは
『ええ?』
『うちのがかい?』
『まさか、そんな大層なことに?』
訳が分からぬまま連れてこられた奥様方と
『ああ?息子がか?』
『なんの冗談だ?』
『一体どんな力があるってんだ?』
父親の親方たち。
〖ふ~ん?話を聞かせてちょうだい〗
〖そうですね。聞かせていただきましょう〗
『お願い致しますわ』
対して女神様は冷静です。
みんなが聞く準備が整うと、アイナ様たちが話し出します。
話し出される内容にみんなびっくり。
『はあ、まさかなぁ』
『息子達にそんな力があるなんてな』
『だが、そのおかげで里は助かったってことか』
親方たちもびっくりしてます。
それから、つくしちゃんが寝かされている場所から少々離れた場所に移動し、深刻な話になりそうだと、念の為、サーヤたちにこちらの話は聞こえないように、ジーニが魔法をかけて話をしている。
〖う~ん〗
〖困りましたね〗
『やはり、アイナの里のそばでもおかしなことが起こっていたのですね』
話を聞いていたジーニ様、シア様、リノ様がそれぞれの反応を見せると
〖それで、どう思いますか?〗
当たり前のようにエル様が話に参加。でも
『エル様、お話はまだ終わっておりませんでのぉ』
『今は致し方ありませんのでの、また後ほど続きをいたしませんとの』
亀じぃと、じぃじ、後ろから釘を刺す⋯
〖⋯⋯〗
エル様、逃げられないようですよ。
『う~ん、ジーニ様、ほんとにこの坊主ども、何か特別なもんを持ってるのか?』
親方が信じられないと、唸りながら聞いてます。
〖確かに、何か持ってそうね〗
〖そうですね。でも、そうすると少々やっかいですね〗
『⋯⋯』
女神様二人のお話に、リノ様が珍しく押し黙ってしまっています。
『⋯お姉様、どうかお気になさらないで。私のことを思って下さっていらっしゃるのでしょう?』
そっとリノ様の手をとってアイナ様がリノ様に話しかけます。
『アイナ⋯』
なんと言ったらいいのか分からないというお顔のリノ様、言葉が続きません。
そんなリノ様に代わって、アイナ様が話し出しました。
『ジーニ様とシア様が、厄介だと感じられていらっしゃること。それは、地の精霊王である私の治める土地に住まうドワーフさん方に、光の精霊王の管轄である聖魔法を持つ者が現れたこと。そして、わざわざその方たちを、エル様がこちらに連れていらしたということは、おそらく名付けをした方が良いと判断されたからですわよね〗
〖⋯そうね〗
〖その通りよ〗
『⋯⋯』
ジーニ様たちが頷きます。リノ様は無言で俯いたまま。
〖問題は誰が名を付けるかということ。本来ならば、私が行うべきでしょうが、聖魔法のことを考えた場合、私よりもリノお姉さま、もしくはサーヤちゃんに名をつけて頂いた方が良いかもしれないということですわよね』
『アイナ⋯』
アイナ様の話にリノ様も気づいていた。
アイナ様は真っ直ぐな目で、リノ様に語りかける。
『お姉様、私は、お姉様に名を付けて頂いても良いと考えておりますわ。ですが、心配なのは、私以外の誰かが名を付けた場合に起こるかもしれない問題なのですわ』
『そうにゃね、リノ様が名付けをしても、ご主人の加護がなくなるわけではないから、まだなんとかなると思うにゃ。ですがにゃ、サーヤちゃんが名付けをした場合、聖域の外に住まうドワーフさんたちに、どんな影響が出るか分からないにゃ。それに、もしかしたら、ヤツが何かを感じ取ってしまう可能性もあるにゃ』
そう、ドワーフたちは永きに渡り地の精霊王アイナ様の治める地に住まい、加護を受けてきた。
親方たちが今、聖域にいる以上、外界のドワーフの長は、事実上、親方の息子だ。
その息子に地の精霊王アイナ様が名をつけるなら分かるが、光の精霊王であるリノ様が名前をつけるとなると、アイナ様の力が揺らぐのではないか⋯
そして、ニャーニャの言う通り、アイナ様がいくら結界の力を強めたとはいえ、やはり聖域のそれには及ばない。そこにサーヤから名をもらった者がいれば、ヤツに何か勘づかれるかもしれない。落ちたとはいえ元は神、侮ることは出来ない。だが、名を頂くことで確実に力を得ることは出来るはず。
難しい問題だ⋯
〖そうね。ニャーニャの言う通り。ただ、サーヤの名付けが一番強い力を得られる可能性が高いのは確かなのよね〗
〖そうですね。ですが、危険性も上がります〗
〖我々、神がつける訳にもいかないですしね〗
神様も悩んでいる。だがそこに
『ねえ?それならぁ、私が名付ければいいんじゃなぁい?』
結葉様が唐突に発言した。のほほんと。
〖〖〖え?⋯あっ!〗〗〗
神様は一瞬考えたものの、直ぐに結葉様の考えが分かったらしい。
『お母様がですの?』
『どういうことでしょうか?』
『分からないにゃ』
アイナ様、リノ様、ニャーニャはまだ分からないようで
『んもう!私はあなた達のなぁに?』
結葉様が何で気づかないの?ってぷんすか。さっきまでのシリアスっぽいのはどこへ?
『え?何と言われましても?』
『お母様ですわよね?』
『そうにゃね?』
三人とも、だから何?って感じです。
『んもうっ!だからぁ』
〖ふふ。アイナ、リノ、ニャーニャ、結葉はあなた達、精霊王全員の母よね?〗
〖と、言うことは?くすくす〗
ぷんすかしてる結葉様を遮ってジーニ様とシア様がヒントをくれるが
〖〖う~ん?〗〗
『なんにゃ?』
どこまでも悩むアイナ様たち
〖〖ええ?まだダメ?〗〗
『んもう~どうしてぇ?』
まだ分からない三人に逆に驚くジーニ様たち。でも、ここには理解者がいた。
『あ~無理ねぇんじゃねぇか?』
『そうだよなぁ、結葉様をよく知らないヤツの方がむしろ気づくんじゃねぇか?』
『だよなぁ。この三人、チビの頃から酷い目にしか会ってないだろうからなぁ』
『『『うんうん。違いないね』』』
親方たちが、うんうんっと、頷きながら言うと息子さんたちの奥さん方も思いっきり頷いている。
〖なるほど。盲点でしたね〗うんうん
エル様、妙に納得。
『ああ、そうだな』
アルコン様も、遅れて納得。
『つまりこういうことですかの?「全ての精霊王を生み出した偉大なる母」という、わしらの認識が』
『精霊王様たちは、幼い頃からの記憶から思いつかない。と、言うことですかのぉ?』
じぃじと亀じぃがまとめると
『『『そうそう』』』
『『『その通り』』』
ドワーフさんたち、またまた力強く、うんうん。
『『なんとも難儀なことですの(ぉ)』』
じぃじと亀じぃの目からは何かがポロリと⋯
『ええ~?なんでかしらぁ?』
〖〖⋯⋯〗〗
ジーニ様とシア様、結葉様を見る目が、冷たい。
〖結葉、あんた⋯〗
ハーっと、ため息のジーニ様に
『『ううう~ん?』』
『分からないのにゃあ?』
〖ごめんなさい。アイナ、リノ、ニャーニャ。もう悩まなくていいのよ。もう大丈夫ですからね⋯ううっ〗
悩み続けるアイナ様たちをそっと抱きしめるシア様。シア様の目にも光るものが⋯
『あ~、だからな?アイナ様、ニャーニャ、それにリノ様。結葉様は精霊王様たちの母親だよな?』
親方たちが見かねて説明を始める
〖そうですわ〗
〖そうですわね〗
『そうにゃね?』
まだだから何?な、アイナ様たち
『全ての精霊王様たちの母親ってことはよ?結葉様には属性なんて関係ないってこったろ?』
丁寧に噛み砕いて説明していくドワーフさんたち
『あら?そう言えば?』
『そうですわね?』
『そうにゃね?』
まだ?マークがついているアイナ様たち
『全ての精霊王様たちの母親ってことは、精霊王様たちより格も上ってことだよな?』
ダメ押しにかかるドワーフさんたち
『もちろん、そのはず?』
『そのはず、ですわよね?』
『そのはずにゃ?』
うわぁ、根深い⋯
『それに神様やサーヤちゃんと違って、古くからこの地にいる訳だしね?』
『結葉様の気配を感じたって不思議はないんじゃないかい?』
『実際、昔は里にもいたわけだしね?』
奥様方、更にダメ押し
『確かに?そうですわね?』
『考えつきもしませんでしたわね?』
『みんなすごいにゃ。よく気づいたにゃね?』
『『本当ですわね~』』
ようやく理解が追いついてきたアイナ様たち
『ええ~?なんか、ひどくなぁい?』
納得いかなくてぷんすかする結葉に、みんな一斉に⋯
〖〖〖酷いのは〗〗〗
『『『『『『あんただよ!』』』』』』
みんなの声が揃ったのは言うまでもない。
『皆さんすごいですわねぇ』
『ほんとですわねぇ』
『頭いいにゃねぇ』
本気で感心しているアイナ様たちに
〖アイナ、リノ、ニャーニャ⋯ううっ〗ぎゅう
『『なんとの(ぉ)、おいたわしい』』
シア様と、じぃじたちの涙は止まらない⋯
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だけど、女神さまのお陰で、剣と魔法のファンタジーな世界に転生することが出来た。しかも!若くててかっこいい身体と寿命で死なないおまけつき!
俺はそこで、ひたすらレベル上げを頑張った。やっぱり、異世界に来たのなら、俺TUEEEEEとかやってみたいからな。
まあ、三百年程で、世界最強と言えるだけの強さを手に入れたんだ。だが、俺はその強さには満足出来なかった。
そう、俺はレベル上げやスキル取得だけをやっていた結果、戦闘技術を上げることをしなくなっていたんだ。
レベル差の暴力で勝っても、嬉しくない。そう思った俺は、戦闘技術も磨いたんだ。他にも、モノづくりなどの戦闘以外のものにも手を出し始めた。
そしたらもう……とんでもない年月が経過していた。だが、ここまでくると、俺の知識だけでは、出来ないことも増えてきた。
「久しぶりに、人間に会ってみようかな?」
そう思い始めた頃、我が家に客がやってきた。
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