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372 風の妖精さんたち

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    みんなで、お料理、楽しいね!でも、ほんとにこの世界、お料理ないことにびっくりだね!

「あっ!しょうだ!むすびはしゃま」
大切なこと忘れてました!ダメダメです。

『なにかしらぁ?』

「ようしぇいしゃんちゃちと、とれちゃんと、ごらちゃんたちの、おれい、にゃにがいいかにゃ?」
まだ、お礼してないよね?い~っぱい働いてくれたのに。ちゃんとお礼しなきゃ!

『そうねぇ~?甘いお野菜で、いいんじゃないかしらぁ?妖精は甘いもの好きよぉ。あっ、そしたら甘いホットケーキでもいいかしらね?トレちゃんたちも、同じでいいんじゃないかしらぁ?』
あごに指を当てて可愛く考え中な結葉様。

「しょっか~。やきいみょ、とうもろこち、ほっちょけーき、どうかにゃ?」
た~くさん、いるもんね!妖精さんは土と緑の妖精さんいるし!
種類がある方がいいんじゃないかな?

『いいわねぇ~♪焼き芋は私たちのおやつにもいいんじゃなぁい?』
結葉様も嬉しそうです。石焼き芋大人気だね!じゃあ、石焼き芋は時間かかるから~。

「はーちゃ~んっ!」

石焼き芋は経験者の火の精霊・華火こと、はーちゃんにお願いしよう!

シュンっ
『なんだ?呼んだか?サーヤ』
呼んだ途端に目の前に、はーちゃんが現れました!

「ふあっ?」
びっくりです!呼んだばっかりです!

『ああ、すまん。俺様を呼ぶ声が聞こえたんでな?転移で来たんだよ。ワハハ!そんで、どうした?』

そ、そうでしたか。急いできてくれたんだね。ありがとうございます。
でも心臓には悪いです。
とにかく、来てくれたのでお願いしなきゃ!

「えっちょ、いちやきいみょ、ちゅくっちぇ?ようせいしゃんたちにょ、ぶんみょ」
はーちゃんにお願いです。石焼き芋係、お願いします!

『いいぞ!あれは、俺様も好きだしな!あ~でも、それでかぁ』

「うにゅ?」
何が、それでか?

『畑から妖精たちがよ、芋とか抱えてこっちに向かってんだよ。一列に並んで楽しそうにな?』

「ふえ?」
なんで?

『⋯多分、風の妖精が教えたんだと思うよ?』

「ふぉっ?」
だいちゃんまでいつの間に?しかも真横?

『風の妖精も畑で手伝ってましたしね』

「ふみゃっ?」
みーちゃんまで?反対側?

〖あなた達、あんまりサーヤで遊ばないであげて〗
はぁってため息つきながらジーニ様が、三人にめっ!てしてくれてます。

『俺様は呼ばれたから来ただけだぞ?』
確かに。はーちゃんはそうだよね。でも~

『⋯ごめん。ついつい』
『サーヤは反応が可愛いですからね』

「ぶーっ」
ほらぁ~。やっぱりわざとだ~

『『あ、膨らんだ』』
「ぶ~ぅ」
膨らんでないもん!

『ところで、やっぱり風の妖精もきたのねぇ?』
『はい。結葉様。緑の妖精と協力して、葉が密集したところに新鮮な風を送ったりして手伝っていましたよ』

みーちゃんが代表で答えてくれました。やっぱりこの三人だとそうなるんだね。

『風の妖精はおしゃべりですからね。おそらく、こちらで聞いたことを、すぐさま畑の妖精に伝えたのでしょう』
『ワハハ!それで、自分たちが食べたいやつを持って、こっちに向かってるんだろうな!』
『⋯欲望に忠実だから』

そ、そうなんだぁ。それにしても、伝わるのはやくない?

『⋯風だから』

へ、へ~。
そんな話しをしてたら

『おいっちに♪おいっちに♪』
『よいしょ♪よいしょ♪』
可愛い声が聞こえてきました。

『サーヤ~!』
『きたよ~!』
元気に下から土の妖精さんたちの声が!

「いらっちゃ~い」
わ~ほんとにいっぱい並んできた~

『これたべたい!』
『これたべたい!』
『はい!』
『はい!』
『きゃはは』

土の妖精さんが、さつまいもと、とうもろこしを抱えてる姿はなかなかすごいです。なにせ、さつまいもと、とうもろこしの方が妖精さんより大きいです。下手したらおいもが歩いてるみたいに見えます。なぜ一人一本?
お料理して!って、渡されるけど、サーヤじゃ持ちきれないから、はーちゃんが手伝ってくれます。

『あの、これ、おねがいしていいですか?』
『おねがいします』
『よろしくです』

今度は緑の妖精さん。遠慮がちに渡していきます。もじもじしてて、可愛いです。でもやっぱり、一人につき一本はなぜ?体より大きいのに食べ切れるのかな?それから

『こんにちは~』
『かぜのようせいで~す!』
『いとしごさま、よろしく~』
『わたしたちも、ここでおせわになりま~す』
『はたらかざるものくうべからずなんでしょ~?』
『ぼくたちも、おてつだいしたから~』
『『『これ!』』』
『『『おねがい♪』』』ぱっちん♪

最後にきゅるん♪って効果音つきそうなウインクです。
というか、たくさんお話がおしよせて来ました。

「ふわわわ?」
『いとしごさま?だめ~?』
だめ?はっ!
「めっ!ちやうよ!だいじぶ!あちょ!さーや!」
あぶないあぶない。妖精さんたち悲しませちゃうとこでした。

〖ふふっ、いっぺんに話しかけられてびっくりしちゃったのね〗
ジーニ様が、くすくす笑ってます。

『風の妖精はおしゃべりな子が多いからねぇ。サーヤのことは、サーヤって呼んであげてねぇ』
結葉様もちょっと笑いながら、風の妖精さんたちに言うと

『『『は~い!』』』
『『『わかったよ~!』』』
風の妖精さんたちは元気です!

すると、突然

『あっ!フゥさまだ~』
『『わ~!』』
『『『ほんものだ~』』』
わ~って盛り上がる風の妖精さんたち!

「ふぇ?」
『はい?フゥ⋯さ、ま?』

様?。な、なんだろね?フゥを見るとフゥも豆鉄砲食らったハトさんみたいな顔になってます。

『フゥさま~』
『あくしゅしてくださ~い』
『あっずるい~』
『わたしも~』
『ぼくも~』
『わ~!て、いっしょう、あらわな~い』
いやいや、洗って?ご飯食べられないよ?

『え?え?え?え?え?え?』
フゥが訳わかんなくてパニックです。

『フゥさまはあこがれ!』
『かぜのようせいのきぼうのほし!』
『ようせいから、いっきにせいれいさまに!』
『しかも、しゅごせいれいさま!』
『すごいです!』
『サインください!』
さ、さいん?フゥがもみくちゃです。フゥはますますパニック!お顔も真っ赤っか!

〖あ~、なるほどぉ。サーヤ、フゥとクゥは言ってみれば、妖精からしてみたら、もう異例も異例のありえない大出世なのよ〗

「ふえ?」
ジーニ様?どういうこと?

『『あっ!』』
フゥと、それに急に名前を出されたクゥも何かに気づいたみたいです。

『そうよねぇ、サーヤに会った時はまだこの子達と変わらない姿だったんでしょう?』
結葉様が呆れたように言います。

〖そう。出会って数分でサーヤに名前をつけてもらって、今の大きさに。その日の内に私たちのデタラメな加護の影響で精霊に。しかも、サーヤの守護精霊だからね~〗
やらかしちゃったわよね~。と、ジーニ様が言ってます。

『え?そうなのかい?』
『そりゃ、すごいね!』
『異例中の異例の成長じゃないかい!』
おかみさんたちも、知らされた事実にびっくりです。

『そのとおり!』
『フゥさまと』
『クゥさまは』
『ぜんぶのようせいの』
『あこがれ!』
『きぼうのほし!』

うわ~そういうことか~。

『『えええええ!?』』
『『いやいやいやいや』』
『『様いらない!様いらない!』』
わ~フゥとクゥ見事に全部はもってる~。仲良し~♪

風の妖精さんたちの出現にワーワーしてる横では

『お、おおおお?』
ワタワタする、はーちゃん一人。

『はなびさま~』
『これも~』
『これも~』
『おねがいしま~す』
『おねがいしま~す』

『ちょちょちょ、待て待てっ』
妖精さんたちが直接はーちゃんにおいも渡してます。どんどんどんどん渡してます。すごい量です。
『おいこら!二人とも手伝えよ!』
『⋯え~、しかたないなぁ』
『貸しですよ?』
『なんでだよ!』
こちらも、仲良しですね~

『わわわわ?』
『どんどん増えるだよ?』
『にいちゃ~ん!おわらないだ~!』

そして、ぽぽちゃんたちの所にも

『おねがいしま~す』
『これも~』
『これも~』
とうもろこしを渡していく妖精さんたち!

『わ~っ?待ってくれだよ~』
『うわ~ん、動けないだ~』
『にいちゃ~ん、うもれるだ~』
ぽぽちゃんたちが、叫びながらも高速で皮をむいてます!

うわ~茹でるお鍋、大っきいの作らないと追いつかないんじゃないかな?

『その前に』
『『たすけてなんだな~』』

⋯そうだね。ごめしゃい。
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